脇明子のレビュー一覧

  • 読む力は生きる力

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    ゲームをしていて思う通りにいかない場合、プレイヤーは壁を殴ったり、時にはゲーム機を壊したりする。でも『宝島』のような本を読んでいて、意に反する展開になったとしても、本を投げたりはしない…なぜか?という問いにハッとさせられた。

    なぜかと言うと①作者に対する信頼感②物語を一段上から見ている、からなんだそうだ。メタ認知力のトレーニングになっている。

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    2019年12月27日
  • 小公女

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    この本は、途中でとても悲しくてつらいところもあったけど、いい本だった。
    セーラは「公女さま」と呼ばれていたけれど、お父さんが急に亡くなって孤児となった。環境がすごいほど変わったのにセーラは友達を大切にし、文句を言わず、いろんな想像をたくさんした。セーラの想像力はとてもすごいと思った。私だったら、セーラのようにつらいことがあったら耐えられないと思った。
    最後にはセーラは救われて本当に良かったし、セーラのような心の人になりたいなと思った。

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    2019年12月26日
  • 不思議の国のアリス

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    横浜のアリス展にて懐かしくなり、再読。
    やっぱり脇明子さんの翻訳は素晴らしい。
    解説も詳しく、英国への愛に溢れており、興味深い。
    福音館のバージョンで読んだ際に釈然とせず、「まあ面白い?ってことにしとこう」とくくっていた箇所を、本当に面白く読めるように意訳してくださっており、感謝しかない。
    「いつか英語で読んで」とあとがきにあるが、その「いつか」はいつ来るのやら。
    昔、2001年ぐらいのMOEで「魔女の宅急便」特集を組んでおり、角野栄子さんのインタビューで、英文科を卒業する集大成として教授から与えられた課題がアリスの原書で、「今更アリス?」と思ったが読んでみたら非常に難しかったと書いてあった気

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    2019年11月13日
  • 北風のうしろの国 (下)

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    (上)の途中までは大変よみずらかったけど、北風の後ろの国に行ったあたりからは俄然読みやすくなった。
    ダイヤモンドがいい子過ぎるのは夭折する子への神様の贈り物なのかな。
    マザーグスの詩のことをほとんど知らないので本編の詩の理解がいまいちできなかったのが残念!

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    2018年11月24日
  • 読む力は生きる力

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    ネタバレ

    「読書は本当に大切か」という問題提起に筆者が向き合った一つの答え。

    「いい本」とは、「ちゃんと読みこなせば、まんがよりもアニメよりもゲームよりもおもしろい」もので「人間や世界について基本的に前向きの姿勢を持つもの」とし、
    「読む」精神活動にて①書き言葉レベルの言葉を使う力 ②想像力 ③全体を見渡して論理的に考える力を育み、思春期を支え、大人になる手助けをする。

    「なんでもいいからたくさん」という指導、「名作を」という強要。
    藤原和博氏の「本を読む人だけが手にするもの」にも指摘あったように、「本の世界に自分自身を投影できるかどうか」が大切なので
    その年頃にあった本を息子たちと一緒に手にして読

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    2018年02月12日
  • 読む力は生きる力

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    本書は本の解説ではなく、本を読むことに関する本である。

    なぜ読書が大切なのか、子どもに絵本から児童書までをどのように読ませればよいか、そして時代は本を読まなくてもやっていけたひと昔前からデジタル化の進む現代かけてどう変化してきたのか、について丁寧に温かみのある文章で説明してくれる。

    (特に児童の)読書について、この本ほど親身に教えてくれる本は他にない。絵本についても詳しくなれる。

    子どもがいて本とどう関わらせていけばいいかわからない、という方に特におすすめの一冊。

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    2017年08月26日
  • 小公女

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    読み終えて強く思ったのは、私はセーラのこと好きだし、とても尊敬するっていうこと。子どもの時に読んでたらセーラに影響を受けてもっと違う自分がいたかもしれない。

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    2017年01月31日
  • 鏡の国のアリス

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    鏡を通りぬけた先にあったのはチェスの国。前に進めば後ろに進み、丘が谷になり、古いものが新しいという鏡のような対称の世界だった。そこで出会った赤の女王に「白の女王になれ」と言われ、アリスは「女王」になるため“小川を渡った先にある八列目の枡”を目指すことになる。

