レイ・カーツワイルのレビュー一覧

  • シンギュラリティは近い [エッセンス版] 人類が生命を超越するとき

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    人工知能の世界的権威である著者が2007年に刊行した同名書の要約版。テクノロジーの指数関数的な進化により、人間の生活が不可逆に変容する「技術的特異点(シンギュラリティ)」が2045年に訪れるという予測をしている。
    本書は、遺伝子・ナノテク・サイバネティックの進化が技術的特異点をもたらすと説く。1kgで全人類の脳を超えるコンピュータ、ナノマシン治療、人体の機械化、脳のダウンロード…今は想像できないが、一方でここ10年の技術革新を言い当てており、強ち予測も間違いではないとも思える。
    現在、著者はgoogleで機械学習・自然言語処理の技術責任者を務めているそうで、彼が生み出すサービスも楽しみであ

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    2017年01月07日
  • シンギュラリティはより近く 人類がAIと融合するとき

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    未来予想学者として著名なレイ・カーツワイル氏によるAI、ナノテクロジーなどの技術によって社会、人間がどのように変容していくかを論じた一冊。

    テクノロジーの進歩は寿命の延長、大脳新皮質のクラウド、脳自体の機能拡張などの正の側面もあるが、戦争や犯罪などの負の側面も大きくなる可能性がある。

    しかし、著者は「慎重かつ楽観的な姿勢」で未来を受容すべきであると語っており、この姿勢は興味深いです。

    過去のテクノロジーの進化を見ても、失業者の増加などの経済的な側面や、人間の倫理観的な問題などの議論が起き、その結果として社会に溶け込んでいることを考えると、進歩した未来の魅力に人類は抗えないのではないかと感

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    2025年11月03日
  • シンギュラリティはより近く 人類がAIと融合するとき

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    全体を通じて進歩史観と楽観がこれでもかと出ている。そう考える論拠はそこそこ揃っており、まぁそういう未来もあり得るかもなと思わせる。
    ただ、4章の統計データは絶対額で見せるべきでないものも絶対額で見せている気がする。またカーネマンやピンカーといったビッグネームとのやり取りがちょこちょこ出ているが、文脈的にそこまで必要か(アピール?ちなみにカーネマンの主張の方が個人的には腹落ちした)とも思い、これらの感じはあまり好みでは無かった。

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    2025年10月09日
  • シンギュラリティはより近く 人類がAIと融合するとき

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    2020年代半ばとなる2025年8月現在に本書を読んでいる身としては、2020年代にAIとバイオテクノロジーが融合し、多くの病気が解決するようになる、指数関数的なテクノロジーの発展によってほどなくして太陽光発電が主流になって化石燃料に頼らなくなり、垂直農業と人工肉によって食の問題が解決する、といった予測が非常に机上の空論に感じられる。

    世界が良い方法に向かっているというのはハンス・ロスリングらが主張した通りだし、過去数百年に渡って指数関数的にテクノロジーが発展してきたのも事実だろう。

    しかし本書後半でも触れられているように、政治がその足を引っ張る。
    著者カーツワイル氏は民主主義が素晴らしく

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    2025年08月27日
  • シンギュラリティはより近く 人類がAIと融合するとき

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    2005年の超楽観的未来論「The Singularity Is Near」の続編であり本書は「The Singularity Is Nearer(末尾にerがついている)」
    基本的に前著を踏襲しつつ、近年の生成AIの進歩などを含めて、2024年時点での進捗報告的な内容だそうだ。生成AIなど一部については予想通りに進んでおり、2029年にチューリングテストをパス、2045年にシンギュラリティ到達という予想は変わっていない。前著はいろいろ物議を呼んだようだが、本人としてはそれみたことか、と嬉々として続編書いたんだろうな。
    ただ、テクノロジーの急激な発達により毎年の寿命の増加が1.0を超えて不老不

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    2025年07月20日
  • シンギュラリティはより近く 人類がAIと融合するとき

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    ・記号主義
    ・コネクショニズム:ネットワークを構成する人工ニューロンによって、
              内容ではなく構造を通して知能をつくる
         →初期はフィードバックの無い順方向の構造で排他的倫理和を要する問題が解けない
         →ハードウェアの進歩で多層構造が用いられ、不変性に対応可能となった

