【感想・ネタバレ】シンギュラリティは近い [エッセンス版] 人類が生命を超越するときのレビュー

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レイ・カーツワイルの見立て通りに進むとは思えない(技術的な問題というより我々人間が倫理的に追いつけないだろうという点で)が、示唆に富む未来予測だと思う。

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2021年08月08日

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シンギュラリティとは『人工知能(AI)が人類の知能を超える転換点(技術的特異点)』と認識されているが、最初に言い出したのは著者らしい。長い間積読状態にしていたこの書籍を手に取ってみて驚いたが、彼はそんな単純なことを言っているのではなく、「シンギュラリティとは、われわれの生物としての思考と存在が、自らの作り出したテクノロジーと融合する臨界点であり、その世界は依然として人間的ではあっても生物としての基盤を超越している」と述べている。もっと深い本だ。よく読むべき一冊。

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2021年01月11日

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2005年に書かれた664ページの原書からの抜粋。と言っても254ページあります。
本書はシンギュラリティを定義した歴史的な本です。

まずびっくりしたのは13年前の著書でありながらコンピューターと人間の未来を予測している内容が少しも色あせておらずむしろ新鮮であること。
著書が2045年をシンギュラリティとした理由が当時のコンピューターパワーから論理的に導き出した説明が詳細に書かれている。
まず人間の脳の処理能力をいくつかの事例(例えば網膜から物を認識するために必要な処理速度から脳のサイズを掛け合わせる)から10の16乗CPSとした。ムーアの法則の考え方に基づいて著者がパソコンレベルでこの処理能力に匹敵するのは2020年とした。さらに記憶容量(10の18乗ビット)がパソコンレベルで手にはいるのが2030年。これだけならパソコンのパワーが人間の能力に追いついただけだが、さらに「知能」という要素を考えると2045年にはコンピューターが人間の能力を超えて根底から覆る。これを「シンギュラリティ」と呼んでいる。
そしてパソコンレベルではないにせよ、人間の脳をデバイスにアップロードできる時期は2030年と見ている。
ここに究極のBigdataとIoT、そして脳を模したニューラルネットコンピューティングとソフトウェアによって大変革が起きる。
これらによる人体を1.0->2.0->3.0と変化すると定義し、ナノボット(ナノサイズのロボット)で人体は大きく様変わり。人の寿命は著しく伸びる。3.0ではテクノロジーと人体は融合することができる。
そして著者は「人間とは何か?」という宗教的とも言える根源の質問を自分に問いかける。
シンギュラリティは一般的に「AIなどのテクノロジーが進化して人間を超える」と理解されがちだけど、著者が言いたいことはそうではなく「テクノロジーと人間が融合することでこれまでにない世界が実現する」ということだ。長生きをして世界の進化を見届けたい、とか、行ったことのない場所に瞬時に行ける体験、とか自己複製が可能になるとか…私には思いつかない驚くことがもっともっと起こるだろう。

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2019年01月02日

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著者はgoogleのAI開発責任者。私たちはgoogleに頼りきっているので、無意識のうちにこの人の未来ビジョンに向けて乗っかってるのではなかろうか。
とにかく著者自身が賢い。物理も生物も情報の基礎も知らないと本の内容を真に理解できない気がする…。私は物理的内容が理解しきれなかった…。
生物進化が専攻だった私からすると、シンギュラリティとは「生物進化の超越」を意味するんだと理解した。今まで学んできたことが消え去るような結構な衝撃を受けた。が、新たな進化でもあると前向きに捉えることができる。
かつて人類が火を使い始めたときのような転換点を自分が生きているうちに体験できるかもしれないというのは少しワクワクする。
これを読めば漠然とシンギュラリティに不安を感じることはなくなると思う。(明確に不安になる可能性はあるw)私は不安はなくなった。しかし考えたいことは増えた。
たぶんまた数年したら読んでみると思う。

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2017年09月06日

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ネタバレ

テクノロジーは線形ではなく指数関数的に増加しているというのが氏の主張している所の根拠の肝となる。
「収穫加速の法則」

※生命のタンパク質をベースとしたメカニズムは限 界がある→脳をリバースエンジニアリングする事により脳を再設計できる(人と機械の融合)
※人間の脳内のニューロンの計算速度は遅いが超並列処理がなされる→ナノボットによるスキャン、人体の再設計
※感情の反応力も機械に置き換えられうる→機械によるおもてなしが発生する
※現在の経済学のモデルの多くは歴史を線形で捉えたもの(社会保障制度)→それがひっくり返る可能性大

