壺井栄のレビュー一覧

  • 二十四の瞳
    時代に翻弄されながらも懸命に明るく生きる子供達の様子に心打たれました。数十年ぶりに読みましたがやはり名作ですね。
  • 二十四の瞳
    昭和初期の日本各地に沢山あった心の物語と言って良いだろう。
    女学校卒の新米女(おなご)先生と12人の小学生との仲睦まじい学校生活にホッコリしながらも、当時の庶民の生活や雲行きが怪しくなる世相が描かれている。
    戦争が拡大するにつれて瀬戸内の小さな村にも、その影響が浸透してくる。
    貧困、徴兵、赤狩り、食...続きを読む
  • 二十四の瞳
    当たり前の日々の暮らしを奪い、あたかもそれが当たり前かのように錯覚させてしまう戦争の怖さ。
    素直で純粋な心を持った子どもたちの瞳はいつまでも輝くものであって欲しいし、子どもたちの未来を狭め奪う戦争は、世界中のどこであっても絶対にあってはならないものだと改めて感じさせられました。

    何もかも変わってし...続きを読む
  • 二十四の瞳
    女先生が
    声を上げてわらっちゃうとこ好き。
    子どもたちが
    一本松まで歩こうとして
    女先生の顔見てほっとして泣いちゃうととこもすき。
  • 二十四の瞳
    小豆島に旅行することを決めたことからこの本を手に取りました。
    戦前・戦後の描き方の根底に流れる愛情のようなものがはじめから最後まで読者の心をあたたかくしてくれました。
    解説を読んでこの本の良さを再認識できました。
  • 二十四の瞳
    小学生の頃に読んだ際には衝撃的なラストシーンばかりが印象に残っていたが、改めて読むとかなり前半のうちから切ない展開が続く。そして、ただでさえ悲惨な場面をもう一段悲惨にするような追いうちの描写が多いのも本作の特徴。
    次の世代を担う子どもたちへの希望は描かれているものの、大石先生や大人になった教え子たち...続きを読む
  • 二十四の瞳
    小学生の時に何度も読んだ本。
    自分が母親になるとまた昔とは違った感想ももつ。
    生きる大切さ、そして生命の大切さ、戦争の悲惨さを教えられる本。



    ・一年生の子が弟や妹の子守りをするとは
     今の大人でさえ育児は大変なのに、本当に本当に大変だと思う。

    ・環境の力を感じさせられる。
     生まれた時代、場...続きを読む
  • 二十四の瞳
    読んでよかった…そう思える本でした。
    なんだろうね、いつの時代にも優しい人はいる。
    そして貧困だろうがなんだろうが、
    子供を純粋な目で見てくれる大人がいる。
    それが小石先生。

    だけれども子供のとんだいたずらにより
    ひっどい目に遭っちゃうけれどもね。
    それでも彼女は教え子たちを案じてくれていました。...続きを読む
  • 二十四の瞳
    幼稚園の時に小豆島へ家族で行って、24の瞳のコケシを買ってもらった。今まで、若い泣き虫先生が11人の小学生たちと海に出て校外学習している時に遭難して船で全員が亡くなった話だと理解していた。読んでみたら全然違った。戦争が色濃く出ていた。最近、小豆島の近くの直島に行ったので島の景色、そこに通う子供たちの...続きを読む
  • 二十四の瞳
    祖母が小豆島出身と知り、手に取りました

    戦地へ向かう生徒、経済的事情で“男として生まれたかった”と呟く生徒…

    私の祖母やその家族も似たような経験をしたのかな…そう思うと、戦争体験は血筋を伝い、受け継がれている様にも思いました
  • 二十四の瞳
    小豆島の漁村に師範学校を出たばかりの大石先生が赴任し、そこで12人の子供たちと出会いう。
    彼らが卒業する頃には次第に戦時色も強くなり、男の子たちは戦地へと赴く・・・。百合の花の弁当箱や服や草履にこっそり明るい色をしのばす女の子たちの姿にやるせなさを感じる。そして、戦争によって家族が亡くなっても大っぴ...続きを読む
  • 二十四の瞳
    自分の感情に素直になること、が1番印象に残ったなぁ。
    愛する人(異性とかそういうのではなく)を大切に思う気持ちとか、向き合う力とか、それの根底にあるのは、"素直さ"なんだなぁ〜っと。

