山際淳司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
甲子園球児の夏、江夏の21球、バッティングピッチャーの悲哀など スポーツ感動シーンのノンフィクション短編集。この本の命題は「スポーツは 勝つことも 負けることも 含めた人生を教えてくれる」
特に バッティングピッチャーの悲哀を取り上げた「背番号94」の言葉に 心打たれた
「(自分の)部屋は〜ひそかに練習をするトレーニングルーム〜そんなこと誰も教えてくれない」
「シラけた人間から敗れていく」
学生時代に経験した 緊張感、高揚感、挫折感、倦怠感など、いろいろな感情を思い出した。それらを経験して、今があるので、確かに スポーツは 人生を教えてくれるかもしれない -
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Posted by ブクログ
大学時代にもっとも何度も読み返した本だとおもう。山際淳司の初期作品。江夏の21球を含む名作。沢木ー山際と続いたスポーツルポライターの系譜はいまはどこにうけつがれるのだろうか?
江夏以外は、これといって有名なスポーツアスリートがでてくるわけではない。むしろ仕事と競技の狭間でもがいてる姿、周囲からするとたぶん滑稽にがんばってる姿を描く。
《ぼくは何者かになろうと思っていた。サラリーマンをやっていると、それがだんだん見えなくなるんだ。子供が大きくなる。家庭ができてくる。あ、このままいったらヤバイな、と思った。何の刺激もない。面白くもない》
肉体を投げ出した奴は肉体に復讐される。そういうものなん -
Posted by ブクログ
タイトルは随分前から知っていたのだが。
80年当初に発表されたスポーツ選手を取材した作品。著者は物故しているらしい。
高校野球の甲子園の延長戦や落球だとか、日本シリーズでの江夏のリリーフとか、何度も似た話を聞いた気がして、食傷気味。まあ、このノンフィクションがテレビや雑誌のルポのお手本になっているかもしれない。
実話なんだろうけれど、こういう文章にした途端、事実と微妙に違ってしまう気がする。
ランニング練習をやらず、リーゼントの乱れを気にするボクサーの話が面白い。
棒高跳びの日本記録選手。記録が伸びることが、限界に近づいていくことに繋がる。厳しい孤独な生活。
表題作。ラストのスローカーブは、