渋谷豊のレビュー一覧

  • ドルジェル伯の舞踏会

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    この小説において"誤解"は重要なキーワードになるのではないかと思った。
    他者への誤解、または自分自身の心の誤解。
    語り手の焦点が定まっていないため、全登場人物の内面を覗き見ることができるが、皆なんらかの誤解をしながら物語が進んでいく。
    一方で、自分自身の心を素直に読み取れている人物もいる。しかし、それは貞淑な人妻への恋心…。
    純粋無垢な恋心は決して成就することはない。成就したところで、それは邪な関係性となり、信頼している人物を裏切ることになる。それは誰も望まないこと。
    登場人物の素直な恋心と自分の気持ちを誤解して受け取ってしまった恋心、それぞれ揺れ動く内面の描写がなんとも激

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    2022年04月29日
  • 人間の大地

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    郵便飛行機のパイロットとして、アフリカの砂漠や南米の山岳地帯でのエピソードを連作にした。砂漠で不時着し極限状態。僚友との絆。学生の部活動で同じ目標に向かう一体感に似たものを感じた。最終章での人間と自然との関わり、偉大さ、平和への願いにも気づきがある。2022.1.29

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    2022年01月29日
  • 人間の大地

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    ネタバレ

    すごく面白いという感じでは無いですが、全体的にキレイな文章でかつ心に残るフレーズもたくさんありますので、読んでおいて損は無い本だと思いました。とりあえず、この本を読んでから「星の王子さま(ちいさな王子)」を読むのがオススメ♪

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    2021年03月21日
  • 人間の大地

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    サンテグジュペリのエッセイ。これまで読んできた本は飛行機から見た風景や人間関係が主だったが、今作は様々な人々にスポットを当てた人間観察のエッセイ。

    少々小難しいが、上品で知的な表現が心地よい。大体の作品で解説は飛ばすけど、今作は解説もしっかり読んだ。貴族出身で飛行士で、詩的な作家ときたら、モテないわけがない。著者のことをもっと知りたい。

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    2021年01月26日
  • 人間の大地

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    パイロットとして孤独と向き合い、地球や人間の歴史や根源的な存在意義に思いを馳せた究極のエッセイ。コロナ禍で味わう孤独などサン=テグジュペリが向き合った孤独に比べればピーナッツ程度ではないか。金言の連続。

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    2020年08月01日
  • ぼくのともだち

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    自意識過剰で卑小で自分勝手な主人公。でも自分自身も持っている一面だと思うから嗤えない。多分一生友達を求めながら出来ないであろう。

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    2018年01月20日
  • 人間の大地

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    1930年代の飛行機はエンジンの不調でリビア砂漠やアンデスの山の中に不時着することもしばしばある。サハラ砂漠に不時着するとムーア人に襲われることもある。アンデスの標高4000mの高台に不時着した盟友メルモーズは滑走スペースがないので飛行機を奈落に向かって走らせる。断崖の縁から真っ逆さまに落下する途中で奇跡的に揚力を得て生還した。再び空に戻ったメルモーズは何年後かに南大西洋上空で消息を絶つ。同じくアンデス山脈で飛行機が故障して奇跡的に生還した盟友ギヨメは第二次世界大戦中に輸送飛行中に地中海上空で撃墜される。サンテグジュペリ自身、何度も事故を起こして奇跡的に回復し、リビア砂漠で水もほとんどもたずに

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    2025年07月27日
  • ぼくのともだち

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    貧しく孤独な主人公は愛してくれるものを求めて街をうろうろ。

    自業自得だけどとっても切なく感じるのは不思議なユーモアとどこか共感しているから。

    「人間失格」や「地下室の手記」もそうだけどこの本もきっと“自分のことのようだ”と思う人がたくさんいるかもしれない。

    きっと孤独は自我を大きく膨らませるのだ。

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    2015年04月14日
  • ぼくのともだち

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    孤独なフランス人青年の残念な毎日。

    1920年代のフランスといえば、ウディ・アレン映画「ミッドナイト・イン・パリ」で描かれた憧れの世界である。

    舞台はおおむねブルーワーカーたちが行き交う通りやレストランが多いが、当時を生きた作家によっててらいなく描きとられた街並みは、それでもやっぱり美しい。

    生活感あふれる青年の暮らしぶりの描写がなんだか愛しい、日曜日に読むのにぴったりな小説。

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    2014年09月13日
  • ぼくのともだち

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    あらすじ:
    戦争での負傷、戦後フランスで恩給を収入源に働かずに生きることを選んでいる主人公。
    その生活は、贅沢をすることなく慎ましいもの。
    そんな彼がただ一つ求めるものは「ともだち」。
    それも唯一無二の親友と呼べるような人。
    朝から日が沈むまで、思い耽りながら歩き、探し続ける「ともだち」を。

    ***************

    一度目の読後は率直に、この人嫌い!
    「『ドラえもん』の(アカン時の)のび太を見ているようで辛い」という感想でした。

    二度目は読書会にて。
    読書会のなかで皆さんから当時の世相や背景を教わったり読み深めるうちに距離感がうまくとれていく。
    「なんだか面白いな」とユーモアにも

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    2023年11月30日
  • 人間の大地

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    愛するとは互いに見つめあうことではない。一緒に同じ方向を見つめることだ。

