麻生羽呂のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
人間はそう簡単に変われない。
酔えない心。異世界に連れられ、そこで本当の自分を知る。ただ、その場所で固められた自分はただ流され雰囲気に酔っ払っている状態ではないか。環境が変わったところで自分が変わるわけではない。聖人君子のように悟り、苦難を乗り越えてきたアリスにとってもう一度現実に呼び戻された今回の話。友との別れ、極限状態での悟り、そんなものさえ障害にならない自分のなかに潜む衝動。まだ何者でもない彼らしい思考ですが、衝動に身を任せるかそれとも思考し続ける者になるか。アリスの成長具合を楽しむマンガでもありますからこれからにも期待ですね。
特別編やマヒルなどのサブキャラでも作者の代弁者が -
Posted by ブクログ
長く続いたビーチ編に決着がつく7巻。さらに謎だった今際の国の秘密も明かされました。
生きる理由。「今際の国のアリス」では毎回キャラクターたちの生きる理由が描写されます。今回はビーチを力で支配していたアグニとゲーム側の仲間である「ディーラー」九条朝陽の両名。どちらも自分の命を分かつことができるであろう友を失った者でした。友が残したものを壊し、憎む反面自分の生きる理由をも探し続ける。今際まで気高く生きられるか。アリスと同じように生き残ってしまったアグニのこれからも気になります。今回のビーチ編は楽園のような場所でも生きる理由にはならない。そういったことを言いたかったんですかね。ビーチ編面白かっ -
Posted by ブクログ
ビーチ編も佳境に入ってきた6巻。対決を突きつけられたら勝つ方法を考えるのではなく、相手を知るのが先と勝負の鉄則を忘れないアリスが冷静すぎてカッコ良かったです。
今際の国に連れて来られた闇を抱えた人間たち、今際の国から抜け出したいと思う者もいれば希望を見出す者もいる。こういった閉鎖型の環境になったとき様々な人間模様がでるからこそ物語は面白くなりますね。同類だが違う答えをだしたラスボスとクイナ、自分を守る力と他人を思う心の勝負が大変熱かったです。
最後の麻生先生のあとがきの信じるにはとてもエネルギーが要る、その労力は惜しまずにいたいという言葉は良い言葉だなーと思いました。自分もエネルギー使わ