小川榮太郎のレビュー一覧

  • 「保守主義者」宣言

    Posted by ブクログ

    本書は保守思想の解説でもなければ思想史的な研究でもない。保守思想のエッセンスについて著者の立場が簡潔に述べられてはいるが、あくまで「危機に瀕する日本の現実をどう救うかに関する、実行可能なヴィジョンとプラン」を打ち出した実践の書である。福田恆存が典型だが、これまで日本の保守は「主義」を忌避することで、ある種の節度を保ってきた。著者は敢えてその矩を越えて「保守主義者」を宣言する。ここには現代保守の危機的状況への深い憂慮と失地回復に向けたただならぬ覚悟が滲んでいる。もはや保守的な心構えを悠長に説いていても何ら現実を変えられない。それほど事態は深刻なのだ。このことは現代日本の保守の敗北の歴史を素描した

    0
    2023年12月30日
  • 新型コロナ

    ネタバレ 購入済み

    新型コロナは正しく怖れよう。

    この本を読めばいかにメディアや専門家会議(分科会)がダメかわかるし、何で上久保教授を入れなかったのか、残念で仕方ありません。陰謀論などは考えたくなかったけど安部首相退陣の時の指定感染症を変える話が消えて、また行動制限に向かいました。これはワクチンを使わない前にコロナが収束しては困るという人達がいるとしか思えないのです。莫大な利益が動くのでしょう。
    免疫獲得する人が増えれば自然と収束に向かいます。この本を読めば納得できます。上久保先生の予測の誤算は指定感染症が下がらなかったこと。2類のままではどうしたって院内や弱い人たちのクラスターがで増すし、行動制限のため、やっと身に付いた免疫が消えてしまい

    0
    2020年12月22日
  • 新型コロナ

    購入済み

    重要な点がわかりやすい

    専門家には新型コロナウイルスに対して「危険なウイルスで日本ヤバイ」説を言う人もいるし、「そこまでコロナは怖くない」説を言う人もいて意見が分かれていますが、この本は後者に含まれる本です。

    コロナの報道は悲観的なものばかりですが、実際に被害はどの程度なのかといった比較や海外との比較をしっかりしていてわかりやすかった。
    海外がなぜ被害が深刻なのかという理由についても、新型コロナウイルスの種類などの説明でわかりやすい。

    メディアの情報ばかり聞いて「なんとなくコロナ怖いな~」と思う人はぜひ読んでほしい。

    0
    2020年11月13日
  • 左巻き諸君へ! 真正保守の反論

    Posted by ブクログ

    気鋭の保守評論家による、左派への徹底的な反撃。

    自らの著作が朝日新聞から訴訟を起こされたり、寄稿した記事によって新潮45が廃刊になるなど、ここ数年話題の著者。

    たが、内容は極めてリベラル的であり、しっかりとした現状分析がなされている。上記に二つの事件の真相と考察はもちろんのこと、LGBTに対する分析が秀逸だった。過去欧米や日本での性的嗜好の取り扱われ方、近年の欧米での手のひら返し。言葉の由来。それを政治的に利用しようとする、左派。

    テレビや新聞の受け売りではなく、情報を多角的に見て深く考え、俯瞰してみることの重要性を学んだ。

    0
    2020年03月21日
  • 一気に読める「戦争」の昭和史1937~1945

    Posted by ブクログ

    ずっとこんな本が読みたかった!
    通史として満州事変から終戦までの流れを追いながら、「その時、日本は中国は米国は…」が分かる本って案外無いので、大東亜戦争にいたる道程や連戦連勝からの転機、敗走へ追い込まれた訳を知りたかった。
    面白く、ホント面白く読ませていただきました。
    そんな時をおかずに何度か読みたいです。

    0
    2019年07月24日
  • 一気に読める「戦争」の昭和史1937~1945

    Posted by ブクログ

    この歴史書は日本人であるなら一度は目を通しておくべき民族課題図書だと断言します。

    最後の9年間の戦争の歴史が簡潔にまとめられている点でも優れています。

    あの敗戦から学ぶことはなかったのか?

    もう一度、日本人として冷静に総括しておく必要はないのか?

    本当の歴史を知らずに、「戦争」を語っていないか?

