昭和初期の日本各地に沢山あった心の物語と言って良いだろう。
女学校卒の新米女(おなご)先生と12人の小学生との仲睦まじい学校生活にホッコリしながらも、当時の庶民の生活や雲行きが怪しくなる世相が描かれている。
戦争が拡大するにつれて瀬戸内の小さな村にも、その影響が浸透してくる。
貧困、徴兵、赤狩り、食
...続きを読む料不足が当時の日本の隅々までやってきて、悲しみが充満していた様子を大石先生の目線でつぶさに描かれている。
夫も教え子の男の子も戦争に送り出す女性の悲しみはいかばかりだろう。
後半は涙無しには読み進められなかった…
この時代を生きた人々の子孫たる私達が読みついで行きたい作品だった
作中の小豆島弁が物語を一層色濃くした