脇明子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ【読むきっかけ】
読書はした方が良いということをなんとなく感じていたが、なぜ必要なのかということについて自分の中で明確に答えを持っていなかったため。ヒントになればと思い、手に取った。
【本を読んで感じた自分の認識】
著者は大学教授。著者は、本を読まないことは普通のことと学生は思っており、それを嘆かわしいと思っていた。そういった学生が教育の場に就職したとしたら、その子供たちは読書をしないのではないかと危機感を覚えた。また、世間でも子供には読書をさせた方が良いと勧める一方で、なぜかということに答えられる人は少ないのではないかと思い、当本を作成。
以下要点
・昔は大人が今よりもっと身近にいて心豊かな大人の知恵や知識を物語等を通して密接なコミュニケーションのもと子供に教えられていたことから、子供はバランスのとれた教養を得ることができた。
・大人と密接なコミュニケーション取ることが子供には重要影響を与え、本でも同様な影響を与えられると思われる。
・テレビ等の映像による知識は情報過多で一方通行のやりとり。幼児時代にそればかり見ていると、生きるのに必要なシナプスの形成がバランスが悪くなり、どのような悪影響が出るか分からない。
・幼児期初めの絵本は読書へステップを踏むとともに、大人とコミュニケーションをとる道具の一つとしても重要。この際、絵本は絵がシンプルでストーリーが単純だがしっかりしたものが良い。絵が派手すぎると情報過多で絵に気をとられ、文章の理解に気が向かなくなる。
・文章を読めるからといって本を読めるわけではない。本を読めるようにするには、良い本を大人が選んで本の読み方を学べるようにすべき。絵が派手すぎるもの、シリーズもの、原作をダイジェスト版にしたものはやはり同様に回避すべき。
・子供にとって良い本は、ある程度読みごたえがあって、読む力を育ててくれるもの、ちゃんと読みこなせばゲーム、アニメよりも面白いもの、世界に対して前向きな姿勢なものが良い。
・読書力は、書き言葉レベルの言葉を使う力、その場にないもののイメージを思い浮かべる力、全体を見渡して論理的に考える力のこと。
・読書はメタ認知能力の発達にも良い影響を与えると考えられる。
・想像力を育てるために、細かな絵ではなく、想像膨らませる余地のある挿し絵がある本が児童書には望ましい。(物語が良いの前提) -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公の純粋さと真っ直ぐな心根が、物事をよい方向に切り開いて行く様が、灯火のように感じられるストーリー。彼の振る舞いは今のように苦しい時代には参考になるようにも思う。周囲の悪意を相手にしない、正しいと信じたことを実行する、思い込みを捨てて素直に物事を受け入れる、何より本質を見ること。惑わされないこと。
しかし彼は、純粋さと悟ってしまったゆえに早くに天に召される、予想通りの結末になってしまった。ある意味北風のうらがわの国に魅せられていたから仕方のないことなのか。キリスト教的な考え方をある程度飲み込んでいないと、理解しがたいかもしれない。
他には当時のロンドンの様子がよくわかり面白いというか、主人公の助けた少女の仕事に衝撃を受けた。そんな仕事、あったのか。資本主義の強烈な現実がなんとも言えない対比となっていた。 -
Posted by ブクログ
自分自身本に救われることが何度もあったので読書について理解を深めたいと思い手にとった。
話は「読書は本当に必要なのか」という問いに答えていく形で進んでいく。
読書は自分の知らない世界を知ることができ、生きていく上で大事な人間理解を深めることができる。
私達が子どもたちにしてやれることは「すぐれた本を手渡すこと」。
すぐれた本とは、読む力を育ててくれる本。
ここの章の「なんでもいいからたくさん読む」ことの意味のなさ、「子どもの自由を尊重することがいいことではない」、という言葉は耳が痛くなった。
子どもの自由を尊重することは大事だけれど、本の場合は絵がたくさんあったり、文字が多くあったり、内容がハードすぎたり、こちらが導かないと読む力が育つ本とは出会えないままになってしまうよ、というのはハッとした。
この本が発行された15年前より今はさらに子どもたちとデジタル社会は切り離せないものになっているから、刺激の強いゲームや映像ばかりはよくないけれど、うまく付き合うにはどうしたらいいのかというところを今度は学んでいきたい。 -
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この物語は、アメリカで生まれ育ったセドリックが伯爵である祖父の跡を継ぐためイギリスに行く。セドリックの無邪気で温かい心により高慢で頑固な祖父が温かい心に変わっていく話である。僕が最も心に残って場面は祖父のお金でなんでもして良いと弁護士に言われたときに、セドリックは、まず自分のことではなく他人のことを優先し、時計を買ってあげたり、商売を繁盛させるために色々な事をしてあげたり、困っている人にお金をあげたりしているところです。この場面からセドリックはとても優しい少年だと思った。また、怖そうな犬や、怖そうな祖父に初対面した時怖れもせず、頭を撫でてあげ、なつくようになったり、笑って手を差し伸べ握手したりしているところから恐れ知らずでびっくりした。
このようなことからセドリックは周りに影響を与える少年だと分かった。 -
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横浜のアリス展にて懐かしくなり、再読。
やっぱり脇明子さんの翻訳は素晴らしい。
解説も詳しく、英国への愛に溢れており、興味深い。
