作品一覧 2023/01/21更新 世界はあなたを待っている――社会に持続的な変化を生み出すモラル・リーダーシップ13の原則 試し読み フォロー チョコレートの真実 試し読み フォロー 1~2件目 / 2件<<<1・・・・・・・・・>>> 北村陽子の作品をすべて見る
ユーザーレビュー チョコレートの真実 キャロル・オフ / 北村陽子 斎藤幸平『人新世の「資本論」』にて、資本主義による成長の代償を後進国がおっかぶるという主張があったが、チョコレート産業におけるそれを見た。 先進国の都合でカカオの生産地にされた挙げ句、市場価格の暴落により貧困にあえぐ人々。奴隷同然の扱いを受けタダ働きさせられる子供たち。 私達はそれらの人々を犠牲...続きを読むにして、100円のチョコレートを当たり前のように食べている。 そして、原料のカカオを作っている人々は、カカオがどうなるのか知らず、チョコレートを見たことすらない。 これは過去ではなく、現代の話である。 資本主義経済における世界の歪さを思い知った。 自分が何ができるかは分からないが、この現実を意識しながら生きていきたいと思う。 Posted by ブクログ チョコレートの真実 キャロル・オフ / 北村陽子 アブドゥライ・マッコ コートジボワール中部の都市ブアケ駐在のマリ総領事 内部告発で職を解任 マリ人児童労働に一躍買った人物 人身売買は夜行われる。複雑に絡み合った制度は、フェアトレードチョコですぐに解決できるものではない。 フェアトレードはあまりに単純化されすぎている Posted by ブクログ チョコレートの真実 キャロル・オフ / 北村陽子 チョコレートの原料のカカオ豆。古くから歴史があり疲労回復の食物として重宝され通貨の代わりにもなっていた。コロンブスがカカオをスペインへ持ち帰り、イギリスがスペインからジャマイカを獲得してからカカオの生産拠点としてキャドバリー社はチョコレート会社として発展する。 20世紀初頭、カカオの生産にはすでに奴...続きを読む隷制度が関わっていることを、クエーカー企業でさえ目をつぶってきた事実。アメリカ資本主義の欺瞞がここに。 アメリカのハーシー社はもともとはキャラメルを製造していたが、創業者はキャドバリー社の製造を参考にし、アメリカでチョコレート産業が花開く。雇用を促進し、住居を確保し、孤児院までつくる優良企業に発展するが、従業員のストライキの憂き目にも合う。 主にコートジボワールでの子供奴隷による生産の話が中心だが、近隣のマリやブルキナファソからの出稼ぎ労働者をコートジボワールが排斥し、近年の内戦でさらに混乱するという現状も語られる。 この問題の根が深いのは、コートジボアールの児童労働だけれではなく近隣のさらに貧国から仕事を求めてカカオ産業を目指すこと、よって国は利権のために安い労働力を求め、弱者が搾取されることは止めようがなく、そして結局、西アフリカ全体の貧困の問題ということに立ち戻ってしまうということだ。 大麻もコーヒーもカカオも嗜好性の高いものほど外貨を稼げるがゆえに発展途上国にとってみれば金のなる木に見えることだろう。 大麻なら倫理的な問題もあるが、コーヒーよりもさらにポピュラーなカカオ、なんといってもチョコレートは子供から大人まで需要がある。 日本も貧しい時代は子供を働きに出すというのは珍しいことではなかっただろうが(富岡日記ではなく、あゝ野麦峠のイメージ)そこで今の時代に、個人がなにを選択するのかということを考えると途方に暮れる。 個人的にはチョコレートが好物というわけではないのだが、カカオの生産がコートジボワールの児童奴隷によるもので、その恩恵を世界が受け取っているのであればもはやチョコレートを口にすることに罪悪感を持たずにはいられない。 (なお、読後に調べたところ、日本のチョコレートメーカーのカカオの仕入れ先はガーナが中心である。ガーナについてはこの本には全くの情報がない) Posted by ブクログ チョコレートの真実 キャロル・オフ / 北村陽子 カカオ農園で働く子供はそれが何になるか知らない。 コートジボワールに行けば自転車が買えると隣国マリやブルキナファソから来た子供はだまされてカカオ農園で働かされるが給料をもらえることもなく搾取されている。穀物メジャーのカーギルやADMが買い付け、製菓メーカーがチョコレートを作る。児童労働を禁じる法律に...続きを読む対して製菓メーカーは調査をしぶり、見ないふりをする。 子供達を働かせる農家も儲かっている訳ではなく、カカオの集配人は私兵に賄賂をせびられ、カカオ公社は権力と結びつき輸出した代金は闇に消える。 チョコレートを食べる人が責任を感じる事はないが、真実は苦い。 Posted by ブクログ チョコレートの真実 キャロル・オフ / 北村陽子 原料のカカオ豆を栽培する子供たちと それを食べる先進国の子供たちとの間には どれだけ 深い溝があるのか・・ ショックを受けました。 働かないと生きていけない世界。 過酷な労働をしても 賃金が無い または人身売買のような状態で つれて来られて働かされていたり・・ さらに恐ろしいのは、その状況...続きを読むを作り出しているのは その豆を製造・加工・消費する 先進国の私達自身だということ・・ 自分が口にするものについて ここまで無知だったことを恥ずかしいと思いました。 「カカオ豆を収穫する手とチョコレートの包み紙を開ける手の間の溝が埋められるためには?」 という著者の言葉に、 今は何も答えられないほど、呆然としています。 Posted by ブクログ 北村陽子のレビューをもっと見る