感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2023年10月11日
当たり前の日々の暮らしを奪い、あたかもそれが当たり前かのように錯覚させてしまう戦争の怖さ。
素直で純粋な心を持った子どもたちの瞳はいつまでも輝くものであって欲しいし、子どもたちの未来を狭め奪う戦争は、世界中のどこであっても絶対にあってはならないものだと改めて感じさせられました。
何もかも変わってし...続きを読むまった中での最後のシーンは、まだ戦争前の大石先生と子どもたちの場面を思い起こさせ、涙が止まりませんでした。
Posted by ブクログ 2023年08月11日
小豆島に旅行することを決めたことからこの本を手に取りました。
戦前・戦後の描き方の根底に流れる愛情のようなものがはじめから最後まで読者の心をあたたかくしてくれました。
解説を読んでこの本の良さを再認識できました。
Posted by ブクログ 2023年06月18日
小学生の時に何度も読んだ本。
自分が母親になるとまた昔とは違った感想ももつ。
生きる大切さ、そして生命の大切さ、戦争の悲惨さを教えられる本。
・一年生の子が弟や妹の子守りをするとは
今の大人でさえ育児は大変なのに、本当に本当に大変だと思う。
・環境の力を感じさせられる。
生まれた時代、場...続きを読む所、家によってこんなに運命が変わってしまうとは。
Posted by ブクログ 2023年06月04日
読んでよかった…そう思える本でした。
なんだろうね、いつの時代にも優しい人はいる。
そして貧困だろうがなんだろうが、
子供を純粋な目で見てくれる大人がいる。
それが小石先生。
だけれども子供のとんだいたずらにより
ひっどい目に遭っちゃうけれどもね。
それでも彼女は教え子たちを案じてくれていました。...続きを読む
最後に込められた戦争を批判する言葉…
実は大石先生は娘さんを亡くしているのです。
歴史にifはないよ、もしそうでなければ
あんな行動なんかとらなかっただろうに!!
Posted by ブクログ 2022年08月08日
祖母が小豆島出身と知り、手に取りました
戦地へ向かう生徒、経済的事情で“男として生まれたかった”と呟く生徒…
私の祖母やその家族も似たような経験をしたのかな…そう思うと、戦争体験は血筋を伝い、受け継がれている様にも思いました
Posted by ブクログ 2017年11月05日
昔、読んだことあったような・・・と思っていたけど、多分途中までしか読んでなかったのかな。12人の子どもたち、自転車、洋服のハイカラな先生、というところまでは知っていたんだけど。こんなにつらく悲しい話だったなんて。戦争は、あんな田舎の小さな村まで不幸にしてしまう。先生も、子どもたちも、不幸すぎて最後ど...続きを読むうやって終わるのか、と思ったけど、解説にもあった「壷井栄の、明るさとえくぼ」で、キラキラ明るく終わった気がする。
Posted by ブクログ 2017年07月08日
初めて読んだ。昭和初期の海辺の寒村の子供たちと女教員の物語。ほのぼのと描写される、日々の暮らしの中に貧困と戦争が影を落とすが、夢中に次はどうなるんだろう、と読んでいけた。
文体も読みやすく、とても優しい気持ちになれた。
Posted by ブクログ 2015年01月11日
昭和初期、師範学校を卒業して小豆島の分教場に赴任してきた大石先生と12人の教え子との愛情あふれる物語。(文庫裏表紙説明より)
読む前は先生と生徒の物語なのかな、と思っていたけどどちらかというと戦争のことを描きたかった作品なのかなと思いました。
大石先生にすごく感情移入してしまいました。赴任したての...続きを読む大石先生の苦労や戸惑いには私も思わず「あるある」と苦笑(笑)
子どもは生まれる家や時代を選べないんだなぁ、生まれた環境で、時代で、順応して生きていかなければならないというのは今も昔も変わらないことなのだなぁということを改めて感じました。それを、学校の先生や親含め周りの大人がしっかり理解して子どもたちを伸ばしていってあげないといけないんだなぁと思います。
あたたかくて、さびしい物語でした。
Posted by ブクログ 2014年10月08日
心温まる教師と生徒の当たり前のような日常と、戦争や貧困によって無残にもその日常を切り裂かれた子どもたちの苦悩が克明に描かれている。まっちゃんが弁当箱を肌見放さず持っていたと知った時は泣くかと思った。
Posted by ブクログ 2014年08月19日
瀬戸内海の小さな島を舞台にした、新米教師の大石先生と純朴な12人の子供たちとの交流を描いた牧歌的な作品。
