【感想・ネタバレ】ブラック・ダリアのレビュー

あらすじ

1947年1月15日、ロス市内の空地で若い女性の惨殺死体が発見された。スターの座に憧れて都会に引き寄せられた女性を待つ、ひとつの回答だった。漆黒の髪にいつも黒ずくめのドレス、だれもが知っていて、だれも知らない女。いつしか事件は<ブラック・ダリア>事件と呼ばれるようになった――<暗黒のLA4部作>の第1作。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

当時のこのミス3位。1位がウンベルトエーコの薔薇の名前、2位がアンドリューバクスのブルーベル。
芳醇な年だったのだと思います。
最近はエルロイを知らないという方も増えたかと思いますが、この本は読んでほしい。次作のビッグノーウェアと、その以前の血まみれの月も読んでいただけたらと思います。伏線あり、生き方を考えさせてくれるところありの読まずに死ねるか本です。

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2025年09月15日

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ジェイムズ・エルロイによる暗黒のL.A.(ロス・アンジェルス)四部作の第1作にあたる。第二次大戦後まもないロスを舞台に、実際に起きた事件を題材にしたミステリー。

語り手はロス市警の巡査で元ボクサーのバッキー・ブライチャート。 バッキーはやはり市警に勤める元ボクサーのリー・ブランチャードと、ボクシングの試合を通して知り合い、やがて仕事のパートナーとなった。 バッキーとリー、リーのガールフレンドのケイの三人には、奇妙な友情が育まれていった。しかし、1947年1月に起きたブラック・ダリア事件が三人の運命を狂わせてゆく。胴体を二つに切断された惨殺死体で発見された、ブラック・ダリアことエリザベス・ショート。女優志望の彼女に何が起きたのか。リーは事件に執念を燃やし、バッキーも次第に引きこまれてゆくが、捜査は暗礁に乗り上げる。

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2021年11月02日

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ネタバレ

実際にあこった未解決事件ということで、読者は想像を掻き立てられ妄想を膨らませ充実した読書タイムを味わえることとなった。真実は闇の中とはいえ、ストーリーを追ううちにこれはフィクションとは思いつつもストンと腑に落ちる解決の技に納得。

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2018年10月15日

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実際にあった事件を基にした話。主人公たちが追いつめられていく、暗い話。後半は謎解き、どんでん返しが続き、ミステリーとして秀逸。

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2012年04月20日

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これからは簡単に感想を書いていこうと思う。「ダリア」によって人生が狂ってしまった人々の話。勝者はいないが、ラストに救いがあるのがいい。初期作品だからか、文体はエルロイにしては大人しい。

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2010年10月24日

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1947年ロス市内の空地で若い女性の2つに切断された死体が見つかった。彼女は黒い髪に黒いドレスの姿で「ブラック・ダリア」と呼ばれた。女優に憧れ娼婦のような生活をしていた彼女を殺したのは誰なのか。元ボクサーでもあるロス巡査バッキーは複雑な人間関係に惑わされながら事件を追っていく。

『ロス暗黒史』4部作の第1册目。登場人物も多くて悲惨で暗い話なんだけど、すごいおもしろかった。事件を追っていく過程も容疑者が出ては消えていく過程も、元ボクサーのパートナーの過去と失踪、その恋人との関係とか。『フロスト』シリーズの重くて暗い版みたいな感じ。映画がおもしろ過ぎたからかもしれないけど、『LAコンフィデンシャル』よりずっと良かった。「ブラック・ダリア」はロスで実際に起きた未解決事件らしい。

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2010年08月15日

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ハードボイルド小説にはまっていた頃に、
読み漁ったなかの一冊。
エルロイ氏は作品はもちろん、自身の人生もかなりのもの。。。

肝心の作品はグィグィ惹きこまれる感じがたまらない。
もちろん、映画も見ましたよ!
かなりイマイチでしたが。。。

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2010年06月10日

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なかなか本題の「ダリア」が出てこなくて少々いらつくかもしれない。
強引じゃないのと引っかかるくらい最後のまとめあげ方が凄い。
挿絵がなくて本当によかったと思う刺激の強い内容なので、エロ、グロ勘弁な人は読まないこと。

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2009年10月04日

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アイス&ファイアーが見た暗黒のLAは、作者であるエルロイの実体験である実母のレイプ死とブラックダリア事件を私たちに追体験させてくれる。それはただひたすらに血と暴力とゆがんだ正義に満ちている。4部作のTOPにして永遠なる暗黒小説にひたすら興奮するばかり。

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2009年10月04日

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 ううむ、凄い小説。こんな凄い小説を今まで放置して読まずにいた自分がとっても愚かに思えるくらいの、凄い小説。単細胞さんからぜひ読んでみて下さいと言われて、なんだか楽しみに取っておいた気分もあるんだけど、その期待全然裏切られませんでした。本当に圧倒されました。ヴァクスに圧倒されて以来、久々に圧倒されました。

 ただの警察捜査小説っていうのではないな、と感じたのは、まず事件に至るプロローグの長さ、ストーリー展開の奔放なまでの自由さ……。ロス暗黒史4部作の1作目とあって、史実に基づいた事件に現存した有名人たちの顔や名前が出てくるというのも驚いたけれど、多くの人間たちの情念や破滅をこれほどまでに追い続ける主人公の狂気にもくらくらと来てしまった。

 物語の残酷さにも、エピソードの多さ、伏線の複雑さにも、本当にいろいろな意味で圧倒されました。こんな作家は他にいない!

