高橋和久のレビュー一覧

  • 一九八四年[新訳版]

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    政治的な話は得意ではないが、名著とのことで読んでみた。500ページ弱あったが、凄まじい展開に引き込まれ、3日で読み終えてしまった。

    初めのうちは、海外文学独特の言い回しや、極度の言論統制によって生まれたこの世界独特の概念(ニュースピーク、二重思考、二分間憎悪など)を理解するのに少し時間がかかった。しかし読み進めるうちに見えてきたのは、要するに、特権階級が人々を徹底的に支配する悪夢のような社会だった。

    驚いたのが、最初は「到底こんな世界が日本で起こることはないだろう」と感じていたのに、読み進めるにつれて、「こうなってもおかしくないのではないか」という恐怖感、あるいは部分的には既に同様の状況に陥っているかもしれないと感じたことだ。

    もちろん、現在の日本に作中のような絶対的な思想統制はないといえる。しかし、作中に登場する「プロール」と呼ばれる労働者階級においては、現代の我々庶民を重ねてしまう部分があった。

    「プロール」は貧民層であり、党職員ほど厳しい圧政や思想統制を受けておらず、酒や恋愛などを比較的自由に楽しんでいる。だからこそ、かれらには必ずしも強い反骨精神は生まれない。

    もし「党」がかれらに対して露骨な圧政を敷けば、国家全体の人口の約85%を占めるプロールが反逆する可能性がある。しかし「党」は、そうした反乱の芽を生まないよう、教育を制限して政治的・知的思考を発達させにくくしたり、戦争を長引かせて人々の意識を党以外のものへ向けたりする。

    「今が苦しい」という認識はあっても、それを変えるために団結するだけの知識や意識を持ち合わせていない。そんなプロールの姿を見ていると、現代社会において政治への関心が薄れている状況を重ねてしまった。

    もし、作中の「党」のような国家が現実に現れたとしたら、果たして我々は反逆するのだろうか。それとも、ある程度の自由や娯楽を与えられている限り、それを受け入れてしまうのだろうか。

    そんな問いを本書から投げかけられたように感じた。

    そして何より恐ろしかったのは、党に対する反逆者を単に殺害して排除することが、党にとっての最終目的ではなかったことだ。

    党の統治目的については、各自が作品を読み、行き着いてほしいと思うところであり、ここでは割愛する。

    支配とは恐ろしいものである。支配されている側は、自らが支配されていることに気付かないまま、与えられた現実を現実として受け入れてしまう。
    果たして自分たちは、今目の前にある現実を、本当に自分自身の意思で享受しているのだろうか。

    改めて自身の置かれている状況、政治体制の実情諸々、考えさせられる一作であった。

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    2026年09月02日
  • 一九八四年[新訳版]

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    初ジョージ・オーウェル

    ディストピア小説とは聞いていたが予想の斜め上をいったものであった

    三国体制、管理社会といった壮大なスケールのようでその人の思考がポイントになってくる
    特に二重思考という概念は自分も時折やってしまっているものだと痛感した

    なんだかんだ希望のある感じになると思いきや急にどん底に落とされ思考、精神を体制に合うものになるまで徹底的な教育を施す

    実際の1984年とは違うような世界であったが現実と同じようなところや未来に起きそうなところがあり感心よりも恐ろしさを感じた

    暗い話ではあったが読み終わった後に何故か爽快感が湧き上がってきた
    また読んでみたいと思える本だった

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    2026年07月27日
  • 一九八四年[新訳版]

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    ネタバレ

    某所で今読むべき本として紹介されていたので読んだ。怖かった。ここに書いてあることが遠くない未来に自分の身にも起こるかもしれない、そういう社会に生きちゃってるんだなぁと思えてしまうのが心底嫌だった。

