竹村猛のレビュー一覧
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モンテ・クリスト伯は「岩窟王」という書名でもその名を広く知られている。岩波少年文庫で読んだので、本来よりコンパクトにまとまっているが、それでもモンテ・クリスト伯の魅力は十分に把握することができる。今までで一番面白い本に出会ってしまったかもしれない。上・中・下巻とあるが、下巻では泣き通しだった。エドモン・ダンテスは友人らにはめられ、婚約披露宴中に逮捕され、14年間の牢獄生活となる。出獄した彼はモンテ・クリスト伯という名で社交界に進出し、次々と友人らに復讐していく。
14年間の牢獄生活の間に、婚約者は自分をはめた友人と結婚。父は飢え死に。復讐するには十分な理由があった。そして、牢獄での老神父との出会いが彼の復讐を実行可能なものにした。物理的にも精神的にもである。
ページをめくる手が止まらない。
とにかく、面白い!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ2004年頃、巷では「岩窟王」やモンテ・クリスト伯」が大人気でした。
ある俳優さんが舞台でやれば見に行った友人がいましたし
アニメ化されて話題になっているというではありませんか!
そして他方向からは、職場の本好きな人が「改めて読むとすごく面白いのよ」と熱烈支持!
これは読まなくてはならないのか!と思いようやく読み始めたのが今月(笑)
子どもの頃にさんざん読んだり、見たりしているから今更感があったのだけど
職場の人の勧めにより、岩波ジュニアにしてみた。(文庫は長いし字が細かいから)
面白い!ザッツエンタテイメント!デュマはもちろん「三銃士」を愛好しているし、どんな作家か
わかっていましたが、こんなに面白い作品だなんて!
エドモンド・ダンテスの前半の悪夢・地獄のような境遇にひたすらハマり、
復讐のノロシがあがってからはスリルと達成感。
ダンテスの復讐相手の子ども世代の人間模様の行方も気になる。
アルベールとメルセデスの人物造詣もよかった。この2人がいて救いになる。
モレルさんとヴァランチーヌも。悪党ばっかりじゃ心も疲弊します。
これなら文庫読んだら良かったか!?
ダンテスも冷徹に復讐を遂行しながらも、罪のない小さい子どもの命が奪われたと知ると
その信念が揺らぎます。そこがまたいいんです。そうであって欲しい。
(でもその子が死んだのはダンテスのせいでないと思う。
我が子可愛さゆえにトチ狂った母親のせいだと思う。そういえば、この母親がおかしくなるのも
元はといえば、先妻の娘だけが、両祖父母から潤沢な財産をもらえるのに、自分の息子には
少しの財産しか行かないことを苦に思ったのが原因。せめて血の繋がった祖父の方が
平等に財産を上げていれば防げたかも。可愛がり過ぎるということの結果の一つかも)
罪をおかしたものが、その報いを受けること。
人間誰しもが罪を犯すことがなければ、そんな事を考える必要もないけど
世の中には本当にひどい人が恐ろしい事件を起こしている。
だから、そういう事でもなければやってられませんよ。
罪を犯して、すぐにバレて警察に捕まって、刑に服すなんてわかりやすいですが
悪いことしてもバレずにのうのうと暮らしている人もいる。
この話しのようにいつか復讐劇が始まるかもしれない、と思ったりすると少し嬉しい。
副業的な話しでいくと、この世で成功してる人、運のいい人っていうのは
「前世で善き行いをした人」「先祖が余徳を積んだ人」という。
私は前世とか来世とかの自分より今の自分をなんとかして欲しいとか思ってしまうのですが
それでも、時々「先祖の徳」とか「因縁」ってあるのかもな~思うことに出くわす。(前世とかは流石にわからん)
恐ろしいから具体的なことは話せないけど、自分の子どもたちに幸せになってもらいたかったら
自分の子どもだけよい目をみさせようななんて思わないことですよ。
他人にも親切にする方が、幸せへは近道かもしれません。
自分の立場や権力を悪用して、人を哀しませるようなことをしない事ですよ。
そういう意味でいうと、地位や権力を持たないほうがそうなる確率が減っていいですよね。
話しがだんだんズレてきたけど、今更だけど「モンテ・クリスト伯」読み物としても楽しく。
いろいろと考えさせられる本でもあり、ホームランです。今度は文庫で。 -
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あー! スッキリ!人を亡き者とし、人を騙してのさばっていた輩たちが、「亡き者」だと思っていた者の仕業で、ペテン師同士ペテンに掛け合い、ついに自身を滅ぼしてしまった。まるで、「ちびくろサンボ」の虎たちがぐるぐる回ってお互いの尻尾を噛み合って溶けてしまったような感じ。
モンテ・クリスト伯は十四年間も土牢に閉じ込められ、忍耐力が付いていたので、 「復讐」は短絡的でなく、自分の手を血で汚さず、敵が自ら滅びるよう追い詰めた。
三種類くらいの人物に姿を変えながら敵にジワジワと近づき、ありえないようなスピードでありえないようなような工作をして人を助けて行く姿、そして謎めいた部分はまるでルパンのよう!
そして、最後は元の「船乗り」に戻って「姫」と共に水平線に消えて行ってしまった。
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ピリッと効いた戦略が名高いと噂の、ラクロ『危険な関係』
やっと読み終わった
長かった。。。
マルコヴィッチが出てる映画版が結構好きで何回か見たから流れは分かっていたけど、ああこうやってこうなってそういくのかと思った
バルモンもメルトゥイユも普通に暇人なんだよな
というか法院長夫人とかそのほかみんなも。
本当に18世紀のフランス貴族がこんなくだらないことにうつつ抜かしてたとしたなら、革命も待ったなしだわと思ってしまうくらいしょうもないことに時間かけてるこの人たち。
自分が何をしたわけでもなく、先祖の名前だけで多額の年金が入って働かずとも好き放題できたらこうなるのも致し方なしかしら?