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2017年03月05日

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人工知能の世界的権威である著者が2007年に刊行した同名書の要約版。テクノロジーの指数関数的な進化により、人間の生活が不可逆に変容する「技術的特異点(シンギュラリティ)」が2045年に訪れるという予測をしている。
本書は、遺伝子・ナノテク・サイバネティックの進化が技術的特異点をもたらすと説く。1kgで全人類の脳を超えるコンピュータ、ナノマシン治療、人体の機械化、脳のダウンロード…今は想像できないが、一方でここ10年の技術革新を言い当てており、強ち予測も間違いではないとも思える。
現在、著者はgoogleで機械学習・自然言語処理の技術責任者を務めているそうで、彼が生み出すサービスも楽しみである。

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2017年01月07日

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未来予想の本かと思って読んだけど、読み終えて、哲学の本だと思った。

人工知能の権威が、人工知能と人間の間のアナロジーや重なり合いから、未来を予想し、自らの人生においてどんな意味を持つのか。わたしとは、持続する物質とエネルギーのパターン。深い洞察がある。

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2024年01月21日

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ネタバレ

本書はテクノロジーの進化により到来する未来を予測している。
生物の進化も科学技術の進展も、線形的ではなく指数関数的であり、加速していくものである。
現在のテクノロジーは、人間の生物学的脳の能力を超えるコンピュータを生み出す段階に達しており、数十年内には全人類の脳の能力を1台の安価なコンピュータが凌駕する時代がくる。
脳の計算能力は既にコンピュータに敵わず、脳の持つ超並列処理能力(一度に100兆の情報を同時に処理できる能力)については現在のコンピュータでは再現できていないものの、今後も到達できない理由はなく、テクノロジーが進歩すれば近いうちに到達可能であることを著者は確信している。
こうしたテクノロジーの進化によって、生物学的脳+非生物脳によって人間の知能を圧倒的に向上させる可能性や、血球程度の大きさのナノボットを血管内に入れることによる知能の大幅な向上、栄養吸収の最適化(どれだけ食べても太らない)、排泄の自動化(排便行為を要しない)、身体の自由な変形、神経の中枢を刺激することによるVRの実現 などがもたらされることを予測する。
本書の原版は2000年代に書かれたものであり、私が読んだ時点(2019年)から見ると、現実が著者の予測よりやや遅れている観は否めないが、それでも予測の内容そのものの実現性に疑問符がつくものではなく、強いinspirationを受けることばかりだった。
最後に、最も考えさせられた項目として、テクノロジーによってもたらされる脳の完全なコピーやバックアップ(非生物的な素材による)に伴って問題が顕在化する「意識」と「アイデンティティ」に関する考察がある。「わたし」は数ヶ月で物質的に完全に入れ替わるが、それにも拘わらず数ヶ月前の自分と今の自分は連続性をもった同じ「わたし」であると考えている。つまり、「わたし」とは物質的同一性ではなくパターンの同一性と連続性なのである。川に例えると、「わたし」とは入れ替わり続ける水分子ではなく、それが生み出す流れの模様やパターンそのもののことである。であればコピー可能で、コピーすれば複数の「わたし」存在することになるが、それらすべてを「わたし」として受け入れるかという問題が生じる。新しいコピーができたから古い今の身体と脳は壊してしまおうと思えるかということだが、これはできないだろう。ここにアイデンティティの問題内包するジレンマがあり、本書ではそのジレンマにたいする解を出してはいない。(ただし、本書のヒントを基にすると、パターンの連続性こそが「わたし」を「わたし」たらしめる本質であると理解すれば良いことに気づく。同時多発せず、漸次的に変質していく場合は「わたし」が維持されているという主観的認識を保てるのではないか と考える。)
また、非生物的な知能は確実に「意識」を主張し出すので、それは受け入れるべきとの主張をとる。
結局のところ、自分以外の人間の意識ですらその存在を検証することはできず、存在するだろうと想像するしかないものであるから、非生物的知能であっても、表れる現象が意識を持つように見えるなら、それを尊重すべきとの見解だ。
未来予測の視野を広げてくれた点、自分とは何かとい哲学的な問いを突きつけてくれた点で、自分の中で貴重な読書体験となった。