    戦後の日本の教育は戦勝国から「日本はアジア諸国を侵略した悪い国だったから、原爆を落とされても文句を言えない」という一方的な価値観を押し付けられてきましたが、そろそろ自虐の呪縛から解放し、自ら考え、是々非々で議論すべき時だと思われます。

    その前提となる資料が本書です。

    海外の人たちの是非読

    0
    2018年09月09日
  • 『永遠の0』と日本人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    文芸評論家小川榮太郎の「永遠の0と日本人」。
    映画「永遠の0」、映画「風立ちぬ」、映画「終戦のエンペラー」、小説「永遠の0」、特攻とは何だったのか、の5つの章で構成されています。
    映画「永遠の0」の章では、最初に観た時の違和感について書かれているが、自分自身も本で読んだイメージと主人公のキャラが少し違うのと物語全体の空気に違和感を覚えてたので、その解説は大いに参考になりました。
    「風立ちぬ」の章では、宮崎駿作品が戦後日本や国家というところに直視していないところを厳しく突っ込んでいます。
    「終戦のエンペラー」の章では、この映画が俳優・スタッフたちの驚くべき無知から作られていることを詳しく指摘して

    0
    2018年05月19日
  • 徹底検証 テレビ報道「嘘」のからくり

    Posted by ブクログ

    テレビ、特にTBSとテレ朝、毎日新聞と朝日新聞の息がかかった情報工作、世論誘導を行なっている偏向報道を主たる目的とした反日売国機関だと思ってました。
    事実、本来公表されているすべてを読めば正しく理解出来るのに、一部を隠して、強引な因縁をつけやすい部分だけ切り取り報道し、無関係でも悪印象を与える無理矢理な感情論で視聴者、国民を洗脳する。
    こんな悪質な手口が事実と公平に調査された結果に基づいて暴露されてます。
    テレビが好きな人は特に必読オススメです。

    0
    2017年12月04日
  • 最後の勝機(チャンス) 救国政権の下で、日本国民は何を考え、どう戦うべきか

    Posted by ブクログ

    雑誌の「正論」「Voice」への記事をまとめられた本なので、そういった、筆者と共通認識のある読書層向けの本だと思います。
    けれども、最終章の「安倍総理への手紙」はよかった。
    今後、なにをすべきかが的確に書いてあり、私などが読んでしまっていいのかと少し怖く感じました。
    言葉の奥の向こう側が少し見えそうでまだ見えません。
    何かの拍子で透けて見えだすとおそろしいことになるのではないかと思いつつ、今日はここで止めておこうと本を閉じるのでした。

    0
    2015年08月07日
  • 『永遠の0』と日本人

    Posted by ブクログ

    永遠の0の原作があまりに好きで、その延長のような評論に手を出してみた。興味深く、面白く読めた。
    『風立ちぬ』の章が特によかった。あの映画を見た後、もやもやした、なんとも座りの悪い気持ちになったのをよく覚えていて、その時の気持ちを代弁してもらったような気分になった。堀辰雄は読みつつも、堀越二郎の自伝には触れていなかったので、この機会に読んでみたい。
    学生の頃から、かっこつけのように日本批判をする人によく遭遇して、違和感を覚えていたから、精神構造のくだりはとても得心がいった。こういう風潮も、作られてきたんだなぁと。また、憲法への言及も、とてもわかりやすい。日本の平和状態を維持しているのは日本の外交

    1
    2015年02月17日
  • 『永遠の0』と日本人

    Posted by ブクログ

    日本人たるの矜持を失ふ勿れ

    平時に処し猶ほ克く特攻精神を堅持し
    日本民族の福祉と世界人類の和平の為最善を尽せよ

    0
    2014年04月04日
  • 『永遠の0』と日本人

    Posted by ブクログ

    実は、『永遠の0』を読んでから、何故百田尚樹さんがあの本を書いたのかといふ意図が能く解らなかつた。なぜなら『永遠の0』は読み方によつては反戦思想の物語にも読めるし、たんなるヒューマンドラマにも読めるからだ。しかし、この本を読んでから、疑問が氷解した。私の読み方が甘かつたのだつた。また、本書の中に引かれた英霊の遺書には涙を禁じ得なかつた。『永遠の0』解説本として好適。