    (2026/7/19 追記)
    1日置いて、余韻がじわじわきている。ゴリゴリのディストピア小説。1948年に書かれたというのが本当に驚きだ。
    この作品は、社会主義国家・資本主義国家の如何に関わらず、全体主義に対する盛大な警鐘・風刺となっているのかなと思う。全体主義国家に反抗しようとする人々は、どのようにして「教育」されるのか、大変よくわかった。ひたすら怖い。ジュリアへの愛を捨てることになった最後の拷問が特にグロくて、自分の場合はどうなるかと想像しただけで総毛立った。人の心の折り方が、懇切丁寧に書かれている…
    最近暗いニュースばかりで、追わなければと思いつつ疲れからあえて追わずに過ごすという日も増えてきていたのだけど、これはこの本で言うところの「自己防衛的愚鈍」な振る舞いに当てはまるのかもしれない。抵抗者がそうなることは折り込み済みで全ては予定通りである、と見透かされていたかのようで、ぞわっとした。最近の鬱々とした気分は、これから本格的に始まると予想されるディストピア的な未来に対して感じる鬱なのかもしれないと思った。
    過去の歴史を為政者の思い通りに改竄できる社会というのは、Wikipediaの作られ方を思い浮かべれば容易に想像できた。Wikipediaは有志が記事を作っており、編集履歴も誰でも閲覧できるけれど、これを国主導で行って(歴史の教科書などに対して)、しかも編集履歴は全く残らない状態と思えばいいのかな。今の政府は重要書類をしばしば軽々と破棄するから、余裕であり得る話だなと思った。
    作中に繰り返し出てくる「2+2=5」。Radioheadの楽曲にもこのタイトルの曲があり、どういう意味なのか長らくわからなかったんだけど、この作品から取っていたのかなぁとぼんやり合点がいって、ファンとしてはうれしかった。
    愛(もしくは人間的な心)は恐怖で踏み潰すことが可能だ、ということを教えられた(知ってしまった)のがしんどかった。それでも愛を貫きそして殺されてしまう人のことを、宗教的には「殉教者」と呼ぶのかなと思い、中世〜近世で弾圧されたキリシタンの人々のことを思わず考えた。彼らの場合は、神に対する愛ということになるんだろうけども。
    ウィンストンと同じ目に遭った時、私ははたしてどちらを選べるんだろう。

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    2026年07月19日
  • 一九八四年[新訳版]

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    ビッグ・ブラザーという独裁者が管理する世界で、2+2=5と洗脳される大衆と、それに違和感を持つ主人公。
    国民の思考力を奪うため最低限に単純化されたニュースピークを使用させたり、偽りの戦争を続けることで国民を搾取する最もらしい口実をつくったり、性交渉を禁じ子に親を監視するよう教育することで男女や家族の関係性を希薄なものにしたりと、恐ろしい世界が描かれている。

    大衆には酒や宝くじといった知識の伴わない娯楽を提供し続けることで、党への反撃を実行するどころか考えつきすらしない愚民へと育て上げる。一方ある程度の思考力や知識を持った者はテレスクリーンと呼ばれる実質的監視カメラで管理する(敵は近くに置け方式)。

    難しくて理解できない部分(主にゴールドスタインの秘密の本)もあったが、理解できるようにならなければいけないことだけは分かった。
    何度も読んで理解を深めていきたい。

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    2026年07月18日
  • 一九八四年[新訳版]

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    ネタバレ

    なぜか日本の伝統的な企業のように感じてしまう。何が真実か分からない世界で言葉や思考、愛を制限されコントロールされてしまう恐ろしい社会。かなりぶっ飛んでる監視社会の表現もさることながら拷問による痛めつけで精神そのものを変えてしまう描写はいまの時代からはなかなか想像できない。名作だと思いつつ読書力が足りないためか理解できない点もあった。

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    2026年06月22日
  • 一九八四年[新訳版]

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    途中で放置した期間があったので、ちょいちょい忘れてしまったところがあり、難しい話をあんまり理解できずに読み終わってしまった。いつか再読したい…

    最後のシーンが印象的だった。ウィンストンが変わってしまった(生まれ変わった?とも言うかも)ことがその世界にとって、彼にとって良いことだったのかは分からない。思考の内容がビッグ・ブラザーと同じだったことで自分が“ビッグ・ブラザー”の一員になってしまった、と言うことなんだろうか。
    ん〜よく分からないけど、結局ウィンストンはビッグ・ブラザーに飲み込まれてしまったのだろうね。

    附録にある『ニュースピークの諸原理』を読んだとき、ニュースピークが実際にあったものだと勘違い!
    「へー、昔の人は大変だったなー」と一瞬自分の中で歴史が改竄されました…
    もしかして、適性あり?

