木村敏のレビュー一覧

  • 異常の構造

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    「異常の構造」がこの1冊でわかるというよりも、なぜ「異常」がまったく理解され難いものなのかということに主眼を置き、複数の事例の徹底的な観察を通して、いかに「異常」の発生するシステムが複雑であるか、いかに「異常」を「正常」に戻すことが不可能極まりないことであるかを著している。非常に難しくはあるが、それなりに読み進めていくことはできる。終盤の哲学的思索が難解で咀嚼しきれなかった部分もあるので、必ず再読したい。

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    2026年01月05日
  • 異常の構造

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    正常と異常を、優位と劣等、マジョリティ/マイノリティや、コミュニティにおける価値観のありかたから捉え直してるのがすごくいいし、何も結論づけていないところもとてもいい。正気の人間が街にあふれている異常。正解や正義や正常はただのまやかしなんだよ

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    2025年06月15日
  • 時間と自己

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    難しい本でしたが、過去に精神疾患を経験した者としても、当時の自分や周りで悩んでいる人と照らし合わせて、多くの気づきが得られました。
    文明の進化により時間を理解する概念が遷移していった過程は、身につまされるような感覚を覚えました。

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    2025年01月13日
  • 時間と自己

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    使われている精神医学の用語や内容は、本書が書かれた1982年当時のものであることを前提として読む必要がある。それでもなお、思弁的のみならず、臨床的にも示唆に富む本だと感じた。臨床場面で患者さんと接しているときに、自分自身の時間感覚も同調しているように感じることは多く、一日の臨床のなかで、時間の流れは一定ではない。患者さんのためにも、医療従事者が己を知り守るためにも、ここに書かれているような内容を知っておくことは有益だと思う。

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    2024年01月23日
  • 異常の構造

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    素晴らしいの一言。
    遅読気味な自分が一気に読み終わってしまった。
    古い印象を受ける部分が少なからずあるが、それを補って余りある内容でした。

    常識とは何なのか。
    異常か正常かは何で決まるのか。
    正常者の思う世界だけが本当の世界であるとは限らない。

    著者があとがきに書いている内容は精神科のお医者さんとしての誠意を込めた素直な考えなのだと思う。

    木村さんの精神病理学の世界観に触れたい方は是非読んでみて下さい。
    常識を解きほぐして見たい方にもオススメ。

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    2023年03月16日
  • 時間と自己

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    分裂症やうつ病などの症状を、時間と自身の在り方から捉えてみることができるという考え方をこの本で初めて知った。

    本書の中で、"もの"と"こと"は区別され、本質的な"こと"について考えようと思うことで、"もの"となってしまうため、健常な状態では"もの"と"こと"を区別することはできない。ということと、「言葉」の「言(こと)の葉」という成り立ちをみるに、言葉は"こと"の一側面しか表現しえないということころが、特に印象に残っている。

    うつ病者は自己同一性と役割

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    2022年01月09日
  • 時間と自己

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    ネタバレ

    非常に面白かったし、こんなに豊かなものを人は書けるのだなということに感動して、充実した読書時間になった。
    ペンを持っていることは、ペンなしでそのことを感じることができないというように、「もの」なしで「こと」は成立し得ないということを前提として、精神病者の時間がどのように成り立っているのかを論じている。それは健常者とは別のもののよううに私たちは考えるのだが(もちろん実際そうとも言えるのだが)、精神病者/健常者として最初から区別できるような絶対的な特徴はない。誰にでも時間の変容が起こりうるし、身近にある問題である。その意味で、この本は誰に対しても開かれているものであるし、また時間や自分自身について

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    2021年08月12日
  • 時間と自己

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    時間を見るときは、時間そのものではなく、いつまでに何分たったまでの、時間のあり方を見ている。
    すべてのものは何らかのこと的なあり方をしている。
    存在者の存在と、あるということそれ自体には根本的な違いがある。
    自己の自己性とは、自己自身による自己認知なのである。
    主語的自己と、述語的な私。

    鬱→メランコリー型→真面目な人に多い。
    →インクルデンツ(秩序の中に自分を閉じ込める)、レマネンツ(負い目を負う)
    →所有の喪失
    役割同一制

    癲癇→アウラ体験:主観的で絶頂的な発作。現在が永遠に思える。
    →現在が永続的かつ、それだけで満たされている状態。

    アフリカ→時間の感覚:ササとザマ二のみ
    ササ→生

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    2021年02月12日
  • 時間と自己

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    最高の出来。まさに天才的。時間論をここまで縦断的に、かつ切れ味よく語れたものとは思わなかった。あまり知られていない名著の一つ。

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    2013年11月13日
  • 時間と自己

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    自己とは時間であり、時間とは自己である。私がいまいるということ。
    未来への希求と恐れによる統合失調症、既成過去の役割期待に縛られた鬱病、そして癲癇と躁病の祝祭的な現在。
    こんなふうに乱暴にまとめてしまうことからさて勉強の始まりである。

