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Posted by ブクログ
木村敏さんの初期論文集で、古いもので1965年から、70年代にかけての論文が収められている。
第3章の一つめ、「精神分裂病症状の背後にあるもの」が一番古いが、これはさすがに、あまりにも西田幾多郎の影響が顕著すぎて露骨だが、後年の論文と読み合わせると、著者の思考がどんどん固有のものに結晶化してゆくのがわかる。
はじめ躁鬱病患者を診せられたが、離人症の研究で開眼、待ち望んでいた分裂病(統合失調症)の研究へと歩を進める。
精神病理学においても、現象学的アプローチはすでに古くさく見えていることだろう。時代はなんでもかんでも器質的な説明の方を要求しているから。
しかし統合失調症の分析をとおして、人間の本質を探究していく過程はやはり極めてスリリングであり、この初期論文集も感銘深いものであった。
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