妹尾武治のレビュー一覧
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真面目な内容ながら、著者自身が「トンデモ本」と称する攻めた本。
帯の「あなたが本書を手にすることは、138億年前から決まっていた」が効いており、決定論の話をすると「じゃあ何?あれもこれも決まってたって言うの?」と反論する人がいるが、それをすごく先回りして答えた形で、最初からここまで断言されたら、読むしかない。
内容はかなり好き嫌いが分かれると思うけど、最初から万人受けすることを放棄して入ればこその、この読み応え。
著者はサブカルにも詳しく、なにかと難儀な経験をしてこられた方のようだが、文章も読みやすく「この作品が判りやすい」と示される映画や本がいちいち見たり読んだりしたくなるオマケ付。
人生 -
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前半は通販番組に隠されている「売るための」法則を解き明かすだけの本かと思いましたが、さにあらず!
確かにそういった側面はあるのですが、タイトルにもある7つの法則について、事後的ではあるものの”心電図”を用いて購買者心理の動きを解析した結果をエビデンスとして用い、なぜその法則が有効であるのか、丁寧に解説されています。各セクションの後半にあるコラムもそのセクションでとりあげた法則に関連した心理実験の数々が紹介されており、前半の説明に対する納得感を高めるはたらきがあると思います。
また、本作後半では7つの法則は通販番組のみならず、それ以外の”モノを売る”シーンに広く適用可能であるとの説明もなされてお -
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知覚心理学の入門書で、自由意思、クオリア、行動経済学、注意資源など「心」に関するトピックを広く扱っている。
リベットの実験やアンカリングなどの例を出して、脳がいかにだまされるのかの面白い事例が挙げられている。リベットの自由意思の存在を疑う二つの有名な実験の説明はコンパクトでわかりやすい。特にこの辺りの話を知らない人には、入門書としてかなり好奇心を刺激されて楽しく読めるのではないだろうか。
「環境からの刺激を受けて、それに対応した行動がなされる。行動を制御するのは、意思ではなく、刺激なのである」というのは、色々と関連する本を読んだが、現在ではすっかり共通理解になっているように思う。例えば行動 -
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吊り橋効果とか単純接触効果とか日頃から心理学的な言葉が会話に出てくることがある。
なんとなく説明できても実際にそれらの効果を正確に説明できないことが多かった。
考えてみると当たり前なのだが、「心理学」も学問なので論文がある。論文があるということは、なんらかの実験をして得られた結果をもとに「〇〇効果」と論理的に結論づけられている。
今みであいまいに捉えてた〇〇効果について、原著論文を紹介しながら説明がされていて面白かった。
ベクション
クオリア
アンカリング効果
知らなかったキーワードもあり、実験の組み方も含めてより心理学に興味が湧いた。
この実験の組み方の面白さを著者は切に説いており、 -
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吊り橋効果、フットインザドア、ドアインザフェイス、ピグマリオン効果、ハロー効果、ミラーリング、プラセボ効果、単純接触効果、ツァイガルニク効果など。
午前中のほうがより倫理的・道徳的にふるまう。
テストは長期的な記憶の保存を考えたときに極めて効果的。
覚えた時と思い出すときの状況が似ているほど思い出しやすい。
スーパーマリオ3Dで空間把握能力が向上する。
20代と80代で脳細胞の数はほとんど同一。
親の経験はDNAを介さず子に伝わる。エピジェネティクス。
空腹であることで自分の欲求に素直になる。逆に満腹になると他者に寛容になる。
アイディアの3段階=様々な情報のインプット、忘れる、アイディアが生 -
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ネタバレ心理学の関するトピックを、分かりやすく解説した本です。実験心理学に関するもので、臨床的な内容はありません。科学的に信頼性が高い内容を解説していて、かつ、分かりやすく解説しています。赤い服は本当にもてるのか?など興味が惹かれる内容が多いので、とっつきやすいでしょう。しかし、平均値で出てくる論文を個人へ適用することが難しいことの難しさを解説しており、正確な内容を理解してもらおうとの努力が見えます。個人的には「無意識を整える」の部分を興味深く読みました。全てを自分の意思で行っているようだが、実は周りの環境により大きく作用されていることが研究でわかっている。攻撃的なイメージのブランドで塗装された車で、
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<目次>
はじめに
序章 赤い服は本当にモテるのか?~真の心理学の凄み とワンフレーズ心理学
第1章 合コン必勝法はなぜ失敗したのか?
第2章 かならず相手に好かれる方法
第3章 賢くなりたければ、脳を活性化させるな
第4章 ポジティブ・シンキングで人生が変わる?
第5章 サブリミナル効果はウソ?ホント?
第6章 血液型診断という亡霊
第7章 スポーツに「流れ」は存在するか?
第8章 人の記憶はアテにならない
第9章 人は無意識に支配されている
第10章 心理学は科学なのか?
<内容>
心理学者による心理学の紹介本。海外のサイエンスもののように、実際の論文をわ -
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非常に読みやすい。目次に目を通しただけで概要は推測できる。あとは本文斜め読みでOK。
世の通説に対して、その反論を実験結果を交えて展開する。たとえばポジティブシンキングは万能か?いや、デメリットもあるしネガティブシンキングのよさもある、という話。でも、そもそもどちらの何がいいか悪いかの二元論の発想を捨てれば、議論自体が不要と思うんだけどね。
ネイマールの脳がプレイ中活性化していないことはおもしろい。でも、日本のプロ選手は練習を積んでも活性化させている。ということは、プロほど練習しても活性化せずプレイすることはできないということでは? 活性化させないといったって、どうすればよいのか?
「無意識」 -
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意識は人間だけでなく万物にある。全ては事前に決まっており未来は変えられない。というのが本書の主張。後者については、そんなはずないよね、なぜそう言い切れる?と疑問に思いながらその答えを探すために読み進めた。最後まで読んで思ったのは、本書は半分哲学の本なので、証拠を見つけるために読むというより、こういった事を真剣に考えている方達が大勢いるという、自分の考えの幅を広げるための本だった、という事。
本書(筆者)の結論は、意識とは情報であり、生命とはその情報を増やすために配置された「なにがしか」である。以下、トピック。
意識とは何かをきちんと定義できるか?意識が一体なぜ生じているか?をきちんと説明で -
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ようするに「ラプラスの悪魔」論
こういう心理学の本でよく見る、腕を動かそうと意識するより前に脳は反応している、例えば、バッドでボールを打つと思考する前に、身体は動いており、身体が動いて結果が出た後に、それにそうように意識が思考をつくりだしている、という話。はじめて見聞きした人には衝撃だと思うが、どこがかで聞いたことがある人にとっては、その内容を深掘りしているわけではないから、そう言われているね、という感想で終わってしまう。
「未来は決まっている」根拠を様々な視点から語る中に量子論もある。しかし、すべての要因を把握できるなら、未来はひとつという「ラプラスの悪魔」はいわゆる古典物理学で、量子論はそ