安達眞弓のレビュー一覧

  • 宮廷医女の推理譚

    Posted by ブクログ

    李氏朝鮮英祖年代前後の韓国史劇を見慣れていると、入り込みやすい設定と用語ばかりなので楽しくて一気読み
    翻訳自体も読みやすかったです。

    残虐な事件の謎、厳格な身分制度、ヒロインの葛藤など読み応えもありました。
    英祖と荘献世子の確執が裏主軸に。
    韓国史劇熱がまた上がりました(笑)

    0
    2025年10月18日
  • 宮廷医女の推理譚

    Posted by ブクログ


    1958年朝鮮王朝・英祖の時代
    18歳の医女ペクチョンは、恵民署で4人の女性殺害の容疑者となった恩師を助けるため、事件を独自に調べ始める
    そして同じように事件を追う捕盗庁で働く青年オジンに出会う
    二人は協力し合い犯人を追うのだが…

    『イ・サン』『赤い袖先』『トンイ』
    英祖王が実の息子の世子を米櫃に閉じ込め餓死させたというエピソードは有名ですが、
    やはりこの時代はドラマになりますね~
    王である父と世子である子との確執…
    やがて世子は壊れていく
    そんな世子のある史実がこの作品の事件に深く関わっていき、物語のキモとなる!
    誰が悲惨な事件の犯人なのか?
    という推理を楽しむのは勿論
    医女ペクチョンの

    0
    2025年09月30日
  • 死んだレモン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトルからは全くなんの小説か想像もつかず。読んでみてびっくり、これはオモロい!

    いわゆる勝ち組な人生の成功を得つつも、心に空虚さを覚え、ウツ的に空虚になった挙句、妻に逃げられ、交通事故で下肢を麻痺する大けがを負った主人公。

    彼の人生を取り返す再生の物語と、ニュージーランド最南端の小さな町リヴァトンに隠された秘密を暴く物語、さらにはそこにどんでん返しのミステリーまで伴い、やや詰め込みすぎかとも思いきや、最後見事な着地を決める巧みさ。

    小説の構成も見事で、現在パートと過去パートを交互に織りなすパターンは良くあるが、マンネリ臭は一切なく、王道のパターンの利点を存分に生かして楽しませてくれる。

    0
    2022年07月31日
  • どんなわたしも愛してる

    Posted by ブクログ

    読みながら胸が痛んだり、ドキドキしたり、ハッピーになったりさながらジェットコースターのようだった。Netflixの有名番組にでている彼、成功した姿を見ているとこんな壮絶な過去があったとは想像できない。実際は辛い過去を乗り越え、失敗を経験し、どん底を味わってきたからこそ視聴者にポジティブなエネルギーを届けることができるのだ。幼少期のいじめや性的虐待、家族の死去や薬物依存。一つ一つ時間をかけて乗り越えていく、現在の彼に至るまでの過程をじっくり見せてもらい、番組でのポジティブさとはまた異なる、人生への勇気をもらえた。

    0
    2021年07月22日
  • どんなわたしも愛してる

    Posted by ブクログ

    QueerEyeで見せる、明るくキュートなジョナサンにも悩ましい過去があり、それを乗り越えてきたからこそ、弱さも含めてありのままの自分を愛することの大切さを知ることができたのだと思う。つらい経験の最中でも、幼い頃から大好きだった女子フィギュアスケートの例えを用いて壁を乗り越えていこうとする姿も素敵で、終始「必ず完璧じゃなくてもいい」ということを教えてくれた。
    ジョナサンのおしゃべり好きな面もこの本には詰まっていて良い本だった。

    0
    2021年02月18日
  • 死んだレモン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    下は海、崖の途中で宙吊りって、『その女アレックス』の宙吊りの檻とどっちが恐ろしいやろかと震える。そんな絶体絶命の状況から始まります。

    町の中心から外れた最果ての地で、明らかに怪しい三人兄弟の隣家に住むことになった主人公は車椅子、バツ1、元アル中。ひたすら暗いサスペンス劇になりそうなところ、彼の周囲に集まるのがユーモアに溢れた善人ばかりで救われます。

    謎解きではなくて三人兄弟が罪を犯した理由を追求する物語だと思ったら、あらら、やっぱりそれだけじゃなかったのか。自費出版の翻訳とは驚き。ついでに、双子の出生率はベナンが世界でトップクラスという豆知識も(笑)。