……と思いきや、物語が進むにつれて反戦的な描写が濃くなっていく。
無邪気に軍国主義に染まっていく子供たちを一人歯がゆい思いで眺める大石先生の姿は、言いたいことも言えない戦時中の空気をありありと...続きを読む伝える。
反戦という重いテーマはあくまで控えめで、それがいっそう説得力を強くしていると思う。
映像的な表現の美しさもこの作品の魅力。
Posted by ブクログ 2014年02月08日
言わずと知れた不朽の名作。
実は未読でした。
読む前は「ヒューマニズムを前面に押し出した感動作」だとばかり思っていました。
それは短絡的な見方です。
面白いのです、笑えるのです。
主人公の大石先生は一本松のある本村から、赴任先である岬のある村の分教場に自転車で通っています。
往復16キロの道のり。
...続きを読むある日、嵐を含んだ風が頬をなぶり、大石先生は橋があればいいのにと空想します。
海に七色のそり橋がかかります。
45分も早く着いたものだから、
「さあたいへんです。わたしのすがたを見た村の人たちは、いそいでとけいの針を四十五分ほどすすめるし、子どもたちときたら、見るも気のどくなほどあわてふためいて、たべかけの朝食をのどにつめ、あとはろくにたべずに家をとびだしました」
「わたしが学校につくと、いまおきだしたばかりの男先生はおどろいて井戸ばたにかけつけ、手水をつかいはじめるし、年とったおくさんはおくさんで、ねまきも着かえるまがなく、しちりんをやけにあおぎながら、かた手でえりもとをあわせあわせ、きまりわるそうなていさいわらいをし、そっと目もとや口もとをこすりました。目のわるいおくさんは、朝おきるといつも目やにがたまっているのです……」
吹き出しました。
こういう思わず笑みを漏らしてしまう場面が随所にあるのですね。
物語は前半、主人公の大石先生が初めて受け持った小学校1年生12人との、おかしくも心温まる交流が描かれます。
でも、徐々に戦争と軍国主義が教室の中まで入ってきます。
やがて男子は兵隊にとられ、女子も身をやつします。
大石先生も、夫を戦争で失うなど翻弄されます。
戦後、大石先生の歓迎会に集まった教え子は7人。
12人のうち男子は3人が戦死、1人が失明(歓迎会には参加)、女子は1人が病死、1人は消息も知れない。
陰惨な話にしようと思えばいくらでもできるでしょう。
でも、読んでいて不必要に暗くならないのは、筆者の筆が明るいからです。
それだけに逆に泣けるんですよね。
文章は簡易平明、漢字はかなりひらがなに開かれていて、ちょっと読みにくいほど。
小学生でも読めるでしょう。
好戦的な発言が違和感なく受け入れられるどころか、喝采をもって迎えられる世の中です。
「今は平時ではなく戦時なのだ」と喝破するジャーナリストもいます。
そんな時代だからこそ、心静かに読みたい1冊です。
Posted by ブクログ 2013年07月05日
2013/07/02
岬の村に赴任した女教師と12人の同じ学年の子供たちの話
戦前と戦後のことがかかれ、戦時中の事は詳しくかかれていない
先生と子供たちの成長をおって物語がすすむので親しみやすい
文体が丁寧で読みやすい
Posted by ブクログ 2023年10月29日
ちょっとひらがな多くて読みにくかった。
でもだからこそ味があった。
戦争、貧困、格差、どうにもならない人生。
暗く重い題材のはずなのに、何だか優しい小説だった。
壷井栄さんって女性やったんや。
1番印象的だったのはそこ。
Posted by ブクログ 2022年01月03日
何十年ぶりかに読んでみた。落とし穴に落ちた大石先生のくだりが記憶に残っていたが、全体を流れるのは反戦の悲しい話だった。もうこんな話が理解されない時代になっているのか・・・
Posted by ブクログ 2021年09月25日
はじめの方の穏やかで素朴な1年生の子どもたちが、章が進むに従って、それぞれの人生を歩んでいく。戦争が子どもや親、村に落とした大きな影を描いていた。
Posted by ブクログ 2016年08月11日
とても有名なタイトル。
不朽の名作と謳われていながら、未読でした。
時代は昭和初期。自立した芯のある女性と無垢な子どもたちの交流を描いた物語、だと思っていました。
物語が進むにつれ、忍び寄る戦争の影に、この時代の空気を感じました。貧しくとも明るい、いたずらや意地悪さえも振り返れば懐かしく思えるような...続きを読む毎日が、「戦争」というものによって失われていく。時代の理不尽さを前に、怒るでもなければ、叫ぶでもなく、大事な教え子を慈しむ眼差しに、なんだか泣きたくなりました。