    これを贈ってくれた友達からのメッセージも含まれてるとするならば、
    「素直」これが結構リアルで胸をつくなぁ〜〜〜

    ...続きを読む
  • 二十四の瞳

    二十四の瞳

    Netflixで視聴して良かったので購入しました。12人の教え子たちの師弟愛に感動し、戦争での悲劇に心が痛みました。映画を観てから、小説を読むとより心に染み込みます。今、二十四の瞳の英訳と対訳で再度読んでいます。
  • 二十四の瞳
    “いっさいの人間らしさを犠牲にして人びとは生き、そして死んでいった”
    “一家そろっているということが、子どもに肩身せまい思いをさせるほど、どこの家庭も破壊されていた”
    戦争の中で十二人の生徒がそれぞれ懸命に生きる。その中での女性教師の怒り、悲しみ。
    伝えなくてはいけない1冊。
  • 二十四の瞳
    300ページに満たないこの薄い文庫には、周知の通り、瀬戸内の小さな島の太平洋戦争をはさむ二十数年が描かれる。庶民の目と声に語らせた強い反戦の思い、貧しい暮らしの中での小さな喜び、華美な描写を省いた短い文章と台詞がいかに生き生きと自然や人間を感じさせるか…伝わってくるこれらの点だけをとっても屈指の存在...続きを読む
  • 二十四の瞳
    泣いた。素晴らしい作品、の一言。


    高校生のときに読んでおきたかった。でも今読めて本当に良かった。


    平和な時代に生まれてきた僕は、平和な世の中を当たり前と思っていた。


    でもこの作品には、そんな当たり前はなかった。


    僕たちには、この平和な時代を守り、そして二度と戦争がおこらないようにする...続きを読む
  • 二十四の瞳
    岬 村 一本松 大石先生 自転車 一年生 落とし穴


    岬を舞台にした、12人の子供達と大石先生の物語。

    岬という舞台がとても美しく描かれることと相反して、

    彼らに襲いかかる戦争が生み出す

    苦しさ、ひもじさ、

    身内、親戚、友達が死にゆく悲嘆。

    それに対し一心不乱に戦い散っていく命、と

    ...続きを読む
  • 二十四の瞳
    元々学校現場にいたので、大石先生の立場に立ったときの葛藤は昨今の教育現場を踏まえても、わりと共感できました。
    というのも、誰の方に向いて授業を行っているのかな、と最近の学校教育でも感じることが多いのです。
    本来は、大石先生みたく生徒たちの「瞳」に向けた授業をしなければならないし、それが教育なのではな...続きを読む
  • 二十四の瞳
    牧歌的な島の風景やなごやかな小学校生活の中に、家庭ごとの貧しさや時代の暗い影が描かれる。小学校低学年のこどもたちが大人になる過程で幾人かが身売りされたり兵隊にとられたりする。そして新任の教師時代に違和感を抱いた「老朽」の教師が岬へ赴任することについて、時を経て主人公が同じ境遇になる。教師と生徒を問わ...続きを読む
  • 二十四の瞳
    8月にこの本を読むことで、戦争の時代に思いをはせる。
    戦時中の戦争のかなり具体的な描写があり、戦時中の暮らしを疑似体験することになった。そんな中で、大石先生の子どもたちへの愛情が、前向きな愛と希望として、読み手の心を揺さぶる。

    戦後の描写からは、ひときわ戦争への憎しみが感じられる。

    「いっさいの...続きを読む