    映像化するとしたら、ちょっと年齢が

    0
    2021年05月09日
  • 死んだレモン

    Posted by ブクログ

    冒頭で、車椅子に固定されたまま、崖に逆さ吊りという絶体絶命のピンチに立たされた主人公フィン。さらにピンチに襲われる現在パートと、殺人の疑いのある隣人、ゾイル兄弟からと思われる不気味な数々の事件の謎を追う過去パートが交互に提示される。まぁゾイル兄弟の不気味なこと!こんな隣人だと引っ越すしかないでしょ!てくらい不気味だった。からこその面白さ。たくさん大怪我は負ったものの、よく生きてたね。不死身か。アル中、離婚、事故による半身不随と苦悩続きのフィンが、町人との交流、ある女性との恋と、生まれ変わっていく再生の物語でもある所が良かった。

    0
    2020年12月08日
  • 死んだレモン

    Posted by ブクログ

     七月の目玉となった作品。個性がいくつもある。一つにはニュージーランド発ミステリー。作者は、法心理学者としての本業の傍ら、小説は電子書籍でしか契約しないという欲のない姿勢を貫いているが、この通り、内容が素晴らしいため、作者の意に反して紙のメディアでも世界中に翻訳され、売れっ子となりつつある。

     ページを開いた途端、絶体絶命の窮地にある主人公の現在が描写される。いきなりの海岸の崖に車いすごと足が岩に引っかかって宙ぶらりん。ぼくはこの作品の前に、クレア・マッキントッシュの『その手を離すのは、私』という本を読んでいて、その最終シーンが海辺の崖の上での意味深なシーンだった。まるでその続きみたいに始ま

    0
    2020年08月23日
  • 僕は僕のままで

    Posted by ブクログ

    笑いながら読めて、たまに感動して、タンの生き様が描かれた本。自分らしく生きていく事が一番大切だと、思い出させてくれる良書です。バカンスに持っていきたい。

    0
    2020年01月17日
  • 宮廷医女の推理譚

    Posted by ブクログ

    作家は韓国生まれアメリカ育ちで、元は英語で書かれたものである。ディアスポラ文学というらしい。
    18世紀の李氏朝鮮 第21代国王・英祖の時代。韓国の歴史ドラマでいえば、トンイとイサンのちょうど間にあたり、トンイの息子が英祖で、英祖はイサンの祖父になる。
    母の大好きな韓国ドラマを、斜めに見ていたおかげで、すんなりと情景がイメージできた。
    念願の内医女になったペクヒョン。かつて医術を学んだ恵民署で4人が殺害され、恩師が捕らえられた。恩師の無実を証明しようと、捕盗庁のオジンと共に真犯人を探す。
    韓国らしい深い情と愛と恨が詰まった物語である。庶子であるペクヒョンの、これまでに受けた試練が原動力となり、彼

    0
    2025年11月20日
  • 宮廷医女の推理譚

    Posted by ブクログ

    #宮廷医女の推理譚

    最初は朝鮮の人物名や用語がなかなか頭に入ってこなくてスピードが上がらないが、後半には慣れるよ。
    18世紀朝鮮王朝での世子(皇太子)のスキャンダル(実話)に基づくバディミステリ。普段と違う世界観を求める人に。

    #読書好きな人と繋がりたい
    #ミステリの秋2025

    0
    2025年10月07日
  • 宮廷医女の推理譚

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2025年の35冊目は、ジューン・ハーの「宮廷医女の推理譚」です。2023年のアメリカ探偵作家クラブ賞YA部門受賞作です。読書の舞台は、1944年のサンフランシスコから1785年の朝鮮国、英祖王の時代に飛びます。この身軽さが読書の魅力の1つだと思います。
    韓国を舞台とした歴史小説を初めて読みましたが、テレビドラマで馴染みが有るせいか、割りとすんなりと物語に入り込めました。朝鮮国特有の固有名詞に関しても用語集が巻頭に付いていますので、見返しながら読み進める事が出来ます。
    テイスト的には、ホリー・ジャクソンの作品に近いと思います。主人公も18才の内医女ベクヒョンと同い年の捕盗庁の従事官ソ・オジンと

    0
    2025年10月02日
  • ザ・メモリー・ライブラリアン 『ダーティー・コンピューター』にまつわる5つの話

    Posted by ブクログ

    ジャネール・モネイの作品と知らずに読んだとしても、現代の意識を色濃く反映したSFとしてとてもおもしろいと思うが、やはり彼女の音楽や世界観を知っている方がより楽しめるだろう。彼女の興味や問題意識がビビッドに伝わってくるし、ビジュアルの表現力もすばらしい。
    音楽でも物語でも全くぶれない独自の世界観を築き上げているところに、作り手としての強度を感じる。

    0
    2025年06月09日
  • 壊れた世界で彼は

    Posted by ブクログ

    物語はその昔、ゴールドラッシュに湧いたニュージーランド南島の小さな町の人質事件から始まる
    皆がなぜ?と思う善良な市民の家族をギャングたちが人質にとる
    そして主犯格のギャングと家の主人が姿を消す…
    一体なぜ?どこに消えたのか?
    二人を追うのはニックとトーブの歳の離れた警察官
    とにかくこのバディがいい!

