安達眞弓のレビュー一覧
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ネタバレ珍しきかな、ニュージーランド発ミステリ。
ナイオ・マーシュ賞新人賞受賞作とのこと。
幼い頃を南アフリカで過ごし、若くして成功した主人公のフィン・ベル。
35歳を過ぎた頃から、午前3時になると目覚めてしまう不眠に悩まされ、酒に溺れる。
妻との別れを迎えた矢先、交通事故に遭い下半身麻痺の障がいを負ってしまう。
事故後のリハビリ、セラピーを経て、まだ明確な意志は形作られないものの、酒を断ち、事業を売却し、”南の南、ニュージーランドの果ての果て”リヴァトンのコテージを購入し人生のリスタートを切ろうと移り住んできた。
そんなベルが冒頭、車椅子と共に崖で宙吊りになり、目前に迫った死を嘆くシーンに始ま -
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死んだレモンとは、人生の落伍者のこと。
カウンセラーに「あなたは死んだレモンか」と
聞かれたフィンは返事ができなかった。
妻と離婚し、事故で半身不随になり
アル中克服の修行中。
半ば死ぬ気でニュージーランドの片田舎の
コテージを買って移り住んできた。
ところが、このコテージの隣人兄弟がいわくつき。
前のオーナーの娘が誘拐・殺害された事件は
街の誰もが彼らの犯行だと思っているが
まったく証拠がないので逮捕できずにいた。
隣人に怯えて暮らすことに耐えられないフィンが
なんとか事件の謎を解こうと動き始めて
ついには自分の命まで狙われてしまう!
くそ〜、犯人わかってるのになぁ〜と
やきもきしながら -
Posted by ブクログ
ヴィクトリア朝(ヴィクトリア女王統治下の1837年~1901年)は産業革命の発展が著しかった時代である。華々しい「大英帝国」最盛期の陰で、しかし、世にいう「切り裂きジャック」を含め、残酷な犯罪も増加した時代でもあった。産業の発展に合わせて、人の流動が多く、都市では人々の「匿名性」が高まったこともその一因であったのだろう。
その中で、イギリス・カナダ・シカゴ各地で次々と殺人を犯す男がいた。
同時代人であるコナン・ドイルは作中で、シャーロック・ホームズに以下のように言わせている。
医師が悪の道に走ると、最悪の犯罪者になる傾向がある。(「まだらの紐」)
本書主題の連続殺人犯は医師、毒の知識もあり、 -
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『死んだレモン』で衝撃的翻訳デビューを果たしたフィン・ベルは、作風もオリジナリティ豊か、発想も豊かだが、相当に毛色の変わった作家である。1978年アフリカ生まれ。ふうむ、若い! 法心理学者で受刑者のカウンセラー。ふうむ、やるな。ニュージーランドへ移住。思い切った人生転換。毛色の変わった作家だが、『死んだレモン』も電子書籍で自費出版したと言う。コロナの時代、作家になるのも新手の手法が出現しているとは驚愕の至り。それでもニュージーランド国内のミステリー文学賞を受賞しているのだ。強引だが個性的な作品が受けたのだろう。本業の知識経験ももちろん作品の材料になっているように思う。
それは本作でもまさ -
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常に視点が「わたし」ことロングビーチ市警殺人課刑事のダニエル・ベケット(ダニー)で固定されているので読み易い。相棒のジェンと共に猟奇殺人事件の犯人を追う。
まず初めに、どうせ何度も行き来する事になるのに律儀に人物紹介を読み込む所から。そこで、一覧にグレンとダリルがいる事に海外ドラマ、主にデッドがウォーキングするアレが好きな同士達は過剰反応してくれるはずだ。
表紙にある禍々しいククリナイフにて腹部を滅多刺し、更に子宮を串刺しにされた被害者 エリザベス・アン・ウィリアムズ。犯人は戦利品として彼女の左手首を持ち去っていた。結果的に連続殺人とはなるが一貫してこの事件と終始向き合う形なので内容は比較 -
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翻訳大賞HPの連載で複数の評者が今月のベスト(もしくは次点)に挙げたりしてたので期待高かったニュージーランドの新人作家。ネットで作品を発表しているらしいけど、プロの編集者がついていないことの自由さと残念さを感じた。いろんな葛藤を抱えて車椅子生活になった主人公フィンにとってセラピーは大切なんだろうけど、結構な分量を割いた割には事件解決や今後のフィンの人生とのつながりは見えなかった。このあたりプロの編集者が付いてればもっと刈り込んでシャープな作品になったのでは。
最後に全ての謎が独白によって明かされる、という二時間ドラマ的なオチの付け方は、この前読んだ「作家の秘められた生活」と同様。続けて読まされ -
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ネタバレ※ゲラ版先読み企画の感想を転記
ミステリというよりスリラーに近い内容で、残虐なシーンも出てくるので、読む人を選ぶ小説かもしれません…。
全体的に重苦しく、過去の事件の真相に迫っていくワクワク感は少ないです。主人公はネガティブな性格だし、最後まで読んでも爽快感はあまりありません。個人的には苦手な部類ですが、そういうのが好きな人にははまるのではないでしょうか。
一章が非常に短くまとめられているため読み進めやすかったです。反面、リーダビリティはそれほど良いとも言えず、何度読んでも理解しづらい文章がいくつもありました。特にカウンセラーのベティとの会話は漠然として捉えどころがないので尚更でした。
通