中町信のレビュー一覧

  • 模倣の殺意

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    ネタバレ

    叙述トリック系の作品は初めて読んだので、すっかり騙された!読み進めていて後半の方でやっと日付が重要になると気づき読み返してみたがそれでもやはり分からず、本当に最後ら辺になってやっと二人の視点に矛盾があることに気づけた。
    古い作品の割に書き方は古くなく読みやすいが、2人の視点が交互に進む分かなりややこしいので、気合いを入れて集中して読む必要があり、読むのに少し疲れる作品。ただ集中して読んだ分、最後の最後に待つ衝撃を強く味わうことが出来ておもしろかった!

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    2026年06月17日
  • 模倣の殺意

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    ネタバレ

    青酸カリをあおり投身自殺を図った推理作家。死の前に発表した作品は自殺を仄めかした内容であっただけでなく、ある大御所作家の作品を模倣したものだった。
    坂井の知人だった編集者の中田秋子とルポライターの津久見伸助は、それぞれに坂井を殺害する動機を持つ者を調べ上げていく。二人が目星をつけた人物にはアリバイがあるため、それを突き崩すために奔走する。だが読み進めるうちに、中田と津久見がそれぞれに知る坂田は、同姓同名の別人だという事実が発覚する……。
    序盤の「遠賀野律子」に関する記述で違和感を覚え、それを抱いたまま終盤でその意味を理解する。著者中町信氏の経歴故に、叙述トリック作品は大方読破したという読者であっても未読の作品かもしれない。一昔前の上質なミステリー特有の空気感もハマる。

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    2025年05月04日
  • 模倣の殺意

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    書店で大々的に、これは凄い!みたいな紹介がされていたので、読んでみる。

    うーん。

    まぁ、なるほどねぇといった感想。
    こういう純粋な犯人は誰だ的なお話は得意ではないのかも知れない。

    しかし、読んでいる間は楽しい。

    星は3.2といったところ。

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    2025年04月07日
  • 模倣の殺意

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    ややこしくてちょっとよくわからなかった‥
    解説でトリックについて読んだけど。
    こういうのを叙述トリックというのですね。

    それにしても、昭和ってこんな時代だったな‥
    時代の変化がものすごくて、そのことにびっくりです。

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    2025年02月28日
  • 模倣の殺意

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    かなり古い作品でしたが、そこまで古さは感じず。
    ただ、ちょっと入り込めなかった…。
    叙述トリックについては、気付けなかった笑
    視点がグルグル変わりながら進んでいく斬新な展開なので、敢えて何も考えず読んでたので、結末を理解しながら再読したらもっと伏線が見つかるのかもしれない。(これはどっちの〇〇だ…!?ってなってしまった)

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    2024年12月23日
  • 模倣の殺意

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    坂井の死の真相を、2人それぞれの視点で追うストーリー。終盤「あっ!そういうことか」となり、エピローグに向けて一気に駆け上がっていく。今、読むから新しさは少なめですが、発行されたのが50年前と考えれば、凄いと唸ります。

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    2024年12月18日
  • 模倣の殺意

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    50年前の発売当初に読んでたら星5にしてた。
    だけど叙述トリック系の有名作品をいっぱい読んでたから、あまり刺さらなかったな〜。
    登場人物と話の転換が多くて読みにくかったのと、真相も一発で理解できない複雑性があって全体の完成度でいうと後発の他著者作品の方が評価されるのは納得。

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    2024年12月09日
  • 模倣の殺意

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    古い時代の話だなと思ったら70年代に書かれた小説なんですね。
    「親子電話」など聞いたことがない言葉がちょこちょこあってあんまり集中できませんでした。
    でも最後のどんでん返しは面白かった!

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    2024年10月25日
  • 模倣の殺意

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    昔の作品ということもあり、言い回しや表現などが時代を感じさせるものが多く少し取っ付きづらく感じ、初めは読み進めるのに時間がかかった。
    だが、物語が進展して真相が見え始めたとき、驚きと混乱とで続きが気になり、最後はあっという間に読み終えた。全てを知った上でまた読むと理解が深まりそう!

