入間眞のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
久しぶりに読んだ海外小説だからか乗りきれず、ラスト近くまで微妙な評価だった。ラストで☆3に上がる。
タイトルを見てホラー好きならわかると思うが、ファイナルガール=ホラー映画で最後に生き残る女の子の話だ。正確に言うと元ファイナルガールだった現おばさんたちの話である。彼女たちは殺人鬼を倒した勇者になると同時に救えなかった仲間や恋人への罪悪感に苦しみ、殺人鬼の崇拝者たちからの攻撃に怯え、メディアには有る事無い事書き立てられ、体には文字通り一生癒えない傷が残る。そんな彼女たちは精神科医のキャロル先生のもと、定期的にセラピーに集まる。
その集まりが15年経ち、彼女らの人生も別々の道を進み、もはやセラピーの意義を失い始めていた現在、メンバーの一人エイドリアンが襲われ、命を落とす。ただ一人、これは全員への攻撃の始まりと見なしたリネットだけが声高に避難を呼びかけるが、彼女の行動は空回りし、メンバーからの信頼を失い、孤立していくーー
ファイナルガールそれぞれ、実在のスラッシャーホラーシリーズのヒロインがモデルになっていて、知っているほど面白い。が、そんな私が狂喜乱舞するはずの内容にもかかわらず、なんか乗りきれなかったのだ。それはたぶんヒロインのリネットの性格が今ひとつ掴めないというか、感情移入しづらい女性だったからかもしれない。ただ、リネットが今回のイカれた殺人鬼に下した処断はスラッシャー映画とは違うし、面白いと思った。彼女らが何より望むことは、犠牲者たちの名前より、殺人鬼の名は忘れ去られるべきであること。
それは実に正論で、いかに残虐にやられるかを半ば楽しみに見ている(自分のような)ホラー好きにはズキリと胸を刺す指摘でもあった(少し反省)。 -
Posted by ブクログ
SFホラー映画の金字塔、『エイリアン』。1979年に第1作が発表されてからこれまで、ナンバリングタイトル4作、前日譚として『プロメテウス』、『エイリアン:コヴェナント』、その他にも『エイリアンvsプレデター』シリーズ等、メディア問わず派生作品が生まれている。本書は、ナンバリングタイトル3作目である『エイリアン3』の、映像化されなかった幻の脚本をノベライズした作品である。
脚本を書いたのはサイバーパンクの名手、ウィリアム・ギブスン。1984年に『ニューロマンサー』を発表し、その独創的な世界観で一躍有名となった彼に、映画制作者はシリーズに新奇性を与えてくれるものと期待を寄せ、"3"(と"4")の脚本執筆を依頼するが、脚本家組合のストライキに影響されたタイトなスケジュールと、脚本執筆という初めての経験からか、期待されていた彼の"色"を出すことが出来ず、「"2"の焼き直し」という烙印を押され、ボツとなってしまう。("1"寄りに書き直した第2稿も執筆するが、こちらも採用されず。)その後、脚本を始めとして制作が混迷を極めた中で発表された"3"は、酷評の嵐に。今や名監督として知られるデヴィッド・フィンチャーを失意の底に陥れることとなる。
それから時が流れ2013年、ギブスン本人がボツとなった脚本を公開し、これがシリーズのファンから好評を博し、(ギブスンと同じくサイバーパンクを得意とする)パット・カディガンによってノベライズ、本書が発刊される。
と、(本書あとがきを参考に、)本書が世に出るまでの経緯を記したが、実際に読んでみての感想はというと・・・いや、普通に面白い。前作"2"まで主役を務めたリプリーがほとんど登場せず、"2"で初登場した海兵隊のヒックス伍長と人造人間のビショップがメイン。コロニーを舞台に、人間を始めとした動物に感染、"エイリアン"に変異させるという新たな設定で描かれる阿鼻叫喚は、SFホラーとしてワクワクしながら読むことが出来た。
当時は「"2"の焼き直し」とボツにされた訳だが、確かにコロニーを舞台に大量のエイリアンと相対するというのは同じかもしれないが、住人が殺戮された後を描いた"2"と、殺戮されるオンタイムを描いた今作は差別化できたのではと思える。まあ結局は製作者がギブスンに求めていた"新奇性"ではなかったということか。(他の動物に感染、変異させるという新しい設定も、これまでのチェストバスターからの"新奇性"を感じられなかったということかもしれない。)
結果論だが・・・こっちを映画化して欲しかった! -
Posted by ブクログ
ネタバレシャマラン監督が映画化したので、その原作であるこの本を読んでみた。面白そうな題材だけど、やっぱ自分には退屈。
訪問者が突然やってきて無茶振りしてくるっていうのはハネケの「ファニーゲーム」を思い出すが、それは遊び半分でこちらをおもちゃにしてくるが、こっちは真面目に世界を救おうとしてくるところ。
神の存在や終末についての考え方が知ってはいるが、インチキ臭くて、どうにもイライラした。アンドリューは教授として、もう少し理性的な考え方をしてくれたら共感しやすかったと思う。そんなもんなんだろうか。
最初から、別に世界なんて救わなくて良いじゃんのスタンスで読んでたので、茶番というか、なんというか、考え方のズレが最後まであったのが合わなかった。
ラストも結局世界より愛する人を選ぶ感じなのが、まあそうだよな!で、あんま感動とか意外とかもなく。
ただ、4人がビジョンを見せられて、強迫観念に駆られて行っているのが良かった。エリックも光の像を見ちゃうし。
アンドリューの証言も、それが正しいかどうかの客観的な事実が無いところも良かった。フェアである。その上でどちらを信じるか。
そこらへん、本当に終末がくるかもしれないが、それがどうした、というのをもう少しじっくり読みたかったし、アンドリューの証言は本当だろうかという吟味するところももう少し欲しかった。
シャマラン監督がこれをどう料理して映画化したのかは気になるので機会があれば映画も見たい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの小説は凄い、みたいな何かの記事で名前を知りBooklive!で販売されていたので購入しました。
いわゆるホラー映画の主人公たちのその後、つまり命からがら逃げ出したあと主人公たちはどう過ごしているのか、というお話です。
むろん、主人公の名前そのままというわけではありません。
が、主人公たちの生き残るに至った展開の中に散りばめられた、人間の殺害方法であるとかそういったものが、「13日の金曜日」、「エルム街の悪夢」などといった、ホラー映画で知らないものはいないであろう「あ、あの作品がベースか!」ということが分かるように描かれています。
正直な話、PTSDを発症して然るべきですよね。
残忍な殺害方法。両親やきょうだい、恋人や親友やクラスメイトなどを殺されたと言う事実。