藤沢数希のレビュー一覧
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世の中には二種類の人間がいる。
金融業界の人間と、それ以外の人間だ。
そう言っておかしくないほど、両者の考えは違う。
そして、違うといえば、大事なことですが、報酬も。
よくニュースで、平均賃金のことが話に出ますが、こういうのに金融業界の数字は含まれていないですよね。
まあ、公務員もですが。
なんでかなあ、と思うのですが、まあ、それは、平均からずれてしまうからなのではなかろうかな、と。
あと、公務員の場合は、無税で色々な手当てがあるので、賃金として計算するのが難しい、というか。
とまあ、そんな恵まれた状況にある金融業界ですが、藤沢氏が高給で買って満足したものが、Wiiとか言われると、高 -
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ネタバレブロガーである藤沢氏が現在のグローバル経済で何が起こっているかを解説している。
中央銀行の役割や、なぜ世界中の通貨が連動して価値が上がったり下がったりするのか、がわかりやすく解説されている。そして、最後には藤沢氏なりの今後の日本がとるべき政策について論じられている。
頑張った人が報われるための規制緩和(法人税の引き下げ、関税ゼロ)、と、稼いでいる人、稼いでいない人も含めた平等な税の徴収(消費税の増税)等をすることによって、市場に徹底的に競争の原理を持ち込もう、というもの。国力の源泉は教育なのだから、今のような一度取ったら首にならない教員免許制度はやめ、競争原理を学校教育に持ち込もう、という -
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外資系企業でトレーディングなどを行い、科学者としての顔もある著者が経済学の実践的な内容と提言を書いた一冊。
2011年に出版された本書は現在でも変わることない様々な国の施策について提言がされており、非常に刺激的でした。
ただ経済学の基本的な知識についても科学者の見地から数式なども用いて解説されており勉強になりました。
最後の第5章での提言は解雇自由化や道州制や教育バウチャー制度など実現するには困難なものも含まれていますが、戦後約70年を経過した日本で著者の提言されていることは希望ある未来に向けてのひとつの考えだと本書を読んで感じました。 -
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第一章
法学徒として裁判所批判的な内容が多く興味深かった。整理解雇の4要件が判例であり、正社員を守ると同時に非正規社員を切ることをある意味推進しているとの見方。また村上ファンドの利益市場主義を否定した東京地裁は日本で資本主義が通用しないといっているようなもの。インサイダーに関して法的な取り組みの余地があるのかも。
第二章
政治学で学んだ市場の失敗が出てきて学問がつながったことに喜びを感じた。あとばぶるって要するにgreater fool theoryとのこと。
特に関心を持てたのは日本の教育に関する記述。教育バウチャーを導入するべきとのこと。そして大学の民営化。私も日本の教育について思うところ -
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時事ネタを理解するためのベースとして、経済学を理解するためにはちょうどよい本。そうした解説と合わせて「成功した人に報いる税制」と「徹底した規制緩和」が日本の経済成長に繋がると一貫して主張している。
すんなり腹落ちしない内容はあるものの、総じて賛成。ただ、上記が成長に繋がることは頭では理解していても、バブル崩壊後に先送りの政策しか実施できていないのが現実。政治家や官僚が理解していない訳ではなく、分かっていてもやらないという状況と思われ、それをどう実現するかが肝のはずで、その点ではやっぱり評論家。
以下、備忘録として残して置きたいポイント。
①経済学は国民を豊かにするための最適な資源配分を考 -
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アゴラやBLOGOSでおなじみの藤沢数希氏のもう2年前の本、軽い語り口と時々品のない方へ脱線するキャラ設定は好き嫌いが別れるかもしれないがサブプライムローンやリーマンショックなどをさくっとおさらいするにはお手頃だとおもう。この分野では「マネー・ボール」のマイケル・ルイスの「ライアーズ・ポーカー(投資銀行に入ったマイケルの自伝)」「世紀の空売り(サブプライムローの破綻にかけて大儲けした数組)」「ブーメラン(ヨーロッパの金融危機)」がお勧めなのでこの本で興味を持った人はそちらを読むのが良いと思う。
投資銀行のトレーダーの金銭感覚をよく表している文がいくつか出てくる。例えば「ジョン・ポールソンはア -
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外資系投資銀行に勤めた(ている?)経験のある筆者が、高給だがすぐ馘首されることで知られる投資銀行の内幕やその仕事の金融経済へ与える影響を述べている本である。
内幕といっても暴露ものではなく、業務内容の分類やそれぞれの実務の紹介である。リーマンショックやユーロ危機もどうして発生したかを説明し、世界経済に大きな影響を与える理由を解説する。そして、今後のこれらの大きすぎて潰せないといわれる投資銀行の今後について予想する。
読みやすい語り口で綴られているが、その内容は金融危機について書かれた多くの解説書やドキュメンタリーから窺える内容と違いはない。日本の外資系投資銀行のサラリーの話が何度となく出