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    2024年03月04日
  • 模倣の殺意

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    ネタバレ

    面白かったし、トリックもいい感じだったけど、なんだかあんまり熱中して読めなかったー
    秋子と津久見が違う時間軸じゃないかとそこは驚きたが同姓同名の坂井正夫と言うトリックに驚いた。

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    2024年02月06日
  • 天啓の殺意

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    ネタバレ

    叙述ミステリーと言うことだが、思っている叙述ミステリー出ないような気がする。
    トリックを知って もう一度読み返してみたい気がする本。

    ストーリーは作家から原稿を預かった編集者がその内容が実際にあった事件と酷似していることに気づき、その事件を調べていくというもの。
    その原稿に書かれている内容、人物は全て実在するもので、作品での犯人、現実のでの犯人は両方とも同一人物であろうことが分かる。

    この編集者の女性が探偵役となり事件解決に奔走する。
    そして推理小説のラストである犯人が指摘されるという王道のストーリーであるが、そこに叙述ミステリーとして一ひねりが加わる。

    最初に書いたように自分としてはこれ叙述ミステリー?みたいな気がするのだが、普通の推理小説ではないのは分かったが、叙述ミステリーと言われてもなるほどとはならなかった。

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    2023年10月21日
  • 三幕の殺意

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    「中町信」の長篇ミステリ小説『三幕の殺意(英題:The Fugue With Three Parts)』を読みました。
    『模倣の殺意』、『追憶の殺意』、『天啓の殺意』に続き、「中町信」の作品です。

    -----story-------------
    昭和四十年十二月初旬。
    名峰、燧ヶ岳が目の前にそびえる尾瀬沼の湖畔に建つ、朝日小屋。
    その冬はじめての雪が降り積もる夜、離れに住む「日田原聖太」が頭を殴打され、殺された。
    山小屋には被害者に殺意を抱く複数の男女が宿泊していた。
    容疑者の一人でもある、刑事の「津村武彦」を中心に、お互いのアリバイを検証してゆくが……。
    叙述トリックの名手として独自の世界を築いた著者の遺作。
    著者あとがき=「中町信」/解説=「戸川安宣」
    -----------------------

    1968年(昭和43年)に刊行された『湖畔に死す』を、大幅に加筆・改稿し長篇化して2008年(平成20年)に発表された著者最後の作品です。

     ■プロローグ
     ■第一幕
     ■第二幕
     ■第三幕
     ■エピローグ
     ■あとがき
     ■解説 戸川安宣

    昭和40年、東京オリンピックが開催された翌年の、厳しい雪の訪れを間近にひかえた12月初旬のこと… 水芭蕉の花で有名な尾瀬沼の湖畔にある朝日小屋、その離れで、そこに住む男「日田原聖太」が、その年初めての雪の降り積もる夜、何者かの手で殺された、、、

    朝日小屋にはその晩、被害者に恨みを持つ男女が何人か泊まっていた… 誰もが犯行は可能と思われるが、犯人絞り込みの決め手はない。

    容疑者の一人に数えられると同時に神奈川県警のベテラン刑事「津村武彦」によるアリバイ崩しが始まる……。


    吹雪により外部との接点が閉ざされ、容疑者が山荘の関係者と宿泊者に限定されるという舞台設定のクローズドサークル物… 過去の殺害事件も絡み、二つの事件の犯人と関係者が錯綜してやや複雑な構成になっていますが、その割には読みやすく描かれていたと思います、、、

    ラスト3行でひねりが加えてあるとのことですが… 最後の2ページくらいでエンディングは想定できましたけどね、まっ、愉しめました。

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    2023年08月18日
  • 追憶の殺意

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    「中町信」の長篇ミステリ小説『追憶の殺意(英題:The Fugue of Memory)』を読みました。
    『模倣の殺意』に続き、「中町信」の作品です。

    -----story-------------
    自動車教習所の配車係が川土手で頭を強打して死んでいた。
    さらに技能主任が密室状況下で殺され、続いて指導員が自分の車の中で殺されているのが発見される! 
    指導員と教習生を巻き込み、複雑に絡み合った人間関係の中から、捜査線上に浮かんだ一人の容疑者。
    だが、その人物には、二重三重に仕組まれたアリバイが!? 
    著者がミステリの正統(密室+アリバイ破り)に挑んだ傑作!
    -----------------------

