望月守宮のレビュー一覧
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ー 科学が人々から虹を見る喜びを奪ったと考えるのは間違いだ。喜びの形が少し変わっただけのこと。何かを失ったと思うのは、科学の進歩についてこられず、新たな喜びを手に入れられない者の責任だ。いや、本当は手に入れられないんじゃない。そういう連中は単に科学から目をそむけ、新しい喜びを手に入れようとしないだけだ。人間らしい理性の立場に立たず、問題について深く自分で考えようともせず、動物めいた原始的な嫌悪の念をさも大事なものかのように扱う。そういう奴らが、まるで根拠があるかのように適当にヒトデナシを悪く言い、排斥しようとしてきたんだ。 ー
ヒトデナシ、という怪異が存在する世界観におけるミステリー。まず世 -
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7年振りの再読。
望と秋津探偵の出会い、芹の物語、無貌の物語、溝口、遥、岬、相原、全ての登場人物の微妙な関係性がやっと理解出来た。ちょっとした違和感の謎、思わせぶりな表現の意味がやっと分かりすっきりする。
1〜6作を一気読み、1作目に戻る、7冊目を読む。
これが理想かと思う。
これ全部で一つの物語になる。だから“無貌伝”、これは無貌と秋津探偵の物語だったんだな。
時系列に読めば、1作目を読み返す必要はないけど、1作目のミステリーが最高の仕上がりだから、まずこれを読まなきゃ始まらない。
1作目以外は、異能バトルロワイヤルなんで、ガチミステリーは1作目だけ。
これは、映像化して欲しいなぁ -
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ネタバレ無貌伝 シリーズ第7弾 完結編
『無貌伝 ~探偵の証~』のつづき
<あらすじ>
相川や古村たちの顔を奪った無貌(本体は秋津)は、誰にも干渉されることのない楽園の島に住むため、奪った顔にゆかりある人々に別れの挨拶をするため、芹と犬を置いて楽園を出る。
長靴本部には、近松独善が人間でなくなり周囲を同化するヒトデナシ[異割]となったスライム状の沼や、他のヒトデナシもおり、そこには長靴の会長が死亡し新たにトップとなった岬と、親友である遥がいた。
遥の願いは夫である無貌に会い、共に死ぬこと。
遥はヒトデナシの女王としてずっと束縛されていて、真の自由を手に入れるには死ぬしかないと思っていた。
それを知 -
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ネタバレ無貌伝 シリーズ第6弾
探偵・秋津の前の助手・相原倫太郎の物語(約3年前)
<あらすじ>
三探偵というものがまだ存在しない頃
秋津の元に助手になりたいと突然現れた相原。
最初は嫌がる秋津だったが、的確な助手っぷりを発揮する相原を認め、相原は秋津の助手になる。
秋津に助けられたことで彼に好意を抱くヒトデナシの女王・遥。
遥は長靴本部に囲われていて、秋津との関係も進展せず、くすぶっていた。
そんな折、相原は彼女に出会い、仲良くなり恋心を抱くが、秋津と遥の幸せのために、相原は秋津を焚きつけ、秋津は遥にプロポーズした!
それからしばらくして、相原が秋津の助手になりたかった理由が、親を殺した犯人に -
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文字通り手を繋いで逃げる二人と、追う忠犬。
目的地に着いてみれば、頼るべき師匠はいなくなっており
警察はまだ、裏切り者のした事をしらないでいた。
周囲にいるヒトデナシに、ヒトデナシを使う人物達。
どうするんだというほど、油断できない状態。
相手も頭使ってますが…これほどまでに短時間で
よくもどうにかなる解決策を捻り出すものです。
すごいとしかいいようがないですが、またさらなる危機。
もぐら叩きかと思うほど、こっちが引っ込めばあっちが
あっちが引っ込めば、また違う問題が。
どうにかなる! と思ったのに、次の瞬間
相手の計画通りという状態。
どうするんだ、というよりは、どうしたいんだ!? かと -
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ネタバレ無貌伝 シリーズ第5弾
<あらすじ>
魔縁・蜘蛛であり無貌殺害を計画する三探偵の一人・御堂八雲。
彼が持つヒトデナシは
高速移動で破壊の力を持つ列車[縣繰津]
生命の侵入を断絶する水[踏果]
ポテトヘッドみたいに身体をバラバラにできる[途跳]
針を頭に刺すことで2人の精神を交換できる[結針]。
そんな八雲は藤京で無貌の協力者20人の同時殺害を行い
藤京の眩雲塔を占拠し周囲1キロに[縣繰津]を走らせて溝を作り、
そこに[踏果]を流し込み外部の侵入を阻んでいた。
前作で八雲から何とか逃げ出した古村と芹。
舌で舐めることで他人の記憶を読み取れる芹の[匂色]を狙う八雲。
芹を守るため古村は三探偵 -
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ネタバレ無貌伝 シリーズ第4弾
<あらすじ>
「プロローグ」
三探偵の一人・秋津は、顔を奪った張本人・無貌に呼び出され
『ある人物を始末してほしい』 と頼まれる。
一方、秋津の探偵助手・古村と、秋津の妻・遥の友人で小説家の岬は
三探偵の一人・御堂八雲に、怪事件について語り合う綺譚会に招待される。
「綺譚会の始まり」
綺譚会の会場は藤京発の列車内。行き先は不明。
列車の発車と共に紹介される参加者―
下野、大塚、日高、あと”夢境ホテル”で無貌の仲間になった詐欺師・八木沼。
そして御堂八雲は綺譚会の進行役として、怪事件(以下短編)を紡ぐ・・・
「無情のひと」(大蛇)
3年前に秋津の助手をしていた相原 -
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ネタバレ「無貌伝」シリーズ第3弾
前作では探偵だった秋津がまだ大学生の頃
後に妻となる遥との馴れ初めの物語
≪あらすじ≫
主人公・秋津は友人・遥に連れられ、遥の実家に赴く。
そこは湖に囲まれた孤島で、無数の”ヒトデナシ”が封印されていた。
秋津は遥を見失い、そして出会ったのが
幼い遥の姿をした人形を持つ、5人の「遥の父親」。
遥不在の中
命あるものから命を吸い、命なきものへと吹き込むことができる刀
生命と刃のヒトデナシ・一初瀬によって5人の父親が殺され
それぞれの人形に命が吹き込まれる。
そして5体の人形が秋津を捉え、選択を突きつける
「一週間の記憶が消えるジュースと全ての記憶が消えるジュース