    はい、サン=テグジュペリの『人間の大地』です
    新潮文庫版では『人間の土地』ですが、我らが光文社では『人間の大地』です
    非常に柔らかい訳文だったような気がします
    そのへんがタイトルにも現れてる気がします

    読んだことないですが、どうせ大學の訳文なんてカッチカチに決まってます
    鍛え上げられた上腕二頭筋

    うん、飛行家たるサン=テグジュペリのエッセイ集ということなんですが、「大地」なんですよねタイトルは
    そこがまず面白いな〜って思いました
    『人間の大地』人間の支配が及んでいる範囲みたいな意味なんかな〜

    サン=テグジュペリが

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    2025年08月17日
  • ドルジェル伯の舞踏会

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    三年半ほど前、高校生のときに古書店で古い文庫を買って
    積んだまま読まずに〈引っ越し処分〉していたことを思い出し、
    反省しつつ光文社古典新訳文庫を購入。
    早熟・夭折の天才と言われるレーモン・ラディゲの(短めの)長編小説。

    1920年2月、パリ。
    高等遊民の一種である二十歳の青年フランソワ・ド・セリユーズは、
    社交界の花形アンヌ・ドルジェル伯爵およびマオ夫人と出会った。
    フランソワの友人で外交官のポール・ロバンも交えて
    サーカスを楽しんだり非合法のダンスホールで踊ったりして、
    彼らは親交を深めていった。
    フランソワは次第にマオ夫人に恋情を覚えるようになり、
    距離を取るべきか縮めるべきか思い悩む。

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    2023年01月04日
  • 人間の大地

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    郵便パイロットての経験を通じて人間のあり様については解くエッセイ。
    やや難解な文章なので少々読んでいて注意散漫になることが多かった。当時の飛行機乗りはかなりの危険が伴った職業だったようで、故に人間の生き方についての考えが研ぎ澄まされていったように思える。また、当時の読者達は飛行体験を記した本書により未知の世界に想いを馳せたのだろうし、文学的価値以上に読者達を楽しませたのではないかとも思う。印象的なのは、リビアの砂漠に不時着して死の間際まで追い詰められた過酷な体験を綴った「Ⅶ砂漠の中心で」でのサバイバル。
    死ぬことと向き合うことになった時にまた読みたくなるような、人生の哲学を丁寧に描く作品です。

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    2023年01月03日
  • 人間の大地

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    ネタバレ

    名作だということなので、読んではみたものの、、、最初の150ページは、自分のパイロットとしての実体験を話しているのか、空想の話をしているのか、急に黒人奴隷を解放した話になったり、何が何だか全く掴みどころがなく、とても退屈な内容だった。

    途中から、砂漠で墜落、遭難した話になって、急に具体的な話となり、なんとか読み続けることができたものの、、、

    でも、全体を通して、うーん。。という内容。
    命の尊さは感じられたけど、、、ね。。

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    2022年08月12日
  • ドルジェル伯の舞踏会

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    20歳の若さで夭折したラディゲの死後に出版されたもの。これまで出回っていたものは生前、ラディゲが師と慕っていたジャン・コクトーらによってかなり手直しがされたものだったとのこと。こちらは、ラディゲが私家版として限定数で発行した本人の手による最終稿をもとに出版されている。ラストの解釈が難しいが、解説によるとこの小説にはいろんな読み方があるんだなと思った。10代の書く文章ではないなぁと思うくらいに洗練されている。

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    2024年11月02日
  • 人間の大地

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    パイロットという職業人を描いたエッセイをまとめた作品。表現が詩的。

    みすず版と比べるとかなり読みやすい。
    みすず版は、英語版にのみ収録されているエピソードも翻訳していたようで、本書には載っていないエピソードも記憶にある。

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    2022年05月04日
  • ぼくのともだち

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    「ぼく」は戦争で傷を負い、職もなく、年金で暮らしている。家族も彼女も、友達も、いない。孤独が僕を押し潰すというぼくは、毎日本当の友達を探してアクティブに街を散歩する。

    けれど、彼は何とも残念な人で、自意識過剰でプライドも高く、女好き…。すぐ通りがかりの女の人を好きになったり、逆にこの女の人はぼくのことを好きなんだ…なんて妄想し始める。
    ストーカーまがいのことも軽くやってのける。

    人の気を引くために、川沿いで今にも自殺しそうな演技までして、逆に他の人の自殺のお供をさせられそうになったり…

    個人的にはかなり気持ち悪い人だと思った。だけど、多くの人の感想を読んでみると、彼のことを憎めない、とか

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    2021年12月19日
  • ぼくのともだち

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    ……思い当たる。
    ひきこもりニート経験のある者は共感するだろう。

    空虚を詩的なことばで埋めるかんじ。
    実際やってることはしょーもないのだが。
    タイトルは傑作。

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    2018年12月23日
  • ぼくのともだち

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    自意識過剰で自分勝手で妄想癖もあり、すぐにストーカーになりそうな男の話。
    最後は根性をみせるのかと思って読み進めたが、最後までダメだった。ダメ男の金字塔。

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    2018年09月04日
  • ぼくのともだち

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    フレンチニート、でも案外アクティブなヴィクトールに、そんなんじゃ一生ともだちはできないと思います、と言ってやりたい
    表紙の犬の絵が良い

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    2017年02月12日