森薫のレビュー一覧
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購入済み
丁寧な描写は一見の価値あり
身分違いの恋人達を中心にしながらも当時の世相や社会風俗、文化などについても丁寧に描かれていて非常に興味深く読めました。男性や年配の方が読んでも十分に楽しめる作品です。同じ作者のメイドもの「シャーリー」よりも少し後の時代でしょうか。エマの控えめな美しさと聡明さも魅力ですが、エマの恋人ウィリアムが物語全体を通してのんきな人のいいおぼっちゃんから強さと責任感を備えた大人の男性に成長していく姿も好ましくうかがえます。番外編も含め調度品や服装、町の様子など森薫らしい丁寧な描写は一見の価値ありです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ第2巻は認知が主題だろうか。その家やその土地で生きるということ。それは家族の一員であり地域の一員であると言うこと。町全体が親であり子であり父であり母でありそんな大きな家族とその皆が暮らす町を守り共に生きていく。素晴らしいですね。嫁心の話も何かジンとくるもんがありました。夫婦とは言え、親が決めた婚姻であり交際期間もなくいきなり暮らし始めるんだから、お互いの人となりが分かる様になるまで相応の時間が必要ですよね。その上で愛し合える間柄になれるって素晴らしいというか羨ましい。この作品を読んでいると1日1日の時間の流れを改めて見つめて見たい気になります。