    1979年(昭和54年)に第25回江戸川乱歩賞の最終候補作に選ばれた『教習所殺人事件』を、1980年(昭和55年)に『自動車教習所殺人事件』と改題して出版… その後、2013年(平成25年)に『追憶の殺意』に改題された作品、、、

    「中町信」の作品って、改題されている作品が多いようですが、本作品は3つもタイトルを持っているようですね。

     ■プロローグ
     ■第一章 憎悪の牙
     ■第二章 檻の中の羊たち
     ■第三章 密室の死
     ■第四章 情事の果てに
     ■第五章 駐車場の死体
     ■第六章 ドアの解明
     ■第七章 死者からのメッセージ
     ■第八章 追尾の国道17号線
     ■第九章 偽造の背景
     ■終章 殺意のライセンス
     ■解説 三浦大

    年も押し迫ったある日、埼玉県岩槻市の川土手で、自動車教習所の配車係「石川梅夫」が死体で発見された… 「石川」には職場の同僚「小笠原則夫」、「新部進」と悪質なギャンブルを行なっていた疑いが浮上する、、、

    そして年が改まったとたん、教習所の技能主任「金野健作」が密室状況下の建物の中で撲殺される… さらに指導員の「大淵正夫」が自宅マンションの駐車場にカバーをかけて駐めてあった自分の車の中で殺されていた!! 

    自動車教習所に通う教習生と指導員――その絡み合いの中からあぶり出される複雑な人間関係… やがて捜査線上に浮かんだ容疑者、教習生の「設楽秀夫」には、二重三重の鉄壁なアリバイがあった……!?


    謎の解明が、次の謎を誘発… そして、密室トリックに自動車の入れ替えトリック、さらにアリバイ作りのための年賀状(消印)トリックや時刻表トリック、ドライバーの入れ替えトリックという贅沢な構成、、、

    本格ミステリを愉しめる展開でしたね… 唯一、気になるのは、感情移入できる魅力的な登場人物がいないことかなー 巧いし、愉しめるし、面白いんですけどね、そこがちょっと物足りませんでしたね。

    でも、自動車教習所の雰囲気… とても懐かしく感じながら読めました、、、

    もう30年以上も前ですけどねー

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    2023年08月13日
  • 空白の殺意

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    サスペンスは都合が良い場面が出てくるのはしかたないんだけど、その流れの雰囲気があからさま過ぎると少しチープになってしまうので、難しいですよね。作家さんは大変だなぁ。

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    2023年07月15日
  • 三幕の殺意

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    雪に閉ざされた山小屋が舞台だが、連続殺人ではなく、容疑者限定のためのクローズドサークル。けれど所謂フーダニットとは少し毛色が違う。容疑者たちのアリバイが次々と崩されていくのだが、それが真犯人には繋がらないという展開。個々のアリバイトリックそのものは小粒なので、短編連作のような味わい。「最後の三行」も短編のオチだろう。ここだけをうまい具合に切り取ったら、いい感じの異色短編ができる気がします。

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    2023年03月12日
  • 空白の殺意

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    最大の仕掛け(トリックとも違うのよ)がラストに来るので、そこまでは、端正なフーダニットなんて、少しらしくないかなと思いながら読んでいた。普通のミステリ読者なら、ここに絶対何かあるぞと考えるだろうディテールが、最後できれいに回収されるのが快感。作者さんのお気に入りだけのことはあります。

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    2023年01月21日
  • 死の湖畔 Murder by The Lake 三部作#2 告発(accusation) 十和田湖・夏の日の悲劇

