石川明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
リクルート出身の著者によるコミュニケーションスキルの一冊。
タイトルや装丁から、心理学や行動経済学のようなものを駆使した少し裏技的なコミュニケーションスキル本というものをイメージしていましたが、したたかに、さりげなく、仕事を進めるためのもので、割と王道な印象が残りました。
著者の仕事の定義やそれを踏まえた仕事への向き合い方は、共感できる面も多く、テクニックというよりもっと広い心構えを論じています。最終章では、あの「リクルート事件」との話が描かれ、その怒りを使命感に変えていった、という内容は生々しさを感じます。
リーダー管理職向け、となっていますが、上司・先輩と部下・後輩の間でもがいているかたにはふさわしい内容だと感じました。
▼「知識」や「ノウハウ」は仕事をするうえでの必要条件ではあっても、十分条件ではない。「知識」や「ノウハウ」を活用しながら、具体的に仕事を前に動かしていく「実行力」こそが決定的に重要
▼仕事とは「誰かの”不”を解消し、喜んでもらって、その対価をいただくこと」
▼ディープ・スキル=「深い洞察」に基づいた「ヒューマン・スキル」
▼一見、「上役を立てる」かのような言動が、実は「上役」を当事者として逃げられないようにする」ことにつながる
▼自負心(当事者意識)は、プロジェクトの推進者としては不可欠なものだが、それを内に秘めるのが「大人」
▼「正論」というものは、非常に危険なもの
▼「そもそも上司は意思決定したくない存在である」というのが、嘘偽りのない「現実」
▼「専門性」を高めれば高めるほど、ビジネスの「本質」から遠ざかるリスクも高まる
▼相手の「恩」に報いようとする者同士の関係性を強化することで、自分ひとりでは到底手にすることができない「パワー」を身につけることができるようになる
▼「相手を助けよう」「相手の役に立とう」という行為によって、相手との関係性を損なうことすらありうる
▼組織は、生々しい「感情」をもつ人間の集まり。その「感情」の機微を深く理解したうえで、賢明な言動に徹する。これは「権力」のパワーを活かすうえで、欠かすことのできないスキル
▼「立場」を異にする両者が、それぞれの合理性を追求すれば異なる結論に至るのは当然のこと。双方ともに合理的な結論だからこそ、折り合う余地がなくなってしまう
▼合理性とは「最も効率的に目的を達成すること」という意味だが、その「目的」を決めるのは「意志」にほかならない
▼対立関係にある両者がお互いに「譲歩」することで交渉がまとまるケースはほとんどなく、相手の利益・関心を引き出して、「共通の利害」を探り当てることがこそが交渉を成功させる秘訣
<目次>
第1章 「したたか」に働く
第2章 「人間関係」を武器とする
第3章 「権力」と「組織」を動かす
第4章 「人間力」を磨く -
Posted by ブクログ
社内起業のお勉強。
メソッド①5W2H展開法
既存事業を5W2Hで定義し軸を一つ変えてみる
①Who(誰に・誰が・誰と)
・(誰に)購買者
・(誰が)利用者
・(誰と)取引先、協業先
②What(何を・何で)
・(何を)売る製品・サービス、販売名目、製品属性
・(何で)材料
③Where(どこで)
・エリア、販路、売り場、業界、領域、○○市場
④When(いつ・どの段階)
・(いつ)需要期、売れる時間、使う時間
・(どの段階)バリューチェーン
⑤How(どうやって・どんな)
・(どうやって)販売方法、製造方法、仕入れ方法、デリバリー方法
・(どんな)業態、ビジネスモデル、協業方法
⑥HowMuch(いくらで・どうやって)
・(いくらで)価格
・(どうやって)課金方法、料金体系、費用名目
⑦Why(なぜ)
・顧客が買う理由、顧客に提供する価値、競争優位の武器
メソッド②5W2H×4象限マトリックス
「箱」ではなく間を分かつ「線(壁)」に着目する
→「壁」の向こうで事業を行ってこなかった理由は必ずある。
越える価値のある「壁」を探す
メソッド③9マトリックス法
①浸み出し型
◎既存事業の体制内で事業化を検討できるもの
・既存事業へのマイナス影響:小
・リスク:小
・成功確率:高
②跳び出し型
◎既存事業の体制内では検討が難しいもの
・リスク大
・成功確率:低