    ニックの一人称で語られる章、逃走している二人を描く章、嵐を描く章…
    この3つのパートの繰り返しで物語が進む
    ニュージーランドの気候やゴールドラッシュなどの歴史、土着のマオリとヨーロッパ系・中国系移民との確執…
    それらに絡んだミステリーという設定が大変興味深く、おもしろい
     
    嵐のなか、ニックとト

    0
    2025年04月29日
  • 死んだレモン

    Posted by ブクログ


    妻と離婚し、酒に溺れ飲酒運転で下半身の自由を失ったフィン(作者と同じ名前)が心機一転向かったのがニュージーランド最南端の町
    フィンはその町のさらに南の人里離れたコテージを購入
    しかしフィンが購入する以前にコテージに住んでいたコッター家の娘アリスが26年前に失踪していた
    それを知ったフィンは事件に関わっていると思われるゾイル家を調べ始めるが…

    冒頭、いきなりフィンは絶体絶命…
    車椅子に乗ったフィンは崖で車椅子ごと巨石にはさまれ宙ぶらりん…
    どうした?
    なぜ?
    助かるのか?
    そんなことを気にかけながら、フィンがそれに至った出来事の道筋をたどっていくようにページを捲っていく
    そして明かされた事実

    0
    2025年04月29日
  • 死んだレモン

    Posted by ブクログ

    3.8

    クライマックス(車イスの主人公が崖で宙吊り)から始まる、ニュージーランドの作家の小説。
    26年前の少女失踪事件を調べるうちに隣家の三兄弟が怪しいのでは?となり…
    なかなか面白かったです!
    三兄弟の容姿には、なぜかあのフリッツ・ホンカを思い出してしまいました…。
    ラストのどんでん返しは、けっこう驚きます。

    0
    2025年04月06日
  • 殺人は太陽の下で フロリダ・シニア探偵クラブ

    Posted by ブクログ

    ★3.5

    引退した警察関係者が事件に巻き込まれ、いや嫌なのか、あるいは嬉々としてなのか、事件を解決するという設定の物語は数多ありますが、この作品もそう。

    謎なのが、イギリスの警察関係者なのに、なぜにアメリカのフロリダに移住?温暖だから?そのあたりは、イギリスの人にしかわからない感覚ですかね。

    登場人物それぞれに、引退にはそれなりの理由があるという設定。一応、その理由も明らかにはなっているんだけど、思ったよりもあっさりとした印象。もっと、それはそれで深堀出来た方が、物語は面白かったかも。

    0
    2023年11月29日
  • 死んだレモン

    Posted by ブクログ

    車椅子生活の主人公の、ニュージーランドの南端での緊迫したシーンから物語がスタートする。
    筆者はカウンセリング専門職が前職ということで、犯罪者の言動や行動に反映されている内面が細やかに描写されていて、怖かった。
    地名や人物名に慣れず読むのが大変だったが、サスペンスとしての出来も高く暇なシーンはない。
    それでいて、終盤の終盤にどんでん返しもある。
    また、自分に絶望していたり、この先どうしていいかわからない、そんな状態の時に読むと、希望が見えるような一面も持ち合わせている作品でもありました。
    学びとは苦痛であるという言葉は、しっくりきました。

    0
    2023年08月20日
  • 壊れた世界で彼は

    Posted by ブクログ

    ニュージーランドの地平を舞台にしたミステリー。死んだレモンとは全く別の印象で、作者のステージアップを実感しました。語り口が軽妙で、地元警官がやりとりしてるのが見てとれます。構成の妙も感じました。ニュージーランドの風土があってこそのこの作品、わたしたちに新しい世界を見せてくれます。ゲラ先読みキャンペーンにて読ませていただきました。ありがとうございました!

    0
    2022年05月12日
  • 僕は僕のままで

    Posted by ブクログ

    包み隠さず本音で綴られた文章に良い意味で軽い衝撃を受けた。ものすごく正直に生きてる姿に勇気づけられる!

    0
    2022年01月18日