「中町信」の長篇ミステリ小説『天啓の殺意(英題:The Apocalyptic Fugue)』を読みました。
『模倣の殺意』、『追憶の殺意』に続き、「中町信」の作品です。
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「柳生照彦」から持ち込まれた犯人当てリレー小説――「柳生」の問題編に対し、タレ
...続きを読むント作家の「尾道由起子」に解決編を書いてもらい、その後に自分の解決編を載せる――要するに作家同士の知恵比べをしよう、という企画は順調に進行するかに見えたが……。
問題編を渡したまま、「柳生」は逗留先から姿を消し、しかもその小説は半年前の実在事件を赤裸々に綴ったものだった。
『散歩する死者』の全面改稿決定版!
著者あとがき=「中町信」/解説=「亜駆良人」
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1982年(昭和57年)に刊行された『散歩する死者』を、2005年(平成17年)に『天啓の殺意』に改題した作品、、、
「中町信」の作品って、改題されている作品が多いようですが、本作品は2つしかタイトルがなので少ない方ですね。
■プロローグ
■事件
■追及
■捜査
■真相
■エピローグ
■あとがき
■解説 亜駆良人
2年ほど前まで売れっ子推理作家だった「柳生照彦」から『小説世界』の編集部員「花積明日子」に持ち込み原稿の電話があった… それも自分が書いた“問題篇”を他の作家に読んでもらい、その作家に“解決篇”を書いてもらうという趣向だった、、、
「花積」は問題篇を読み進むうち、未解決の殺人事件・猪苗代湖畔での「神永朝江」殺しの事件が実名のまま書かれていることに気付く… そして数日後、遺書らしきものを残して「柳生」は消息を絶った。
「花積」は、「神永朝江」殺しの事件に興味を持ち、独自に捜査を進めるが、事件の容疑者や関係者が次々と謎の死を遂げる… そして、「柳生」から解決篇を書いてほしいと熱望され、「花積」が真犯人と睨んだタレント兼作家の「尾道由起子」が不審死を遂げる……。
疑わしい人物や、証人になりそうな人物が次々と殺害され、どうなるんだ!? と思っていたのですが、まさか、ミステリ作品の中にミステリ作品が包含されるという入れ子式ミステリだったとはねー 作中作により、巧くミスリードさせられる展開を愉しめました、、、
こんな展開大好きです… これまでに読んだ「中町信」の作品の中でイチバン面白かったですね。