「ポジティブ心理学の挑戦」
ポジティブ心理学のテーマはウェルビーイング。これを測定する判断基準は持続的幸福度(フラーリッシング)で、ポジティブ心理学の目標はこれを増大する事。
人間はどうしても人生に意味や目的を欲しがるもの。有意義な人生とは自分よりも大きいと信じるものに属してそこに仕えるという生き方。人類はこれを可能にするあらゆる制度(宗教、政党、エコライフ、ボーイスカウト、家族等)を築き上げてきた。
「幸福度」
テーマ:幸福
尺度:人生の満足度
目標:人生の満足度の増大
「ウェルビーイング理論」
テーマ:ウェルビーイング
尺度:ポジティブ感情、エンゲージメント、意味・意義、ポジティブな関係性、達成感
目標:持続的幸福度の増大
人々が報告する満足度とは、質問されたその瞬間に「自分がどれくらいよい気分でいるか」に左右され、頭で判断する割合は30%にも満たない。つまり、人生の満足度とは本質的に陽気な気分を測定するものなので、幸福学以上のものを目指す理論においては中心的な位置づけを得るのにふさわしくない。
ウェルビーイングの5要素(PERMA)
Positive emotion ポジティブ感情
Engagement フロー状態。思考や感情は存在しない。
Meaning 意味・意義。自分より大きいと信じる存在に属して仕える事。天命。
Relationships 関係性 関係性の為の関係性があるのかは不明。
Achievement 達成感 達成のための達成も含まれる。
ウェルビーイングとは、自分の頭の中だけで存在できない。気持ち良さと同時に、意味・意義、良好な関係性、達成を得る事が組み合わさったもの。
持続的幸福の調査項目
<基本的特徴>
ポジティブ感情、、、総じて自分はどれくらい幸せだと思いますか?
エンゲージメント、興味関心、、、自分は新しい事を学ぶのが好きだ
意味・意義、目的、、、たいてい、自分のやってることは有益で価値のある事だと思う。
<付加的特徴>
良好な関係性、、、自分のことを心から気にかけてくれる人がいる
自尊心、、、たいてい自分はとてもポジティブな人間だと思う
楽観性、、、、いつも自分の将来について楽観的だ
レジリエンス、、、自分の人生でうまくいかなかった時、たいてい普通の状態に戻るのにしばらくかかる。
バイタイリティ
自己決定
ケンブリッジ大学ウェルビーイング研究所では、持続的幸福度について、上記のポジティブ感情に加え、付加価値特徴の中から三つの項目が高い状態にある事と定義した。
ありがとうエクササイズ
・頭に浮かんだ人に感謝の手紙を書き、自分で届ける。
・手紙の内容は具体的に、700-800文字程度。
・その人が自分の為に何をしてくれたのか、そしてそれが自分の人生にどう影響を与えたのかを具体的に書く。
・自分が現在何をしているのかを相手に知らせる。また相手がしてくれた事をよく思い返していたと伝える。
・その人に電話して訪ねる。訪問理由はぼやかす。
・相手の前でその手紙を読み上げる。
うまくいった事エクササイズ
毎晩寝る前に今日うまくいった事を三つ書き出して、どうしてそれが上手くいったかを書く。
ポジティブサイコセラピー
1.ポジティブな自己紹介を書く。自分が最高だった時の物語を具体的に語り、自分の最高の強みをどう活用したかを説明する。
2.VIAテストを受け、自分の強みを理解する。
3.毎晩寝る前に良い事(その日に起きた3つ)日記を書く。
4.怒りや恨みの感情を書き出す。
5.ゆるしの手紙を書く。相手の罪やそれに関連した感情を説明し、相手を許すと誓う事。ただし、この手紙は相手に送らなくて良い。
6.今までちゃんと示していなかった相手に感謝の手紙を書く。これは相手に届ける。
7.自分のウェルビーイングを向上させる方法を再確認し、自分の為のウェルビーイング計画を考案する事。
8.自分の前で閉まった三つのドア(逃してしまったチャンス)について考える。その後、どんな新しいドアが開けたか?
9.他の人から報告されたポジティブな出来事に対して、積極的、建設的な反応を示す。自分の強みと大切な人の強みをたたえる時間を持つ。
10.家族全員でVIAテストを受け、全員の強みを並べる。
11.何か楽しい活動を計画して実行する。物事を深く味わうテクニックが具体的に書かれたリストを作る。
12.かなり時間のかかる事で、自分の強みを生かせる事を実行する事を通して最高の贈り物であり「時間の贈り物」をする。
13.快、エンゲージメント、意味・意義を統合する「十全な人生」について話し合う。
コミュニケーションの4つの反応方法
1.積極的×建設的
2.受動的×建設的
3.積極的×破壊的
4.受動的×破壊的
積極的かつ建設的に反応するように努力する事。
ロサダ比
ポジティブな発言対ネガティブな発言比率が2.9:1を上回る会社では経営状態が良好、下回る会社では悪化する。
カップルの場合は、5:1。
気づきの質問
1.自分の子供に望む事はなんですか?一言で答えてください。
2.学校は子供になにを教えているでしょう?一言で答えてください。
富の目的はさらに高いGDPを生み出す事ではなく、さらに多くのウェルビーイングを生み出す事でなければならない。
達成=努力×スキル
1.速いこと
課題について考える時の純粋な速さは、その課題がどれだけ無意識化しているかを示す。その課題について、当人がどれだけのスキルや知識を持っているかということ。
2.遅いこと
根底にあるスキルや知識とは異なり、実行機能(計画を立てる、課題の出来具合を確認する、記憶を呼び起こす、創造性を発揮する等)は遅い情報処理過程。知識やスキルを多く備えているほど、その分残りの時間をこの遅い情報処理過程の為に費やす事ができ、その分課題の仕上がり具合がよくなる。
3.学習率
学習速度が速いほど(これは課題について考える時の純粋な速さと同じ要素ではない)課題に取り組む時の各単位時間においてその分多くの知識を蓄積する事ができる。
4.努力
課題に費やす時間。課題に費やす純粋な時間は、目標を達成するのに持ち合わせているスキルを倍増させる。またこれは第一の要素の一部でもある。課題に時間を多く費やすほど、知識やスキルもまた増大する。
健康とは単に病気でないとか弱っていないということではなく、肉体的にも精神的にも社会的にも全てが良好な状態にあることをいう。
生きがいを持たない人間の心血管疾患による死亡率は、生きがいを持つ人間より160%高い。
この50年、米国はGDPが3倍に増加し、抑うつの罹患率が10倍に増加した。
「経験」の方がそれと同じ「値段」の商品よりも多くのウェルビーイングをもたらす。
幸福感は抑うつよりも伝染する。ポジティブな目標をめぐる上昇スパイラルは必ず起きる。