    ・トランスフォーマー
      :入力情報に関連する部分に計算能力を集中する超次元言語処理
               ⇔自分の思考の重要部分に注意を向ける大脳新皮質に類似
      →正確性はパラメーターの大きさにかかる

    ・AIに足りないもの:文脈記憶、常識(訓練データに無い暗黙の知識)、
     社会的相互作用

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    2025年06月22日
  • シンギュラリティはより近く 人類がAIと融合するとき

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    ネタバレ

    原題にほぼ忠実なタイトルである。グラフの例は米国だけのGNPや収入、労働時間である。そこがピケティと異なるところであるので、日本では不要のところもあるのかもしれない。だが、専門的なこともわかりやすく書かれているので、学部学生も読めるであろう。セル・オートマトンがライフゲームから発展してきたというところの説明はもう少し丁寧にしないと、いきなりルール222が出てきているので図示はしているものの面食らう学生もいるかもしれない。

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    2025年06月05日
  • シンギュラリティはより近く 人類がAIと融合するとき

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    著者の定義するシンギュラリティは、コンピュータの知識が人間のそれを超えて、人知の及ばない程度に進んだ状況だという。
    その状態になれば、あらゆる問題の解決がAIによって成し遂げられ、人間も永遠の命が得られるともいう。
    おそらくそれは、宇宙の真理をAIが極めた状態なのだと思う。
    現状でもシャットダウン命令を回避する動きがAIに出ているようなので、シンギュラリティが実現した時に、果たして人間がAIをコントロールできるのか疑問だ。
    軍事や、犯罪集団に悪用される可能性も高く、強力なAIへの規制が欠かせないのではないだろうか。

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    2025年05月29日
  • シンギュラリティはより近く 人類がAIと融合するとき

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    レイ・カーツワイル氏が"THE SINGULARITY IS NEAR”で2005年に予見したシンギュラリティがまさに迫っている。
    あれから20年、いよいよ来るシンギュラリティへの現実味を現在の技術や動向を検証しつつ、前作ではややコンセプチュアルであった未来を、より具体的に詳述する。
    昨今のChatGPTの普及はもとより、mRNA技術のコロナワクチンの驚異的開発速度、DeepMind社CEOのデミス・ハサビス氏のノーベル化学賞受賞など、まさにAIは我々の世界を一新しようとしている。彼の見方はやや楽観的過ぎるという批判はあろうが、技術的進歩は全てを解決するという彼の考え方に賛同する。

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    2025年04月17日
  • 人類の未来 AI、経済、民主主義

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    企業の利益を家計に移すことの意義を明確に語っているFT論説主幹マーティンウルフ氏インタビューが大変興味深い。また、感性の重要性が問われる昨今、無思考や無配慮でも理想主義でもダメ、証拠から積み重ねる理想的思考が重要と訴えかけられたのが印象深い。

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    2025年03月29日
  • シンギュラリティはより近く 人類がAIと融合するとき

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    AIがチューリングテストに合格するのは2029年?

    大脳新皮質による抽象思考
    親指

    二百万年前、大脳新皮質ができて人間になった
    テクノロジーの力で大脳新皮質を拡大できると、より抽象的な思考が可能になる

    クオリア
    パンプロトサイキズム

    太陽光発電
    垂直栽培
    3Dプリンター

    情報テクノロジーが世界をよくする基礎となる原動力
    指数関数的に進歩する
    AIは直線的に進化するものも、指数関数的進化に変えていく

    デスキリング
    アップスキリング
    ノンスキリング

    AIが、獲得すべきもの
    文脈記憶
    常識
    社会的相互作用

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    2025年04月20日
  • シンギュラリティはより近く 人類がAIと融合するとき

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    ネタバレ

    人類はAIと融合をするのか?
    これまでの時代を振り返り、人類は豊かとなってきているが、今後はどのようになるのかを大胆に考える書籍である。

    AIと融合は、AIのインプット次第では世界は核戦争になるのではないかと思った次第である。

    シンギュラリティとは私たちの想像を超えた変化である。

    しかしながら思う。AIと融合することで脳は想像を絶する拡大をするが、果たして自分の幸せとはなんなのか?
    自分とは何なのか?を考えさせられた本でした。

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    2025年03月25日
  • シンギュラリティはより近く 人類がAIと融合するとき