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    ネタバレ

    ● 感想
     非常に複雑で、様々な要素が絡みあった作品。冒頭で、鹿角容子という人物が死亡した事実が告げられる。事故とも見えるが、他殺とも思われる。容子の夫であり、刑事である鹿角圀唯が捜査をする。
     容子が死ぬ前に、容子のもと恋人で、過去に容子をひどい目に遭わせていた松口秀明が溺死していた。その溺死する場面を黙認していた夫婦がいたという。容子は、その夫婦に殺害されたのではないかと、圀唯は疑う。
     もう一つの要素として、天神三津子、蒲生貞子、小田切雪枝、葛西幸子の4人が乗った飛行機が墜落。天神三津子だけが生き残る。
     蒲生貞子は、夫である蒲生晃明と天神岳久に告発の手紙を送るが、岳久は純粋失語の症状で読めない。蒲生晃明は、手紙の内容をごまかす。
     また、溺死した松口秀明は癌で余命わずか。それでいて、ミステリ作家になりたいという夢があり、天神岳久の過去作を自己の作品として出版社に持ち込み小田切孝にも見せる。これを小田切孝が盗作してしまう。
     葛西は、天神岳久の方が盗作をしたと疑う。
     整理すると、この物語を複雑にしている要素として以下のものがある。
     飛行機事故により、蒲生貞子、小田切雪枝、葛西幸子が死に、天神三津子だけが生き残ったこと。
     天神岳久が純粋失語の症状。この症状により蒲生幸子が出した手紙を岳久は読めず、蒲生晃也が内容をごまかしたこと。
     松口秀明が天神岳久の過去作を自己の作品として持ち込む。これを小田切孝た盗作したこと。
     天神三津子と蒲生晃也が不倫をしていたこと。
     これらを利用した叙述トリックが仕掛けてらており伏線もある。極めて技巧的な作品
     読んでいて力作だと感じるが、面白いかというと、複雑になり過ぎていて、すんなり驚けない。詰め込み過ぎなのである。本当によくできたミステリは、1つの事実が核となっており、その核に気付くことで、様々な要素の真相が明らかになっていくような作りの作品だと思う。これだと、サプライズも高く、分かりやすい。
     この作品は、その核がない。天神岳久が純粋失語であったことが大きなポイントとなっているが、この事実と、盗作騒ぎ、不倫騒ぎ、飛行機事故といった他の要素の核となっておらず、それぞれが小さな核となっている。
     要約しにくい作品であり、どういう作品だったと一言で言えないので、印象に残りにくい。複雑な作品だったという印象が残ってしまう。
     力作だし、こういった練り込まれた作品は好みである。しかし、1つの核から様々な点が解きほぐされていく作品よりは低い評価となってしまう。★3で。

    ● メモ
    鹿角容子
     刑事である鹿角圀唯の妻。湖畔の達磨岩から落ちて死亡。「十和田湖の事件」を目撃したことが原因で殺害された。松口秀明が溺死するのを助けずに見ていた小田切孝・雪枝夫婦に殺害されたと思わせて、実は、蒲生晃也と天神三津子の不倫の現場を目撃したことが原因で殺害されていた。

    松口秀明
     十和田湖で溺死。女性関係のスキャンダルで、天神岳久の弱みを握っている。癌で長く生きられない状態だった。ミステリ作家になりたかったために、天神岳久の過去の作品を勝手に持ち出し、自分の作品として売り込む。これが、天神岳久の盗作騒ぎにもつながる。また、この作品を小田切孝が自分の作品として発表。これがバレないように、小田切夫婦は、松口が溺死しようとする場面で、転覆事故を黙殺した。

    柏木里江
     容子の高校時代の同級生。容子の死を他殺と疑う。容子の死の真相を告発しようとして、殺害される。
     蒲生晃也、貞子夫婦に松口の転覆し黙殺と容子殺害を告発する手紙を出した…思われていた。しかし、実際は、松口由美と話をしたことから、容子は不倫の現場を目撃したことが原因で殺害されたということに気付く。最初は、天神岳久と蒲生貞子が不倫している現場を目撃したから、容子が殺害されたと思ったが、貞子と話をして、蒲生晃也と天神三津子が不倫していた場面の目撃したから殺害されたと気付く。
     天神岳久にも手紙を出していたが、天神岳久が失語症だったこと、それを利用し、手紙に着いて、蒲生晃也が嘘の内容を告げたことが、この事件をややこしくした。

    松口由美
     松口秀明の妻。鹿角容子が、松口秀明が溺死しようとした場面を黙殺したと誤解し、容子を責める。容子は、黙殺されていないことを、家政婦に証言してもらおうと思い、天神の別荘に向かい、不倫現場を目撃し、殺害されるという流れとなる。

    浅海和歌子
     天神三津子の姉。プロローグに登場し、蒲生晃也の手紙の3枚目を盗んだ人物。最後にも出てくる。ちょい役だが、天神三津子が犯人ではなく、別の人物が犯人であると見せかける叙述トリックとなっている。

