中町信のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
書店で推されていたので読んでみた。
目玉は大きなトリックと中くらいのトリックの2つ。中くらいのトリックはちょっとアンフェアな気がするが、大きなトリックは、なるほどあれもヒントだったのに気がつかなかったな、と納得。最後は複雑だったけど一気に読んだ。
この文庫版初版は2004年刊行だが、元は1973年乱歩賞候補作。初めて単行本として刊行されたときは「新人賞殺人事件」で、紆余曲折を経て今のタイトルに。
作品の基本プロットは変えずに、より読者に楽しんでもらうために、別タイトルで刊行されるたびに一部変更もなされ続けてた。そうして、この文庫版はその「決定版」だそう(「解説」による)。50年以上前の作品が元になっているが、文体も書かれた時代を感じさせないほど読みやすい。
この文庫版は、著者の死後、再発掘プロジェクトで再刊行され、それからベストセラーになったとか。自分も失礼ながら著者とその作品をこれまで知らなかった。本書を読んで、著者はつくづく不遇で過小評価されているなあ、と感じた。
本作には、こうした著者の推理作家としての鬱屈した思いと、それでも描き続けることが好きって気持ちも込められている気がする。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ"坂井正夫"が実は2人いることや、中田秋子と津久見伸助が、それぞれ別の坂井正夫について捜査しており、時期も1年ズレているというトリックがあった。
読んでいる間にちょこちょこ違和感を感じた気もするが、このトリックには全然気づかなかった。
しかも1年後の坂井正夫は中田秋子が殺していたというのも驚き。
しかし、最後の真相までの捜査の様子はそれほどサクサク読めるほど熱中できず、最後のトリックも驚きはしたものの、結構大胆だなぁ〜という感じでまぁまぁだった。
あと秋子の殺害の動機が、父の名誉を守るためっていうのが納得できなかった。先の坂井正夫が好きだからじゃないのー!?笑 ってなった。
でもこの本の大元が最初に出版された1972年にはこのような叙述トリックものはまだなかったそうなので、それらの先駆けになっているのならばそれはすごいことだ。