渋谷豊のレビュー一覧

  • 人間の大地
    1930年代の飛行機はエンジンの不調でリビア砂漠やアンデスの山の中に不時着することもしばしばある。サハラ砂漠に不時着するとムーア人に襲われることもある。アンデスの標高4000mの高台に不時着した盟友メルモーズは滑走スペースがないので飛行機を奈落に向かって走らせる。断崖の縁から真っ逆さまに落下する途中...続きを読む
  • ぼくのともだち
    貧しく孤独な主人公は愛してくれるものを求めて街をうろうろ。

    自業自得だけどとっても切なく感じるのは不思議なユーモアとどこか共感しているから。

    「人間失格」や「地下室の手記」もそうだけどこの本もきっと“自分のことのようだ”と思う人がたくさんいるかもしれない。

    きっと孤独は自我を大きく膨らませるの...続きを読む
  • ぼくのともだち
    孤独なフランス人青年の残念な毎日。

    1920年代のフランスといえば、ウディ・アレン映画「ミッドナイト・イン・パリ」で描かれた憧れの世界である。

    舞台はおおむねブルーワーカーたちが行き交う通りやレストランが多いが、当時を生きた作家によっててらいなく描きとられた街並みは、それでもやっぱり美しい。

    ...続きを読む
  • ぼくのともだち
    あらすじ:
    戦争での負傷、戦後フランスで恩給を収入源に働かずに生きることを選んでいる主人公。
    その生活は、贅沢をすることなく慎ましいもの。
    そんな彼がただ一つ求めるものは「ともだち」。
    それも唯一無二の親友と呼べるような人。
    朝から日が沈むまで、思い耽りながら歩き、探し続ける「ともだち」を。

    **...続きを読む
  • ドルジェル伯の舞踏会
    三年半ほど前、高校生のときに古書店で古い文庫を買って
    積んだまま読まずに〈引っ越し処分〉していたことを思い出し、
    反省しつつ光文社古典新訳文庫を購入。
    早熟・夭折の天才と言われるレーモン・ラディゲの(短めの)長編小説。

    1920年2月、パリ。
    高等遊民の一種である二十歳の青年フランソワ・ド・セリユ...続きを読む
  • 人間の大地
    郵便パイロットての経験を通じて人間のあり様については解くエッセイ。
    やや難解な文章なので少々読んでいて注意散漫になることが多かった。当時の飛行機乗りはかなりの危険が伴った職業だったようで、故に人間の生き方についての考えが研ぎ澄まされていったように思える。また、当時の読者達は飛行体験を記した本書により...続きを読む
  • 人間の大地
    名作だということなので、読んではみたものの、、、最初の150ページは、自分のパイロットとしての実体験を話しているのか、空想の話をしているのか、急に黒人奴隷を解放した話になったり、何が何だか全く掴みどころがなく、とても退屈な内容だった。

    途中から、砂漠で墜落、遭難した話になって、急に具体的な話となり...続きを読む
  • 人間の大地
    パイロットという職業人を描いたエッセイをまとめた作品。表現が詩的。

    みすず版と比べるとかなり読みやすい。
    みすず版は、英語版にのみ収録されているエピソードも翻訳していたようで、本書には載っていないエピソードも記憶にある。
  • ぼくのともだち
    「ぼく」は戦争で傷を負い、職もなく、年金で暮らしている。家族も彼女も、友達も、いない。孤独が僕を押し潰すというぼくは、毎日本当の友達を探してアクティブに街を散歩する。

    けれど、彼は何とも残念な人で、自意識過剰でプライドも高く、女好き…。すぐ通りがかりの女の人を好きになったり、逆にこの女の人はぼくの...続きを読む
  • ぼくのともだち
    ……思い当たる。
    ひきこもりニート経験のある者は共感するだろう。

    空虚を詩的なことばで埋めるかんじ。
    実際やってることはしょーもないのだが。
    タイトルは傑作。
  • ぼくのともだち
    自意識過剰で自分勝手で妄想癖もあり、すぐにストーカーになりそうな男の話。
    最後は根性をみせるのかと思って読み進めたが、最後までダメだった。ダメ男の金字塔。
  • ぼくのともだち
    フレンチニート、でも案外アクティブなヴィクトールに、そんなんじゃ一生ともだちはできないと思います、と言ってやりたい
    表紙の犬の絵が良い
  • ぼくのともだち
    自己憐憫、自意識過剰、自己中心、そら友達できんわと鼻で笑いたくもなるが、自分にもこんなところあるよなという自覚から目を背けているだけかもしれない。それに比べたらバトンは潔く清々しい。
  • ぼくのともだち
    うーーん、私はこれはどうもアカン…と思いつつ、最後まで1日で読み切ってしまったのはこのダメすぎる主人公が最後までずーっとダメダメなままで妄想炸裂で、あまりにも痛々しかったからなのかもしれないが。

    帯の豊崎由美さんの惹句を見て買ってみたのだけれど、そして小説としては確かに先が気になる、ある種うまい話...続きを読む