検討を進める前に確認したい3つのポイント
①世の中の流れを踏まえているか
②市場の規模は十分か
③自社の「強み」は活かせそうか
ビジネスチャンスを探すステップ
①誰が、どのような時に、どんな「不」を抱えているのかを捉える
②期待する事業規模に相応しい大きさの「不」であるかを確認する
③その「不」が生じている理由を分析する
④その「不」が解消されていない社会的な背景・慣習を探る
プランの魅力を高めるための3つのポイント
①事業の成否を握る肝は何か
②どこで汗をかくか
③自社にとって「何への挑戦なのか」を見極める
新規事業で考えられるリスク
①市場に関するリスク(市場の将来的な変化を予測しきれないリスク)
②営業に関するリスク(意図したように売れないリスク)
③競合に関するリスク(競合の動きが読みきれないリスク)
④ヒトに関するリスク(採用、育成、退職など、計画どおりにいかないリスク)
⑤モノに関するリスク(仕入れ、生産スピード、品質などが意図どおりにいかないリスク)
⑥カネに関するリスク(資金調達や金利・為替が想定どおりにいかないリスク)
⑦協業者に関するリスク(取引先が意図どおりにならないリスク)
⑧社会的責任に関するリスク(社会的責任を負うリスクや撤退しにくくなるリスク)
新規事業の事業企画書―盛り込むべき要素
1.事業案の内容
①何をするのか
・できるだけシンプルに
・「○○領域で××を対象にした△△業を行う」と言い表せれば、ドメインとビジネスモデルが明確に伝わる
②どうやるのか
・戦略(STP、競争戦略、事業の肝)
・戦術(5W2H)
・オペレーション(どこで汗をかくか)
③期待する成果
・ビジョン
・マーケティング目標
・財務目標
④必要な投資
2.判断するための材料
①事業の意義
・社会目線(「不」の解消)
・顧客目線(価値提供)
・自社目線(収益獲得や市場開拓など)
②起案の背景
・この事業を取り組むべき理由について3Cに分けて記述する
「市場」…「不」の存在、「不」の存在理由・背景、新規事業によって「不」が解消されること
「競合」…競合製品や代替品、既存のしくみでは「不」を解消できておらず、この新規事業には優位性があること
「自社」…自社の継続的な成長には新たな挑戦が必要であること、自社の経営資源を活用すれば成功できる可能性があること
3.経営判断してもらいたいこと(協力してほしいこと)
①事業化の是非
②経営資源の投資の是非(ヒト、モノ、カネ)
③事業化着手の是非(開発、社外提携交渉、社内外広報など)
④事業化に向けた体制(責任者、組織、人員体制など)
⑤今後の進め方(スケジュール、経営判断するボードメンバー、社内協力体制)
経営者が「判断しやすい」構成とは
1.市場の状況
2.わが社の課題
3.企画趣旨
4.企画概要
5.事業計画
6.決済依頼事項
1.何をするのか
(1)事業概要
2.なぜやるのか
(1)企画趣旨・背景(「不」の存在)
(2)期待できる成果(世の中にとって、顧客にとって、会社にとって)
3.儲かりそうか
(1)市場の大きさ、「不」の発生理由・背景・解消方法
(2)誰から何への対価を得るか
4.勝てそうか
(1)自社の強みと競争優位のポイント
(2)戦略
(3)戦術
(4)オペレーション
5.できそうか
(1)必要な投資
(2)実行計画
(3)リスク分析
事業化承認の際に握っておくべきこと
①何のために、何に挑戦するのか
②どんな指標で事業の進捗を管理するのか
③その後の経営判断の時期と方法
④撤退基準は事前に決めておく -
Posted by ブクログ
社内起業のお勉強。
メソッド?5W2H展開法
既存事業を5W2Hで定義し軸を一つ変えてみる
?Who(誰に・誰が・誰と)
・(誰に)購買者
・(誰が)利用者
・(誰と)取引先、協業先
?What(何を・何で)
・(何を)売る製品・サービス、販売名目、製品属性
・(何で)材料
?Where(どこで)
・エリア、販路、売り場、業界、領域、○○市場
?When(いつ・どの段階)
・(いつ)需要期、売れる時間、使う時間
・(どの段階)バリューチェーン
?How(どうやって・どんな)
・(どうやって)販売方法、製造方法、仕入れ方法、デリバリー方法
・(どんな)業態、ビジネスモデル、協業方法
?HowMuch(いくらで・どうやって)