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    2026年06月13日
  • 義とされた罪人の手記と告白

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    ネタバレ

    宗教に無頓着な父と厳格過ぎる母の2人の息子。兄は父の下で育ち明朗快活に育つ。弟は母が心酔する牧師の元で育ち、ギル・マーティンという友人と出会い、神に呪われていると思われる兄・父・母を手にかける。弟ロバートは二重人格?本当の父は牧師?書かれていないからこそ心に残る。作家ホッグが羊飼いでほとんど教育を受けず、16歳まで識字に興味もなかったこと、今でも宗教の名の元で争いが絶えない背景に義とされた罪人の影を感じてしまい、フィクションの小説として終わらせられない気持ちが残った。2024年に復刊、今読むべきだったかも。

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    2026年06月12日
  • 一九八四年[新訳版]

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     伝説的ディストピア小説。『素晴らしい新世界』を読んだ時は、「こんな世界でも、悪くないかも」と思ったが、今作に描かれていたのは明確に嫌な世界だった。同時に、そんな世界に対して、自分がきちんと論理立ててNOを突きつけられるかと言われれば、そうではない。
     オブライエン対ウィンストンの3部が圧巻なのは、そのためである。日本という比較的平和な民主主義社会に生きる自分にとって、オブライエンの唱える社会、それはすなわち、イングソックの諸原理に基づき、ビッグ・ブラザーを皆が崇拝する社会は、まさに悪夢そのもの。しかし、彼の狂気的な雄弁に対し、読者の自分は始終押し除けられていた。なぜか。それはウィンストンも言っていた通り、知性の点において彼に敵わないから。3部での2人の問答(拷問)において、読者は当然ウィンストンの視点に立ちながら、自分の思考・哲学・ポリシー・常識といったものがいかに脆いかを、果てしないまでに痛感させられる。
     二重思考、ニュースピーク、思考犯罪といった、本作のディストピアを構成する様々な独自要素は、物語創作的な視点で捉えると、あまりにも魅力的である(もちろん、実現は希望しない)。また、人が戦争をする意味、権力を求める理由、記憶や記録の有効性といった、非常に抽象的なトピックに対し、重厚かつ長大な思索が綴られている。これもまた、上述した諸要素とともに、本作の魅力であり凄みであると思う。

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    2026年05月26日
  • 哀れなるものたち

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    観てから読みました。
    映画は原作に忠実ではないけど、原作の風味を全く損なっておらず!それも驚きでした。
    最終的な「真相」としては、マッキャンドルスの記録派です。
    マッキャンドルスも、ベラも、信用できない語り手、だとしても、ラストの一文で、マッキャンドルス派…。

    村田沙耶香さんの「信仰」を読んだ時と同じ感覚に。小説なんだから作り物前提なのに、事実としてあったかも、と思わせられる感じ。

    頭が良くても、貧乏だと外見に出てしまい、やはり弾かれてしまうことの辛さも描かれていました。
    マッキャンドルスの身の上話もそうだし、ベラの(実の)おとうさんが、成金後にベラに与えた教育内容もそう…出自、育ち、辛い言葉です。
    そんな言葉に振り回されず静かに生きる方法…
    そんなことも考えさせられました。
    そして、反戦・反軍国主義小説でもありました。
    若者を殺すだけの戦争…
    そのあたりをきちんと語っていました。
    また、社会主義をベラに語らせていました。

