青山誠のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
セツの人生を知りたくて読書。
今秋の連続ドラマは、小泉八雲の妻セツをモデルにした物語とのことで、どんな女性なのかと興味を持つ。
小泉八雲は、多くの日本人は知っているだろう。逝去当時も米国で報じられたそうなので、当時も世界的な知名度はあったようだ。
しかし、ハーン(八雲)がどんな性格だったのか、どんな経緯で来日したのか、代表作『怪談』はいかにして誕生したかの歴史は知らなかった。
セツは共同制作者で、セツの存在なくして、小泉八雲の作品は誕生しなかった。
その割には、これまでセツにはスポットが当たっていなかったようだ。
今回の連続ドラマでセツが注目されるのであろうか。
八雲は、神経質で -
Posted by ブクログ
三淵嘉子の人生を知りたくて読書。
版元の都合でNHK朝ドラの言葉が使えないようだが、2024年4月1日スタートの朝ドラのモデルとなった女性として興味を持った。
まず、読み物として面白かった。グイグイと引き込んでくれる魅力ある人生だったんだなと思う。
人間関係が面白く、まさにドラマ向きなんだろう。
読み終わって、ウィキペディアで登場人物を確認してまた読み返す。
三淵嘉子の人生とは直接関係ないが、嘉子が生まれた1914年(大正3)のシンガポールの在留邦人数に驚いた。
嘉子の名前は、新嘉坡(シンガポール)に由来するそうだ。
「良いところのお嬢さんが恵まれた環境で能力を発揮した」
と書く -
Posted by ブクログ
戦艦大和が残したものを知りたくて読書。
戦艦大和を数字で分析していく本。当時の日本の国力や取り巻く世界情勢なども交えて客観的に浮かび上がってくる。
特に最後の「第五章 戦艦『大和』戦後の収支決算報告」を興味深く読ませてもらった。
今考えると当たり前かもしれないが、日本国民が戦艦大和の存在を知ったのは終戦直後だったというのを改めて知る。
また、戦艦大和で培われた技術は戦後、カメラのレンズ、ホテルの回転レストラン、世界最大のタンカー、原子力施設などで生かされたそうだ。
数百億円規模かかるとことだが、いつの日か戦艦大和を引き上げる日が訪れるのだろうか。
軍国主義を賛美するわけではなく(そ -
-
Posted by ブクログ
明治維新での兵士と教育について知りたくて読書。
本書は、幕末から明治維新、明治時代を収支決算、つまり、「お金」で読み取っていく本。一般的な歴史本とは違った視点が浮かび上がってくる。
現代日本で山積する課題の中でも教育改革は特に筆頭格で叫ばれると思う。
現在の日本の教育制度は、明治期に制度設計されたものが苗床になっている。子供たちの得意分野や能力を伸ばしづらい平等、平均点主義が色濃いのが特徴だ。
その目的は、本書の言葉を借りると、「死を恐れぬ最強の兵士、過酷な労働を厭わぬ女工たち。」(P159)を大量生産することを目的としたものだったから。
現在の会社員中心のサラリーマン社会も、戦後、 -
Posted by ブクログ
浪花千栄子について知りたくて読書。
浪花千栄子はNHK連続テレビ小説で取り上げられるまで知らない人物だった。浪花千栄子の生涯がよくわかり面白い。
今年話題となった親ガチャを思い出すほど親に恵まれず苦労したようだが、その苦労が「昭和の怪女優」の礎となったのだろう。
それにしても当時の一部の人たちの人間性、品格はひどいものだ。現代だったら連日のように謝罪して、社会から抹殺されてそうだ。
苦労したからこそ、他人の気持ちを理解したり、考えたり、寄り添ったりできるのだと思う。そう考えると、三世議員が主流となってきた苦労知らず(と思われる)の与党の議員たちは、本当の意味で街場の庶民たちの気持ちを理 -
Posted by ブクログ
日韓併合について知りたくて読書。
数字や統計を通して「日韓併合とは?」を考えることができる。
なぜ併合したのか。どんな政策をしたのか。何へどんな投資したのか。何が成功で何が失敗だったのか。現代へ残る影響。
比較的に近い近代史とはいえ、現在の歴史観、価値観で見ると真実を正しく理解できない。また、日本と朝鮮半島だけで考えてしまうとこれまた1地域史になってしまい見誤る。当時の世界史の流れを踏まえて振り返る必要がある。
朝鮮人、現地日本人(日本出身者)、内地人(日本在住日本人)の職業、業種別の賃金比較表が興味深い。
韓国に関わる多くの問題は戦後、変化した日本人の意識によって日本発で韓国へ飛び -
-
-
Posted by ブクログ
表紙がフルベッキ写真なので、最初はかなり胡散臭い本なのでは?と疑ったけど、なかなか面白い本だった。特に幕末の出来事をカネの視点から分析しており、なるほど!と思わされることも多く、その部分に関しては星5つ。ただ、輸入関税を下げさせられたのは長州による下関での無謀な攘夷行動の代償やのに、その点については曖昧に書いていたのは気になった。日清日露戦争あたりの話以降は単なる国の収支の話が主であまり面白くなかった。
なお、「おわりに」にある「日本も植民地になっていたら良かったのでは?」というのはあまりに極論。また、アメリカ大統領ウィルソンが唱えた民族自決権によって、あたかも第二次世界大戦後にアジアやアフ -
-
Posted by ブクログ
今年(2019)のNHK大河ドラマ『いだてん』を見るつもりで、昨秋にこの文庫が発売されてすぐ購入した。
なにしろ金栗四三という人のことはまったく知らず、名前すら初めて聞いたので少しでも知っておこうと思って。
で、大河ドラマ放映開始が近くなってきたころに読み始めたものの、金栗四三の部分だけ読んだら満足してしまい、途中でそのまま放置。
この話題にはなぜかあまりピンと来ず、どうにもワクワクしないので、結局ドラマも見ないまま時が過ぎた。
そして6月に入り、『いだてん』の第二部が始まるとの番宣をNHKで見たとき(二部構成であることも知らなかった)、早口でわめき散らしながら動きまわる阿部サダヲさん演じ -
Posted by ブクログ
ネタバレ波乱に満ちた笠置シヅ子の人生。本名亀井静子。義父義母に愛情豊かに育てられた(本人は実の父母でないと最初は知らなかったのだが)。大正3年生まれ。松竹学劇部(後のSSK)で活躍。服部良一との出会いでジャズに本格的に取り組む。戦前は敵性歌手として苦難の日々であったが(吉本せいの息子で9才年下の穎右と恋愛、穎右の子を妊娠するも、子(エイ子と命名)誕生前に穎右は結核で死亡)。戦後、服部良一と再開、「東京ブギウギ」でブギウギの一大スターに。しかし、流行歌は時代物。占領下の日本ではアメリカナイズされたブギウギがもてはやされたが、1951年の講和条約により独立回復。あまりにも進駐軍に媚びを売りすぎた反動からブ