不二淑子のレビュー一覧

  • 『高慢と偏見』殺人事件

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    ネタバレ

    ジェーン・オースティンの名作「高慢と偏見」の二十二年後、ダーシー夫妻は長男と共にハウスパーティに招待される。そこにはオースティンの他の作品の登場人物たちも登場して〜という、ワクワク以外何ものでもない設定。十九世紀のイギリスの上流社会の人々の暮らしや作法や秩序、礼儀も盛り込まれていて優雅で楽しめる。しかも!殺人事件まで。これはもう読むしかない!
    ただ、文章が高貴過ぎて現代を生きる私たちに貴族の皆様の勿体つけた感が、時として冗長だったけれど。
    犯罪を犯罪としなかった貴族の皆さんにもハテナという思いもあったけれど高貴な方々なので……
    若いジョナサンとジュリエットの未来を祈らずにはいられない。

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    2025年03月23日
  • かくて彼女はヘレンとなった

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    はじめに想像していたのと全然違った。めちゃくちゃ面白かった。今と昔が交互に描かれる。しかもヒロインは70代の老婆。
    ここに出てくるのは生きる価値さえないろくでもない男。昔の時代での男女の在り方や、男の都合よく育てられた女子の生き方が哀しいまでリアルに現される。作者も70代。人生を卓越したからこその作品。

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    2022年09月26日
  • アートシンキング 未知の領域が生まれるビジネス思考術

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    アートの大切さは最近よく聞くが、アート✖️ビジネスで実際の行動や思考を変えるヒントをくれる一冊。

    アート自体のついての言及は少なく、
    アートシンキングのプロセスを教えてくれるので、頭に入りやすかった。

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    2020年03月15日
  • 15時17分、パリ行き

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    数々の偶然が彼らをその列車に乗せ、そしてテロの阻止へと導いた。彼らの生い立ち、テロリストの制圧、そして事件後の彼らの姿を克明に描き出すノンフィクション。

    一躍ヒーローになってはしゃいだり、オバマ大統領と電話して舞い上がったりする3人が普通の若者感すごくてかわいく思えてくるし、何より「息子のためにパリに行かなきゃ!でもお金がない!そうだわドナルド・トランプにプライベートジェット出してもらおう!」って思いつくかーちゃんが一番すごい。

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    2018年09月20日
  • 15時17分、パリ行き

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    フィクションのようなノンフィクションってほんとおもしろいよな、という感じで、一気に読み終えた。

    興味深いのはフランスとアメリカでの反応の違いか。フランスはとても共和的な反応を示し、アメリカはバットマン的な反応を示す。
    ストーリーはバットマン的で、ごく普通の人がある日突然といったベタにアメリカ的なのだけど、テロ未遂が起きた場所がフランスだったので、そこが本書がユニークでおもしろいところで、これがアメリカ国内でのできごとだったら、こういう深みのある話にはならなかっただろう。

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    2018年04月28日
  • 円周率の日に先生は死んだ

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    タイトルが気になって手に取った本。もっと青春ミステリ系を期待していたけれど、アメリカの田舎の息苦しい物語だった。暗くて重くてつらくて、でも主人公の少年が幸せになって欲しくて、じっと時間を置きながら祈るような気持ちで読み続けなければいけなかった。はあ。

    現在アメリカに蔓延する薬物問題に類するテーマが含まれていて、依存してしまう人の社会的な孤独や辛さ、人種問題移民問題貧富の問題全部が物語に感じられてとにかくやりきれない。

    主人公の少年に、これから楽しいこと幸せなことがたくさん降り注ぎますように。

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    2025年10月02日
  • ボストン図書館の推理作家

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    長かったけど面白かった〜!
    こういう海外の本は、人の名前を覚えるのがほんと大変なんですが、裏表紙に書いてくれてるのでありがたかったです♫

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    2025年04月06日
  • 注文の多すぎる患者たち 野生動物たちの知られざる診療カルテ

