【ポイント】
プロローグ
14/あたらしいフリーを理解するものが今日の市場を粉砕し、
明日の市場を支配する。
過激な価格の過去と未来について・・
20/(ジレット)無料で配った安全カミソリが、やがて替え刃の需要を作った。
20世紀にフリーは強力なマーケティング手法になったが、21世紀
...続きを読むにはフリーは全く新しい経済モデルになる。
モノの経済である原子経済(アトム)ではなく、情報通信の経済であるビットの経済へ
39/「フリーミアム」:
香水サンプルは実費がかかるので生産者は少量しか配布できなかった。
一方、デジタル製品では、5%の有料ユーザーが95%の無料ユーザーを支えている
46/「予想どおりに不合理」 行動経済学が「アンカー(錨)」と呼ぶもの
72/(フリーの歴史)20世紀に特筆されるべきことは、潤沢さがもたらした大きな社会的、経済的変化。
20年前のフォーチュン誌TOP100は地中から何かを掘り出すか、天然資源をモノに変える会社だった。
現在は、モノを作る会社は32社しかなく、アイデアを加工したり、サービスを提供する会社だ
77/今まで有料のものが無料になると「質が落ちた」と考えやすいが、元から無料だったら、質が悪いとは思わない。
85/消費者からは安いことと無料の間には大きな差がある。
ものをタダであげれば、バイラルマーケティング(口コミ)になるが、1セントでも請求すれば、全く別の苦労して顧客をかき集めるビジネスの一つになる。
「無料はひとつの市場を形成し、いくらであろうと有料になると別の市場となる」
89/行動経済学は、フリーに対する我々の複雑な行動を「社会領域」おける意思決定と「金銭領域」における意思決定に分けて説明する。
95/有料のもの選ぶ理由は、目当のものがえられないリスクを下げるため。
有料には保証がつくが、フリーには保証がない。
102/コンピューターの情報処理能力、デジタル記憶容量、通信帯域幅は「安すぎて気にならないレベル」にある
104/★今日のコストをもとに決めるのではなく、明日に要するであろうコストから価格を決める。
110/半導体は、物質よりも智恵がはるかに重要となる製品。
アイデアは事実上コストを要せず、無制限に伝わっていく。
アイデアとは究極の潤沢な商品で、伝達のための限界費用はゼロなのだ。「ミーム」
169/「流動性」という言葉は金融用語だと思われているが、テクノロジーでは「規模」と呼ばれる。
「インターネットは誰もが自由、無料にアクセス出来る流動性のマシンだ」
174/ブリタニカ→WIKIPEDIA
価値収入という計測できる価値を縮小させて、我々の集合知という計測できない価値を増やした。
「冨は計測しにくい形で再分配される」
240/お金が市場での重要なメッセージではなくなり、「注目(トラフィック)経済」と「評判(リンク)経済」という、非貨幣要因が浮上する。
244/ページランクは、「評判を扱う金本位制なのだ」。
ラリー・ペイジはグーグル経済の中央銀行。
彼らは、通貨の価値を保つように、ページランクのアルゴリズムを微調整している。
307/(タダと闘う)フリーと戦うのは簡単。単純に無料のものよりよいもの、少なくとも無料版と違うものを提供すればよい。
(日本語訳解説)
343/「競争市場では、価格の限界費用まで落ちる」
「テクノロジー(情報処理能力、記憶容量、通信帯域幅)の限界費用は年々ゼロに近づく」130
「低い限界費用で複製、伝達できる情報は無料になりたがり、限界費用の高い情報は高価になりたがる」
「多くのアイデア商材の価格は、フリーの万有引力に引っ張られる。それは、抵抗するよりもむしろ生かす方法を模索せよ。」
「潤沢になってしまった商品の価値は他へ移るので、新たな稀少を探して、換金化すべき」
348/「潤沢さを価値にして伸びる企業」と
「新たな稀少を価値にして伸びる企業」