山際淳司のレビュー一覧

  • 衣笠祥雄 最後のシーズン

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    過去の筆者の作品の再録。
    改めて、取材を通じた主人公の人間性が垣間見られる作品なんだと感じた。
    表題作である、「衣笠祥雄 最後のシーズン」では、周囲や家族、ファン、チームメイトへの配慮や優しさに溢れた人間性を伺い知れた。彼のセリフから、彼が優しい笑顔で話すというように、まるで映像で思い浮かぶように感じられた。

    他には、中日第一政権時の星野監督、ダイエー時代の根本監督、手術明けのサンデー兆治、200勝挙げた頃の東尾修、1度目の三冠王を取る頃の落合博満、阪神時代の田淵幸一…
    昭和野球を彩る好選手の、当時の輝き、苦悩を表現した一冊。

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    2025年07月26日
  • スローカーブを、もう一球

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    「山際淳司」の、スポーツノンフィクション作品集『スローカーブを、もう一球』を読みました。

    「山際淳司」作品は、昨年12月に読んだ『みんな山が大好きだった』以来ですね… スポーツ関係の作品が続いています。

    -----story-------------
    たったの一球が、一瞬が、人生を変えてしまうことはあるのだろうか。
    一度だけ打ったホームラン、九回裏の封じ込め。
    「ゲーム」―なんと面白い言葉だろう。
    人生がゲームのようなものなのか、ゲームが人生の縮図なのか。
    駆け引きと疲労の中、ドラマは突然始まり、時間は濃密に急回転する。勝つ者がいれば、負ける者がいる。
    競技だけに邁進し、限界を超えようとす

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    2023年03月22日
  • たった一人のオリンピック

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    スポーツライターの故山際淳司氏のオリンピックにまつわる傑作ノンフィクション。
    表題のたった一人のオリンピックは出色。

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    2021年03月09日
  • たった一人のオリンピック

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    スポーツノンフィクションという分野の先駆けともいえる存在の故山際淳司氏。その山際氏によるオリンピックに関わる種目を題材にした短編集です。登場する種目は、漕艇(シングルスカル)、ソフトボール、棒高跳び、バレーボールなどです。
    オリンピックで金メダルを狙えるような超一流のアスリートを題材にしたノンフィクションも確かに良いです。しかし、本書で取り上げられているのはいずれも無名の、それでいてオリンピック出場に掛けていた人たちです。
    本書の解説でも触れられていますが、誰もが知っている超有名なアスリートではない、無名の選手を描いてもなお、読者を引き込むノンフィクションに仕立て上げる山際氏の技量がいかんなく

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    2021年02月06日
  • タッチ、タッチ、ダウン

    zm

    購入済み

    山際淳司のフィクション!Number初期のころ、彼のノンフィクションを胸を熱くしながら読みました。夭逝されて残念です。

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    2020年10月18日
  • 江夏の21球

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    「江夏の21球」は、あの時テレビで見ていた以上に手に汗握る状況を再現する。再読する度にに興奮を覚える。

    「異邦人たちの天覧試合」も、当時既にそんなにもの海外からの選手が活躍していたとは知らなかったし、その他それ程有名でない逸話についても、しっかりとしたインタビューから一つ一つのドラマを読者に分かりやすく伝える。

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    2020年05月03日
  • スローカーブを、もう一球

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    人の生活、人生とスポーツの絡め方が絶妙です(^^)人間模様が織り成すドラマに、読み耽ってしまいました

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    2019年07月21日
  • 衣笠祥雄 最後のシーズン

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    山際淳司氏と言えば、スポーツノンフィクションというスタイルを確立した人です。代表作は1979年の日本シリーズ 広島vs近鉄 の第7戦9回裏の攻防を描いた「江夏の21球」。以来、選手の人間性を深く描いた作品を多く発表されましたが、1995年に46歳で亡くなられました。
    山際氏の多くの作品は、現在ではほとんどが絶版となっており、手にすることができません。2018年に衣笠祥雄氏が亡くなられた際に、衣笠氏を取り上げた「バットマンに栄光を」を含む過去の山際氏の短編を集めたのが本書です。登場するのは、星野仙一氏(中日ドラゴンズ監督)、根本陸夫氏(ダイエー監督)、村田兆治(ロッテオリオンズ)、東尾修(西部ラ