メルトゥイユは自分が一番がいいんだよね、すごい性格悪いけどこういう人いる
嫉妬深くてでも自分は頭ひとつ抜きん出て賢いと思ってる
しょうもないことをして人を破滅させて楽しんでないで、自分の人生に集中して自分自身しっかりと舵取って生きたいですね
情けは人のためならず
この本で好きな言葉がありましたよ、引用でしたけど
“異国を見れば見ただけに、いっそう私はおのが祖国を愛したのだ”
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通常版は読みきれるか自信がなかったので、岩波少年文庫版を。
め、メチャメチャ面白い…!一気読みしてしまった。
ミステリ要素もあって、伏線を追うのも楽しい。
似た名前が多いので冒頭の「おもな登場人物」と行き来しながらだったけど、そこにかなりのネタバレが…なのに、文中でも律儀に驚いてしまう。
終盤、復讐相手にモンテ・クリスト伯爵が正体を明かすシーンでは、つい頭の中で笑ゥせぇるすまんが「ドーン!」をやってしまう。
本作がもちろん面白いのだけど、それにしても少ししか読めてないけど岩波少年文庫はどれも面白いなあ。
昔は青い鳥文庫を手に取っていたので、勿体なかったかもしれない… -
Posted by ブクログ
ネタバレモンテ・クリスト伯はメルセデスに生きているか死んでいるかも分からん男のために一生涯禊を立てろとでもいうのか……
確かにフェルナンの手を取ったことは納得できないまでもそれでもモルセール夫人ではなくメルセデスとして絵を描かせたり正体を見破ったりと、生きるためにフェルナンの手を取っただけで心の中にはエドモン・ダンテスがいることは分かるのに、そんな健気なメルセデスに対して許す許さないだの言ってるのはとても傲慢だなと感じてしまう。
エデが伯爵を愛しているのは一種のグルーミングだと思うのだけど、伯爵は父として愛していた筈なのに最後にエデを恋人として愛することについての伯爵の心の変化の描写が少くて少しモヤりもした。
古典で男性が作者であれば、恋愛描写や女性像はこうなるのはまぁ妥当ではある。
復讐劇に関しては最後に伯爵が復讐相手に対して慈悲を掛け、一人の人間として生きていく形で締められるのがよかった。 -
Posted by ブクログ
18世紀の仏文学。軍人!だったラクロの作品。300年前、人間の筆力や言語能力は今以上だったか。金や物的欲望にまみれた話ではないからこそ、かえって、精神的欲望と人間の性に底知れない闇を見る思いがする。
人間とはなんと優れて、そして愚かしいことか。200年前には、同じフランスで、彗星のようにガロアが現れた。ガロアと群論の出現は、奇跡だろう。(私は数学が大好きなのだ。)
いくら知性が進んでも、人間の情念は何百年前と変わらないということだ。自らを振り返り、身を弁え、分相応であるべきとはよく言ったものだが、愚かさがわかっていない人間が力を得て、あたかも偉人のように見なされる現代に行き着いたのは不思議でならない。
結局のところ、内省を含めて感情教育が実を結ばなかったということか?ラクロが現代を見たら、アンタ達は何のために生きてきたのか、生きているのかときっと問うだろうなぁ。答えられないね。 -
Posted by ブクログ
" アンドレアはとぶようにして部屋へはいると、カドルスの手紙に火をつけて燃やし、灰のあとまで消してしまった。" P.76
"「いやだ」とカドルスはいった。「いやだ。神さまなんていやしない、摂理なんてありゃしない、ただ偶然があるだけなんだ」" P.105
読中、ちょっとぐぐったりすると「モンテ・クリスト伯はラノベ」だとか「モンテ・クリスト伯はなろう」とかヒットしたりする。
この作品に限らず、他の文学作品にもそう思うことはある。「名作、古典、文学」というラベルは、「ラノベ、なろう」などのラベルと競合しないということに気付かされる。『はつ恋』なんて、タイトルの少女漫画感とは裏腹に、すげえNTRだしな!
エドモン・ダンテスはダーク・ヒーローであるし、傷のある男でもある。人気が出ないわけがない。「眼光鋭く覆いかぶさるように威圧する影」という描写は多くの漫画作品にもさり気なく登場するが、原点はモンテ・クリスト伯にあったりするのかなと思ったり思わなかったり。
当時の読者はおそらく、現代において週刊少年誌の連載に熱狂するかのごとくこの作品に熱狂したのだろう。
そもそもいい年になっていまさら未読の名作作品を読んでみようと思った理由はFGOで、なんでエドモン・ダンテスが主人公たるプレイヤーキャラクターを共犯者あつかいしてんの?という疑問から発した。
わかるような分からんような。明示的な理由は見いだせなかったし、暗示的なものは一読では抜き出しできない程度におぼろげだ。「待つこと希望を失わないこと」の一言に由来するのかもしれない。
最新の幕間では主人公のトラウマあるいは罪悪感を、主人公のあずかり知らぬところで忘却させているというというような描写もあった。原典たるモンテ・クリスト伯は暗躍はすれど、そんな働きを見せたことはない。換骨奪胎のたぐいであろうが、さて。