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    2012年09月24日
  • 時間と自己

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    「もの」としての時間と、「こと」としての時間。

    われわれは「もの」として意識することでしか、すなわち「もの」化することでしか、「こと」を意識できないのであって、それは時間についても同じである。
    カレンダーや時計などの計量される時間が、まさにその代表。

    しかし、「もの」としてしか意識できないとしても、「こと」としてある「いま」。
    この「いま」について、木村敏は次のようにいっている。

    「いまは、未来と過去、いまからといままでとをそれ自身から分泌するような、未来と過去とのあいだなのである」(傍点略)

    われわれが未来あるいは過去についてなにかしらを語るとき、われわれはあたかも未来または過去なる

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    2012年04月02日
  • 時間と自己

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    ネタバレ

    もの と こと の関係において、時間を考えることができる。
    もの は、時間を考えなければ、そのまま同じ状態である。
    こと が起きると、時間とともに変化していく。

    自己についても、こと と 時間の関係で描写できるだろう。

    ps.
    野口 悠紀雄著 「続「超」整理法・時間編―タイム・マネジメントの新技法 」 の参考文献に本書が掲載されている。

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    2011年09月27日
  • 時間と自己

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    鬱病者と分裂病者の時間感覚について論じたもの。とてもわかりやすく読みやすい。「鬱病者にとって、自己を規定しているのは役割演技」であるという旨の記述はとても納得できる。

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    2011年02月22日
  • 時間と自己

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    こんなにワクワクする本、今まで読んだ事がありませんでした。
    この「時間と自己」から読書にハマりました。
    また近いうちに読みます。

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    2010年02月15日
  • 時間と自己

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     時間という現象と、私が私自身であるということは、厳密に一致する。自己や時間を「もの」ではなく「こと」として捉え、西洋的独我論を一気に超えた著者は、時間と個我の同時的誕生を跡付け、更に精神病理学的思索を通じて、普通は健全な均衡のもとに蔽われている時間の根源的諸様態を、狂気の中に見て取る。前夜祭的時間、あとの祭的時間、そして永遠の今に生きる祝祭的時間――「生の源泉としての大いなる死」がここに現前する。

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    2012年02月16日
  • 時間と自己

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    「こころの病に挑んだ知の巨人」 (ちくま新書)を読んで木村理論を知りたくなって購入したものの、私には難しかった。
    最後のあとがきの言葉が、気になって頭から離れない。どういう意味なのか?

    私たちは自分自身の人生を自分の手で生きていると思っている。しかし実のところは、私たちが自分の人生と思っているものは、だれかによって見られている夢ではないのだろうか。夢を見ている人が夢の中でときどきわれに返るように、私たちも人生の真只中で、ときとしてふとこの「だれか」に返ることができるのではないか。このような実感を抱いたことのある人は、おそらく私だけではないだろう。
    夜、異郷、祭、狂気、そういった非日常のときど

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    2024年07月19日
  • 時間と自己

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    「永遠のドストエフスキー」(中公新書)を読んで、精神疾患に時間感覚が関係することが分かった。積読本を整理中にパラ見をしたら、関連部分があるので読むことにした。
    「今」との関係が、精神疾患の現れ方を決める。時間と精神疾患について「こと」と「もの」を着眼点に展開される。
    「私」ということは、私にとって取扱注意(不自由)かと思った。

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    2024年05月03日
  • からだ・こころ・生命

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    現象学を医学の現場で、科学の視線を持って実践して著者が辿り着いた知の領域。
    適切な例を挙げて説明されている為、間主観性への理解が乏しくても話について行ける。

    整理された思考。
    整然とした論理展開。
    丁寧な説明。
    どれを取っても満点なのですが…

    自分の知識や思考力不足の為に分からないところがあるので⭐️一つ減^^;
    本のせいではありません。今後著者の本やヴァイツゼガーの著書を読んでまたチャレンジしたいです。

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    2023年09月10日
  • 時間と自己

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    冒頭の我々の周りの「もの」と「こと」の解釈から引き込まれた。
    そこから精神病への展開は難解で、一回読んだだけでは理解が追いつかないが、とても興味深い。
    そして最後のまた映画のマトリックス的な自身の他者性についても、共感できるところも。

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    2023年06月23日
  • 異常の構造

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    「常識」はセンスであって、そこには感情的側面がある。常識に反した他人の行動を目撃したときに感じるぞわぞわとした恐怖は、それが「異常」であることを伝えている。このような「常識」や「異常」は、人間の遺伝的な精神の働きを通して決まっていると考えられ、統計学的な逸脱によって定義されるものとは違う。

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    2023年03月02日