吾峠呼世晴のレビュー一覧
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購入済み
作者の世界観が凄い
ufotableが好きだからとアニメを見はじめて世界観が好みだったので原作も購入。
アニメもとんでもないクォリティで日本の宝と言えるほどの作品ではあるのですが、原作が既に至高の宝玉ですね。
作者の醸し出す世界観が独特でいて万人の心に爪痕を残す物語。
キャラクター達も物語を動かす舞台装置ではなく、この世界で生きている一人の人間として描かれ、少年漫画でありながら群像劇然としている。
この作者の生み出す台詞の数々はどこか文学的で、道徳的でありながらも説教くさくなく、物語の面白さが全てを凌駕して読ませる力がある。
この作者は神話や歴史、文学や風俗などへの造詣の深さも伺える。
少年漫画としてのワクワク感 -
Posted by ブクログ
キャラクターの個性、言葉遣い、行動が違和感なく活字になっていることにまず感動。
漫画原作で考えることも多いと思うけど、作者が本当に鬼滅の刃を好きなんだと伝わった。
話は大きく分けて、村で結婚する夫婦がいる中での炭治郎と禰豆子、善逸の昔の話、アオイとカナオのおつかい、鬼滅学院の4つ。
どの話もよく出来ていて、笑顔になったり、しみじみしたり。緩急が良かった。炭治郎善逸伊之助の三バカコンビはいつも面白いし、どの人にも過去や今がちゃんと見えるのが好き。鬼滅学院も、良かった。
鬼滅の刃が好きなら、読む価値十分にあると思います。興味があれば読んで見てほしい!!! -
Posted by ブクログ
残酷さと優しさが同居する、人と鬼の物語
舞台は大正時代。炭を売って生計を立てていた心優しい少年・炭治郎は、ある日、家族を鬼に襲われるという惨劇に直面する。唯一生き残った妹・禰豆子も鬼に変えられてしまい、人としての心と鬼としての力の狭間で苦しむ存在となる。炭治郎は禰豆子を再び人間に戻すため、鬼を討つ剣士の道へと足を踏み出す。そこから彼の過酷で温かい旅が始まっていく。
本作の魅力は、冒頭の炭治郎一家が襲われる残酷なシーンに凝縮されている。温かく幸せだった日常が一瞬で崩壊し、禰豆子が鬼に変わってしまう。その衝撃から物語は始まるが、ここで提示される「鬼になっても家族である」という矛盾が最後まで物語