・(いくらで)価格
・(どうやって)課金方法、料金体系、費用名目
?Why(なぜ)
・顧客が買う理由、顧客に提供する価値、競争優位の武器
メソッド?5W2H×4象限マトリックス
「箱」ではなく間を分かつ「線(壁)」に着目する
→「壁」の向こうで事業を行ってこなかった理由は必ずある。
越える価値のある「壁」を探す
メソッド?9マトリックス法
?浸み出し型
◎既存事業の体制内で事業化を検討できるもの
・既存事業へのマイナス影響:小
・リスク:小
・成功確率:高
?跳び出し型
◎既存事業の体制内では検討が難しいもの
・リスク大
・成功確率:低
検討を進める前に確認したい3つのポイント
?世の中の流れを踏まえているか
?市場の規模は十分か
?自社の「強み」は活かせそうか
ビジネスチャンスを探すステップ
?誰が、どのような時に、どんな「不」を抱えているのかを捉える
?期待する事業規模に相応しい大きさの「不」であるかを確認する
?その「不」が生じている理由を分析する
?その「不」が解消されていない社会的な背景・慣習を探る
プランの魅力を高めるための3つのポイント
?事業の成否を握る肝は何か
?どこで汗をかくか
?自社にとって「何への挑戦なのか」を見極める
新規事業で考えられるリスク
?市場に関するリスク(市場の将来的な変化を予測しきれないリスク)
?営業に関するリスク(意図したように売れないリスク)
?競合に関するリスク(競合の動きが読みきれないリスク)
?ヒトに関するリスク(採用、育成、退職など、計画どおりにいかないリスク)
?モノに関するリスク(仕入れ、生産スピード、品質などが意図どおりにいかないリスク)
?カネに関するリスク(資金調達や金利・為替が想定どおりにいかないリスク)
?協業者に関するリスク(取引先が意図どおりにならないリスク)
?社会的責任に関するリスク(社会的責任を負うリスクや撤退しにくくなるリスク)
新規事業の事業企画書―盛り込むべき要素
1.事業案の内容
?何をするのか
・できるだけシンプルに
・「○○領域で××を対象にした△△業を行う」と言い表せれば、ドメインとビジネスモデルが明確に伝わる
?どうやるのか
・戦略(STP、競争戦略、事業の肝)
・戦術(5W2H)
・オペレーション(どこで汗をかくか)
?期待する成果
・ビジョン
・マーケティング目標
・財務目標
?必要な投資
2.判断するための材料
?事業の意義
・社会目線(「不」の解消)
・顧客目線(価値提供)
・自社目線(収益獲得や市場開拓など)
?起案の背景
・この事業を取り組むべき理由について3Cに分けて記述する
「市場」…「不」の存在、「不」の存在理由・背景、新規事業によって「不」が解消されること
「競合」…競合製品や代替品、既存のしくみでは「不」を解消できておらず、この新規事業には優位性があること
「自社」…自社の継続的な成長には新たな挑戦が必要であること、自社の経営資源を活用すれば成功できる可能性があること
3.経営判断してもらいたいこと(協力してほしいこと)
?事業化の是非
?経営資源の投資の是非(ヒト、モノ、カネ)
?事業化着手の是非(開発、社外提携交渉、社内外広報など)
?事業化に向けた体制(責任者、組織、人員体制など)
?今後の進め方(スケジュール、経営判断するボードメンバー、社内協力体制)
経営者が「判断しやすい」構成とは
1.市場の状況
2.わが社の課題
3.企画趣旨
4.企画概要
5.事業計画
6.決済依頼事項
1.何をするのか
(1)事業概要
2.なぜやるのか
(1)企画趣旨・背景(「不」の存在)
(2)期待できる成果(世の中にとって、顧客にとって、会社にとって)
3.儲かりそうか
(1)市場の大きさ、「不」の発生理由・背景・解消方法
(2)誰から何への対価を得るか
4.勝てそうか
(1)自社の強みと競争優位のポイント
(2)戦略
(3)戦術
(4)オペレーション
5.できそうか
(1)必要な投資
(2)実行計画
(3)リスク分析
事業化承認の際に握っておくべきこと
?何のために、何に挑戦するのか
?どんな指標で事業の進捗を管理するのか
?その後の経営判断の時期と方法
?撤退基準は事前に決めておく -
Posted by ブクログ
社内起業がミッションのポジションで働いてはないが、事業開発に学びになればと思い購読。