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2019年10月18日

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人工知能とかAIとか,そういう言葉自体は知っていた。個人的な出会いはドラクエ4だったかもしれない。大学でもちょこっとだけかじったこともあった。でも,それ以来遠ざかっていた。そして今年。会社の筋などからも話題になっているようであり,久々に強く興味を持ったので読んでみた。
エッセンシャル版をチョイスしたにもかかわらず,読むのに骨が折れた。なかなかの大作だと思うし,約10年近く前の本だというのに,今読むにしても相当の想像力が求められる気がした。まぁ,この本のスコープは10年どころではないので,当たり前といえば当たり前。この本のひとつのスコープは2045年。この数字はよくシンギュラリティの紹介で引用される数字であり,この本が底本であることを示している証拠でもある。
人間は今後どうなるのか。ナノボットを体に埋め込むとか正直あまりイメージができないんだけど,人工知能やAIに近づくというのは間違いなくそうなのだろう。多分,日本人は非人間に対して人格を認めやすい文化(※ロボットで人型にこだわったり,AIBOを本当のペットのように扱ったり,ゆるキャラをつくったり。アトムやドラえもんだってそう。アプリモンスターズなんて直接的過ぎる例もある)をもっているので,職を追われるとか人間の生活が圧迫されなければ,そういう意味では融合が進みやすい環境にあるのだろう。そして「受け身のシンギュラリティ」に流されないように自分で泳いでいく必要があるのだろう。

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2019年01月27日

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* 話題の本だがようやく読んだ。色々と共感も反対もできることが多くて面白かった。
* トランセンデンスでもLUCYでもそうなんだけど、技術の圧倒的進化の類の話では、ナノボット的な概念を持ち込まれると、急に想像できなくなって置いてかれてしまう。この本も大方賛成できるし(VRもAIも宇宙移住も内臓交換も全然くると思う)自分もどちらかというとテクノロジーの進化に対して楽観的な方だけど、ここでふと冷めてしまうところがある。(BMIに関しても同じようなところがある)ただこれは自分の想像力の問題なのかもだし、その研究の最前線にいる人には想像できる範囲なのかもしれない。とすると人それぞれなんだろうな。
* 内臓交換がどんどん進んだ時に「じゃあ残るのは」みたいな思考実験は面白かった。
* 心臓・肝臓・膵臓など脆くてその活動自体を直接感じていない体の一部は代替される。もはや代替されたとしても気づかない。
* 一方皮膚・口などは食べる行為・性行為などの為にも最後まで手放したくないと思われるだろう体の一部。
* 本の後半になってくると、段々と哲学的な話になってくるんだけど、その時の印象的な話として、自分の体内を構成してる分子は1ヶ月あれば完全に新しくなる、というものがある。では何を持って自分なのか。このアナロジーとして「川の流れ」を用いているのがすごく腹落ちした。水そのものは常に変わっているが、その流れ、パターンは長い時間をかけてゆっくりとしか変わらない。
* この本を読んで、普段の些細なトピックでさえも10年後、20年後はどう変化していくのか(寿命は、今の貯金の価値は、地価は、寿命・病気・保険は…などなど)というマクロな見方をできるようになったのはとても大きな収穫だと思う。

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2018年10月21日

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シンギュラリティの考えも関心したが個人的には進化の6つのエポックという捉え方が未来予測の観点から興味深かった。特異点を越えた先の未来はどんなものなのか楽しみだ。

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2018年03月22日

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ネタバレ

前半は少し退屈ですが、最後の「それでもまだ人間なのか?」は興味深い。
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・徐々に身体が置き換わった場合、古い私と新しい私が同時に存在することはない。
一体どの時点で、私の身体と脳は、別の誰かになってしまったのだろう、と。
・実は正常な生物学的プロセスの一環として、私の中身はつねに入れ替わっている。ところが、先の思考実験によれば、私のパターンが維持されていたとしても、その漸進的な置き換えは私の死を意味することになる。では、私はたえず、少し前の自分とそっくりの別人に置き換えられているのだろうか。
・いずれ人間は非生物的な存在に意識があることを認めるようになると、私は信じて疑わない。

