牧野千穂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ昭和16年に小学校3年だった大阪生まれの主人公が、戦前・戦中・戦後、どのように生活したか また、当時日本はどのような状況だったかを具体的に実話を元に描いた物語だった。
今まで色々な、太平洋戦争を元にした物語を読んできたが、1番悲惨な環境だなと思った。
赤ちゃんの時に亡くなった子供を含めて10人。そのうちの5人と両親の家族だった主人公。
京都在住のサバサバ系長女。婚約者が戦死。母と主人公、三男の生活の手助けやお金の工面をしてくれた。のちに結婚し、主人公の娘を養女とした。
結婚後、吹田市に移住した長男。嫁のせいで人間性が変わる。母と主人公、三男、愛犬が居候してきた時は、嫁のいいなりだった。
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Posted by ブクログ
若夫婦が猫を飼い、とても幸せに暮らしていたが‥?
愛あふれる切ない物語。
彩乃と未知男は見合いで出会って一目惚れ。
すぐに結婚して北米にわたります。
どちらもバツイチで、抱えているものもありました。
理想的な相手と、きれいな田舎町で暮らすことに。
まるで少女の夢見た物語のように、甘く可愛らしい展開。
保護施設で見つけた長毛のうつくしい雄猫マキシモ。
猫のことで毎日笑い、夢中になり、猫を中心にすっぽりと愛に包まれた暮らしが積み重なってゆきます。
そして16年。
猫の病気を見守る日々から、喪失へ。
これまでの幸福が暗転したかのように、苦しむことになります。
愛猫との暮らしぶりと、その後の嘆き -
Posted by ブクログ
なんとなく表紙が気になって手にしてみる。
買い猫が死んじゃうお話なのね・・・と思いつつ、いったん手放すも、猫好きの本読み友達の顔が浮かんで、たまにはこういうのも読んでみますか、と購入w
猫のかたちの幸せは、猫のかたちの空洞に・・・。
愛し合っている二人は、喜びは何倍にもできるけど、喪失は半減させることができない。
それぞれが猫のかたちの空洞をかかえ、それはそれぞれの方法で埋めていくしかないらしい。
でも、その猫のかたちの空洞の中に猫はいる。
埋めるのでなく、お互いがそれぞれの猫のかたちを、悲しいものとしてでなく、愛おしむことができるようになったとき、また三人で一緒に暮らせるようになる・・・ -
Posted by ブクログ
ミサイル攻撃がなくても、地震国に暮らしている以上、常に危機にはさらされているはずなのだけれど、どこか他人事のように感じている(そうでなければ生きていけないとも思うけれど)。
「我々がやってきたことの報いだな…歴史にも学ばず、警告にも耳を貸さず、現実に起きていることに目を閉ざしてきた、その結末ということか」
"この世にはまだ―よりよいことを選択しながら生きて行く可能性が残されている"
「―結局、我々は『よりよいこと』を選択せずに、ここまで来てしまったのだ。」
地震のような不可避のことはともかく、戦争のような人的なことで世界が滅ぶことのないように、と改めて思いました。