霧舎巧のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2007/4/28ジュンク堂住吉シーア店にて購入
2011/1/4~1/6
霧舎氏のデビュー前からデビュー後に発表された短編を集めた著者初の短編集。「手首を持ち歩く男」、「紫陽花物語」、「動物園の密室」、「まだらの紐、再び」、「月の輝く夜に」、「クリスマスの約束」の6編。個人的にはミステリとは言えないが、「月の輝く夜に」が良いかな。開かずの扉研究会の面々も登場する。御手洗シリーズのパスティーシュまである。解説で諸岡氏も書いているが、伏線の張り方が素晴らしい。ネタバレになるので書けないが、研究会面々のキャラクターへの思い入れが深くなった。おそらく2年ぶりくらいの霧舎作品だが、シリーズ続編を読み -
Posted by ブクログ
ネタバレ『名探偵はどこにいる』でもラブコメ要素はかなりあったが、今回はさらにその比率が上がっているような...
正直、ミステリとしては少し弱い。「殺人」が堕胎を指しているというというのは、予想はしていなかったがそんなに驚かなかったし、名前を使ったトリックは気づいてしまった。
他の霧舎作品に使われているトリックと似ており、あまり新鮮さがない。
下田川のメディアを使った選挙戦略、三ツ池の質問の意味などなど、随所に光るものはあるのだが、メインとなる謎に対する解決がやはり貧相。
ラブコメ要素だったり、シリーズに登場するキャラクターが多数登場したりなど、楽しめる要素は十分にあるだけに、肝となる部分にも、もう -
Posted by ブクログ
ネタバレ開かずの扉シリーズは、本当によく作り込まれている。それゆえややこしい部分もあるが、作者の本格好きが伝わってきて好きです。
ただ今回は、ほとんど洞窟の中が舞台で少し退屈ではあった。登場人物も、開かずの扉研究会の面々以外は影が薄い。またそれ故に大量殺人の割に緊張感もあまりない。キリスト教関連の名前のつく人たちが殺されていくが、そこはちょっと無理な感じはした。ほとんどダジャレのようなものもあり、たまたま名前にワードが入ってただけで殺されるのは理不尽極まりない。
しかし、やはりトリックは見事だ。斜め45度に傾けるトリックや、解決シーンの何度も解体され構築し直される推理合戦もよい。伏線も細やかに張ら -
Posted by ブクログ
あとがきに「本格(ミステリー)」と「新本格(ミステリー)」の定義が著者の考えとして述べられている。
作者はこれが書きたかったのか・・・と思えたらそれは「本格」。
これがやりたかったのか・・・と思えたらそれは「新本格」。
微妙すぎてわかりにくいけれど、感覚的には何となくわかる気もする。
思いがけない死が続く。
謎を解いていくのは自称名探偵のQ。
次々と登場するいわくありげな人たち。
完全に悪役だとわかる人がひとりいると、わかりやすく物語がスムーズに進んでいく。
真の悪意を持つ人間はたったひとりだったのか。
死にいたるまでのエピソードが馬鹿ばかしいほどに幼くて、だから余計に切ない思いが残る。
読