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2018年01月28日

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p.224
私の考えでは、生命の目的-そしてわれわれの人生の目的は-は、より偉大な知識を創造して評価し、そして、よりすばらしい「秩序」に近づくことである。第2章で述べたように、秩序が増加していくと通常は複雑さも増していく。だがときには、深い洞察により、複雑さを減少させつつ秩序を増加させることも可能となる。

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2017年11月14日

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シンギュラリティを裏付ける6つの要因とその解説。単なるテクノロジーの進化だけでは語りつくせない、物理学などの多岐に渡る現代の進化論といった趣がある。

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2017年06月30日

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シンギュラリティ(技術的特異点、人工知能が人間の能力を超えることで起こる大きな変化、2045年ごろと想定)について、脳科学や医療等々の観点から現実目線で解説したものだと思います。
難しいテーマだとは思いますが細かな数値などを読み飛ばしていけば、あり得る未来の姿が想像できて面白い内容でした。
人間の「意識」が大きな論点の一つでした。義足、臓器移植、脳外科手術、ナノ医療、脳構造デジタル化コピー、などなど、既に実現されている、もしくは今後実現される考え方と思いますが、どこまでが統一意識の同一の人間で、どこからそうではなくなるのか。テクノロジーは必ず人間を超えていくことが予見されるなか、その点にまで言及があり面白く感じました。

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2024年05月15日

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想像の及ぶ範囲を大きく凌駕した未来予想で、読んでいてクラクラする。
中盤のコンピューターの話はわたしには難解でスキップしたが、それでもお腹いっぱいといった感じだった。これはエッセンス版で、原著はさらに詳細だというのだからすごい。

難しくても未来の話は面白かった。非生物的知能との融合が果たされた未来を生きているうちに見てみたいと思うし、本書によると可能なようだ。

周辺知識をつけて再読してみたい。

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2024年03月30日

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シンギュラリティという用語は様々な本で見ますが、そのパイオニアと言える本書を読んでみました。
ある種、AI業界の方々から見れば突飛すぎる部分もありますが、あらゆるビジネスのアイデアにおいてイノベーションを起こすには、SFからヒントを得るケースも多々あります。
1つの要素として押さえておくべきでしょう。

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2023年08月05日

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指数関数的に成長するテクノロジーが、人類を超えていくことが、近い将来に起きることが数学的に論じられ、期待と危機感がリアルに伝わってくる本。

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2022年12月11日

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未来の進展は、指数関数的であり線形的ではない。過小評価している。
2020年代の終わりにはチューリングテストに合格する。
収穫逓増ではなく、収穫加速の法則。

半導体業界は年間40~50%のデフレである。しかし総収入は毎年17%上昇している。デフレでも使用量が増えればよい。
脳のリバースエンジニアリング能力は指数関数的に伸びている。
脳をスキャンして理解する、から脳をスキャンしてアップロードする。

