入間眞のレビュー一覧
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様々なホラー/スラッシャー映画への愛情、小ネタに溢れていて、いきなり急ハンドルをきるような展開……読んでいて楽しかった。物語中盤以降の加速っぷりがたまらなかった。
作者の別作品(吸血鬼ハンターたちの読書会)を読んでおり、そして今作。改めて、この作者は痛みや不快なものだとかそういう“嫌な描写”がうまいなと思った(両作品の翻訳者さんたちも!)。読み手が想像できて「うわっ」となってしまうような。
置かれた状況は全く違い、一つとして経験したことはないものの、自分が同性なのもあってか、ファイナルガール達には不思議な共感を覚えた。特にリネット。もがき続けるあの姿は痛々しく、哀れみを感じたりや滑稽に -
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ビショップ好きにはたまらん1冊!
終わり方も一応ハッピーエンド(明るい)で好きです。映画では3で一度再起動され、“恥”という感覚により機能停止・破棄されていたビショップがWYの最高科学者により復元され、ロックのかかった“マザー”に関する情報を創造主が抜き出そうとします。
人類存続が最優先のアンドロイドですから、
危険とみなしたビショップは情報提供に戸惑い、ロックが外せません。
大きく三人の人物の視点で描かれます。
植民地海兵隊に入隊した、小柄ながらも優秀な若い女性。
決して楽とは言えない環境でもまわりの素敵な仲間と運搬船で働く少女。
そしてビショップ。
面白いです。
かなりビショ -
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ホラー映画の登場人物になった時に、映画の途中で殺されずにエンドロールまで生き残る方法を講義してくれるハウツー本。
護身用に手に取る武器はスコップやシャベルより手斧や鎌や千枚通しが良い等、具体的な対策が理由を添えて数多く掲載されている。
「会話中に商品の宣伝となるようなセリフを挟めば、監督や殺人役が戸惑うはずだ」とか「逃げる時はショッピングモールや空港に行け。そういう場所は撮影許可を取る手間や費用が莫大なので撮影隊は追って来ない」とか、映画の中の世界よりもメタな視点での記述もあり、非常に楽しめた。
体裁としてはハウツー本・サバイバルガイドだが、「呼び鈴が鳴ったらドアを開けて外の様子を伺うのではな -
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ネタバレ最初にこの本を見た時から絶対に読もうと思ってたけれど、本のページをめくり『ウェス・クレイヴンからの謝罪』での"幾多の人びとの人生をこの手で断ち切ってしまったこと"(p8,5行目)という文で殺人鬼の手記と間違えてしまったかと思いました。ホラー映画はゾンビしか見ないのですが、(ゾンビもホラー映画と言っていいのか詳しくないのでわからない。)それでもブラックユーモアを交えての文章は読んでいて面白かったです。ホラー映画をスラッシャー、悪魔系、ゾンビ、無生物、エイリアンと分けてそれぞれに遭遇する世界でどのようにしたら生き残れるのか、最初に殺されがちなキャラは誰か、予算がないのはどんなジ
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"ホラー映画が大好きで、小説を書いたり、ホラー映画のプロデューサーを勤めたりしている著者が「ホラー映画で殺されない方法」を教えてくれる。
ユニークな語りで、ホラー映画ってこんなシチュエーションでこういう人が必ず死ぬよね的なことが学べる。
映画好きな仲間同士が集まって語り合うような内容だ。ドリームキャッチャーという映画の一場面を思い出す。男同士の幼馴染が、映画について語り合う場面があり、まさにその場に居合わせたような本だ。
最後に、おすすめホラー映画が掲載されている。8作品ほど見たことがないものがあった。
「悪魔のサンタクロース 惨殺の斧」
「暗闇にベルが鳴る」
「サマーキャンプ・イン -
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ネタバレまさかこんな本が出ていたとは!
自分も配信だけど、エイリアン3は鑑賞済みです。
開始10分弱の、唖然とするような展開はまだ覚えています。
おおおおい!?
あとがきで、ウィリアム・ギブスン版脚本の数奇な道筋も知ることができますが、なにより2で生き残った3人(2人と1体?)が、違和感なくストーリーにのっててよかった!
ただまぁ、映画製作会社側の言い分も多分に分かるところもあります。
バイオハザード的なおどろおどろしさはパワーアップしつつも、後半の脱出劇は確かに2の焼き直しと言われてもしょうがないし、冷戦を彷彿とさせる関係性は古いというのも。
わりと頷けます。
でも、ここから推敲を重ねた作品を -
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もしホラー映画の登場人物だった場合に最後まで生き残るハウツー本
典型的な死亡フラグとその回避方法など
以下、公式のあらすじを読めば大体のテイストは味わえると思う
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死にたくなければ、これを読め!