    おしゃべり好きの花たちや体がお菓子で出来た虫、ハンプティ・ダンプティなど登場人物は魅力的なものだらけ。強引で高慢な赤の女王・どこかとぼけた様子の白の女王は、ティム・バートン監督の映画を観た人ならつい重ねてしまうのではないでしょうか(超余談ですが劇中で白の女王を演じるアン・ハサウェイは可愛すぎます)。

    この国では自然や時間や物理…あらゆ

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    2016年09月08日
  • 辺境の惑星

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    ル・グィンの若さを感じられる作品
    表紙   5点岡野 玲子
    展開   7点1966年著作
    文章   7点
    内容 700点
    合計 719点

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    2016年07月02日
  • 北風のうしろの国 (下)

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    ネタバレ

    この作品に影響を受けたというナルニアをたしかに思い出すところもあった。でもナルニアほど宗教くさくないのがふしぎ。むしろ聖人たちが世俗的なキャラクターとして登場したり。

    真の純粋さを持っているのはダイヤモンドだけで、彼が救ったナニーだって、そんなダイヤモンドのことを、頭のねじがゆるんでいると思っている。

    「北風のうしろの国」について直接書かれた部分は意外なほど少ないのだけど、それを心のなかにずっと抱いているダイヤモンド坊やが、それを自らの力として生きていくあたり、けっこうファンタジーの力を理念的にえがいているような気もしないではなかった。

    ヒノヒカリ姫の話が、とてもきれいで好きだった。

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    2016年05月30日
  • 北風のうしろの国 (上)

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    ファンタジーの原点とされる作品。じつは読んだことがなかった。表題の国そのものが、ファンタジーの意味を語っているよう。ダイヤモンド坊やがまったくもって天使なんだよね。上巻でほぼ話が完結しているようにさえ思えるんだけど、下巻ではなにが起こるのでしょうか。

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    2016年05月30日
  • クリスマス・キャロル

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    クリスマス・イブの夜、強欲な金貸しスクルージの元を訪れる三人の精霊。過去・現在・未来をスクルージに見せてくれ、スクルージは生きる喜びを思い出す。
    クリスマスという季節の素晴らしさを呼び覚まさせてくれる佳作である。

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    2019年01月09日
  • 読む力は生きる力

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    主張そのものはおおむね同意できるが、全体的に科学的根拠が弱く、「サンプル」が教え子だけの場合も多いなど不満が残る。本に比べて、映像、電子メディア(豪華な挿絵本も含む)に対する視線が厳しいのは著者の世代によるバイアスか。絵本から本格的な読書になぜ移行できないのか?という問題意識は興味深いし、多くの冊数を読めば良いわけではない、ダイジェスト版の文学性の喪失なども批判として正当だ。

    ・子どもを意識した本を作ったのは18世紀中ごろのイギリスのニューベリー。それまで本を読むという習慣は子どもにはなかった。日本でも明治から出版文化が発達し、読書は教養スキルとなった。
    ・社会のなかで「伝えること」「受け継

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    2014年05月15日
  • 読む力は生きる力

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     「読む力は生きる力」
     著者の読書支援活動を通して得た結論が、この一言に集約されている。

     子どもの成長段階ごとに、どのように「読む」事と向き合っていくか理解でき、多少なりとも読書支援をしている身としては、いちいちうなづける部分が多い。
     ただし、コンピューターの操作に関する記述(p.150)は、実はTVゲームで育った身としては、しっくりこない所もあります...。

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    2014年05月07日
  • クリスマス・キャロル

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     小学校の頃に父が読み聞かせてくれてから30年ほどして、今回自分の子供たちに読み聞かせるために初めて再読。この間、ディケンズの小説を読んだことはまったくなかったのですが、今回の僕の感想は「ディケンズすげー!!」でした。
     すごいと思う一つ目の理由はその想像力です。読み始めてすぐに感じた率直な感想は「これはハリーポッターじゃないか!」ということでした。JKローリングが影響を受けていたのでしょうか。ググってみたところハリーポッター自体よりもその後に彼女が書いた小説について、ローリングをディケンズの後継者だとみなす記事があるようですが、僕はハリーポッターしか読んでいないのでハリーポッター・シリーズそ