    それにしても「ウェド」だらけで少々疲れましたが(笑)、不思議な、おもしろい本でした。
    映画共々賛否両論なかんじ。
    読める人、観ても大丈夫な人にオススメ。
    私的に星4つぴったり。

    内容をよく表現している表紙イラストもアラスター・グレイ本人。すごい。

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    2024年10月09日
  • 哀れなるものたち

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    良くも悪くも「人を食った」ような形式をとった作品で、流石はイギリス文学! と感じました。
    川へ身投げして死んでしまった女性の胎内にいた赤ん坊の脳を、医師が母親に移植して蘇らせた…という概要だけは知っていたのですが、ストーリーそのものだけでなく、物語の形式そのものが、読者に色々と考えさせる構成になっているのが何とも曲者でした。

    恐らくですが「フェミニズム」が激化したり、世間の考えに変化が起こるたび、評価を集める作品ではないでしょうか。

    映画版だと後半部分は(ほぼ?)カットされてるとのことですが、そちらも好評なので観てみたいです。

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    2024年08月27日
  • 義とされた罪人の手記と告白

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    ネタバレ

    ゴシック小説とは、18世紀末から19世紀初頭にかけて流行した神秘的、幻想的な小説でゴシック・ロマンスとも呼ばれるとのこと。これまでほとんど読んでない世界だが、今回は掉尾を飾る名作と銘打たれた本の復刊ということで、読んでみた。
    キリスト教の研究者用の引用注記の多さには気になったし、区切り無しの告白も読むのに時間がかかったが、とはいっても読み進めてしまう面白さがある。編者の視点と罪人の告白という二重構成のなか、兄弟殺しの裏側に潜む悪魔的な存在とは何かというのが読みどころだった。良い読書の機会だったと思う。

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    2024年04月15日
  • 哀れなるものたち

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    映画を公開日に見て、非常に面白いと感じたので、原作を手に取ってみました。
    映画でも扱われたシーンは頭の中で想像しやすくより楽しく読めました。
    ヴィクトリアの手紙によって、映画で扱われた大部分を否定しているためどっちが真実なのかは分かりませんが、それもまた物語の深みも増して良いと思いました。
    個人的には映画よりも、原作の方が哀れなるものたちというタイトルがとてもしっくり来ました。
    訳者さんが、哀れなという訳を多様して下さっているので、心に引っかかる部分は多いと思います。
    ぜひ、映画と原作合わせて見てほしいです。多くの時間、この作品に触れられて幸せです。

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    2024年04月08日
  • 哀れなるものたち

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    映画が衝撃的な面白さだったから原作を読んでみた。

    ストーリーは概ね映画と変わりないけれど、"実在の人物が昔自費出版した本とその妻のメモを作者がまとめた"という体裁を取っているのが独特。映画には無かった最後の仕掛けによって、原作でも脳がクラクラする経験ができる。

    序文や注釈によってフィクションをあたかも実際に起きた事のように思わせる作りなのに、最後にそれがひっくり返される。今までの作者の努力とは真逆の仕掛けのように思えるのだけど、「どっちが真実?」と混乱しているうちに、「どちらかが真実のはず」という思考になっていて、まんまと作者の術中にハマっていることに気付く。

    ただ、映画を先に観てしまっていると完全にフィクションとして読んでしまうのがちょっと勿体なかったかな。

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    2024年02月25日
  • 哀れなるものたち

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    ネタバレ

    奇書だ…!というのが第一印象。

    実際の手紙のヴィクトリアが夫をバカ呼ばわりしていたり「こんな物書く時間があれば社会貢献のために働けよ」的なこと言ってたのが残念な気持ちになった。資本主義や家父長制の倫理と似たような考え方に陥ってしまうのが。
    事実と違うのに自分がフランケンシュタインの怪物にされてたら腹立つのも分からんではないが。

    ヴィクトリアは(1914年には)アーチボルドの回顧録の内容を嘘だとして拒絶したが、1920年の「愛の経済」(の序文と書評)を読むとヴィクトリアが(アーチボルドの書いた)ベラと同一化していったようにも感じる。これの本文も読みたかった。

