安達眞弓のレビュー一覧

  • 死んだレモン

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    のっけから車椅子の主人公はピンチに陥っており、すでに犯人と思われる敵に狙われている。回想と現在が交互に語られるうちに、事件の詳細が分かってくるというストーリー。タイトルの「死んだレモン」とは「人生の落伍者」という意味らしい。その一歩手前でふんばる主人公は、結構大変な目にあってもしぶとく生き残る。まるでホラーな犯人たちとは対象的に、主人公の周りは温かく優しい人たちに見守られている。この人たちが巻き込まれませんようにと思いながら読んだ。最後すっきり決着できて良かった。
    舞台はニュージーランド。羊が人口より多い国など牧歌的なイメージしかなかったが、入植者、捕鯨、ゴールドラッシュ等、どんな国にも黒い歴

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    2022年01月09日
  • 死んだレモン

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    冒頭から主人公が大ピンチ!で引き込まれ、一気読み。
    ただのミステリーではなく、哲学や心理学、自己啓発本としても面白いかもしれない。
    Dead Lemons=人生の落伍者という意味だそうで、今まで出会った事のない新しい物語だと思った。

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    2021年01月28日
  • 死んだレモン

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    ゾイル三兄弟が不気味だが全体が明るいトーンで展開していく。フィンはいったい何回絶対絶命になるのだ。ロバート・レス神父のプロファイリングが披露されたが、ロバート・レスラーを意識してのこととか。神父が主役となる第二作も早く読みたい。
    #NZ南島リヴァトン

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    2021年01月17日
  • どんなわたしも愛してる

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    著者ジョナサン・ヴァン・ネスの半生。性的マイノリティ、薬物依存など数々の逆境を乗り越えてきた過去が語り口調で綴られる。

    自分を大切にすること、信じること。

    ジョナサンが自分を大切にできるようになってくると、周りの人も大切にできるようになってきてるように感じる。
    自制心がなく自己破壊的行為に及んでいたところから、しんどくても頑張る辛抱ができるようになっている。大人になってからでも自制心は身に付けられることを発見した。

    彼のいいところはドン底にいても他者に嫉妬して悪意を持たないところ。周りのせいにばかりしないところ。

    読んだら、私も頑張るぞー!って思えるのでオススメ。

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    2020年10月19日
  • 死んだレモン

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    島国ニュージーランドのミステリーが読めるとは。グローバル社会の恩恵を実感します。日本のミステリーがニュージーランドで読まれることがあるかなあ。
    風景描写が具体的なので、荒涼として寒々しいリヴァトンの風景がイメージできました。ニュージーランドの歴史の説明も実に詳しく、知らなかったことばかり。一冊で二種類の本を読んでいるかのような錯覚に陥ります。やり直そうとするフィンを囲む地元の人々の温かさが沁みますね。タイの接し方が素敵で、こんな風にしたい!と思わされました。
    事件の方は誉田哲也作品かと思うくらいの酷さだし、冒頭はヒッチコックの映画のよう。けれど、前述のようなサブストーリーの中に埋もれてしまって

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    2020年10月11日
  • 死んだレモン

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    ニュージーランド南島の最南端「リヴァトン」が舞台のミステリー
    NZも大好きな国の一つだが、「リヴァトン」なんて初めて聞く
    早速Googleアースで検索
    うーん田舎(笑)
    リヴァトンはかつて捕鯨とゴールドラッシュの二度の好景気に湧いた街
    どちらも採りまくったらどうなるか…
    それが今のリヴァトン

    その中でも街から離れた海沿いのフィヨルド地域の「最果ての密猟小屋」と呼ばれる古いコテージを手に入れ新生活を始める主人公
    訳あり感満載
    彼の名前はフィン・ベル
    著者と同姓同名だ
    その意味深な理由は、実はトホホな内容だが、お陰で著者の名前をバッチリ覚えることが出来た
    この作品は著者フィン・ベルの初出版との

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    2020年09月22日
  • 死んだレモン

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    面白かった。ネタバレしたら意味ないからなにも言えないけど、面白かった。

    ただ、Dead Lemons は落伍者ってことなんだし、タイトルを直訳してつけるのは、????という感じ。
    まぁ『死んだレモン』なら、言葉のインパクトはあるし、なにそれどういうこと?って手にとりやすいから敢えての直訳なのかな。