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    2014年01月03日
  • 不思議の国のアリス

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    ネタバレ

    『アリス・オンパレード』第15弾。大手出版各社の文庫は、それぞれのアリスをラインナップに入れているが、岩波文庫は未収録である。これは、岩波少年文庫版。新書サイズ。挿絵は奇を衒うことなく、ジョン・テニエルを採用。訳者は、ファンタジー研究家にして翻訳者、ノートルダム聖心女子大学教授の脇明子。少年文庫への訳出だけあって、言葉の配慮が隅々まで行き届いている。さすがに「にせ海亀の身の上話」あたりは、難渋しているようだが、基本的には小学生でも理解できる語彙、表現への工夫が随所に見られる、誠実な訳といってよいだろう。

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    2013年10月02日
  • 鏡の国のアリス

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    鏡に映る姿は凸レンズと違い
    上下をそのままとして左右のみ反転させている
    しかしその反転には気付きにくい

    もし気付ければ自分の反転している姿を見ることで
    本来の自分を描き出せるし
    世の中で出合ったモノを逆手に取り反面教師として
    真理のカケラなりとも学び取ることを可能にしてくれる

    この本の作者はこの世の不思議な歪みの現象を皮肉って
    物語に仕立て直していたのだろう
    鋭い眼力である

    140823

    不思議の国もアリスの続編
    マザーグースでお馴染みの登場人物の大方は
    前作と同じだけれども
    トランプではなくチェスを舞台にして話が進む
    鏡の中なのでアベコベな現象に振り回されながら
    アリスはポーンと言う

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    2014年08月23日
  • 不思議の国のアリス

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    あの映画は、不思議の国と鏡の国を
    混ぜているらしいことに気が付いた。

    話の進み方はとにかくめちゃくちゃで
    次から次へと話題が進むから2度読みしないと
    順に話が思い出せないほど。
    主人公のアリスをはじめとして出てくるキャラクターは
    超個性的で、我が強い。
    言葉遊びが豊富で、よく外国語を日本語での言葉遊びに
    置き換えられたなと思うシーンもたくさんあった。
    ユーモアの集大成だと思う。

    アリスが夢から目覚めた後の
    お姉さんの回想がすごく好きだった。


    また少ししてからもう一度読みたいと思った。

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    2012年09月23日
  • 小公子

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    最初にこの物語に出会った小学校低学年の頃には「セディのような性格のよい子にならなくちゃ!」と思い、何度も読み返すうちに「セディのお母さんみたいな素敵なレディになれるように頑張らなくちゃ!」と思い、結果どちらも挫折したなれの果てが今の KiKi です(苦笑)  そうそう、逆に言えば「こんな人にだけはなっちゃいけない!」と思っていたセディのお爺さん、ドリンコート伯爵の方にこそ「うんうん、わかるわかる・・・・」と頷いている自分に気が付き、ちょっと唖然・・・・・・。  まあ、それだけこの老伯爵の心理描写が巧みだっていうことだとは思うんですけどね(笑)

    (全文はブログにて)

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    2012年01月05日
  • カーディとお姫さまの物語

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    ジョージ・マクドナルドの『お姫さまとゴブリンの物語』の続編。
    一冊目もそれで一応完結しているけれど、やはり続きがあるなら読んでみたいと思わせる…で、こちらも。
    やはり、描写も展開も面白かったが、古きファンタジックな物語というには、懲りない愚かな人間たちのありさまがあまりに象徴的に描き出されていて、むしろ現代の一面を語っているようで恐れ入ります。
    ヒーローとヒロインは結ばれてその時代は栄えたというものの、その後の結末が暗いといえば、そうではあるが、こういうことも歴史がたびたび物語ってきたようにありかもしれません。
    いずれにせよ、現代に生きる私たちは、もうそれぞれが愚行をやめる時期ですけどね。

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    2011年12月25日