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    2024年02月21日
  • 哀れなるものたち

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    映画の評判や本の評判でフェミニズム的な側面が強い本だと思われてそうだけど、この本はエゴ、進化学習へのメッセージが強いと思った

    可愛らしく素敵な女性ってだけじゃダメだと思ったベラが学んで進化していく過程で他者からのエゴに振り回されたり、バッサリ切り捨てたりするその行動がベラの魅力の一つだと思った

    私は比喩表現が多いと読み飛ばしちゃう人だから少し本だけではメッセージをちゃんと受け取れなかったかも、映画行ってきます〜!

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    2024年02月10日
  • 哀れなるものたち

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    著者、アラスター・グレイが偶然手に入れた医学博士、ヴィクトリア・マッキャンドルスによる一連の書類をグレイが編集し直したもの、という体で綴られるメタフィクション。
    ヴィクトリアの夫、アーチボールド・マッキャンドルスが発行した書籍がベースになっている。
    この書籍は完全にアーチボールドの視点で描かれており、件のヴィクトリアは、自殺したうら若き美しい女性ブレシントン夫人の肉体に、彼女が身ごもっていた胎児の脳を移植したいわゆるフランケンシュタイン的に生み出された女性であり、いかにアーチボールドが彼女に惹かれそして人生を共にしたかについて綴られている。
    内容は胎児の脳を移植されたヴィクトリアが逃げ出して世界を駆け巡る中で圧倒的な成長を果たしていくという様を、あたかも「アルジャーノンに花束を」のパロディのような感じで綴っているものであり、確かに面白いものではあるが、SFとしては「ふーんなるほど」という感じ。
    この小説が面白いのは、ただ単にそれで終わらず、このアーチボールドの書籍に対し、当事者であるヴィクトリアの手記が添えられていること。
    この手記はヴィクトリアの視点で綴られており、これを読む中で、どちらの主張が正しいのかがさっぱりわからなくなる。
    その答えがどうなるのかは実際に読んでもらって体験して欲しいが、これはなかなか見事に考えさせられる構成となっている。
    冗長かなーって思う部分も結構あったけど、500ページ強、ボリュームを感じさせず楽しませてもらった。
    いいSFだったと思う。

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    2024年01月08日
  • 一九八四年[新訳版]

    購入済み

    はじめて読み終わったときはそこまで大好きな作品にはならなかったけど、読めば読むほど夢中になる小説だった。

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    2021年10月01日
  • 二十一の短篇 新訳版

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    第一次世界大戦、世界恐慌、第二次世界大戦。
    そんな時代を生きた市井の人々(子供も若者も老人も)の悲劇、あるいは喜劇が21編。

    『廃物破壊者たち』『ばかしあい』『田舎へドライブ』あたりがお気に入りです。

    各編の冒頭には担当した訳者のコメントが付いており、作品の導入になっているばかりでなく、読み終えた後にも余韻を与えます。

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    2010年09月20日
  • 一九八四年[新訳版]

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    本書の執筆は1948年。
    国家=「党」が人々を支配するために、情報、言論、思想の統制や人間関係など全てを恐怖を持って徹底監視管理するという内容。

    序盤は世界観・違和感を積み上げて行く。
    やや単調でノルマ気味にページを進める。
    中盤あたりから心理的緊張が強まる。

    完全な空想というより、歴史上の権力支配を全体主義を極端な形まで押し進めたものとも読める。

    一言で言うなら、『SFで描いた、政治権力の解剖学』と言ったところか。

    それにしても長編で、つ、疲れた(笑)

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    2026年10月09日
  • 一九八四年[新訳版]

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    設定が面白いと感じた。著者がなにを考えてこの本を書いたのかかなり気になるものでした。
    描かれていた内容は情報を操作する事で人の考えがどのように変わるのかというものだと私は感じました。好きなことをやる。自分のやりたいように生きると思いながら生きているけど、実は環境や、得られるデータに大きく左右されていることに気付かされる小説でした。

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    2026年09月20日