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    2020年09月13日
  • 死んだレモン

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    車いす生活者のフィンが越してきたニュージーランド最南端の町。そこでは26年前に少女失踪事件が起きていた。事件から6週間後、隣家のゾイル家の土地から彼女の骨の一部が発見された。住人たちは逮捕されたが、遺体が見つからず釈放され未解決となった。事件とゾイル家の関わりは明らかなのに証拠がない場合、どうすればいいのか? ゾイル家の不気味な三兄弟を調べ始めるフィン。だが彼らに命を狙われ……。

    つかみはOK。カウンセリングの内容が、物語以上に興味深い。

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    2020年09月06日
  • 死んだレモン

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    ネタバレ

    人口より羊が多いということをまず思い浮かべてしまうニュージーランドの意外な一面を知ることになった。ダークニュージーランド。。

    脇役のセラピストと元刑事の神父が面白い、と思ったら、2作目は若かりし日のこの神父が主人公だそう。読んでみたい。

    ネコチャンが酷い目に合うことや、鯨の話しなど、残酷さの許容範囲が広いお国柄なのかな、と。

    『ペインスケール』の続きも読みたいのですが。

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    2020年08月22日
  • 悪い夢さえ見なければ

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    よくある警察ものであるが、主人公とバディに魅力を感じた。
    犯人に関しては伏線から早い段階で分かった感じがしたが、進め方にそんなに違和感は感じなかった。

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    2018年11月02日
  • 異性愛という悲劇

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    読んだ。うん。内容は至極まっとうで、正しい。ただ、これは結局、誰に向けて書かれたものなのだろうか、と考えてしまった。おそらく異性愛者の女性、そして男性に向けての本なのだろうけど、語り口があまりにも「異性愛はいかに愚かなものか」「異性愛者の女性はいかに被害者で、いかにかわいそうか」という点を強調しすぎているように感じた。はたして、これを最後まで読み通す異性愛者の女性はどれだけいるのだろう。

    「あなたはかわいそう! あなたは被害者! それはあなたが愚かだから!」という語り口は、いくら内容が正しくとも、それを自分のこととして受け止めることに壁を作ってしまうのではないか。異性愛者であることがかわいそ

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    2025年04月15日
  • 僕は僕のままで

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    ネタバレ

    【大スターの素顔】
    クィア・アイのファッションコーディネーター担当のタン・フランスさん。
    イギリス生まれイギリス育ちのパキスタン人移民3世のイギリス人は、どうやってアメリカの人気番組のスターになるにいたったのか?

    ・・・

    肌の色のコンプレックスは幼いころに植え付けられたまま、ずっとあって、性的志向に関連する経験以上に一貫して綴られていたように思う。エミー賞を受賞するまでの有名人になったタンさんしか見えてなかった自分にとって、とても深みあるお話でした。

    クィア・アイの舞台裏も少しあったけど、
    出演前は、ユタ州でアパレル会社の起業されていたなんて、
    しかも出演者選抜のオファーのタイミング。

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    2024年06月12日
  • 死んだレモン

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    初フィン。タイトルに惹かれ、手に取った本作。ミステリィよりサスペンス要素強め…かな。もう考えてもゾイル兄弟としか思えないのに、なかなか尻尾を掴ませない。読んでいてとてももどかしい——。が、頑固もののフィンとリヴァトンに住む周りのキャラクタたち(厳しいセラピストのベティ、強引だが友達想いのタイ、そのいとこのパトリシア…など)がそれを補って余りあるくらい魅力的だ。作者が心理カウンセラーだからか、人生に示唆を与えてくれる言葉がいくつもあったように感じる。期待値は上回らなかったが、決してつまらなくはない。星三つ半。

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    2024年04月22日
  • 殺人は太陽の下で フロリダ・シニア探偵クラブ

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    元ロンドン市警刑事で、過去の潜入捜査のせいでパニック障害に悩む58歳のモイラは穏やかな生活を送ろうとフロリダの高齢者向け高級住宅に家を購入するが、ある早朝、敷地内で若い女性の遺体を発見する。警察に通報したものの、発作のせいでふらふらしていると警官に続いてやってきたのはフィリップという隣人だった。元刑事で71歳のフィリップは殺人事件と聞いていても立ってもいられず現場に押しかけてきたのだが、元麻薬捜査官リックと元科学捜査官の妻リジーも巻き込んで、4人は高齢者の話には耳も貸してくれない警察を尻目に独自の調査を開始する…。

    コージー・ミステリはあまり読んだことがない。主人公4人は捜査官をリタイアした

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    2023年11月09日
  • 殺人は太陽の下で フロリダ・シニア探偵クラブ