    天神三津子
     蒲生晃也と不倫をし、不倫の現場を目撃されたことから、蒲生晃也と、鹿角容子を殺害する。プロローグで、墜落する飛行機で蒲生貞子と話をしていた人物である。飛行機事故で生き残り、証言をするが、記憶を取り戻した後の証言は嘘。小田切夫妻を犯人にしたてあげようとした。

    天神岳久
     ミステリ作家で女好き。純粋失読という障害で、文字を読むことができなくなっている。この物語のキーマンであり、ややこしくしている張本人。鹿角容子に手を出そうとしていたり、蒲生貞子と不倫をしていると疑われたりし、ミスディレクションの役割を果たしている。松口秀明に弱みを握られており、秀明に、過去の作品の原稿を盗まれたことも、物語をややこしくしているし、小田切夫婦が秀明の溺死を黙認した事件につながる。また、純粋失語を蒲生晃也に利用されており、天神岳久に贈られた手紙を読めなかったこと、その手紙の内容を蒲生晃也に読ませたが、蒲生が嘘の内容を話たことが、叙述トリックとなっている。最後は、蒲生晃也と天神三津子の不倫の事実を知り、晃也に殺害される。

    小田切雪枝
     夫である小田切孝に、癌で余命いくばくもない、松口秀明の作品の盗作を促す。飛行機事故で死んでいるが、天神三津子の策略により、鹿角容子殺害の犯人に仕立て上げられようとされた。

    小田切孝
     極度のスランプになっていたことから、妻である雪枝の促しもあり、松口秀明の作品を盗作。秀明の溺死を黙認する。また、これが天神岳久の過去作であったことから、身の破滅を感じ、自殺する。物語では、犯人役としてミスディレクションになっているが、最も怪しい人物でもあり、まぁ、犯人ではないなと思われる立場

    葛西幸子
     飛行機事故で死ぬ。

    葛西清吉
     編集者。天神岳久が、松口秀明の作品を盗作していると考える。最終的に、蒲生晃也が、天神岳久をかばっていると誤信し、蒲生晃也に殺害される。

    蒲生貞子
     天神岳久と並ぶ、この物語のキーパーソン。飛行機事故で死ぬ。独自に十和田湖事件を捜査し、鹿角容子殺害の真相を知る。最初は、柏木里江に、天神岳久と不倫していたと誤解され、容子殺害を疑われる。ここから、蒲生晃也と天神三津子の不倫の事実を知り、天神岳久と蒲生晃也に手紙を出す。天神岳久が純粋失語であり、蒲生晃也が嘘をついたことから、事態がややこしくなる。物語をややこしくするために存在するような人物

    蒲生晃也
     鹿角容子、葛西清吉、天神岳久殺害の犯人。天神岳久が文字が読めない状態であることを知っており、これを利用して貞子からの手紙の内容を、物語の登場人物だけでなく、読者にも誤解させる。天神岳久殺害は、岳久が複数の締切の原稿を用意していたことを利用したアリバイトリック。妻を殺害された被害者っぽい位置にいたが、最後は、天神三津子と不倫をしており、原稿を得るために、この事実を隠そうとしていたことが分かる。

    鹿角容子
     もと恋人である松口秀明に過去にひどい目に遭わされていた。そのことで、秀明の妻から、秀明の溺死を黙認した人物と誤解される。その誤解を解くために、天神岳久の別荘を訪れると、蒲生晃也と天神三津子の不倫の現場を目撃。そのため、殺害される。こう書くと、かなりひどい目に遭っている人といえる。

    鹿角圀唯
     容子の夫であり、刑事。容子殺害の真相を知るために、十和田湖事件を捜査する。柏木里江とも協力するが、里恵は死亡。松口秀明の溺死を黙認した人物に容子が殺害されたと考える。松口秀明の溺死を黙認したのは小田切夫婦だったが、実際は、天神三津子と蒲生晃也の不倫の現場を目撃したことから、容子はこの二人に殺害されていた。里江が出さなかった手紙を読んだことから真相に気付く。最後のポイントは、天神岳久が純粋失語だったこと。

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    2023年01月18日
  • 死の湖畔 Murder by The Lake 三部作#2 告発(accusation) 十和田湖・夏の日の悲劇