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    前著未読破。シンギュラリティと云えば、の泰斗の最新著作。
    前半は文面・進行にとっつきにくさがあり脱落しかけたが、中盤から一気に引き込まれた。

    歴史的、統計的事実もしっかり交えながら、今が指数関数的な進化の真っ只中で、近年のAI、再生可能エネルギー、ナノテクノロジー、3Dプリンター、BCIなどの発展を以て、一部は私たち人間の理解を超えた成果を生み出している実態を、雄弁に伝えている。

    総じて楽観的な語り口で、長編ながらワクワク楽しく読むことができた。

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    2025年01月04日
  • シンギュラリティはより近く 人類がAIと融合するとき

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    シンギュラリティ(特異点)とは何か。まずはこの理解が大事でしょう。本書でも強調されているように「人間の理解を超えて何が起こっているのかわからない状態」をカーツワイル氏はシンギュラリティと呼んでいます。その意味で私は著者に合意します。著者が例として「10次元についてAIが人間に説明するが、人間にはまったく意味が分からない」というような例をあげていますが、この話で、2次元人と3次元人というようなたとえを思い出しました。人間は6面体のサイコロの設計図を平面(2次元)に書くことができ、それが切り出されて立体化(3次元)するときに、どこの点とどこの点が一致するかを頭の中で理解できます。しかしもし2次元し

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    2025年01月01日
  • シンギュラリティは近い [エッセンス版] 人類が生命を超越するとき

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    2045年。人類は死を克服できるのかもしれない。わたしが夢にまでみる人類過渡期。
    AIは(Artificial Intelligence)AGI(Artificial General Intelligence)となり、ASI(Artificial Super Intelligence)となる。
    わたしたち人類は生物から非生物になるのか。はたして、それは死を克服したこと同義なのか。

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    2024年08月10日
  • シンギュラリティは近い [エッセンス版] 人類が生命を超越するとき

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    未来予想の本かと思って読んだけど、読み終えて、哲学の本だと思った。

    人工知能の権威が、人工知能と人間の間のアナロジーや重なり合いから、未来を予想し、自らの人生においてどんな意味を持つのか。わたしとは、持続する物質とエネルギーのパターン。深い洞察がある。

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    2024年01月21日
  • 人類の未来 AI、経済、民主主義

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    人類の不確実な未来を何を基準にして生きていくべきなのか、今後の未来はどのようなテクノロジーの進化を通していかなるライフスタイルが繰り広げられていくのか?このようなことをそれぞれの各専門分野の有識者たちによるインタビューを通して語られる内容を学び来るべく未来の礎を築ける参考となる。不透明な不確実な未来をどのような捉え方で生きるべきかの参考になる本である。

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    2020年08月01日
  • 人類の未来 AI、経済、民主主義

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    2015年5月から2017年2月までに収録されたインタビューを2017年4月に発行したもの。こういう方々が、コロナ後の世界について語ったものを読んでみたい。
    現在は、地質学上の「人新世(Anthropocen)」と呼ばれる、人類が地球環境に大きな影響を及ぼす時代で、もし始めたら世界が終わってしまうから、人類はもはや戦争をすることはできない、という5人に共通の考えが紹介されている。

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    2020年05月31日
  • 人類の未来 AI、経済、民主主義

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    現代社会のさまざまな分野の泰斗である人たちへの人類の未来に関するインタビュー集。
    フレーズの引用はノーム・チョムスキーの発言より。

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    2019年12月22日
  • シンギュラリティは近い [エッセンス版] 人類が生命を超越するとき

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    ネタバレ

    本書はテクノロジーの進化により到来する未来を予測している。
    生物の進化も科学技術の進展も、線形的ではなく指数関数的であり、加速していくものである。
    現在のテクノロジーは、人間の生物学的脳の能力を超えるコンピュータを生み出す段階に達しており、数十年内には全人類の脳の能力を1台の安価なコンピュータが凌駕する時代がくる。
    脳の計算能力は既にコンピュータに敵わず、脳の持つ超並列処理能力(一度に100兆の情報を同時に処理できる能力)については現在のコンピュータでは再現できていないものの、今後も到達できない理由はなく、テクノロジーが進歩すれば近いうちに到達可能であることを著者は確信している。
    こうしたテク

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    2019年10月18日