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2009年10月04日

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「LAコンフィデンシャル」から読み始めたので、比較で言うと、さすがにかの傑作には及ばないと思うものの、素晴らしい力作。謎解きと犯人を痛めつけて解決、とならずに執拗なまでに真実を追い続ける、決してきれいごとではない、執念としか呼びようのないもの。そして、当初バッキーが取るに足らない娼婦と見なしていた、ダリアへの最後の祈りがこの小説と凡百のクライム小説との違いを際立たせている。

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2017年08月29日

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とっつきにくさはあるが、この前読んだアンダーワールドUSAのやつに比べれば、構成自体はかなりストレート。ラストに向けての畳みかけ方にはまだ若干のおぼつかなさを感じるが、やはり張り巡らせれていた伏線は一級品。しかし、エルロイの描く結婚式はあまりにもあまりな破滅フラグすぎて、もはや美しい。

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2017年04月03日

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映画の補完として。
映画ではわかりにくかった部分が多かったのだが、
背景がわかってすっきり。
文体はちょっととっつきにくいが。

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2016年03月07日

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《ブラック・ダリア》とは、ロサンゼルスで惨殺されたひとりの女に献じられた呼び名である。

猟奇的な殺人事件とその核心に迫ろうとする警官が主人公という点で、これはれっきとした犯罪小説であるが、と同時にこのフィクションの肝はもっと別のところに、《ブラック・ダリア》という女の存在によってはからずも自身が抱える心の闇に向かい合わざるをえなくなった人々の孤独な葛藤とその悲劇的結末を容赦なく描き出すところにあるようだ。ひとつの事件をきっかけに、平和な日常がアリ地獄のようにグズグズと崩落してゆくことの恐ろしさ。息をのむようなスピード感とは無縁。物語は、からまった糸を忍耐強くほどいてゆくようにジリジリした歩みで進んでゆく。

全編を貫く生々しさ、不吉さは、ロサンゼルスの暗部を身をもって知りつくした著者ゆえだろうか? 読者にもそれ相応のタフさが要求される。

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2013年06月25日

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ネタバレ

まず登場人物の名前が覚え辛い。メインの二人からして「ブライチャート」「ブランチャード」だし、ロス近辺の地名も日本人なのでしっくりこない。なのでかなりチマチマ読み進めたけど、屈折した登場人物たちの性格はしっくりきたので楽しんで読めた。実際に起きた未解決の事件が題材で、全体的にロクでもない話ではあるけど、それだけに少しだけ希望のある結末には爽やかな気分に。

やたらと主人公が出っ歯である事が強調されるのが面白かったw

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2011年12月18日

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結構どんでん返しが多くておもしろかった。
何人か登場人物が分からなくなったりしたけど、また時間のある時にゆっくり読みたいと思う。

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2011年09月27日

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狂気に追い込まれる2人の刑事の話。馳星周ほど救いがないわけではなかった。真相は意外だったし、ミステリーのプロットもしっかりしてた。

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2011年09月24日

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エルロイの名を全米に轟かせた暗黒のLA四部作第一作。エルロイというとノワールの帝王というイメージが強いが、本書はノワールというよりも良質なハードボイルド。

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2010年11月14日

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LA4部作の第1作目…なんだけど、個人的には4作の中でこれが一番読みづらいと思う。
考えてみたら話の筋をきちんと思い出せないことに愕然とした…。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ジェイムズ・エルロイによる暗黒のLA4部作の第1弾
1948年ロサンゼルス市街の空き地に捨てられた22歳の女性”エリザベス・ショート”通称ブラックダリアの惨殺死体が発見される
この小説はダリア事件に関わる、ロスという街に巣食う警察、ハリウッド、司法、行政、ギャングを巻き込む謀略と狂気の物語となってま
文体も以前に読んだホワイトジャズのように電文体と呼ばれる必要最小限に説明を省く表現形態では無く、まだ読みやすいかと
導入の部分から物語後半まで通して続く違和感が終盤に差し込むあたりで物凄い勢いで補完された複線としてスパスパ解かれていき、エンディングまで一気に読み手を引きずり回します
この序盤の違和感と登場人物の膨大さがストレスとなって何度も挫折したんですが、溜まったストレス分の爽快感と終盤以降までに多くの登場人物にひとかたの思いいれが出てくるからエルロイの小説は凄いと言えるんだなと思います
ホワイトジャズは謀略小説、犯罪小説だと思うんですが、これは推理小説だと思います
90年代初頭に流行ったショッキングな場面やスピーディーな展開は時代を感じます
次はビッグノーウェアに挑戦する予定です。
なんと上下巻の大作、相当覚悟が必要になりそうな予感

