中町信のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ叙述ミステリーと言うことだが、思っている叙述ミステリー出ないような気がする。
トリックを知って もう一度読み返してみたい気がする本。
ストーリーは作家から原稿を預かった編集者がその内容が実際にあった事件と酷似していることに気づき、その事件を調べていくというもの。
その原稿に書かれている内容、人物は全て実在するもので、作品での犯人、現実のでの犯人は両方とも同一人物であろうことが分かる。
この編集者の女性が探偵役となり事件解決に奔走する。
そして推理小説のラストである犯人が指摘されるという王道のストーリーであるが、そこに叙述ミステリーとして一ひねりが加わる。
最初に書いたように自分としてはこ -
Posted by ブクログ
「中町信」の長篇ミステリ小説『三幕の殺意(英題:The Fugue With Three Parts)』を読みました。
『模倣の殺意』、『追憶の殺意』、『天啓の殺意』に続き、「中町信」の作品です。
-----story-------------
昭和四十年十二月初旬。
名峰、燧ヶ岳が目の前にそびえる尾瀬沼の湖畔に建つ、朝日小屋。
その冬はじめての雪が降り積もる夜、離れに住む「日田原聖太」が頭を殴打され、殺された。
山小屋には被害者に殺意を抱く複数の男女が宿泊していた。
容疑者の一人でもある、刑事の「津村武彦」を中心に、お互いのアリバイを検証してゆくが……。
叙述トリックの名手として独自の世界 -
Posted by ブクログ
「中町信」の長篇ミステリ小説『追憶の殺意(英題:The Fugue of Memory)』を読みました。
『模倣の殺意』に続き、「中町信」の作品です。
-----story-------------
自動車教習所の配車係が川土手で頭を強打して死んでいた。
さらに技能主任が密室状況下で殺され、続いて指導員が自分の車の中で殺されているのが発見される!
指導員と教習生を巻き込み、複雑に絡み合った人間関係の中から、捜査線上に浮かんだ一人の容疑者。
だが、その人物には、二重三重に仕組まれたアリバイが!?
著者がミステリの正統(密室+アリバイ破り)に挑んだ傑作!
------------------ -
Posted by ブクログ
ネタバレ● 感想
非常に複雑で、様々な要素が絡みあった作品。冒頭で、鹿角容子という人物が死亡した事実が告げられる。事故とも見えるが、他殺とも思われる。容子の夫であり、刑事である鹿角圀唯が捜査をする。
容子が死ぬ前に、容子のもと恋人で、過去に容子をひどい目に遭わせていた松口秀明が溺死していた。その溺死する場面を黙認していた夫婦がいたという。容子は、その夫婦に殺害されたのではないかと、圀唯は疑う。
もう一つの要素として、天神三津子、蒲生貞子、小田切雪枝、葛西幸子の4人が乗った飛行機が墜落。天神三津子だけが生き残る。
蒲生貞子は、夫である蒲生晃明と天神岳久に告発の手紙を送るが、岳久は純粋失語の症状で -
Posted by ブクログ
プロローグで展開されるスリリングなシーンを、そのままに受け取っちゃいけないんだろうなあ、と裏を読みながら読むのはやはり楽しい。あちこちに播かれた、違和感のあるエピソードの意味が終盤一気に解き明かされていく快感は、これこそミステリという気がする。とはいえ、何かに気付いた登場人物がそれを伝えることなく死ぬというパターンが、しつこく五回も繰り返されるのはさすがに無理があるだろう。少なくとも四つめの死を防げなかった警察は、無能と誹られても文句は言えまい。トリックの仕掛けにおいてはこれだけ繊細な作家さんが、ここまで無神経な展開を是とするのはやっぱり不思議。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ大学教授で脳外科医である堂上富士夫の妻、堂上美保が突然、同窓会に向かったホテルの側の田沢湖で、死体で見つかる。同上の妻はミステリ作家でもあり、15年前に起こった事件について調べている様子だった。
15年前に学校で起こった殺人事件。名城貞吉という元教師が、殺害される。容疑者だった和久井俊一は、自殺。美保はこの事件について調べている様子だった。
美保の死は自殺なのか、他殺なのか。他殺だとすれば、15年、前の事件と関わりがあるのか。美保が、15年前の事件の真相を知り、その真犯人に殺害されたのではないかと考え、堂上富士夫と、谷原奈那が捜査をする。
この作品には2つの事件がある。15年前の名城貞