壺井栄のレビュー一覧

  • 二十四の瞳

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    とても有名なタイトル。
    不朽の名作と謳われていながら、未読でした。
    時代は昭和初期。自立した芯のある女性と無垢な子どもたちの交流を描いた物語、だと思っていました。
    物語が進むにつれ、忍び寄る戦争の影に、この時代の空気を感じました。貧しくとも明るい、いたずらや意地悪さえも振り返れば懐かしく思えるような毎日が、「戦争」というものによって失われていく。時代の理不尽さを前に、怒るでもなければ、叫ぶでもなく、大事な教え子を慈しむ眼差しに、なんだか泣きたくなりました。

    教え子たちを戦争に取られてしまうのも切ないけれど、平和な時代を知らない自分の息子が、戦地に行きたい、名誉の戦死を誇らしいと思うのを目にす

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    2016年08月11日
  • 二十四の瞳

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    子どもの頃に何度も読んだ本です。
    あらすじは何となく覚えてはいますが、大人になって読んで、ひたむきな子ども達の姿に涙しました。
    今だから分かる事もいろいろあります。
    この物語は、静かな反戦の小説ともいえるように思います。
    夏になると、なんとなく読みたくなる1冊です。

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    2015年08月08日
  • 母のない子と子のない母と(小学館文庫)

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    戦争は家族というコミュニティの根幹すらも変えてしまった。それを教えてくれた作品。旦那と子供が戦死して一人未亡人となった「おとら小母さん」。戦争で父親を亡くし、病気で母親を亡くした遺児たち。そうした「母のない子と子のない母」は、全国に五万といたことだろう。小豆島を舞台に展開される人情あふれる情景に、子供目線と大人目線の双方から、悲しくも生きていかなければならない事実への向き合い方を考えさせてくれる。

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    2014年09月28日
  • 二十四の瞳

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    小豆島旅行の前に読んだ。有名な作品だけどいつ読んだのか、そもそも読んだことあるのか、そんな感じだったので今回改めて読んで新鮮だったしおもしろかった。単に教師と生徒のこころあたたまる物語、と思ってたら20年にわたる物語だし、戦争や貧困が暗い影を落とすし、でも出てくる人々の素朴さ、優しさが印象的だった。

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    2014年06月22日
  • 二十四の瞳

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    戦中を生きたおなご先生と教え子たちの小豆島でのお話。
    マッちゃんの百合柄のお弁当箱の話に、胸がぎゅーっときた。

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    2014年04月25日
  • 二十四の瞳

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     瀬戸内海に浮かぶ小豆島を舞台にした先生と教え子の物語。映画化もされ、ロケ地は観光名所にもなっている。
     日本が日中戦争・太平洋戦争に突入し、時世に抗うことができず翻弄されながらも教え子のことを思い続ける先生の直向きさが印象的。軍国主義下の教育に絶望を感じ、一旦は教職を退くものの、再び教壇に立った時はかつての教え子は親になっていたものあり、亡くなっていたものあり、先生はそれぞれの境遇に涙する。
     人と人の繋がりが薄くなってきた現代だからこそ味わえる人と人との触れ合いの物語。

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    2024年12月04日
  • 二十四の瞳

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    通勤中に読みましたが通勤中に読むにはハードな内容でした。
    治安維持法という言葉は教科書で学んだだけですが、これ誰も幸せにならないやつでそれを制定した人ですら内心嫌だなとか戦争やめて家族と幸せに暮らしていきたいと思っていたんじゃないかなあと考えさせられました。
    家族が戦死した方が喜ばしいだなんて戦時中の考え方は狂ってるなー。
    生徒のキャラクターが多くてどの人がどんなキャラなのかイマイチ把握しきれず。

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    2024年10月07日
  • 二十四の瞳

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    小学生も先生の絆は強いと思う。いつになっても先生の一言をずっと思い出す。
    戦争に行くことに迷いや抵抗のない男子生徒が悲しく、先生の気持ちになってしまった。戦争は知らないけれど。
    子供達の名前と特徴を覚え切らないまま進めてしまったので感動が薄かったかも。

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    2024年05月14日
  • 二十四の瞳

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    ネタバレ

    「不朽の名作」と裏表紙に記されているが、この小説は文学的価値が高いというよりは戦前から戦後に至るまでの当時の日本の生活や雰囲気、人々の思想などがリアルに描かれた歴史的資料としての価値が高い作品だと感じた。
    私は、新人教師とその子ども達との心の触れ合いというのが主として書かれた作品だと思ってこの本を読み始めたため、主人公の新人教師である大石先生が作中、怪我や出産で教壇から離れる期間があること、授業を行っている場面がかなり少ないことなどから、「思っていたのと違った……」というのが正直な感想だった。
    話が面白いか、登場人物の造形が素晴らしいか、文章そのものは優れているか、といった点では首を傾げてしま

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    2023年10月17日
  • 二十四の瞳

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    子どもたちがみずみずしく、あどけなく、尊く悲しい気持ちになった。戦況悪化の一方、彼らは成長を続ける。戦争や不況によって、それぞれの苦難があり、格差が生まれ、人生が枝分かれしていく。


