藤本和子のレビュー一覧

  • リチャード・ブローティガン

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    リチャード・ブローティガンをひととおり読み終わったあとにさ、これをさ、読んでさ、またリチャード・ブローティガンをひととおり読むワケ

    「物語を書くことの目的の一つは、「名もない」と一括される人びとの名を固有名詞にして呼び戻し、かれらの声を回復することにあると、わたしは思う。」(p.159)

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    2026年04月17日
  • 西瓜糖の日々

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     深読みする必要はないのかもしれない。
     そこにこの世界がある。それを素直に受け止め、そこに身を置く感覚でいいのかもしれない。

     しかしただの穏やかで牧歌的な世界というのではなく、アイデス(iDEAETH)という名のとおり、常に死を感じさせ、どこかさみしげだ。そしていつも不安とともにあることをも感じさせる。

     不思議な世界観で、どこがどうというのは難しいけれど、それでもなんか、とても良かったな、と言いたくなる作品。

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    2026年01月29日
  • 西瓜糖の日々

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    小川洋子さんのエッセイで
    取り上げられていたことから興味を持って。
    読み始めてすぐに、”出会ってしまった”と思った。
    生涯本棚に残しておきたい一冊。

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    2025年11月29日
  • 西瓜糖の日々

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    解説を読んだことを後悔した。この小説がどんな人に書かれて、そのときの時代背景のことなんか、全く知る必要はない。解釈も考察もいらない。ただ、西瓜糖で作られた橋やたくさんの川が流れる世界があって、九九を間違って教えてくる虎に両親は食べられてしまう。そのままのそれだけの世界。

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    2025年11月10日
  • 西瓜糖の日々

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    村上春樹と川上未映子の対談本で紹介されていたから手にとってみた。(確か)

    情景が映画を観るように想像できて、独特な世界観にどっぷりと浸かれた。

    読んだ後、ジーンと残るものがある。

    「こんな小説は初めて」な読書体験。
    読めて良かった。

    本に出てくる「忘れられた世界」は私たちの今住む世界なのかなと思う。
    アイデスは穏やかな世界なんだけど、なんか住みたくない…
    住人もみんな穏やだけど、どこか寂しそうで不憫な感じ。

    これは絶対また読み返したい。

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    2025年03月04日
  • タール・ベイビー

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    女性ノーベル賞作家の四作目。
    白人の庇護を受けて育った娘と、黒人だけに囲まれて育った青年。男女の心の葛藤が良く表現されている恋物語…などという単純なものではなかったです。

    文化的に異なる環境で育ったが故に、娘は相手を辛辣な言葉で非難したり蔑んだりしてしまいます。相手にも育ってきた環境や世界観があるなかで、白人世界で育ってきた価値観を振りかざし、ただ自分に迎合させようとするのは、いかがなものかと考えてしまう。そういった相手を尊重しない文化的な軋轢を男女関係を使ってよく表していると思います。しかも、それを白人と黒人ではなく、黒人同士で描き切っているのですから。

    ただ、この小説は読書初心者や海外

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    2023年12月09日
  • 西瓜糖の日々

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    「そういうのはずるしてる、というのじゃないのかな」

    「風が起こって、窓がかすかに震えた。風で、脆そうに半開きになった砂糖」
    綺麗すぎるイメージ

    「わたしたちが恋人同士になると、かの女は夜の長い散歩をやめた、でも、わたしはいまでも散歩する。夜、長い散歩をすることが、わたしは好きなのだ。」
    怖い

    マーガレットが好きだった

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    2023年09月12日
  • ブルースだってただの唄 ――黒人女性の仕事と生活

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    ブローティガンの翻訳をされている方の本ということで、翻訳に関係する本なのかなと読み始めたら、アメリカに住む黒人の差別の歴史であったり、黒人女性たちが劣悪な環境でどう暮らしてきたかの聞き書きでした。
    私だったら絶望してしまうだろうなと思う境遇であっても、向学心旺盛で、世間に負けまいとする黒人女性の姿に励まされました。とにかく純粋。
    読んだ後、不思議と元気がもらえます。

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    2023年06月04日
  • 西瓜糖の日々

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    牧歌的、といって良いだろうガジェットの中で行き交う現在はフィクショナルで至極自足している、かに見えるが、その円やかな事物の間隙から立ち上がってくる哀惜のノイズ、その鳴りが美しいような物語でした。冴えた月の円かさであるような。ソフトな手触りなのだが、明らかに、幽かに、かなしみを籠めてザラついている。かっこよかったです。

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    2023年04月30日
  • 西瓜糖の日々

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    発熱した状態で読むには非常に適した小説だった。筋らしい筋はほとんどない。ひたすらブローディガンの夢幻的世界観が詩のような文体で綴られている。何よりもページ数が少ないのが良かった。解説にもあったが、これを単にヒッピー文学として理解してはいけない。ことさらに提示されるのは楽園の中にあるかすかな不安であり、それは死の世界に近い。インボイルが主人公たちに見せつけようとしたのは、まさにこのことだったのだろう。ただ健康な状態で読めばまた感想が変わるかもしれない。あと、この文体でもう少し長いのを読んでみたいから、また別のブローディガンの作品を読んでみたいと思う。