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2009年10月04日

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1947年のLAで22歳女性の惨殺死体が発見された。胴体が真っ二つだったり、口が耳まで引き裂かれてたりとむちゃくちゃされていたそうな。そのブラックダリア事件の設定をほぼそのまま持ってきて、チクリ屋&元ボクサー刑事を語り手にして、エルロイが独自の小説にしてしまったやつ。ってか、僕が知らないだけで昔話題になってたんですよねきっと。僕は映画あんまり見ないのでよく知りませんが、LAコンフィデンシャルのシリーズです。まずこういう警察小説をあまり読んだことなかったので、直後の感想は・・・うーんどうしよう、という感じだったんですが、しばらく経っても結構残ってます。主人公に嫌な役を負わせているところなのかしら(しかしLA四部作の中ではだいぶ希望があるほうらしい)。僕は古典ミステリ(しかも海外の超定番古典だけ)しか読んだことないので、謎解きを楽しもう前提みたいな読み方をしてポカンとなったんだけど、これ読んでそういう覚悟をするんじゃないと分かったので改めて次読みたくなった。変な腑に落ちなさがあるもんだから、LA四部作と、自伝的なアメリカンアブロイドまでは読まなきゃみたいな気持ちにさせられる。ただ、警官同士のやりとりとか正直どうでもいいと思えてだれる部分が多くて。もう少し短くなんないかなあ。

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2009年10月04日

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原題 BLACK DAHLIA

人の持つ弱さのありのままが、
残酷なまでにさらけだされて、
人の持つ病的なまでの信念が、
信じられない強さを発揮して、

ノワールは綺麗事を許さない。
でも誰もがわかり得る、怖さ。
人の営みは実はこうなんだと。

倫理はあっても絶対じゃなく、
堕ちるしかないんですよね…。

咲くはずのない、黒いダリア。

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2022年12月30日

Posted by ブクログ

一冊ものとは思えないボリューム。そのボリュームにものをいわした重厚さが特徴かな。2時間ドラマのようでもあるし。これいったい映画でどうまとめられているのかちょっと観たくなった。

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2017年12月18日

Posted by ブクログ

三十路になる直前くらいに読みました。
最後の締めあたりでウッと来ました。まあそうなるもんだな。なんて無常観に
とらわれた覚えがあります。

お願いだから貸した本返して!と分かれた彼女に言いたいです。あんた自身は
いいからさ、本だけは返してなと!まあ、文庫版ですが。

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2017年09月27日

Posted by ブクログ

昔からよく映画で見てたからそろそろ読んでみようかと。
実際の事件の写真(真っ二つになってるのにすごく綺麗な死体)から感じる独特なセンスとかそれに至る描写とか、もうちょっと細かく見たかったもんだ。
ハードル高すぎただけかも

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2016年09月19日

Posted by ブクログ

 1947年、一人の女性の凄惨な遺体が見つかる。漆黒の髪に黒いドレスを着ていた彼女にちなみ事件は「ブラック・ダリア事件」と呼ばれるようになった。実在の事件を基に事件に関わる人間たちの暗い情念を描いたミステリー。

 書き込みが凄いなあ、という印象を受けました。その分どうしてもテンポがいまひとつだったり、話の本筋や事件の経過が分かりにくかったり、ということはあるのですが、それでもこの書き込みから浮かび上がってくる登場人物たちや組織の闇の部分、それを描き切ろうとする作者の情念というものが伝わってきました。個人的には高村薫さんの『マークスの山』と似たような雰囲気かなあ、と思います。

 普通なら事件解決とともに徐々に事件に光が差していくような印象を受けるのですが、これは話が進むごとにさまざまな登場人物の闇の部分が見えてきて、普通のミステリー小説とは逆のベクトルを持った小説なのだな、と感じました。暗黒小説と呼ばれるのも納得です。それでいてミステリーのどんでん返しもしっかり決めてくれるあたりさすがだなあ、と思いました。


1991年版このミステリーがすごい!海外部門3位

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2014年05月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

10数年前に読んだ記憶があるが、LA4部作ラストの
『ホワイト・ジャズ』が読みたくて1作目から再読することに。
中盤、勢いがついたが、後半は減速。2作目も購入済みなのに
リタイアしたくなってしまった。

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2012年06月30日

Posted by ブクログ

映画を見て訳が分からなかったので読んでみた一冊。たくさんの人物が登場する為正直名前を覚えるのに一苦労。ただ微妙な人物関係の中で、一つの事件をきっかけに、次第に登場人物全員の人生が崩れて行く。この様子を見るのは、人によってはたまらない。

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2009年10月04日

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