シャルロッテ・リンクのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレCL 2022.8.21-2022.8.22
主人公のケイトのみならず誰もが皆それぞれに苦しい事情を抱えていて、生きていくのが簡単ではない人ばかり。その人物描写も、後半の怒涛の展開も秀逸。
ただ、どうしてもメリッサ•クーパーの息子に引っかかる。事件と大筋では関係がないとは言え。
メリッサ•クーパーの息子が、不倫相手が奥さんと別れなかったからと言って恨むのは筋違いでは?そもそも悪いのはそっちなのに。しかもその娘に恨み言を吐き、惨殺されたことを気分が良かったと言うなんて、この息子、バカか。相手の家庭を壊して自分の母親さえ幸せになれればそれでよかったわけ?なんと身勝手なと思っていたらこの真相。諸悪 -
Posted by ブクログ
ドイツのベストセラー、後半。
5年前に行方不明になったエレインはどうなったのか?
ロザンナは5年前に結婚して、ジブラルタルで暮らしていました。
義理の息子を育て、幸せもあったが、結婚後も仕事はするはずだったのに何のかのと家庭に縛りつけたがる夫に阻まれ、ついにイギリスでの仕事の依頼を引き受けることを決めたのです。
自分の結婚式に招待したのにその途上で失踪した幼馴染のエレインの追跡取材だから、他人事ではない。
もしかしたらどこかで生きているのか、どんな事情が隠されているのか、それとも‥?
エレインは障害のある兄の世話に縛られていたため、それで家出したという説もあった。
当初疑われた弁護士のマー -
Posted by ブクログ
ストーリーとしては非常にシンプル。元ジャーナリストの女性が、5年前の失踪事件を取材するというもの。幼馴染が失踪したのは自分の結婚式に出席する道中だったため、主人公はある種の責任を感じながらの取材となる。
複雑なトリックも、凄惨な描写も、奇抜な設定もなく、日常生活がそのまま事件につながっていく展開にも関わらず、ページを繰る手が止まらない。その要因は巧みな人物造形だと思う。主人公に関わらず、「モヤモヤ」を抱えたキャラクターが次々登場するのだが、彼らの描写は表層的に終わらず、人間の持つ多面性、迷いなどが重層的に描き出されるので、どうにもこうにも目が離せない。ドイツで売れっ子作家というのも納得。普遍