望月守宮のレビュー一覧
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全7巻のシリーズ、メフィスト賞の1冊目。
人と“ヒトデナシ”という怪異が共存する日本っぽい世界。
最初に出てくるのが、絵画と猫のヒトデナシ。卵で生まれて、外界の影響を受けて変化して、固有の能力を身につける。影響が形状に出るのかな。
その中で、人の顔を盗るのが“無貌”
名探偵だったが、無貌に顔を取られて、失意の男。そこへ、サーカスに売られてブランコ見習していた男の子が、助手入りする。
事件の舞台となる榎木家の双子の血筋、無貌に狙われる少女。
この1冊だけだと、世界観に入り込めないというか、掴みきれない。それは、私が鈍いから⁉︎
だって 無貌伝の伝は、どの部分なのかなあ。
他の方のレビューを読むと -
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ネタバレ2009年。第40回。
人でないヒトデナシが住む世界。この年代、こういう独自世界が多いねw
無貌の定義が難しかった。人の顔を奪う。奪われると顔もなくなるが、それまで関わっていた人には見えなくなる。
また、何かのはずみで記憶を大量に注入されると気絶する。いろんなパターンがあるみたい?
幼いころサーカスに売られた少年・・ってどの国の何時代だよ!それが主人公。鉄道で儲けた一族内で起こる連続殺人事件。有名な探偵だったが無貌に顔を奪われた探偵。探偵なんて、殺人の後に罪を暴いたってしょうもないw 冤罪もあるしw と探偵業を卑下する。
14歳の芹と、養子の兄の恋物語か。最終的に芹は兄のいうがまま猫となる。
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ついにすべてが明らかになった『現在』で
誰がどう動いて、何を掴んで何を叶えるのか。
自分の幸福を願って、幸せな生活を送りたいと
誰もがそう思っているはず。
けれどそれは、自分が望むものと他者が望むものでは
まったく違う場合もあるわけで…。
自分の幸せのために走り始めた3人。
彼らの幸せを手伝う事になった人達。
誰がどう走って、どう掴む事ができるのか。
どう収拾がつくのか、さっぱりわからない状態でした。
しかし最後というのに、普通の本の厚さです。
もうふろしきをきちんと畳むだけ、なので
あの長さは当然必要ないとは思いますが
何だか寂しい厚さです。
ただ、あの3人の感情がきちんと整頓されたの -
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無謀伝シリーズ第3作。
これまでの2作より過去、秋津がまだ若く普通の人間だった頃の話である。
「人形を見せてあげる」という遙に連れられて秋津が着いたところは湖を渡って行く怪異の島。遙の幼かった頃を象った人形たちと、その持ち主の変わった男たち。封印されたヒトデナシの沼。わけがわからないまま遙は失踪して、秋津も一日分の記憶が飛んでいることに気づく。そして人間の命が人形に移されるという事件が…
人が死に人形が動き出すという情景も美しいが、ヒトデナシの特性を利用してちゃんとミステリになっているところがよい。
この物語の結末から第1作の状態になるまでにはさらに事件があるはずで、それも楽しみである。 -
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過去っすか!そうですか。今回最初からネタバレ指向です。一応。
この一人称、曲者ですよね。最初、望かと想った。元気な遥さん、だし。あの遥さんだとは想わなかったというか。
えっとー雰囲気はイイね。あの世界観好きですよ。
ただ前二作と較べると個人的な好み…ではない。。「犬神家〜」は好きだけど「八墓村」はイマイチ、みたいな。
で星は三つで。
要は秋津さんて本当、望君にそっくりなのよ!って話ですよね。
この頃の無貌と秋津さんの関係が、イイ。
あんたあのこのなんなのさって具合に今後も無貌が秋津さんに馴れ馴れしいとイイ。
事件に対する姿勢とかネガティブさとかもそうだけど、よくわからんものを警戒し過ぎな -
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年に一度、夏原ホテルの見る夢。
ホテルに選ばれた人間が過ごす、夢境ホテルの一週間。
秋津探偵の助手の座をかけて、望少年は夢の一週間内で起きた事件の探偵役を務めることに。
頑張れ少年、悩めよ恋せよ青少年。
…と変なテンションになったところで。
夢の中でよく行く町は実は私にもある。
しかしその町で見る夢はほとんどが悪夢なので、あんまりいい印象はない。
夢の中でお菓子を食べそこなったこともあるな、そしてそれを何年たってもしつこく覚えている。
そんな私の夢は当然総天然色フルカラーだ。
スカウトマン化した無貌にちょっと人間味を感じてしまった。
今回は「医師」の物語。 -
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「推理は山勘だ」と言い切った探偵に拍手。(意訳)
実に8時間もかかってしまったが、一気に読んでしまった。
状況説明がうまい。文章能力が非常に高い。こういうのを文才があるというのかな。メフィスト賞受賞作にして、デビュー作というのが不思議なくらいだ。
”地の文に嘘を書いてはいけない”というミステリのルールをしっかり守っているのにも好感を覚えた。
包帯男の正体については(情報が多い分)論理的で妥当であると思ったが、「榎木家殺人犯」の推理に関しては一応納得はするものの、何か腑に落ちなかった。
筋は通っているのだが、たとえば真相に向かう道筋が幾通りかある中、たった一本だけを試してみたら当たっていた、