    0
    2014年02月27日
  • 『永遠の0』と日本人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    映画「永遠の0」「風立ちぬ」「終戦のエンペラー」の解説あるいは批評かと思って読みだしたが、直ぐにそれが誤りだったことに気づかされる。著者はこの3作品を俎上に載せて、戦前(風たちぬ)・戦中(永遠の0)・戦争直後(終戦のエンペラー)の時代を語ろうとしている。
    穿った見方(読み方)をすれば、先の(太平洋戦争でなく)大東亜戦争や特攻の賛歌ではと、誤解を受けやすいが、問題の切り込み方や、論理展開が半端でなく、我々がこれまで目を背けていた「あの戦争」は何だったを考えされられる。
    個別の映画の批評としては以下のような内容になっている。
    「風たちぬ」
    著者は宮崎駿の中に内在する「戦後の平和日本」の矛盾を指摘す

    0
    2014年01月09日
  • 作家の値うち 令和の超ブックガイド

    Posted by ブクログ

    よくぞここまでバッサリ斬ってのけたという書評。なるほどなるほど言われてみればその通りや。って批評もあるけど、自分が好きな作家さんがボロクソに言われてたりもするので、小川さんはこう評価したって受け止めないと、自分にとっての良作を逃してしまうかも。

    0
    2024年09月22日
  • 徹底検証 テレビ報道「嘘」のからくり

    Posted by ブクログ

    テレビはネット記事を批判をするが、テレビも決して正しいばかりではない。放送法、電波法があるが実質的な罰則がないため法を破れてしまう現状がある。
    どんな情報も鵜呑みにせず自分なりの解釈を持とうね、ということだ。

    0
    2024年03月29日
  • 作家の値うち 令和の超ブックガイド

    Posted by ブクログ

    積ん読が増えてしまうけどこれを見なければ読まなかっただろう作家さんと出会える。
    宮本輝さんや古井由吉さんは読んだことがなかったけど積ん読リストに入れました。あと、この作家さん合わないかもなーと思って一〜二作で読むのやめてた人でも、高評価なのだけもう一作読んでみようかなと思いました。
    好きな作家さんが酷評されてる可能性はあるのでそれは割り切ったほうがいい。評価は好みが大きいと思うので、全部は鵜呑みにせず、参考程度にすれば良書だと思います。

    0
    2023年09月19日
  • 作家の値うち 令和の超ブックガイド

    Posted by ブクログ

     私が「これは面白い」と思った本に、最低レベルの評価がされていて、「面白さは人それぞれなんだな」とあらためて考えさせられた。今後の読書案内として活用したい。
     カズオ・イシグロの評価がめちゃめちゃ高い。

    0
    2022年01月11日
  • 作家の値うち 令和の超ブックガイド

    Posted by ブクログ

    なぜ別の人が?っていう疑問はあったけど、前任者が”同様の批評集が増えたら文壇の盛り上がりに寄与する”と考えていたみたいだから、それを汲んでってことかな。実際、作家も半分が重複だし、当然、その作家の作品も結構同じものが取り上げられているし。今回は対象作者が新しいこともあり、既読作家・作品が結構あった。その作品については、同意:反対=3:7くらいの感じ。エンタメ作家も文学の指標で断じている訳だから、文学を理解し切れない自分の評価がどうしても青いんだろうけど。傾向として、評価が低い作品は納得し兼ねるけど、高い作品はまあ理解できる、ってのが多かったから、高評価の作品群で未読のものは幾つか当たってみよう

    0
    2021年12月28日
  • 左巻き諸君へ! 真正保守の反論

    Posted by ブクログ

    そっか、新潮45の廃刊騒ぎは小川先生噛んでたんだっけ。

    これまでの小川先生が絡んだ「騒動」への反論が主。
    朝日からのスラップ訴訟、LGBT。
    電通の自殺騒ぎについても、きつい分析。
    ここの政治家、石破茂氏、小泉進次郎氏、小池百合子氏、山尾志桜里氏についての苦言。

    みんな相当とんがっているし、ネットで検索しても、罵倒に近い批評をされてるんだな、小川先生。

    だが、個人的には、納得的。
    もともと各々のニュースなどに触れた時に引っかかっていた棘が何なのか、明確に判る感じ。

    少なくとも、こういう人と、議論ができないと、健全ではないと考える。

    0
    2020年08月12日
  • 一気に読める「戦争」の昭和史1937~1945

    Posted by ブクログ

    本書の全てが真実なのかどうかを確認する術はない。しかし、これまで学校やテレビ等で端的に得てきた知識と大きく乖離する戦争の経緯は、激しく頭と心を揺さぶられた。
    昭和天皇についても同様だが、他のいろいろな書物で「大東亜戦争」という悲劇を少しでも真実に近い形で自分の中に留めておきたいと感じた。

    0
    2019年01月19日