ジェイムズ・エルロイのレビュー一覧

  • LAコンフィデンシャル(上)

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    エルロイの本は読みにくい。
    話が込み入っているし、長いし、描写はえぐくて登場人物はみんな腹黒い。
    けれど、終盤に向かって物語が疾走し始めたときのカタルシスはちょっとすごいものがある。
    下り坂でどんどん早足になり、駆け出して自分でも止まらなくなるあの感じに似ている。
    センテンスは短くそぎ落とされ、機関銃のように次々と打ち出される。私は彼を天才だとは思わないが、この文体は天賦の才だと思う。
    そして、結末にある、かすかなひかりと、詩情みたいなものにいつもやられて、また新しく手にとってしまう。

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    2009年10月04日
  • LAコンフィデンシャル(下)

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    この作品はエルロイの「暗黒のLA」四部作の三作目にあたります。
    この作家を一語で形容するなら“情念”だと思います。

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    2013年07月18日
  • LAコンフィデンシャル(上)

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    映画公開を機に購入。
    ジェイムズ・エルロイの持つどす黒い世界観に一発で大ハマリしてしまいました。
    鑑賞前に読んだと記憶していますが、映画の方も原作の複雑なプロットを上手にまとめていてオススメです。

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    2013年07月18日
  • ブラック・ダリア

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    アイス&ファイアーが見た暗黒のLAは、作者であるエルロイの実体験である実母のレイプ死とブラックダリア事件を私たちに追体験させてくれる。それはただひたすらに血と暴力とゆがんだ正義に満ちている。4部作のTOPにして永遠なる暗黒小説にひたすら興奮するばかり。

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    2009年10月04日
  • ブラック・ダリア

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     ううむ、凄い小説。こんな凄い小説を今まで放置して読まずにいた自分がとっても愚かに思えるくらいの、凄い小説。単細胞さんからぜひ読んでみて下さいと言われて、なんだか楽しみに取っておいた気分もあるんだけど、その期待全然裏切られませんでした。本当に圧倒されました。ヴァクスに圧倒されて以来、久々に圧倒されました。

     ただの警察捜査小説っていうのではないな、と感じたのは、まず事件に至るプロローグの長さ、ストーリー展開の奔放なまでの自由さ……。ロス暗黒史4部作の1作目とあって、史実に基づいた事件に現存した有名人たちの顔や名前が出てくるというのも驚いたけれど、多くの人間たちの情念や破滅をこれほどまでに追

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    2009年10月04日
  • ビッグ・ノーウェア(下)

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    ネタバレ

    「暗黒のLA4部作」の「ブラック・ダリア」に続く2作目。

    読み始めは苦戦したものの、途中からどんどん面白くなり、「ブラック・ダリア」を凌ぐ面白さだった。

    主人公のうち、ダニー・アップショー、マルコム・コンシディーンの二人がうちに秘める自身の弱さと、それが露呈することへの恐怖感が、特に自分には共感できる部分だった。

    そして、チョイ役と思われたバズ・ミークスの漢気(警察などの体制側にはそんな人は出てこない)に涙が出る。生き延びて欲しいと思った。

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    2022年08月22日
  • ブラック・ダリア

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    「LAコンフィデンシャル」から読み始めたので、比較で言うと、さすがにかの傑作には及ばないと思うものの、素晴らしい力作。謎解きと犯人を痛めつけて解決、とならずに執拗なまでに真実を追い続ける、決してきれいごとではない、執念としか呼びようのないもの。そして、当初バッキーが取るに足らない娼婦と見なしていた、ダリアへの最後の祈りがこの小説と凡百のクライム小説との違いを際立たせている。

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    2017年08月29日
  • ブラック・ダリア

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    とっつきにくさはあるが、この前読んだアンダーワールドUSAのやつに比べれば、構成自体はかなりストレート。ラストに向けての畳みかけ方にはまだ若干のおぼつかなさを感じるが、やはり張り巡らせれていた伏線は一級品。しかし、エルロイの描く結婚式はあまりにもあまりな破滅フラグすぎて、もはや美しい。

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    2017年04月03日
  • ホワイト・ジャズ

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    暗黒のLA四部作の完結編、最終作。
    なのですが、、僕はこの作品から読んでしまって一応、作品は独立して読めるものになっているものの話の筋を理解するのは、なかなか大変だったです。

    でもスピード感のある、モダンジャズのように繰り出される文体がカッコよくって、物語の筋は読めない部分も正直ありましたが、カッコいいなって感じでしたね。

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    2016年11月25日
  • 背信の都(上)

