紳士でイケメンで礼儀正しいジェントルマンのレイデ伯爵と貞淑で淑やか、申し分のない美貌の若き貴婦人、レイデ伯爵は社交界では誰からも羨まれるほどの最高のカップル。
だが、その理想的な夫婦像の裏には、とんでもない真相が隠されていて?
実は伯爵夫人は夢見る少女で、幼い頃から冒険や魔物に憧れていた好奇心溢れ
...続きを読むるお転婆な娘だった。夫にはその本性を隠していたのだ。そんなある日、彼女が町で暴漢に襲われそうになっていたところを助けたのは他ならぬ夫だった。
「てめぇ、俺の女に触るんじゃねぇっ」
口汚いセリフは到底、紳士の夫のものとは思えない。しかし、その瞬間、彼女の胸は熱くときめき、これまで夫に感じたことのない感情を感じたのだった―。
よくある「夫婦の恋物語り」の王道パターンです。
社交界でも理想のノーブルでセレブだと思われている夫婦が実は互いにとんでもない本性を持ち、それを隠していた。しかし、裏腹に、その本性が知れた時、初めて男女として互いを意識したという話。
途中までは引きこまれてグイグイと読んでいっていたのですが、「魔物」だとか、あまりに現実離れした話の展開になりかけて、正直、これはハズしたか?とガクッときうになりました。
しかし、また、元に戻って現実離れはせずに話か進んだので、ホッとしました。
何より、ヒロインの性格・考え方が良い。
「リアレーナ・レーデという人間の一部を作っているのは、周囲から注がれ続けた愛情なのだ。そしてそれは、誰かを失ったからといって消えるものではない」
愛され大切にされて育ったヒロインだからこその、大らかで真摯な愛情に対する考え方、他者に対する思いやりにとても好感を持ちました。
主役の二人の外見と内面のギャップも面白く楽しめました。
初めて知ったのですが、続編が出たばかりのようです。正直、続編も読みたいかと言われれば、何ともですが、また機会があれば読んでみたいと思います。