タイトルの通りはじめて社内起業を進めて行くにあたって、そもそも社内起業を始めても良いか確認する所から、アイデアへ至る過程、そこから関係者を巻き込みつつ、最終承認を得るまでのToDoリストが書かれている。
また読者を大企業で社内起業のミッションを持つ人と狭くターゲティングしているため、大企業の調整に関わるアドバイスも多く散りばめられている。
まさにそういった役割にある人にとっては、この本をチェックリストのように使いながら進めていける、良い指針になると思います。 -
Posted by ブクログ
元リクルートの新規事業開発室マネジャーの著書。読みやすくためになった。「リスクを指摘するのは中間管理職、判断するのは経営者」は納得。
以下メモ。
●カッコいい大風呂敷と、地味な一歩。
●事業とは「不の解消」
●会社内における保守性を破るためには大きな勇気と決断が必要。ある程度の摩擦は覚悟の上で、周囲に対し現状の課題を伝え、将来の展望を語り強気で経営資源獲得する。
●大きな組織ほど経営判断と実行のスピードは遅くなる。階層が増え、機能が細分化しており、段階ごとの決裁、広い範囲への確認や報告が必要。
●スピード感が不可欠。誰もが未体験な領域に乗り出すため、トライアンドエラーのサイクルの速さと回数が勝負を決める。会社には「体内時計」が染み付いている。
●さまざまな壁を乗り越え推進して行くための最大の原動力は、現状に対する「危機感」。危機感はトップが声高に叫ぶだけでは浸透せず。担当者自ら市場で起きているさまざまな事実を社内に提示し、変わらなければいけない意識を作り出す気概が必要。
●協力者の「やりがい」を知ること。入社動機、会社でやりたいこと、仕事に対する誇りなどがどこにあるか。
●「この手間をかけてまで取り組むサービスである」としっかり説得、理解を得る。
●①自分から率先して「失敗する」覚悟。②自分が主体者として「先頭に立つ」覚悟。③起業家としてなんとしても「カタチにする」覚悟。④社内資源を「自ら確保する」覚悟。⑤時に社内にも「敵を作る」覚悟。新規事業においては「敵は市場よりも前に、社内にいる」。しかし敵もまた善意で動いている。既存事業による収益を守り、会社に貢献したいと考えている。妬みやそねみといった悪意による邪魔は稀。
●新規事業に携わることは「自分を大きく変える」チャンス。①知識スキル②行動力③マインド④姿勢スタンス。
●会社と自分の「3つの輪」を重ねてみる。できること、やりたいこと、求められていること。
●事実と仮説がくっついて意見となる。最初の段階で集中的に収集すべきは「事実」。
●現場の声をそのまま聞いてはいけない。「普遍的な解決策」をいろんなフィルターを意識しながら丁寧に選び出す。
●既存事業が越えられていない「壁」は何か。どんなものを作るかではなく、違う軸から考え、それに対応できるものを考える、という順番。
●人も組織も保守的。対抗するための「遠くへ飛ぶ」意識を誰よりも強く持つ。
●相手を怒らせてしまうかもしれないが、恐れていては「壁」を越えられない。「紛糾しても予定調和よりはマシ」。
●飛ぶためのフレーズ「それでは現状とたいして変わらなくないですか」「それって今と何が違うんでしたっけ」「そもそも〇〇って課題があるから始めた新規プロジェクトですよね」「今の延長線上にいて、将来に向けて大丈夫ですか」「わが社の強みはもっと他でも活きるかもしれませんよ」「一見異なる領域ですが、既存事業と似ていることも多そうです」「この壁を越えられたら大きく世界が広がりますね」
●社外からの持ち込み案件は「持ち込んで来た会社のメリット」を中心に設計されている。
●目に見えにくいもの、数値に置き換えにくいものの中にも、自社の強みは隠されている。顧客接点の多さ、取引先との信頼関係の強さ、社員の人柄、PDCサイクルを早く回せる組織体制など。
●ひらめきから始まっても、なぜこの案なのか説明可能な理屈をつけること。
●広さ×頻度×深さで世の中全体の「不」の総量を測り、それが大きいと見込まれる領域から優先的に事業展開。
●アイデアが出ない場合。「もしも〇〇だったら」