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    2019年04月22日
  • スローカーブを、もう一球

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    この本を手にしたのは、『「考える人」は本を読む』(河野通和)のなかで紹介されていたのが直接のきっかけだったけど、この本のなかに収めらている『江夏の21球』で話題になってテレビでも盛んにとりあげられていた大学生時代、読んでみたいと思いながら、そのまま忘れていた作品でもある。

    この本のカバーの裏にある山際淳司さんの写真をじっと見つめていると、かつてNHKのサンデースポーツのキャスターをしていた姿が思い出されてくる。この眼鏡の下の鋭い眼差しが、ゲストにきたスポーツ選手から微熱を帯びた秘話を引き出していたのを思い出す。そして、その眼差しが、スポーツをする特定の人物を徹底的に掘り下げて、描写してく

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    2018年05月04日
  • 江夏の21球

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    山際淳司を一躍売れっ子スポーツノンフィクションライターにならしめた「江夏の21球」。昭和54年近鉄VS広島の日本シリーズ第7戦。9回裏無死満塁の攻防。広島の守護神江夏がこの絶体絶命の窮地に投じた21球。近鉄かほとんど掌中にしていた念願の日本一を引き剥がした運命の19球目。要した時間は26分49秒。40年経った今なお多く野球ファンの記憶に残る、あの伝説の試合がありありと蘇る。

    復刻版となり数十年ぶりに再読。あらためて著者の複眼的な筆致の巧さに唸ってしまった。視点が江夏ひとりに注がれるのではなく、古葉監督に向けられたかと思えば、サードの衣笠に、そして西本監督へとパーン。各々の立場から見た戦況に切

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    2017年10月12日
  • スローカーブを、もう一球

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    登場人物が愛おしくてたまらない。スポーツ=スター選手はもちろん大事だし、期待しちゃうが、だって人間だもの。選手一人一人に人生があり、物語がある。著者の暖かい眼差しがいい。

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    2017年10月07日
  • スローカーブを、もう一球

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     山際淳司さんも「パック・イン・ミュージック」を聞いていたのかもしれない。本書に収録された「たった一人のオリンピック」を読んでそう思った。野沢那智&白石冬美の深夜放送「パック・イン・ミュージック」で「ボートの津田」が話題を呼んでいた頃、よく聞いていた。津田選手はある日突然、「オリンピック選手になろう」と決意して実際にボートのシングル・スカル日本代表になってしまった。恐らく津田選手の友人の投書が発端だったのだろうが、津田選手の話題は断続的に続いた。よほど運と才能に恵まれた人なのだろうな、と当時は思っていた。
     本書を読んで、それが誤解であったことが分かった。いくら競技人口の少ないボートでも、いく

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    2014年10月11日
  • スローカーブを、もう一球

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    大学生以来2回目。前回読んだ時にはなかった味わい深さを感じた。
    ステージの高さとか、才能の多寡とか、享楽的とか、献身的とか、主人公たちの境遇とスタンスの違いを超えて、『ああ、スポーツって全部最高だな』って思った。
    今の自分は誰のスタンスに近いんだろう?

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    2014年09月06日
  • スローカーブを、もう一球

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    ノンフィクション作家山際淳司を有名にした、
    デビュー作の江夏の21球を読んでみたかった。

    本書は、江夏の21球を含む、8作品が収められている。

    江夏の21球、しびれた。
    スポーツのノンフィクションにはドラマがある。
    現実はドラマに満ちている。

    勝負をめぐる攻防。
    それは、見方のベンチも、エースも、相手も、
    真剣なわけで、
    その中で心理はめまぐるしく変わり、交錯していく。

    どの作品も、どこかに人間の哀しみを含んでいるように感じた。
    勝者もまた、哀しみとは無縁ではないのだ。

    読めてよかったなぁ、という作品ばかりで、
    江夏の21球はよかったが、
    それ以上に、本書のタイトルにもなっている、ス

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    2014年03月19日
  • スローカーブを、もう一球

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    高校生のときに、毎月1冊国語教師指定の本を読んで
    感想を書くという課題?のようなものがあって
    その中に含まれていた一冊。