教え子たちを戦争に取られてしまうのも切ないけれど、平和な時代を知らない自分の息子が、戦地に行きたい、名誉の戦死を誇らしいと思うのを目にするのは、どれだけ辛いことでしょうか。
自らの命を大事にするという当たり前の価値観さえ揺らがせる、戦争というものが怖くなります。むしろ、自分を、相手を大事にするという価値観を持ち続けていては、戦争はできないのでしょうね。
戦争は悲愴。それでいて、本書は暗くない。
あとがきには、「壺井さんの文学にはえくぼがあった」と書かれているけれど、本当にそのとおりで、こんな辛い時代においても、明るさを失わない、人の温かみのようなものがある。これが、戦争を糾弾するような物語であったなら、こんなにも長く人々の間で読み継がれることはなかったと思います。
戦争はよくない。
それはもちろんのことですが、そんな時代を逞しくも生き抜いてきた私たちの祖先に想いを馳せることができる、そんな1冊でした。
Posted by ブクログ 2015年08月08日
子どもの頃に何度も読んだ本です。
あらすじは何となく覚えてはいますが、大人になって読んで、ひたむきな子ども達の姿に涙しました。
今だから分かる事もいろいろあります。
この物語は、静かな反戦の小説ともいえるように思います。
夏になると、なんとなく読みたくなる1冊です。
Posted by ブクログ 2014年06月22日
小豆島旅行の前に読んだ。有名な作品だけどいつ読んだのか、そもそも読んだことあるのか、そんな感じだったので今回改めて読んで新鮮だったしおもしろかった。単に教師と生徒のこころあたたまる物語、と思ってたら20年にわたる物語だし、戦争や貧困が暗い影を落とすし、でも出てくる人々の素朴さ、優しさが印象的だった。
Posted by ブクログ 2013年09月05日
書棚の奥に眠っていたのを引っ張り出した。
戦争が庶民の生活にどんな影響を及ぼしていたのかが、庶民の目線で明らかになる。特に、子供に与える影響は大である。内田樹が『疲れすぎて眠れぬ夜のために』で個性について述べていた内容を思い出した。おそらくこのことだ。
Posted by ブクログ 2013年06月26日
よく耳にするタイトルではあったのですが、読んだことがなかったので読んでみました。
物語は戦前、戦中、戦後にかけての激動の時代に巻き込まれていく一教師と生徒の在り方を描いたもの。当初何の予備知識もない私は単に教師の話かと思ってましたが、もっと深い背景がある本でした。
当然、暗に戦争の批判が根底...続きを読むに流れているのですが、直接的なものではなく、戦争に巻き込まれていくことを描き、それを持って戦争というものを考えさせられます。ただ、描き方が非常にあたたかく、おだやかな感じがします。
確かに名作と思いました。
Posted by ブクログ 2023年05月21日
子どもたちがみずみずしく、あどけなく、尊く悲しい気持ちになった。戦況悪化の一方、彼らは成長を続ける。戦争や不況によって、それぞれの苦難があり、格差が生まれ、人生が枝分かれしていく。
豊かな時代を知っていた先生と、生まれた頃から戦時中だった子とのやりとりが印象的だった。結局は社会の流れや、大きな力...続きを読むによって、私たちの考えや感情さえもコントロールされてしまうのかなと思った。
自分がどういう時代の中に生きているのか、考えてみようという気になった。
Posted by ブクログ 2023年02月25日
今更ながら、改めてこの有名な作品を読みました。
貧しさゆえに苦しみ、小さいなりに必死でその状況を受け入れて生きていた子ども達。時代は変わっても子ども達は精一杯、様々なことと戦っていることは変わらないな、と思います。幼いゆえに比較も非難もせず、必死に生きている。令和を生きる子どもたちも、そうなんです...続きを読むよね。
ひたひたと押し寄せる言論統制に苦しむ、心ある先生。軍国少年として育った息子の心‥などなど、名作だけに、歳を重ねてから読むと、本当に読み応えがありました。
Posted by ブクログ 2022年07月12日
プロレタリア文学の反戦小説だそうだが珍しく難なく読み終わる。
反戦がテーマとは言え田舎へ赴任した女先生を取り巻く一個の物語として完結してるからかな、やたら大局的な見方をすることないところも好印象
週末の同窓会のシーン。写真に写ってるみんなの配置は覚えてるよと失明した教え子が自慢するところ。徐々にず...続きを読むれていくところ。それを伝えない優しさ。泣きそうになった。
Posted by ブクログ 2017年11月15日
時代は戦前から戦後貧しい頃。主人公である教師が小さな村に赴任してから、40歳を越えてから再び教職に就くまでの話を描いたもの。文体自体はあまり難しくなくすらすら読めるのに、いろんなことに心打たれたり強い気持ちを感じたり、盛りだくさんな印象を受けた。
