あらすじ
ゴシック・ロマンスの最高峰
17世紀末のスコットランド、地方領主コルウァンの二人の息子は、両親の不和により別々に育てられた。明朗快活で誰にでも愛される兄ジョージと、厳格な信仰をもつ母親のもとで陰鬱な宗教的狂熱の虜となった弟ロバート。自分が神に義認されあらゆる罪を免れていると信じるロバートは、17歳の誕生日に出会った不思議な力を持つ人物に唆されるまま、恐ろしい行為を重ねていく。変幻自在にその姿を変える〝謎の友人〟の正体は? そして政治的対立に揺れる議会開催中のエディンバラで、兄弟の宿命的な確執はついに衝撃の結末へ……。奇怪な事件の顚末が異なる視点から語られ、重層するテクストが読者を解釈の迷宮へと誘う。小説の可能性を極限まで追求し、アラスター・グレイらの現代作家にも多大な影響を与える、ゴシック小説隆盛の掉尾を飾る傑作にして早過ぎたポストモダン小説。(『悪の誘惑』改題)
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Posted by ブクログ
宗教に無頓着な父と厳格過ぎる母の2人の息子。兄は父の下で育ち明朗快活に育つ。弟は母が心酔する牧師の元で育ち、ギル・マーティンという友人と出会い、神に呪われていると思われる兄・父・母を手にかける。弟ロバートは二重人格?本当の父は牧師?書かれていないからこそ心に残る。作家ホッグが羊飼いでほとんど教育を受けず、16歳まで識字に興味もなかったこと、今でも宗教の名の元で争いが絶えない背景に義とされた罪人の影を感じてしまい、フィクションの小説として終わらせられない気持ちが残った。2024年に復刊、今読むべきだったかも。