    読んだときに強烈な印象を受けたので
    ずっとこの本のことは頭に残っていたけど
    最近野球に目覚めたことをもあり、
    今回再読してみることにした。

    スポーツルポルタージュというかスポーツノンフィクションというか
    そういったもので好きな作家は山際淳司と沢木耕太郎だけど、
    スポーツノンフィクションを読むと
    選手に対しての感情のやり場に困ることが多い。

    一瞬の輝きを放ち名勝負を作り上げても
    そこには必ず勝者と敗者がいて、
    敗者の人生、勝者の人生をある意味決定づけてしまう。

    そのた

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    2012年12月15日
  • スローカーブを、もう一球

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     私は角川文庫が苦手である。
     決して社風が苦手とか、「あそこのレーベルはろくな本がない!」というわけではない。そうではなくて、なんだか、読みにくいのだ。それが文字の大きさなのか、フォントなのか、レイアウトの仕方なのかは、わからない。深く研究したことはないが、これはもう、相性、としかいえない。
     少なく見積もって200冊はある私の本棚に、角川文庫は本書が3冊目である。そのうち「最初から最後まで読んだ本」は、一冊もない。つまり、本書の中のいくつかのエピソードは、最後まで読んでいない。
     すべて読まずにレビューを書く、ということに抵抗感を抱かずにはいられないし、これを読んでいる方にはそう思われる方

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    2012年08月15日
  • 男たちのゲームセット 巨人・阪神激闘記

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    久々に彼の作品を読んだ。彼の肩書きを見るとスポーツ・ノンフィクションライターとしてある。スポーツモノのジャーナリストの草分け的存在だと思う。
    他界してから何年になるのだろうか。今年のアテネ五輪や日本韓国で開催されたワールドカップとか、どのような視点に注目して書いたか見てみたとつくづく思う。残念で仕方ない。
    この本の話はジャイアンツV9、最後の年を中心に、それぞれ色々な立場から見て書かれている。世代的には今の僕より2年3年上だったら、もっとリアルタイムに感じて楽しめたかもしれない。
    それでも、彼の書く作品にはスポーツの思いや愛を感じられる。人物を中心に書く
    チームを中心に書く場合でも、そこに出て

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    2012年02月22日
  • 男たちのゲームセット 巨人・阪神激闘記

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    1973年のセ・リーグ終盤。

    阪神と巨人が激しくペナントを争った年。

    その年の阪神、巨人の様々な選手の人間模様を描いた作品。

    スポーツが面白いのは華々しい世界の裏にそれぞれの選手の背景があって、それでも客観的に見たら結果が全てであって、努力なんて関係ないってところだ。

    そんな当たり前のことをまた思い知らされる。

    そして今日も僕は野球に魅せられる。

    明日から高校野球が始まる。

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    2011年09月19日
  • 彼らの夏、ぼくらの声

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    スポーツにおける一瞬を切り取り、プレーそのものはもちろん、そこに交錯する選手・監督・周囲の人々の思いを掘り下げて追っています。
    観戦する側の私達は一つ一つのプレーに一喜一憂して楽しむのですが、そのプレーが生まれるまでにどのような努力や思考や人間ドラマがあったのかを知ることで、スポーツの面白さを実感させられます。

    山際淳司のスポーツノンフィクションは、スター選手だけでなく無名や脇役の選手へも光を当てています。
    スポーツのシーンの数だけでなく、選手の数だけドラマがあるのだと気づきます。

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    2009年10月07日
  • タッチ、タッチ、ダウン

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    この人、小説も書けるんだな。

    人生に何を求めて、何に熱中するのかってのは本当に難しい問題。
    自分の「夢」は「人生」を賭けるに値するのかどうか、ずっと悩むんだろうと思う。
    だから、やりたいことがあってもほとんどの人は途中で、折れる。
    そうじゃなかったら、世界はスポーツ選手とバンドマンで溢れてしまう。

    でも熱くなれるモノは簡単には捨てられない。
    ココロのどこかに引っかかる。
    主人公にとってのそれがアメフトだった、と。


    ちょうど学生時代というモラトリアムを抜けかけている自分にとっては意味のある一冊でした。

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    2009年10月04日