牧野千穂のレビュー一覧
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枕にするには理想的な、ふっわふわで、ふっかふかの素材たちが登場します。その質感とぬくもりのある絵が、 大人の私が見ても「 はぁ〜♡」と 癒されます。寒い冬にぴったりの温かさを感じる絵本です。
おやすみの時間なのに寝たくない “こんねこさん”のところへ次々にやってくる、まくらになりそうなものたち。「可愛い〜」「おいしそう!」「気持ちよさそう‥」「あったかそう‥」などなど、そのものが持つ特徴的なふわふわ感が、気持ちをまぁるくしてくれます。
イラストレーターの牧野千穂さんの描く絵は、シンプルな油彩画のように余分なものがなく、塗り込められているのに、温かい空気が漂います。文書は、詩人の斉藤倫さんと、絵本作家のうきまるさんのコラボ。短いセンテンスの中にやさしさと癒しが感じられます。
読んであげるなら2歳児くらいから。ひとりで読むなら(見るなら)年長さんくらいからがお勧めです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ昭和16年に小学校3年だった大阪生まれの主人公が、戦前・戦中・戦後、どのように生活したか また、当時日本はどのような状況だったかを具体的に実話を元に描いた物語だった。
今まで色々な、太平洋戦争を元にした物語を読んできたが、1番悲惨な環境だなと思った。
赤ちゃんの時に亡くなった子供を含めて10人。そのうちの5人と両親の家族だった主人公。
京都在住のサバサバ系長女。婚約者が戦死。母と主人公、三男の生活の手助けやお金の工面をしてくれた。のちに結婚し、主人公の娘を養女とした。
結婚後、吹田市に移住した長男。嫁のせいで人間性が変わる。母と主人公、三男、愛犬が居候してきた時は、嫁のいいなりだった。
だれにでも優しく、山仕事と動物園の手伝いをしていたが出征した次男。出征して4ヶ月で戦死。
車掌の次女。のちに結婚して独立。
あだな「ちいやん」の主人公。戦時中、母と三男、愛犬の面倒や看病などをしていた。のちに結婚し、3人生まれる。
甘えん坊で主人公の2つ下の三男。母と主人公、愛犬といつも一緒だった。
三男が小一の時に拾って飼い始めた愛犬。主人公の長女が生まれる前の年に亡くなった。
防空壕に避難したが、焼夷弾が落ちて命からがら避難したり、見渡す限り火の海で知り合いや一緒に避難した名前も知らない人が目の前で飛び散った炎や焼夷弾で殺されても自分の命を守るために無我夢中で逃げ回ったり、安全な場所を求めて何回も引越ししたり…。本当に、戦争中は「大変」という言葉で済まされないくらい大変な生活だったんだなと改めて知った。
本文から、知らなかったことなど
1 子供が履く運動靴は靴屋の店頭から消え、学校からの抽選配給となった。抽選配給のため、抽選に当たる人、当たらない人との差が激しく、当たらない人は永遠と小さい靴を履いていた。
2 憲兵と別に、思想犯や社会運動をする人を取り締まる特別高等警察がいた。
3 戦死者を出した家庭は名誉ある家のため、玄関に「誉の家」と書かれた紙を貼るよう町から配られた。
4 昭和18年に死者1万人の、鳥取地震や本州西部に台風が来て大被害が出たが、メディアは控えめに報道していた。
5 集団疎開先で使う布団などは寝る本人が持参する。また、集団疎開しても食材は自分達で調達する。
6 空襲の火災が広がらないように、密集している家々を壊すことで家を壊した空き地を防火帯にする、建物疎開というものがあった。それに当てはまる住民は強制的に引越しさせられた。
7 焼夷弾からはじけて飛んだ、ゼリーのような火油は張り付いたら最後、皮膚だろうが、服だろうがくっついたまま、燃え続ける。水をかけても、燃え広がって火が消えない。
8 GHQが来ても配給制度は変わらず、物資・食料の不足は戦時中より悪くなった。
9 違法な闇市で買った品物が見つかれば全て警察に没収された。
10 戦後も停電だったが、市電はいつも動いていた。けれど、それに乗ると取り締まりの警官が巡回してくることが多かった。 -
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若夫婦が猫を飼い、とても幸せに暮らしていたが‥?
愛あふれる切ない物語。
彩乃と未知男は見合いで出会って一目惚れ。
すぐに結婚して北米にわたります。
どちらもバツイチで、抱えているものもありました。
理想的な相手と、きれいな田舎町で暮らすことに。
まるで少女の夢見た物語のように、甘く可愛らしい展開。
保護施設で見つけた長毛のうつくしい雄猫マキシモ。
猫のことで毎日笑い、夢中になり、猫を中心にすっぽりと愛に包まれた暮らしが積み重なってゆきます。
そして16年。
猫の病気を見守る日々から、喪失へ。
これまでの幸福が暗転したかのように、苦しむことになります。
愛猫との暮らしぶりと、その後の嘆きがあまりにリアル。
設定は私小説というわけではないのでしょうが。
猫を見送った辛さを、こういう形で描かずには、乗り越えられなかったのかも。
夫婦でも悲しみ方にも違いがあり、慰め合おうにも当初は互いの顔を見ても悲しみが増すばかり。
やがて、二人の胸の中に同じ形をした空洞があると思うに至ります。
やっと少しずつ、気持ちの整理がつきかけたところまで描かれています。
まったく身動きの取れないようだったのが、いつしかさらさらと変化していく兆し。
そのことを救いに。
経験があるので、気持ちはわかりすぎるほどでした。
でもね‥出会えた喜びは、別れの辛さよりもきっと強いと思うんですよ。
悲しみは完全に消えることはないけれど、苦しみはだんだん薄れていってくれます。
そして、愛と幸せな思い出は、いつまでも続きます。 -
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なんとなく表紙が気になって手にしてみる。
買い猫が死んじゃうお話なのね・・・と思いつつ、いったん手放すも、猫好きの本読み友達の顔が浮かんで、たまにはこういうのも読んでみますか、と購入w
猫のかたちの幸せは、猫のかたちの空洞に・・・。
愛し合っている二人は、喜びは何倍にもできるけど、喪失は半減させることができない。
それぞれが猫のかたちの空洞をかかえ、それはそれぞれの方法で埋めていくしかないらしい。
でも、その猫のかたちの空洞の中に猫はいる。
埋めるのでなく、お互いがそれぞれの猫のかたちを、悲しいものとしてでなく、愛おしむことができるようになったとき、また三人で一緒に暮らせるようになる・・・きっと。
そんな日が早く来るといいねと、そっと願いたくなる物語。
未知男みたいなダンナさん、なんて理想的な!と思いながら読んでいたんだけど、あまりに猫を愛しすぎてて、ラストでは、やっぱこの人の妻はムリだな、と思うw