渡部悦和のレビュー一覧
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陸上自衛隊東部方面総監であった渡部悦和氏と
陸上自衛隊衛生学校心理教官であった下園壮太氏との共著。
それぞれ立場は違うものの、メンタルケアを重視し、
自衛隊員の心の健康を維持するための対策に
取り組んでこられた方です。
自衛隊員のメンタルケアのために、どのようなことを考え、
どのようなことを実践されていたか語られています。
お二人がそろぞれ執筆した章のほかに、
お二人の対談で構成された章もあり、
大変読みやすい内容になっています。
自衛隊での経験に基づいた内容にはなっていますが、
自衛隊員に特化されたものではなく、
万人のメンタルケアに通じるものだと思います。
メンタル不調に陥るとき、 -
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戦争は、まさに最先端技術の戦いであることを証する書籍
韓非子、孫子、三国志の話があり、もはや、目的のためには手段を選ばない、制限を加えず、あらゆる可能な手段を採用して目的を達成するのが現代戦と言い切っている。
孫子曰く、戦わずして勝つ。米軍が戦場に到達する前に、全てを決する、中国の見えない戦いが紹介されています。
かって、陸海空の3軍といっていたものは、陸・海・空・宇宙・サイバー空間・電磁波・認知領域(誤情報、偽情報、悪意ある事実)の7領域について、全領域にわたっての総合戦争と位置付けています。さらに、政治戦、外交戦、経済戦、文化戦、宗教戦、貿易戦、心理戦、メディア戦、歴史戦、技術戦、デジ -
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元自衛隊の将官がロシア・ウクライナ戦を分析している書です
2014年のロシアによるクリミア併合と、2022年7月時点で戦闘中のウクライナ戦について状況分析、解説、そして日本にとっての教訓を語られています。
クリミア併合は、ハイブリッド戦の成功例、オールドメイン(全領域)での戦争と位置付けています。陸・海・空・宇宙・サイバー戦・電磁波に加えて、情報・認知・心理・経済・外交・エネルギー・法律・歴史・文化・宗教などでのドメインの戦いが重要であるといっています。
現代戦も、孫子がかたるように国と国とを挙げた総力戦なのです。
(理由:なぜ、ウクライナに侵攻)
・ロシアvsNATO 緩衝地帯がないとロ -
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現ハーバード大学アジアセンター・シニアフェローであり、東方総監も務めた元陸将が、戦略・予算評価センター(CSBA)のエアシーバトル構想(ASB)とその発展系であるJAM-GC、ランド研究所による米中武力衝突のシミュレーションを元に、起こりうる米中戦争と、その時の日本の立場、果たすべき役割を説く。
この方は、以前からweb上のニュースサイトや学会誌みたいなのでランド研究所のシミュレーションの分析とかをしてたので、その成果を本にしたということなのだろう。著作物としては本書が初めてのようだが、従来より論文等で同様のテーマを防衛関係者に問うてきたこともあり、その内容はかなり信頼の置けるものになっている -
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アメリカ、中国、ロシア、日本、それぞれの国での特に宇宙安全保障に関する政策の方向性や、組織構造について説明されている。
各国の宇宙政策の方向性や主要組織の要点は以下。
# アメリカ
- 宇宙政策は一貫して、「宇宙におけるリーダーシップの維持」
- 主要組織は、民生分野は米航空宇宙局(NASA)、軍事・安全保障分野は米宇宙軍(USSF)
- NASAの任務は「すべての人々の利益のために宇宙の秘密を探究すること」
- 宇宙軍の任務は「宇宙軍は、統合軍と連合軍の戦いを強化するグローバルな宇宙作戦を実施するためにガーディアンを組織化、訓練、装備の責任を負い、同時に国家目標を達成するための軍事的選択肢 -
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著者である渡部さんの「保守とは、日本の国益は何かを考え、そのために何だってするという考え方」との意見に、大変共感した。最近、右翼・左翼・保守・リベラルって何なのだろうとよくわからなくなっていた、というか今もよくわかっていないが、新たな見方が一つ加わったことは確かだ。あと上記4つのイデオロギーに加えて、ミアシャイマーたちのリアリズムというものがあることも知った。奥山さんが翻訳している本があるそうなので読んでみたい。
政治・経済・外交・アカデミア・軍事はすべて関連するものであるのだということを念頭にニュースを見たり、選挙権を行使するためにも、もっと広い視野を持って様々な知見を蓄えていきたいと思う