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    たぶん読み終わるのに時間がかかる❗確かに動物達の受診、手術ってどうするの?とは考えたことはなかった‼️この本で提示されている動物達のケースをみたら、おおっ!と驚かされるばかり。生態、体質等々各動物達の状況があり、人間の治療とは同じようにいかない事を教えられます。ボリュームがあって なかなか読み進められないけれど 一読の価値はあると思います。

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    2024年08月01日
  • 円周率の日に先生は死んだ

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    3月14日〜この円周率の日に数学教師アダムの焼死体が発見された。
    第一発見者は、教え子のサルで近くに先生の車があったから…偶然見つけたと。
    同僚の社会科教師ノラは、この不可解な死に疑念を抱きアダムのことを調べ始める。

    寂れた町で起こった事件は、親や祖父母の代からの知り合いという濃密で小さなコミュニティであるが故に限られた登場人物ではある。
    そのなかで謎の中心にいるのは、少年サルである。彼が大人たちを惹きつけるのは、観察力があり物静かで注意深く、賢さと共感力を持ち人の心の機微に敏いからだろう。

    サルが見たものの全てが明らかになるが。
    果たしてそれは…。

    どうしてここまですることができるのだ

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    2023年07月25日
  • 円周率の日に先生は死んだ

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    幸せな未来を願わずにはいられない… 悪魔に取りつかれた大人と少年の物語 #円周率の日に先生は死んだ

    ■きっと読みたくなるレビュー
    悪魔…人間を蝕む悪魔の恐ろしさが痛いほどわかる作品。

    本作に登場する大人たちは、様々な悪魔に取りつかれ、自分自身を失ってしまいます。少しの運のなさやタイミングの悪さによって、最悪の事態を招いてしまう。それが周りにどんな不幸をもたらしてしまうのか…海の底よりも深い罪を、まじまじと見せつけられるのです。

    ほんのちょっとの興味、苦しみからの逃げから始まる地獄への階段。なにより、どんなことよりも最優先になってしまう現実は本当に恐ろしかったです。

    本作の一番の読みどこ

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    2023年06月17日
  • 円周率の日に先生は死んだ

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    3月14日――円周率の日――に、数学教師アダム・マークスの焼死体が発見された。第一発見者はアダムの教え子サル・プレンティス。死体は偶然見つけたと言ったきり口を閉ざすサルに、社会科教師ノラ・ウィートンは疑念を抱く。
    11歳の孤独な少年サルとアダムの出会いから焼死事件までの数ヵ月間と、平凡な教師ノラが真相解明のために奔走した焼死事件後の数週間。それぞれの視点が重なるとき、すべての謎が明らかになる。

    初めて読む作家。タイトルに惹かれて読んでみた。
    アダムとサルの語り合う場面が印象に残った。

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    2023年05月04日
  • 円周率の日に先生は死んだ

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    小さな田舎町で起こった焼死事件。亡くなったのは数学の教師アダムで、発見したのは教え子の12歳のサル。現在と過去のパートがあり、サルは事件以前から、現在は教師の同僚などの視点から進む。サルの生い立ちや、閉鎖的な町での暮らし、数学教師アダムとの出会い、交流。そこからサルの日々が変わり始めていくけれど、それが読み応え抜群。大人たちに飲み込まれていってしまいそうなサルと、どこかで離れなきゃと思うサルの揺れに緊張感が伝わってくる。終盤のサルの葛藤には読んでいて辛くなるほどの感情が溢れていた。前作『エヴァンス家の娘』同様に素晴らしい作品。

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    2023年04月30日
  • 15時17分、パリ行き

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    2015年に起きたフランス列車テロを未然に防いだ、三人の若者のノンフィクション。
    いくつもの偶然と奇跡が重なり、大惨事は起きずに済んだが、一夜にしてヒーローとして祭り上げられてしまう。当事者同士の記憶が食い違っているのは、極限状態に身を置いたのだから仕方ないことだろう。

