【感想・ネタバレ】壊れた世界で彼はのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ニュージーランドの地平を舞台にしたミステリー。死んだレモンとは全く別の印象で、作者のステージアップを実感しました。語り口が軽妙で、地元警官がやりとりしてるのが見てとれます。構成の妙も感じました。ニュージーランドの風土があってこそのこの作品、わたしたちに新しい世界を見せてくれます。ゲラ先読みキャンペーンにて読ませていただきました。ありがとうございました!

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2022年05月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

書影にひかれて購入。 最初から緊迫した展開で最後の方まで謎が解けず、最後には怒涛の展開で犯人や動機などが分かるという作品だった。 その裏返しになってしまうが、途中描写が多く進まないのは賛否が分かれるとは思う。 ただ全体的に事件の背景が分かりやすく、述べられていて最後まで楽しむことができた。 著者はこの作品よりも前に邦訳された作品があるのでそちらも読んでみたい。

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2022年09月02日

Posted by ブクログ

真夜中、小さな町で立てこもり事件が発生した。一般家庭に銃を持った男数名が侵入したという。刑事ニックが現場に到着すると、家から大音量で音楽が流れ、爆発音が続いた。狙撃班が銃弾を浴びせ、機動隊が突入し、妻と娘たちを救出。だが家には犯人5名の遺体はあったが、夫の姿がなかった。警察は、犯人の一人が夫を人質にして逃亡したと考え、大規模な捜索を開始する。謎めいた行動を取る犯人の目的とは――。

帯の表現には、ん?という感じ。前作ほどではなかった。

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2022年06月28日

Posted by ブクログ

設定が強引すぎてついていけなかった。それでも、途中で引っ掛かった箇所が終末できちんと回収されたのを評価して☆を1プラスして☆3。

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2022年06月25日

Posted by ブクログ

 『死んだレモン』で衝撃的翻訳デビューを果たしたフィン・ベルは、作風もオリジナリティ豊か、発想も豊かだが、相当に毛色の変わった作家である。1978年アフリカ生まれ。ふうむ、若い! 法心理学者で受刑者のカウンセラー。ふうむ、やるな。ニュージーランドへ移住。思い切った人生転換。毛色の変わった作家だが、『死んだレモン』も電子書籍で自費出版したと言う。コロナの時代、作家になるのも新手の手法が出現しているとは驚愕の至り。それでもニュージーランド国内のミステリー文学賞を受賞しているのだ。強引だが個性的な作品が受けたのだろう。本業の知識経験ももちろん作品の材料になっているように思う。

 それは本作でもまさにそう思う。ミステリーのようであり、秘境アドベンチャー小説のようでもあり、本格ミステリーみたいな意外性たっぷりな結末と言い、小説の作り方は上手だし、精神の世界に踏み込んでのキャラクター間の会話が何だか意味深い。とりわけ語り手の主人公ニックと先輩刑事トーブの間の語りは本書の前半の読みどころになっている。

 舞台は金鉱採掘の時代を終えたトンネルだらけの南島の僻村。南と言っても反対側の半球であり、南極大陸に限りなく近い島。季節は初冬。雪だ。中国系移民家族所有の孤立した農場。犯罪者に人質となっている一家。包囲する無数の警官。そんなクライマックスみたいな状況で本書は開幕する。そして直後の爆発。ギャングたちの死体。行方をくらました一部のマフィア。その人質となった父親ジェイムズ・チェン。彼らを追う組織犯罪対策本部の我らがヒーローズ二人。

 ニュージーランドが金山で賑わった歴史にも触れつつ、古い坑道を舞台にしたシーンがほとんどでありながら、不可解な事件の背景への推理も二転三転する。坑道の中で展開するアクションと推理劇。そして主人公ニックと救出される側の中国系開拓者の末裔ジェイムズの二人の葛藤劇。小説というよりも舞台劇みたいで、動きがあるようでなく、静かな独白の多い坑道内部での描写。その息苦しさを読者は味わわなくてはならない。

 作中の大半を占める暗黒と寒さと迫りくる吹雪と追走劇。ギャングとの対決アクションや、部分崩壊をする古い坑道の恐怖などなど、気が休まる時間がほとんどないままに独白が展開する。この物語はどこに向かうのか、不安さえ感じるが、最後にはしっかり決着をつける。この決着について読者がどう感じるかは、それぞれだと思うが、ミステリーとしての意外性と、結末のどんでん返しなどは娯楽小説としてしっかり用意されているのでご安心を。

 しかし、ミステリー内容はともかく、ラストに至る長々とした描写が、辛かった。インディー・ジョーンズが出てきそうなほど非現実的なアドベンチャー・ワールド。坑道内の描写は読みにくく、異次元に過ぎ、想像力が情景に上手く届かない。ラストの逆転劇と意外な主人公の決断とが、かろうじて本書の印象をアップさせているかな? それにしても『死んだレモン』と比較すると、ちと辛い。

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2022年06月15日

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