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    プロローグで展開されるスリリングなシーンを、そのままに受け取っちゃいけないんだろうなあ、と裏を読みながら読むのはやはり楽しい。あちこちに播かれた、違和感のあるエピソードの意味が終盤一気に解き明かされていく快感は、これこそミステリという気がする。とはいえ、何かに気付いた登場人物がそれを伝えることなく死ぬというパターンが、しつこく五回も繰り返されるのはさすがに無理があるだろう。少なくとも四つめの死を防げなかった警察は、無能と誹られても文句は言えまい。トリックの仕掛けにおいてはこれだけ繊細な作家さんが、ここまで無神経な展開を是とするのはやっぱり不思議。

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    2023年01月04日
  • 死の湖畔 Murder by The Lake 三部作#1 追憶(recollection) 田沢湖からの手紙

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    ネタバレ

     大学教授で脳外科医である堂上富士夫の妻、堂上美保が突然、同窓会に向かったホテルの側の田沢湖で、死体で見つかる。同上の妻はミステリ作家でもあり、15年前に起こった事件について調べている様子だった。
     15年前に学校で起こった殺人事件。名城貞吉という元教師が、殺害される。容疑者だった和久井俊一は、自殺。美保はこの事件について調べている様子だった。
     美保の死は自殺なのか、他殺なのか。他殺だとすれば、15年、前の事件と関わりがあるのか。美保が、15年前の事件の真相を知り、その真犯人に殺害されたのではないかと考え、堂上富士夫と、谷原奈那が捜査をする。
     この作品には2つの事件がある。15年前の名城貞吉殺し。この事件では、殺人犯とたまたまその場に出くわして、死体遺棄がされたことを黙っていた3人の学生がいる。その3人が、15年後に、相次いで死亡することで、つながりがあり、二つの事件の犯人が同じであるとミスリードしていく。
     15年前の事件の真相を書いた手紙があるが、その手紙には、5年前の堂上富士夫が妻に行った脳の手術が失敗であったことが書いてあった。美保は夫の名誉を守りるため、自身が闘病のつらさに耐えられないと感じたため自殺していた。
     15年前の事件の犯人は、本村という男。この男も作中で自殺する。美保の死は自殺で、15年前の事件の死体遺棄の目撃者でもあった3人、谷原卓二、秋庭ちか子、添畑明子は、脳手術の失敗を隠蔽するため、堂上富士夫に殺害されていた。
     15年前の事件とのつながりがあると見せかけるミスディレクションは巧み。脳手術が失敗していると思わせるような伏線もあり、最後に、真の動機が分かる部分は意外性もある。
     ただし、最後の最後で一気に真相が分かるが、つながりがさほどスムーズでなく、2つのミステリが無理やりくっついている印象がある。添畑明子がベランダにいたというトリック、長靴のサイズの違いから、死体遺棄があったことを推理する点等の小技もあり、堂上富士夫の谷原卓二殺しには時刻表を使ったトリックまで出てくる。
     盛沢山でもあるが、ごった煮的で、あまりエレガントな構成とはいえない。その辺りが中町信らしくもある。
     トリックそのものは、時刻表のトリックも、ベランダを利用した消失トリックも、いずれもチープ。この作品のウリは、15年前の事件の真犯人が現在の事件の犯人であると見せかけ、その捜査をしていた人物が犯人。動機は、脳手術の失敗を隠すためで、その伏線はあからさまに示されている。この「伏線」の使い方が、中町信作品のウリでもある。
     解説でも書かれているが、都合よく人が死に過ぎるなど、リアリティはない。叙述トリックを使った本格ミステリで、中の上くらいか。★3で。

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    2022年12月29日
  • 追憶の殺意

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    使い回しのトリックを一ひねりした密室に見えない密室殺人と、大ネタにプラスして、短編が一つ書けそうなアイデアを二つもおまけしたアリバイトリック。呆れるほど丁寧に張り巡らされた伏線などミステリとしては極めて高品質。一方、読み物としては読みやすい文体くらいしか褒めるところを思い付かない。発表の1980年というと、まだ社会派リアリズムの時代で、ミステリはこんな感じが主流だったのかも知れないが、なんか残念。

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    2022年12月14日