人体2・0=新しい食事方法、消化システムの再設計、心臓を完全に取り除く=燃料電池によるナノボット。

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2022年08月15日

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レイ・カーツワイル(1948年~)は、ニューヨーク生まれ、マサチューセッツ工科大学卒の発明家、実業家、未来学者。
1990年、『The Age of Intelligent Machines』を発表し、インターネットの普及、チェスの試合でのコンピュータの勝利を予言。1999年、『The Age of Spiritual Machines』(邦訳『スピリチュアル・マシーン』)で「収穫加速の法則」を提示。2005年、『The Singularity Is Near : When Humans Transcend Biology』(邦訳『ポスト・ヒューマン誕生~コンピュータが人類の知性を超えるとき』)で技術的特異点(シンギュラリティ)についての踏み込んだ記述を展開し、世間一般にシンギュラリティという概念が広まるきっかけを作った。
2012年にGoogleに入社し、2019年現在、機械学習や自然言語処理技術を開発するチームを率いている。
本書は、上記の『ポスト・ヒューマン誕生』を親本として、そのエッセンスをコンパクトに再編集した、日本オリジナル版であり、2016年に出版された。
本書は、大部の親本を編集するにあたり、カーツワイルのいう「テクノロジー進化の法則(収穫加速の法則)」、つまりテクノロジーの指数関数的な成長がシンギュラリティへと至るという主旋律を、明快かつシンプルに提示すること、そして、AIが2045年に人類の知性を超える道筋を、主に「脳という仕組みの解析とリバースエンジニアリング」という点に絞って再構成したことにより、いわば「AIとシンギュラリティ」についてのカーツワイルの主張がストレートにわかる入門編となっている。
私は、気候・環境問題のような、現代の人間社会が抱える喫緊の課題に加えて、人類の未来を左右しかねないテクノロジー(AIやゲノムテクノロジー)の進歩に高い関心を持っており、本書を手に取ったのはその流れによる。
読み終えてみると、予想以上に専門的な記述が多く、また、翻訳書特有の読み難さ(翻訳の巧拙の問題ではなく、原書の記述が日本語による思考パターンと異なることによる読み難さ)もあり、消化不良の部分も少なくなかったが、大筋は追うことができた。そして、(前半に書かれている)テクノロジー進化の速度の蓋然性、即ち、シンギュラリティへの到達が2045年なのか、もう少し先なのかはともかく、いずれにしても、(後半に書かれている)AIとGNR(遺伝学、ナノテクノロジー、ロボット工学)の進歩が、人類の未来を左右するというか、「そもそも、人間とは何なのか?意識とは何なのか?」という究極の問いを、早晩我々人類に突き付けるということを再認識し、暗澹たる気持ちになった。
カーツワイルは自らを「技術的特異点論者(シンギュラリタリアン)」と呼び、AIの進歩をポジティブに捉え、「(不老不死のために)1日も早く機械の体を手に入れることを夢見ている」とまで言っているのだが、私は、人間がサイボーグ化していくことなど到底受け入れられないし、そうなる前に、賢明な人類は立ち止まることができると信じたい。
テクノロジー進化の究極の世界を知る上で、一読の意味のある、世界的ベストセラーのエッセンシャル版である。
(2022年1月了)

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2022年01月19日

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★★★☆☆ 『ポスト・ヒューマン誕生』はあまりにも大作なのでエッセンス版のこちらを。ここ数年「シンギュラリティ」という言葉が世の中でだいぶ広まってきたので、いつかは読まなくてはいけないと思ってた本書。「その年は2045年」の表記は一読目は見逃してしまって、もう一度最初から探してしてしまった。よくある煽り本みたいにドドーンと太字で書いてあったりはしない。AIだけが独自に進化してそこに到達するわけではなく、人間(人体)とコンピュータの接近も要素としては絡んで来る。ありえない未来とまでは言えないけれど、やはり新井紀子さんや川添愛さんが主張するように実際にはシンギュラリティが起きる可能性が低いのではないかと感じた。「総論賛成各論反対」みたいな。ちょっと違うか。カーツワイル氏の立ち位置はどんななのだろう? キワモノ扱いなのか?

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2021年01月13日

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テクノロジーの進化と人間の受け入れ方との葛藤が面白い。
特に人体2.0,3.0は興味深い。
不動産もVRに取って代わるのか、面白い。

何よりこれが15年前に書かれている。
15年前にこれを読んでも理解できなかっただろうし、どれだけの人が理解できたのかしりたい。

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2021年01月12日

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精読するのはしんどそうだったので、ざっ~と斜め読み。

コンピュータの性能が脳に匹敵するくらい上がってきて云々、というところにかなりのページが割かれているのと、人体のバージョンが1.0-->2.0-->3.0とこれも上がっていく展開予測。

あとがきにもあるように、2005年の原著から15年たった今読んでもさほど古さを感じさせないところがスゴいんだろうなあ~。

「医学的に予防可能な症状の50%を実際に予防できれば、平均寿命は150年を超える。」というロバート・フレイタスの予測にもびっくり。

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2020年06月21日

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自分にとって本の内容はとても難しく感じた。でも、予見されてる未来が来ると想像すると、ワクワクする。ただ、もうSF映画のような事が現実に起こりつつあるんですね。もう未来はとんでもないことになりそう。他人の経験を自分の脳で経験できるなら、体験してみたい。

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2020年05月30日

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シンギュラリティとは、人工知能が自分自身を改善していき技術や知能が文明の進歩の主役になる(技術的特異点)こと。文献研究目的でなければWikipedeaの記事を読んだ方が面白いです。こういうことを考えることは未来を見通すのに役に立つが、知らなくても特に問題ないようなことだなと思った。