戦前から戦後間もない貧しい時代での出来事を書いている...続きを読むからか、登場人物の生きなければならないという強い気持ちと苦しさと日常の小さな出来事に対する喜びなどがぎゅっと詰まっている。
主人公である先生はよく涙を流す。しかし、話によってその涙の意味は違う。はじめはわかってもらえない周りの大人への悔し涙。家の事情で、学校に通うこともできなくなったりした子供たちに対する先生のかわいそうという同情心を超えたもっと強い思いから出る涙。子供も産み、家族や教え子を失うことへの悲しみや憤り。そして、再び岬へ戻ってきたときのかつての教え子の面影への懐かしさと変化、それでも生きている姿を見た時の涙。個人的に一番心打たれたのは最初の、そういうつもりじゃないのにわかってもらえなかったときの涙(他はただ圧倒された)。いつの時代も、そういうことは頻繁にあるんだな(皆経験してることなのに、どうして自分も他の人にそう当たるのであろうか。不思議だ)。
これを読んでも主人公が特別芯が強いとは思えない(弱いわけでもないが)。村の人に勘違いにより冷たくされれば涙を見せるし、家に帰れば母親に愚痴を言う(しかし唯一の味方になりえる存在の母も、共感してくれずそれどころか反論さえする)。夏休みも明けて今日から授業となると憂鬱になる。戦時中の貧しさは別にして、現代社会で生きる女性は多くがこのような感じではないだろうか。時代背景は違えど、下手な恋愛小説や感動ものの話なんかよりも個人的にはこの話のほうが共感できると感じた。
Posted by ブクログ 2015年11月23日
児童書のような平易な文体なのでだれでも読めそう。すごいね。
個人的にはもっとこっちのテンションを落としにきてくれても良かったと思う。でもそれをしちゃってたら現代まで残るほどは売れてなかっただろう。
Posted by ブクログ 2015年04月26日
有名な作品だが、初めて手に取った。
平仮名や方言が多く、始めはなかなか文章が頭に入ってこなかった。
先生と生徒の学校生活の物語だと思いこんで読み進めていたので、何故この先生が人気者になるのか?と疑問だった。
しかし私の視点が違った。
この本はそのような本ではないと気づいてから、読書のスピードが...続きを読む上がった。
後半は一気に読み進めてしまった。
Posted by ブクログ 2014年05月07日
壺井栄の文学には、えくぼがある。
解説に書いてあったその表現が、とてもしっくりきた。
小学生だった頃にはみな同じくキラキラ輝いていた二十四の瞳。時代や、家の経済的状況、いろいろなものに翻弄され、いつのまにかできているヒエラルキー。納得いかないことや、悲しい出来事もある中で、その中でもえくぼがある...続きを読むことでほっとできる。人生その眼差しが大切なんだと思う。
えくぼは、狙って作るわけでなくて、自然にできるところがいい。壺井さんは凛とした、すてきな女性なんだな。
女性が自分の意志で職業をもてる自由があること、自分のやりたいことを思うとおりにできることを、改めてありがたいと思ったのと、教師という職業を改めて素敵な職業だと思った。
舞台である小豆島で読めてよかった。
Posted by ブクログ 2013年09月08日
「二十四の瞳」壺井栄
戦争学童文学。湊鼠。
@電子書籍 68 冊目。
先日祖母に、ほとんど聞いたことのない戦争の話を聞きました。
当時20歳で東京大空襲で焼き出され、人の助けと手に付いた職業(床屋)で何とかやってきたこと。
当たり前ですが、今生きている私達は戦争を生き残った人々の子供達なんですね。...続きを読む
それ以上でもそれ以下でもないですが、、戦争の話ってのは、戦争の体験者からしか聞くことは出来ない。
二十四の瞳は瀬戸内の小島の寒村を舞台に、戦前戦後にわたる18年間を、新任教師と教え子たちの人生から描いた作品。
「ひたひたと滲む悲壮感」「戦争の灰色の影」「生き残った先生と女の子達、死んでいった男の子達」
確かに、映画を見るような文学です。
小豆島旅行の合間に電子書籍で読みました。良きかな。(3)
Posted by ブクログ 2013年08月18日
片田舎の分校での、担任教師と十二人の生徒の物語。
読む前は一年間とかの話かと思ってたけど、戦時中、戦後と話の流れが壮大で、担任教師の人生を一緒に体験していった気持ちになった。
けがで休職したり、必ずしも順調ではなかったけれど、生徒たちと心ではつながっている。
でも、生徒も、いろんな道に進んだ人がいて...続きを読む。
じんわりとあたたかい気持ちになる物語でした。