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    2023年02月22日
  • イリノイ遠景近景

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    1990年代のアメリカの市井の人々の日常を綴った面白いエッセイ とだけ思って読み進めたら大間違い。
    中盤以降、テーマはさまざまなれどどんどん広く深くそしてますます面白くなっていく。
    眼差しの先には、常に社会のメインストリートから外れた、外された人たちがいる。
    彼ら彼女らの口から溢れる言葉を丁寧に記録している。ハッとさせられる言葉にいくつも出会えた。

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    2022年12月28日
  • 西瓜糖の日々

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    夢と現実の狭間を漂うような不思議な世界観。 みんな色々な感情に溢れ、今ここにいる人にもいなくなった人にも囲まれ、生と死、光と闇の中を行ったり来たりしながら生きている。よく分からないけど惹き込まれる。

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    2022年08月23日
  • ブルースだってただの唄 ――黒人女性の仕事と生活

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    アメリカに暮らす一般黒人女性たちへのインタビュー。様々な人たちの暮らしのリアルは不思議と親近感と安心感を得られるので、心が不安定な時に読むといい。

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    2022年01月16日
  • ブルースだってただの唄 ――黒人女性の仕事と生活

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    遠い国のちょっと昔の話しではない。
    彼女たちの苦しみは続いている。
    時を経てもなおまだ叫び続けなければならないほどに。

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    2021年11月27日
  • ブルースだってただの唄 ――黒人女性の仕事と生活

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    30年ほど前のアフリカン・アメリカ女性の生い立ちの聞き書き。中でも夫の不倫相手を殺し、服役する女性の話が辛い。自分ではどうにもできない生い立ちを抱え、やむをえず殺人を犯す。1986年出版の本だが復刊。今読みたい名著。

    ブルースなんてただの唄。嘆いていたって始まらない。

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    2021年03月11日
  • ブルースだってただの唄 ――黒人女性の仕事と生活

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    1980年代前半、アメリカ。著者はウィスコンシン州懲治局の臨床心理医ジュリエットをたずね、彼女が参加する「女性グループ」の会と、仕事で担当する「女たちの家」の受刑者たちの話を聞いた。80年代アメリカの黒人女性たちを取り囲むさまざまな困難を語りながら、それでも語ること、言葉にすることの喜びや力に満ちた〈はじまってもいないたたかい〉の記録。


    「普遍性のなかにやすらぎを見出すよりも、他者の固有性と異質性のなかに、わたしたちを撃ち、刺しつらぬくものを見ること。そこから力をくみとることだ、わたしたち自身を名づけ、探しだすというのなら」。本書は黒人女性たちの連帯を語ると同時に、〈黒人女性〉をひとかたま

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    2020年12月24日
  • リチャード・ブローティガン

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    単に短編集だからという理由で『芝生の復習』を読んでから気になっていたリチャード・ブローディガン。1984年9月に亡くなったが、私自身が翌月10月生まれなのでより気になり、読むことでどんな人物だったのか、意外にも日本に縁のある人だったことなど知れた。

    「生い立ちや社会への憤りと疎外感から自由になれなかったブローディガンは、周囲の者の感傷的な楽しみをあざけった。どこにも属していないこと、家族と呼べる人がいないことを誇りにしているようだった。」

    代表作である『アメリカの鱒釣り』や『西瓜糖の世界』をまだ読んでおらず、これを機に手に取ろうと思う。

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    2026年04月11日
  • 西瓜糖の日々

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    これは方向をもった流れのどこか一部分だ。心地よい夢はそうだったものになり、世界は灰色になってゆく。黙る!無音の世界に憧れる、死人に口なし?別に支離滅裂ではなくて、どこかイメージみたいなものでつながっている。というより流れ?あたかも"桂馬みたいなマジカルバナナ"の方式で書かれたと思う。

    誤解を恐れず思いついたままに書くと、僕のスキな男が書く文書はちょうどこんな感じで、だから結構好きだった。あくまで"結構"だけれど。藤本和子氏の訳がいいのかしら?「ひょっこりひょうたん島」

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    2026年02月15日
  • 西瓜糖の日々

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    僕らの住む世界の遠く、西瓜糖の世界での物語。

    要するに幻想、あるいはSF小説のようにこの世界とはぼんやりと差異のある世界での物語でありそこに暮らす人々の物語である。調べると村上春樹が影響を受けているのではないかという記事も出てくるがなるほど納得の現実と幻想の中間、半目で夢を見ているような物語。村上春樹ほどハキハキと物語が切り替わっていくわけではないのでこの世界に浸れるかどうかで読後の感想も違うと思うが個人的にはこのほんのりと甘い世界が心地よくぬるま湯に浸かっているような物語だった。

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    2026年01月14日
  • 西瓜糖の日々

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    2026/01/13(猛烈に読みたくなり再読)
     西瓜糖でできた世界、ガラスの柩……透明で美しい平穏な暮らしの奥に仄めかされる暴力性、まほろばって結局暴力や誰かの犠牲なしでは成立し得ない。そういう危うさが詩的な世界で巧みに表現されている素敵な作品

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    2026年01月13日