●リスクを指摘するのは中間管理職、判断するのは経営者の仕事。リスクを多く指摘できた方が視野の広い優秀な人材だと認めてもらえるという価値観が企業内にあるかのごとく。しかしポジティブな意見を述べて結果がうまく行かなければ責任を問われるのは中間管理職。リスクを指摘した方が責任回避になる。経営者が「進める」と判断したら、中間管理職は大きく対応が変わる。「事業化が前提」だと、どんな対策を講じるか知恵を絞ることにパワーを注ぐようになる。良い対策を講じられなければ責任問題になるから。こうなるとリスクばかりあげつらう人、から、仲間に変わる。
●したがって中間管理職にはリスクを指摘してもらう場とし、判断してもらう必要はないと捉える。
●経営者が判断しやすい構成。起案者目線ではなく、「何をするのか」「なぜやるのか」「儲かりそうか」「勝てそうか」「出来そうか」。
●経営者は実は「決めたくない」。そこで「先延ばしにすると起こるデメリット」や「部分的段階的な判断という選択肢を用意」する。そして経営者よりも熱い情熱を持つこと。
●かっこよく正しい企画を、ではなく、企て者になれ。
●経営者の「範疇外」のものを見つける。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ*多くの場合、新規事業の検討は、自社の経営課題を解決するために始まります。したがって、たいていは「我が社の業績分析」「我が社の経営資源の分析」「我が社の強みや弱みの分析」から検討を始めがちです。しかし、見落としがちなのは、それらはあくまで自社にとっての都合であり、お客様にとっては関係のないことだという点です。その結果、お客様不在のまま検討が進みがちになります。やっと市場に目が向いても、その規模や成長性ばかりに目が行ってしまいます。たしかに大きく伸びている市場は魅力的ですが、マクロ的な数字をいくら分析しても、具体的なビジネスチャンスは見えてきません。「事業」の原点はやはり「お客様に喜ばれること」「お客様の役に立つこと」です。お客様を見ずして新たな事業は創れません。「誰のどんな❝不❞を解消するのか」が大事。
*検討する新規事業の目標や制約条件を考える上で自社の経営課題の分析は有効ですが、自社のことを分析するだけでは新たな商機を発見することはできません。残念ながらマクロな市場を見ているだけでは、そこにどんな商機があるのかは見つかりません。また、見つけたとしても、そのようなオープンデータから発見した商機は多くの場合、他者も気がついているので、激しい競争を覚悟する必要があります。自社の経営課題や市場のマクロデータの分析は、続ければ切りがないので仕事をしているような気分を味わえますが、実際にはこれらの作業をどれだけ繰り返しても、「どこに事業機会があり、儲けることができそうか」を探すことは困難です。結果、具体的な事業案の検討に進むことができずに、いたずらに分析を繰り返すことに陥りがちです。
*始めてみないとわからないことが多いのが新規事業です。いつまでも社内で机上の議論を繰り返して時間を浪費するだけで一歩も前に進まないのは愚の骨頂です。また、新規事業は、「何が正しいか」という理屈だけでなく、「何をしたいか」ちう意思で決めていく世界でもあります。
*関連部署とどう連携をとって進めていくのかは社内起業ではとても大事なポイントです。上手く進めることができるような社内の体制作りを上席の人に動いてもらう必要もあるでしょう。
*社内起業では検討の起点は既存企業に置くことをお勧めします。もちろん既存事業とまったく関係のない事業を検討することもあるでしょうが、その場合も既存事業と対比しながら起案する方がスムーズです。
*ポジティブ思考からしか新規事業は生まれない。
*企業には理屈で合理的に考えたことだけでなく、非合理的であっても強い起業者自身の思いが重要です。新規事業には投資が必要ですが、投資が回収できるかどうかは誰にもわかりません。会社にとって初めてのことに挑戦するのですから、事業化までに様々な壁があるでしょうし、失敗もすることでしょう。こうした課題に直面すると、合理的な判断だけでスタートしていると、誰かが「もう止めた方がいいのではないか」と言い始めます。それは正しい判断かもしれませんが、こうした壁を乗り越えてしか新規事業は生まれません。そのためには誰か一人でも良いので強烈な当事者意識を持ち、「でも、やります」と言い続ける強い意志が必要になります。起案者本人が「やりたい」もしくは「やらねば」と思っていない新規事業案が実現することはほぼありません。