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2019年12月01日

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人工知能が人間の能力を超える事をシンギュラリティという。そこに到達した社会は、人間の生物としての限界を超越したものとなる。2020年代には、ナノロボットが人間の体の中を駆け巡り、栄養を補給し、問題を発見、改善し、医学的なあらゆる問題はなくなっていくと言う。そうなると心臓の存在の必要性までなくなってしまうのである。まるで、SFのような世界であるが、技術はすさまじいスピードで進歩しているという。

人間は肉体としてのハードウェアが滅びると、同時にソフトウェアである精神も滅びるものである。しかし、シンギュラリティの後は、精神がハードディスクに複製され、WEB上に生き続ける事が可能となる。肉体の終わりが、人間の終わりということにならないのである。そもそも、デジタル複製された自分は、本当に自分なのか。人間とは何なのか、という問いが根本から揺さぶられる怖い世界である。

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2018年10月08日

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予言ではなく予測である。

過去に確立されたことをふりかえり、
現在の状態を整理し、
未来にできるようになることを予想する。

今できないことはたくさんある。
ただ課題を突破するために、見えていることもたくさんある。
一つ一つの障害を取り除く速度は上がり、
昨日難しかったことも、明日には難易度が下がっている。

その先にあるのは、予測された未来なのかもしれない。

(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○ナノボットを生物の脳の構造に結びつけるにあたって大きな技術的課題となるのが、血液・脳関門(BBB)だ。十九世紀の終わりごろ、動物の血流に青い染料を注入すると、すべての器官が青に染まるが、脊髄と脳だけはそうならないことを科学者が発見した。(P.137)
○ロバート・フレイタスが、ナノボットが脳神経系の感覚信号を監視するためのいくつかの技術を記している。これは、脳への入力信号のリバースエンジニアリングと、神経系の内部から完全没入型のヴァーチャルリアリティ(VR)を生みだすことのいずれにとっても、重要なものになる(P.140)
○経済学者のジョージ・ギルダーは、わたしが描く科学的・哲学的未来像は「伝統的な宗教的信仰に対する信頼を失った者にとって、その代わりになる予言である」と述べた。(P.220)
○テクノロジーの流れを理解したいと思った動機はもっと実際的なものだった。すなわち、自分の発明が可能となる時期を計りたかったからだし、また、テクノロジー系企業を始めるにあたって最善の戦略を定めたかったからだ。(P.221)
○シンギュラリタリアンたらんとすることは、信仰の問題ではなく理解の問題なのである。(P.221)

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2018年07月09日

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一部難解なところもあるが、主旋律は「テクノロジーの指数関数的な成長がシンギュラリティへと至る」というシンプルなもので、本書ではその論拠として「脳という仕組みの解析とリバースエンジニアリング」を主軸に据えている。人体、特に脳という最も複雑な臓器もテクノロジーによって解析され、ハックされることで、非生物的な存在へとパラダイムシフトしていくと。

技術的にこのような事が可能になったとき、人類はどう生き、どう未来を描くのかが、大きな問題として問われるのだろう。まさにブレードランナーの世界観が、数十年後には到来しているかもしれない。

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2018年01月15日

Posted by ブクログ

熟読しようと思ったが、思った以上に難解だった。
表紙のイラストの感じは簡単そうだったのに。

言いたいことは、今後人間とコンピューターが分断された社会ではなくて、共存する社会になってくる。
もう後戻りできないレベルに人間社会がスピードアップするよ。ってことかと。

もともとは2005年に原作が出版され、それをエッセンシャルにギュギュっと詰めたもの。

AI人工知能が近年よく取り上げられる
➡それを予測していたカーツワイルの書に注目がおかれた
➡読みやすいように、エッセンシャル出版(今ここ)


今後、じゃあAI人工知能が発達すると、人間のシゴトやライフスタイルは変わると思う。
ただ、それによって、幸せの在り方って大きく変わるのかなー。

人工知能によって、今まで提供できなかった人の欲求を叶えられる・それって何なんだろう。。。

サラリーマンってAIによって仕事がなくなることばかりに気を取られがちだが、いち消費者として立場を変えてみたときに、どんな影響があるのだろうか。家族とどういう風に過ごすことになるのだろうか。
テクノロジーを理解し、未来を先回りして【消費者の動向の変化】を理解することが、今後の市場で先手を打つには必要になるかも。

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2017年06月04日

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