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    (上下巻を併せての評である)
    1941年12月6日。いうまでもなく日米開戦前夜のアメリカ、ロサンジェルス。日系二世の市警鑑識官アシダは、自作の写真撮影装置を取り付けたばかりのドラッグストアで強盗事件に遭遇する。現場で捜査能力の高さを見込まれたアシダはその後に起きた日本人家族四人のハラキリ事件現場にも立ち会い、捜査に深く関わっていくようになる。その直後日本海軍による真珠湾奇襲攻撃が起き、アシダの立場は極端に悪くなる。米人からは卑怯なジャップ、日系人からは親米の裏切り者という烙印を押されてしまったのだ。市警からジャップを放り出せと吼える市長。アシダは次期本部長の座を狙うパーカー警部に取り入ることで

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    2016年07月09日
  • ブラック・ダリア

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    映画の補完として。
    映画ではわかりにくかった部分が多かったのだが、
    背景がわかってすっきり。
    文体はちょっととっつきにくいが。

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    2016年03月07日
  • ブラック・ダリア

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    《ブラック・ダリア》とは、ロサンゼルスで惨殺されたひとりの女に献じられた呼び名である。

    猟奇的な殺人事件とその核心に迫ろうとする警官が主人公という点で、これはれっきとした犯罪小説であるが、と同時にこのフィクションの肝はもっと別のところに、《ブラック・ダリア》という女の存在によってはからずも自身が抱える心の闇に向かい合わざるをえなくなった人々の孤独な葛藤とその悲劇的結末を容赦なく描き出すところにあるようだ。ひとつの事件をきっかけに、平和な日常がアリ地獄のようにグズグズと崩落してゆくことの恐ろしさ。息をのむようなスピード感とは無縁。物語は、からまった糸を忍耐強くほどいてゆくようにジリジリした歩み

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    2013年06月25日
  • LAコンフィデンシャル(上)

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    名前がたくさん出てきて、最初は読みにくいが、入り込んでしまえばこっちのもの。特別変わったストーリーでもないのに、なぜか面白い。なにか秘密があるはず。

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    2013年06月21日
  • ビッグ・ノーウェア(上)

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    エルロイの「暗黒のLA4部作」の2作目。「ブラックダリア」と違い、登場人物が多数おり、人間関係も複雑に絡み合っている。えぐい、痛い描写も多い。

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    2012年04月21日
  • ブラック・ダリア

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    ネタバレ

    まず登場人物の名前が覚え辛い。メインの二人からして「ブライチャート」「ブランチャード」だし、ロス近辺の地名も日本人なのでしっくりこない。なのでかなりチマチマ読み進めたけど、屈折した登場人物たちの性格はしっくりきたので楽しんで読めた。実際に起きた未解決の事件が題材で、全体的にロクでもない話ではあるけど、それだけに少しだけ希望のある結末には爽やかな気分に。

    やたらと主人公が出っ歯である事が強調されるのが面白かったw

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    2011年12月18日
  • ブラック・ダリア

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    結構どんでん返しが多くておもしろかった。
    何人か登場人物が分からなくなったりしたけど、また時間のある時にゆっくり読みたいと思う。

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    2011年09月27日
  • ブラック・ダリア

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    狂気に追い込まれる2人の刑事の話。馳星周ほど救いがないわけではなかった。真相は意外だったし、ミステリーのプロットもしっかりしてた。

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    2011年09月24日
  • ブラック・ダリア

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    エルロイの名を全米に轟かせた暗黒のLA四部作第一作。エルロイというとノワールの帝王というイメージが強いが、本書はノワールというよりも良質なハードボイルド。

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    2010年11月14日
  • ビッグ・ノーウェア(下)

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    『ロス暗黒史』4部作の第2册目。動物に噛み切られたような跡が残る惨殺事件が続く。事件に執念を燃やすLA保安官事務所のアップショー。ハリウッドにはびこる赤狩りのための特捜チームに加わったLA地方検事局のコンシディーン。LAのギャング、ミッキー・コーエンの元で情報収集家をやる元腐敗警官の“バズ”ミークス。赤狩りと惨殺事件の共通点が明らかになるにつれてLA市警殺人課警部補ダドリー・スミスが動き出す。

    『ブラック・ダリア』よりも複雑でさらに登場人物が多くて大変だった。1940年代のアメリカの人種差別と腐敗が恐ろしい。

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    2010年08月15日
  • ビッグ・ノーウェア(上)

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    『ロス暗黒史』4部作の第2册目。動物に噛み切られたような跡が残る惨殺事件が続く。事件に執念を燃やすLA保安官事務所のアップショー。ハリウッドにはびこる赤狩りのための特捜チームに加わったLA地方検事局のコンシディーン。LAのギャング、ミッキー・コーエンの元で情報収集家をやる元腐敗警官の“バズ”ミークス。赤狩りと惨殺事件の共通点が明らかになるにつれてLA市警殺人課警部補ダドリー・スミスが動き出す。

    『ブラック・ダリア』よりも複雑でさらに登場人物が多くて大変だった。1940年代のアメリカの人種差別と腐敗が恐ろしい。

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    2010年08月15日