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    シニアグループが事件解決に挑むコージーミステリー。
    長年生きてれば傷の一つや二つはあるよな、と思いつつ、過去と決別するために、良い環境に引っ越せるのはなかなか恵まれてるなあと思った。
    殺人自体はそれほど驚くようなものではなかったけど、主役4人にはまだまだ秘密がありそうだし、特にリックについてあまり言及がなかったのが怪しい。
    本国ではすでにシリーズになってるそうなので、このコミュニティに住む人達の個性と合わせて、4人の生き様が今後どんどん出てくるのだろうなあといった感じ。

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    2023年10月12日
  • 死んだレモン

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    ネタバレ

    珍しきかな、ニュージーランド発ミステリ。
    ナイオ・マーシュ賞新人賞受賞作とのこと。

    幼い頃を南アフリカで過ごし、若くして成功した主人公のフィン・ベル。
    35歳を過ぎた頃から、午前3時になると目覚めてしまう不眠に悩まされ、酒に溺れる。
    妻との別れを迎えた矢先、交通事故に遭い下半身麻痺の障がいを負ってしまう。

    事故後のリハビリ、セラピーを経て、まだ明確な意志は形作られないものの、酒を断ち、事業を売却し、”南の南、ニュージーランドの果ての果て”リヴァトンのコテージを購入し人生のリスタートを切ろうと移り住んできた。

    そんなベルが冒頭、車椅子と共に崖で宙吊りになり、目前に迫った死を嘆くシーンに始ま

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    2023年09月03日
  • 死んだレモン

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    死んだレモンとは、人生の落伍者のこと。
    カウンセラーに「あなたは死んだレモンか」と
    聞かれたフィンは返事ができなかった。
    妻と離婚し、事故で半身不随になり
    アル中克服の修行中。
    半ば死ぬ気でニュージーランドの片田舎の
    コテージを買って移り住んできた。

    ところが、このコテージの隣人兄弟がいわくつき。
    前のオーナーの娘が誘拐・殺害された事件は
    街の誰もが彼らの犯行だと思っているが
    まったく証拠がないので逮捕できずにいた。

    隣人に怯えて暮らすことに耐えられないフィンが
    なんとか事件の謎を解こうと動き始めて
    ついには自分の命まで狙われてしまう!
    くそ〜、犯人わかってるのになぁ〜と
    やきもきしながら

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    2023年08月27日
  • ヴィクトリア朝の毒殺魔――殺人医師対スコットランドヤード

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    ヴィクトリア朝(ヴィクトリア女王統治下の1837年~1901年)は産業革命の発展が著しかった時代である。華々しい「大英帝国」最盛期の陰で、しかし、世にいう「切り裂きジャック」を含め、残酷な犯罪も増加した時代でもあった。産業の発展に合わせて、人の流動が多く、都市では人々の「匿名性」が高まったこともその一因であったのだろう。
    その中で、イギリス・カナダ・シカゴ各地で次々と殺人を犯す男がいた。
    同時代人であるコナン・ドイルは作中で、シャーロック・ホームズに以下のように言わせている。
    医師が悪の道に走ると、最悪の犯罪者になる傾向がある。(「まだらの紐」)

    本書主題の連続殺人犯は医師、毒の知識もあり、

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    2022年12月19日
  • 壊れた世界で彼は

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    ネタバレ

    書影にひかれて購入。 最初から緊迫した展開で最後の方まで謎が解けず、最後には怒涛の展開で犯人や動機などが分かるという作品だった。 その裏返しになってしまうが、途中描写が多く進まないのは賛否が分かれるとは思う。 ただ全体的に事件の背景が分かりやすく、述べられていて最後まで楽しむことができた。 著者はこの作品よりも前に邦訳された作品があるのでそちらも読んでみたい。

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    2022年09月02日
  • 壊れた世界で彼は

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    真夜中、小さな町で立てこもり事件が発生した。一般家庭に銃を持った男数名が侵入したという。刑事ニックが現場に到着すると、家から大音量で音楽が流れ、爆発音が続いた。狙撃班が銃弾を浴びせ、機動隊が突入し、妻と娘たちを救出。だが家には犯人5名の遺体はあったが、夫の姿がなかった。警察は、犯人の一人が夫を人質にして逃亡したと考え、大規模な捜索を開始する。謎めいた行動を取る犯人の目的とは――。

    帯の表現には、ん?という感じ。前作ほどではなかった。

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    2022年06月28日