イーユン・リーのレビュー一覧
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翻訳小説が苦手なこともあって、なかなか没頭するのが大変だったが、他の方のレビューを読んで、あとがきを先に読んでみたら、初めて読む彼女の世界観の根底にあるものに触れることができ、グッと読みやすくなった。「目に見えないところに、心をかき乱すやっかいな何かが本質的に存在しているという確信があります。その部分を覆い隠すよりも、発見するために書きたいのです」「悲しみと不幸は大きくちがうとも考えています。不幸と喜びは両立しない場合が多いのです。不幸というのはむしろつらい状態に似ていて、それはよくないことです。そして、私は不幸だとは感じていません。悲しいのです。とても悲しいとは言えます。悲しい過去があるので
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自殺した息子とその母親が言葉だけで繋がろうとする話。二人の会話を中心に進むけれど、結局は母親の頭の中で繰り広げられているので、「」はなくて、母が思っていることは筒抜けで、過去と現在がシームレスに移り変わっていく。
初イーユン・リー。
登場する親子は揃って言葉の正確さやそれらが孕む意味に鋭敏で、繊細で、彼らの話は比喩が多くて文そのもの私には共感できないというか分からないところも多かった。ただその中でやっぱり母親の愛情や、その裏側にある悲しみの深さにどきっとさせられたし、この物語そのものが安易な答えに辿りつくものじゃないんだろうなってことは分かる。本当に悲しいことは言葉にできないから、その他の部 -
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著者、イーユン・リーは北京生まれ。北京大学で生物学を専攻し、アメリカに留学して大学院で研究を続けていたが、進路を変更して創作の道に入ったという、なかなか変わった経歴。
創作は中国語ではなく英語で行っている。
中国を舞台にした作品が多いが、本作はフランスに住む少女たちを主人公とする。
訳者のあとがきによれば、著者はこう語っている。
人々は“中国について書けないか”と言います。ええ、中国について書けますけれども、中国だけが私のテーマではありません。私は友情についても書けますし、フランスの少女の友情について書くこともできるのです
作家たるもの、それはそうだろう。
主人公はアニエス。愚かではないが、 -
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ネタバレ一人の女の子の死(服毒自殺?他殺?)が、それに関わった三人の少年少女のその後の人生をまさに毒のように蝕む様子を書いた小説。三人とも自分を罰するように家庭を築くことに失敗し、他人との深いかかわりを避けて都市の中で漂流して孤独に暮らしている。
天安門事件あたりの北京の暮らしの様子が生き生きと描かれているのは面白い。
最後に明かされる死の真相は奇をてらわず順当にという感じだけど、よく泊陽は如玉をぶん殴らないで我慢できたね!泊陽のやれやれ系スカしたおっさんっぷりははっきり言って嫌いなんだけど、白々しく犯行について弁解して「で?殴れば満足するならそうすれば(笑)」という態度の如玉の不快度はそれをはるかに -
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『ティエンイの物語』にもあった、共産主義社会下での諦めの境地。
ティエンイは男性目線、本作はたいへん女性目線。
愛とか夢とか語ってられる幸せを実感する。
優しさ (Kindness 2010)
彼みたいな男 (A Man Like Him 2008)
獄 (Prison 2006)
女店主 (The Proprietress 2005)
火宅 (House Fire 2007)
花園路三号 (Number Three,Garden Road 2009)
流れゆく時 (Sweeping Past 2007)
記念 (Souvenir 2006)
黄金の少年、エメラルドの少女 (Golden b