福音館のバージョンで読んだ際に釈然とせず、「まあ面白い?ってことにしとこう」とくくっていた箇所を、本当に面白く読めるように意訳してくださっており、感謝しかない。
「いつか英語で読んで」とあとがきにあるが、その「いつか」はいつ来るのやら。
昔、2001年ぐらいのMOEで「魔女の宅急便」特集を組んでおり、角野栄子さんのインタビューで、英文科を卒業する集大成として教授から与えられた課題がアリスの原書で、「今更アリス?」と思ったが読んでみたら非常に難しかったと書いてあった気がする。
読むなら対訳版がいいと思う。
脇明子さん、ぜひハリーポッターとメアリーポピンズとカニグズバーグも訳してください。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「読書は本当に大切か」という問題提起に筆者が向き合った一つの答え。
「いい本」とは、「ちゃんと読みこなせば、まんがよりもアニメよりもゲームよりもおもしろい」もので「人間や世界について基本的に前向きの姿勢を持つもの」とし、
「読む」精神活動にて①書き言葉レベルの言葉を使う力 ②想像力 ③全体を見渡して論理的に考える力を育み、思春期を支え、大人になる手助けをする。
「なんでもいいからたくさん」という指導、「名作を」という強要。
藤原和博氏の「本を読む人だけが手にするもの」にも指摘あったように、「本の世界に自分自身を投影できるかどうか」が大切なので
その年頃にあった本を息子たちと一緒に手にして読んでいければと思う。
内容は非常に深く賛同できるのだが、根拠となる記述が弱いのが残念。 -
Posted by ブクログ
鏡を通りぬけた先にあったのはチェスの国。前に進めば後ろに進み、丘が谷になり、古いものが新しいという鏡のような対称の世界だった。そこで出会った赤の女王に「白の女王になれ」と言われ、アリスは「女王」になるため“小川を渡った先にある八列目の枡”を目指すことになる。
おしゃべり好きの花たちや体がお菓子で出来た虫、ハンプティ・ダンプティなど登場人物は魅力的なものだらけ。強引で高慢な赤の女王・どこかとぼけた様子の白の女王は、ティム・バートン監督の映画を観た人ならつい重ねてしまうのではないでしょうか(超余談ですが劇中で白の女王を演じるアン・ハサウェイは可愛すぎます)。
この国では自然や時間や物理…あらゆる摂理が“あべこべ”でアリス自身も作中で混乱していますが、読者もかなり混乱します(笑)とにかく場面も会話の展開も登場人物も目まぐるしくコロコロと変わります。読み終わる頃にはどっと疲れていたのは私だけではないはず。
巻末の詩は華やかに、しかし幕の下がる一抹の寂しさを感じるように物語のラストを飾っています。
激しくも愉快な、どこか捻くれたワンダーランド。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの作品に影響を受けたというナルニアをたしかに思い出すところもあった。でもナルニアほど宗教くさくないのがふしぎ。むしろ聖人たちが世俗的なキャラクターとして登場したり。
真の純粋さを持っているのはダイヤモンドだけで、彼が救ったナニーだって、そんなダイヤモンドのことを、頭のねじがゆるんでいると思っている。
「北風のうしろの国」について直接書かれた部分は意外なほど少ないのだけど、それを心のなかにずっと抱いているダイヤモンド坊やが、それを自らの力として生きていくあたり、けっこうファンタジーの力を理念的にえがいているような気もしないではなかった。
ヒノヒカリ姫の話が、とてもきれいで好きだった。 -
クリスマス・キャロル
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
主張そのものはおおむね同意できるが、全体的に科学的根拠が弱く、「サンプル」が教え子だけの場合も多いなど不満が残る。本に比べて、映像、電子メディア(豪華な挿絵本も含む)に対する視線が厳しいのは著者の世代によるバイアスか。絵本から本格的な読書になぜ移行できないのか?という問題意識は興味深いし、多くの冊数を読めば良いわけではない、ダイジェスト版の文学性の喪失なども批判として正当だ。
・子どもを意識した本を作ったのは18世紀中ごろのイギリスのニューベリー。それまで本を読むという習慣は子どもにはなかった。日本でも明治から出版文化が発達し、読書は教養スキルとなった。
・社会のなかで「伝えること」「受け継ぐこと」「手渡すこと」に学ぶ意味もある。自分のことを考えているだけでは意味は見いだしにくい。
・アフリカではいまも昔も本を読んでいない。昔は物語の国だったから。本はヨーロッパのもので自分たちのものでなかったから。しかし、その語りも南アフリカでは崩壊しつつある。テレビのせいで。
・本が普及するようになってから、昔ながらの共同体の力は弱まったが、本は世界中の人を結び、過去と現在をむすびつけて、大きな共同体が育ってきたとも言える。
・映像が子どもの発達に与える影響については、まだまだわからないことだらけ。でも、けっして内容の善し悪しだけの問題ではなさそうだ。(#「メディアはメッセージ」だ?)
・読むことの独自性。映像メディアに対して。1.話し言葉ではなく、書き言葉レベルの言葉を使う力。2.想像力。3.全体を見渡して論理的に考える力。(#1.と2.は関連している。メタ認知の視点。3.は本のアフォーダンスに関して。論理的には考えることは、本というメディア、読書という行為から必然として導かれるものではないだろう。技術によって変わる部分が大きい。アメリカの教育者ハーリーの論文の引用も電子メディアが具体的に示されていないので、根拠として弱い。)
・「作者への信頼感がもてる」「距離を置いて外から眺めながらも登場人物と一体になれる」ことは、児童文学作品を見分ける時の大切なポイント。