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    2023年01月04日
  • アートシンキング 未知の領域が生まれるビジネス思考術

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    山口さんの前書きが秀逸。
    本文はなんだろ、書きたいものを書きたい順に書いているように感じた。

    前書きより
    アート思考が必要な理由
    正解の無価値かで、視点の転換が求められる
    利便性の飽和、意味あることのインフレ。機能価値より情緒価値
    失敗のコストが少ない

    本文序章より
    デザイン思考は、モノやサービスを作るときにクリエイティブな考え方と手法で問題を解決するフレームワーク
    デザイン思考は、外部からの依頼に対処する問いたいし、アート思考は、個人の内部から発せられ問い
    一方は、これを実行するための最善の方法は?
    他方は、これはそもそも可能なのか、である

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    2022年09月16日
  • 信長と弥助 本能寺を生き延びた黒人侍

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    信長に仕えた黒人の弥助について書いた一冊。

    現代でも謎とされてる部分も多いが、彼の生涯を丹念に追ってて非常に面白かった。

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    2022年03月20日
  • アートシンキング 未知の領域が生まれるビジネス思考術

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    中々おもしろかったです。

    businessとartという観点から、過去の偉人の考えや事例を所々抽出しながらartthingの重要さに触れています。

    デザインシンキングは、外部からの依頼に対処するための問い
    アートシンキングは、個人の内部から発せられた問い
    など、比較して明示されていることが多く理解しやすいです。

    個人的にはDMNを取り入れようと思います。
    一方で情報量が多く、結局は??と思う部分もあり、評価は4にしています。

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    2020年08月15日
  • 名探偵の密室

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    ネタバレ

    作者は若そうだな、と思いつつ読みましたが、ロンドン大学の卒業論文として書かれた作品だったとは!
    視点によって人物感が違ってくるのはある意味当たり前ではありますが、こうまで変わってしまうと戸惑うところはあります。
    文章に波があるなど、いろいろと突っ込みどころ満載ではありますが、勢いがありとても面白かった。
    訳文がとても読みやすく、かなり昔ですが日本の新本格を読んだ頃のワクワク感を翻訳ものと感じることなく味わえました。

    似てるかも…と浮かんだ作家名は、歌野晶午、でした。(わたし的大絶賛)

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    2019年09月07日
  • 15時17分、パリ行き

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    映画を先に見てしまってたので、読んでいてシーンが画像となって読めたのは良かったかな。ただ、映画ではほんの一瞬の出来事のようで、実際にも短い時間だったらしいけど、人間の記憶って曖昧なんだなと思いましたね。そして彼ら3人の小さいころからの繋がりや、テロにあった旅行での不思議な引き寄せ?偶然?何でもない日常が突然とんでもない出来事に巻き込まれるんだって、これは他人ごとではないんでしょうね。日本も決して安全な国ではなくなっているから・・でも、そうなったとき自分は彼らのように立ち向かえるか・・無理だね。
    事件後の彼らを取り巻く異常な光景は、どこの国も同じなんだと思いました。
    メディアはいい加減だし、一般

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    2018年03月28日
  • ボストン図書館の推理作家

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    原題の方が雰囲気合っていると思った。ボリュームがあるのにグイグイ読ませる力量はさすが海外文学。映画みたいな展開の中に怖さをサッと含ませる感じも好みだった。あとティムタムはいいよね。

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    2025年11月12日
  • アートシンキング 未知の領域が生まれるビジネス思考術

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    ビジネスにおいて変革や新規案を起こすための掛け合わせの思考法についての本ですが、ほんま難しかったです。全然分かってないです。

    成功と失敗は常に切り分けて考えられるものではなく、時にクロスオーバーするものである。
    だから一つの場面を切り取って評価するのは適していなくて、広角的に捉える必要がある。

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    2025年08月16日