ベストセラー『高慢と偏見とゾンビ』『ヴァンパイアハンター・リンカーン』を執筆し、
『IT/イット “それ"が見えたら、終わり。』をプロデューサーとして大ヒットに導いた
セス・グレアム=スミスが贈る――最高に実用的なサバイバル・ガイド
★ホラー映画の巨匠??故ウェス・クレイヴンの〝謝罪文〟付き!
ホラー映画??そこには幽霊、ヴァンパイア、ゾンビから、 -
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めちゃくちゃ真面目に書かれています。
きちんと、その状況に至るのに正解であろう背景の解説から、キャラクターにおける役割、事象における対処方法までがしっかりと書いてありました。
素晴らしかったのは、フィクションにジャンル分けされるものだけでなく、サイコな殺人犯(つまりは実在する人間)も扱っていたこと。
とはいえ、基本的には「ありえないこと」の集大成です。
しごく真面目に語られているし、しっかり情報も載っているけれど、全力で真面目におふざけをしているに過ぎません。
それをこちらはやっぱり真面目にしっかり読んでしまうわけです。
おふざけに対して真面目に取り組むのって、非常に楽しい!読みながら、 -
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昔のサイコ系スプラッタ映画好きはより楽しめる作品。
主人公が統合失調オチだけはやめてくれ!とハラハラしながら読んだけど、大丈夫だった。
スプラッタ系映画で生き残った人のその後ってどうなるのか確かに考えることはあんまりない、というかシリーズ化されてまた狙われるって事が多い。
間に挟まれた映画の批評がリアル過ぎて現と区別が付かなくなってくるけど全部フィクションです。
というかオマージュだったんですね、最後の解説で元ネタ映画全部見てて笑いました、エド・ゲイン(悪魔のいけにえ)元ネタはなんとなくわかったけどそれ以外は言われてああって感じ。
犯人は予想と大ハズレで、いやまぁ言われてみたらそうかもって感 -
Posted by ブクログ
殺人鬼による殺戮事件で最後に1人だけ生き残った女性=ファイナルガールたちを主人公にしたサスペンス小説。
作中のスプラッター映画は現実に起きた事件を基に製作されており、その事件のファイナルガール本人も現実世界で有名になっているという設定。
ただでさえややこしい設定の上に、語り手となる主人公が事件の影響から強迫性障害を発症していて、不安定な感情の地の文をひたすら読まされるため、序盤は小説の世界に入り込むのにちょっと苦労した。けれど世界観を把握してからは主人公のイカれ具合も含めてかなり面白くなってくる。
ファイナルガールの1人が殺されたことから、ファイナルガール全員が狙われていると主人公が&q -
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ネタバレサイバーパンクの泰斗ウィリアム・ギブスンが興行主からの依頼で書いたものの、結局映画化されずにお蔵入りになった「エイリアン3」の脚本を、”サイバーパンクの女王”パット・カディガンがノベライズ。いわば、映画「エイリアン3」とは異なるパラレル・ワールドによる「もう一つの『エイリアン3』」。
うーん・・・これは評価が難しいですね。
SF者としては、「えっ、あのギブスンが書いた脚本を元にしてるの!?」と、そこに惹かれて手に取りますよね。しかーし、ギブスン風味は皆無。ついでに言うとカディガン風味も皆無。まぁ、カディガンはノベライズを得意としている作家でもあるので、あえて個性を出さずに書いたのだと思います -
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Posted by ブクログ
……あなたは以下に当てはまる人だろうか。
●日常生活にイヤフォンまたはヘッドフォンが欠かせない。
●二輪車にまたがる時にヘルメットを被らない。
●通り魔の情報がある地域に赴くのに耐刃性がある服を着ない。
一つでも当てはまる人は――ああ残念だ――哀れな被害者となる確率が跳ね上がる。
なぜならここは、恐怖の世界《テラー・ヴァース》なのだから――。
ホラー映画に精通したヴェテランが贈る、最高に実用的なホラー映画サバイバル・ガイド!
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本書はホラー映画のルール・お約束のお重箱だ -
Posted by ブクログ
久しぶりに読んだ海外小説だからか乗りきれず、ラスト近くまで微妙な評価だった。ラストで☆3に上がる。
タイトルを見てホラー好きならわかると思うが、ファイナルガール=ホラー映画で最後に生き残る女の子の話だ。正確に言うと元ファイナルガールだった現おばさんたちの話である。彼女たちは殺人鬼を倒した勇者になると同時に救えなかった仲間や恋人への罪悪感に苦しみ、殺人鬼の崇拝者たちからの攻撃に怯え、メディアには有る事無い事書き立てられ、体には文字通り一生癒えない傷が残る。そんな彼女たちは精神科医のキャロル先生のもと、定期的にセラピーに集まる。
その集まりが15年経ち、彼女らの人生も別々の道を進み、もはやセラピ