    豊かな時代を知っていた先生と、生まれた頃から戦時中だった子とのやりとりが印象的だった。結局は社会の流れや、大きな力によって、私たちの考えや感情さえもコントロールされてしまうのかなと思った。


    自分がどういう時代の中に生きているのか、考えてみようという気になった。

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    2023年05月21日
  • 母のない子と子のない母と(小学館文庫)

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    ネタバレ

    獅子雄と名付けた子ども、夫を亡くした「おとらおばさん」。
    母親を亡くした「チロちゃん」。
    話の大筋は、おとらおばさんがチロちゃんを預かり、育てる、そんな中、チロちゃんのお父さんが復員してくる。
    戦争でひどい目を見たもの同士、よりあつまって暮らすのも良かろう、と一緒に暮らす、そんな話。

    おとらおばさんの、こどもに対する優しく厳しい眼差し。
    みんなでこどもを育てていく、そんな時代の話は懐かしい気持ちになる。

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    2023年03月27日
  • 二十四の瞳

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    今更ながら、改めてこの有名な作品を読みました。
     貧しさゆえに苦しみ、小さいなりに必死でその状況を受け入れて生きていた子ども達。時代は変わっても子ども達は精一杯、様々なことと戦っていることは変わらないな、と思います。幼いゆえに比較も非難もせず、必死に生きている。令和を生きる子どもたちも、そうなんですよね。
     ひたひたと押し寄せる言論統制に苦しむ、心ある先生。軍国少年として育った息子の心‥などなど、名作だけに、歳を重ねてから読むと、本当に読み応えがありました。

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    2023年02月25日
  • 二十四の瞳

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    昔の作品で表現がわかりづらく、内容が捉えづらいところがあった。でも、スラスラ読めた。
    舞台は香川県の小豆島。主人公の先生の教え子で、戦争で亡くなった子もいた。現代は色んなものが豊かになった。幸せな時代だ。この作品で、現代がいかに恵まれた時代か思い知らされる。
    先生の娘が、食べるものがなく、我慢できず青い柿を食べてしまう。結果、腸の病気で亡くなった場面は本当に悲しかったな。

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    2022年10月03日
  • 二十四の瞳

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    ネタバレ

    プロレタリア文学の反戦小説だそうだが珍しく難なく読み終わる。
    反戦がテーマとは言え田舎へ赴任した女先生を取り巻く一個の物語として完結してるからかな、やたら大局的な見方をすることないところも好印象

    週末の同窓会のシーン。写真に写ってるみんなの配置は覚えてるよと失明した教え子が自慢するところ。徐々にずれていくところ。それを伝えない優しさ。泣きそうになった。

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    2022年07月12日
  • 母のない子と子のない母と(小学館文庫)

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    とても読みやすい本でした。戦争の時の話なので、難しいかもと意気込んでましたが、夏の暑い日に、ちょうど良く風に当たったようなさわやかな気持ちになりました

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    2019年06月04日
  • 二十四の瞳

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    時代は戦前から戦後貧しい頃。主人公である教師が小さな村に赴任してから、40歳を越えてから再び教職に就くまでの話を描いたもの。文体自体はあまり難しくなくすらすら読めるのに、いろんなことに心打たれたり強い気持ちを感じたり、盛りだくさんな印象を受けた。
    戦前から戦後間もない貧しい時代での出来事を書いているからか、登場人物の生きなければならないという強い気持ちと苦しさと日常の小さな出来事に対する喜びなどがぎゅっと詰まっている。
    主人公である先生はよく涙を流す。しかし、話によってその涙の意味は違う。はじめはわかってもらえない周りの大人への悔し涙。家の事情で、学校に通うこともできなくなったりした子供たちに

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    2017年11月15日
  • 二十四の瞳

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    昭和のはじめ、瀬戸内海べりの一寒村の小学校に赴任したばかりの大石先生と、個性豊かな12人の教え子たちによる、人情味あふれる物語。分教場でのふれあいを通じて絆を深めていった新米教師と子どもたちだったが、戦争の渦に巻き込まれながら、彼らの運命は大きく変えられてしまう…。戦争がもたらす不幸と悲劇、そして貧しい者がいつも虐げられることに対する厳しい怒りを訴えた不朽の名作。

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    2017年09月07日
  • 二十四の瞳

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    舞台は昔の日本だが、今とは似ても似つかない社会がそこにはあった。
    家長制度や治安維持法なんかの描写が、さりげなく書かれているだけだが、とてもリアル。
    短い小説ですが、ひとりの女性の人生を共に歩んだような感覚になります。

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    2016年11月11日
  • 二十四の瞳

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    思ったより読みやすかった。戦時から戦後にかけて、大石先生の視点から描かれている。
    2016/10/5

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    2016年10月05日
  • 二十四の瞳

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    児童書のような平易な文体なのでだれでも読めそう。すごいね。
    個人的にはもっとこっちのテンションを落としにきてくれても良かったと思う。でもそれをしちゃってたら現代まで残るほどは売れてなかっただろう。

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    2015年11月23日