夏樹静子のレビュー一覧

  • 死刑台のロープウェイ

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    夏樹さんらしく、昭和的な男女の情愛がベースになった作品が多い。女性作家らしく、不倫における心理描写はさすが独特のもの。
    流れる空気の古さは否めないが変に機器に頼ったトリックを使っていないので、今でも読める

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    2024年11月18日
  • 国境の女

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    夏樹さんにしては珍しく、海外でおきた事件のお話。ただし、基本的には国内ものと何も変わらない
    女性の感情に比べて男性側の嫉妬真などの描写が通り一遍に思えるのは、自分の先入観かなあ。
    不倫上等な恋愛観はこのころの夏樹さんの作品でも感じたところで、この時代の男女観はこんな感じだったのだろうなあ

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    2024年07月24日
  • 影の鎖

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    昭和な雰囲気の強く漂う本(文庫が出たのは昭和60年)。男性が書いてたら今からでも批判されそう。
    少し古めの恋愛観が土台となりつつ、夏樹さんらしく緻密に話は作られている。時代ギャップはやや気になってしまうが(あのころの女性はこんなに弱かったのか、と楽しめればよい)、それでも短編集としては楽しめた。

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    2024年07月17日
  • 腰痛放浪記 椅子がこわい

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    センパイに勧められたのだが、言われたとおり置くこと能わずグイグイ一気読みさせる筆力! 夏樹氏本人の3年にわたる謎の腰痛との闘病記だが、西洋東洋医学と除霊系まであらゆる治療を試しても悪化していく痛みと恐怖と絶望の描写の凄さ。そして、本当の原因がわかり、それを受け入れていくまでの変化。大長編を読んだ気分。
    私自身も走り続ける性格であり、自分の感覚ばかり信じるきらいがあるので大いに反省しつつ、10年も治らぬ肩の痛みももしかして…と思ってみるのである。

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    2023年09月09日
  • 白愁のとき

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    夏樹静子の作品は、心理描写がうまいと思います。
    この作品でも、50代で造園設計家という仕事をしている主人公の心理を巧みに描いています。「アルツハイマー病」とか「精神余命」という言葉は、50代の働き盛りにとっては、できれば他人事であってほしいものです。
    主人公に感情移入してしまうのは、今の時代では50代、60代がまだまだ現役だからです。

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    2022年12月31日
  • Wの悲劇

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     今から約40年ほど前に出版された著者の代表作といってもよい作品。設定は古いが、十分に楽しめた。
     一見するとごく単純な事件にように見えるが、残り100ページを切ったあたりから怒涛の展開が待っている。それまでの緩慢な流れとは打って変わり、一気に急流に飲み込まれてしまったような感じで、初めはついていけなかった。二度三度と読み返し、あぁそういうことかと納得するという感じである。
     文章の端々に余韻を残しつつ次の章へと進んでいくあたりが、古風な設定ながら現代ではあまり見ることがなく斬新な感じがした。

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    2022年09月19日
  • アリバイの彼方に

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    序盤アリバイものが続いたのでそれに絞ったのかと思ったが、途中からはそれ以外の話も出てきた。
    夏樹さんらしく非常に情緒的な話が続き、1本1本しっかり読むことができる。

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    2022年07月13日
  • 腰痛放浪記 椅子がこわい

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    腰痛の描写が恐ろしい。
    痛みが読み手にも伝染しそうなほど。
    たまたま自分の腰痛の調子が悪いタイミングだったので痛みが増しそうで読み進めるのが怖かった。
    8合目ほどまではひらすら著者が腰痛に苦しむ描写ばかりで何を試しても良くなる兆しもなく、このまま終わってしまうのではないかと思った。
    担当医にあたる描写などもあけすけに書かれているが、それほど痛みが辛く酷いものだったのだろう。
    よく耐えたものだなと思う。
    著者は様々な支えがあったから乗り越えられたものの、もしもこれが孤独な人間だったら…と思うとゾッとする。
    心の負荷がこれほどまで身体へ直結するものだとは知らなかった。
    本質とは逸れるが、複雑な感情

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    2022年02月28日
  • 目撃~ある愛のはじまり~

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    競輪をやっているなら仲間がいて当然、という流れの会話に衝撃。そういうものなのか。
    話としては、公害問題が大きくなっていた時代を感じさせるが扱いが半端な気がするし、全体的に無理が多い印象

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    2021年09月21日
  • 心療内科を訪ねて―心が痛み、心が治す―(新潮文庫)

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    ★★★
    今月8冊目。
    腰痛で戦った椅子が怖いの著者。やはり今回もあらゆる病気の元が心身症でカウンセリングを受け治っていった14人にインタビュー。
    大事なことは、事故とか以外は今の症状は全て自分に責任があるってこと。
    スピ的には事故も意味があるんだろう

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    2021年09月17日
  • 蒸発~ある愛の終わり~

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    べトナム戦争の取材から日本に帰ってきた新聞記者・冬木悟郎は、不倫相手の人妻・朝岡美那子が蒸発したことを知る。その原因を、自らの死亡記事の誤報によるものだと察した冬木は、かつて美那子に想いを寄せていたという丹野をたったひとつの手掛かりに、美那子の郷里・福岡に飛ぶ。だが、そこで丹野は無残な死体となって発見された。冬木は、否が応でも、美那子の関与を疑わざるを得ない。美那子への確かな愛と恐ろしき疑念。冬木は事件を追うごとに、この両面をともに深め苦しんでいくのであった。やがて、丹野の経営する会社の重役、丹野の妹、そして冬木に美那子という縦横の人間関係に、それぞれの愛憎の機微が入り混じり、事態は第二第三の

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    2021年07月03日
  • 霧氷

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    1976年の作品。古さはあまり感じられず。育児疲れ、こどもみたいな大人、不倫は40年以上経っても普遍な題材なんだな。

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    2020年11月15日
  • 腰痛放浪記 椅子がこわい

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    病気に対峙することで自分を知ることができた、ということなのでしょうが、自意識強めの文章がちょっと鼻につく。

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    2020年10月31日
  • 光る崖

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    時代の差を感じる。
    旅先で知り合った女性とこんなところで再会してしまうなんて。最初に会った状況が状況だけに落ち着かないな。

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    2020年04月16日
  • 心療内科を訪ねて―心が痛み、心が治す―(新潮文庫)

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    心療内科の紹介本。身体的症状に苦しむ人の中には、原因が心因性であるケースも多い。劇的な改善を体験して、人間の不思議さを感じる、其処に面白さを感じる、と言っている。2017.8.3

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    2017年08月03日
  • 砂の殺意

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    すべて女性視点の短編集。

    犯人を探したり、疑惑を持つのは大丈夫ですが
    犯罪を隠そうとする、になると、はらはらしてしまいます。
    一体どこでどうばれてしまうのか。
    嘘はいけない、というのが当然基礎ですが
    どうして黙っていてくれないのか。
    いや、そのままだと話にもなりませんけどw
    3~5話目は、そんな話ばかり。

    どれもこれも、女性の女性としての強さや心情に
    ぞっとするような、頷くような。
    とはいえ、人を試すような事は却下です。

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    2016年04月14日
  • 蒸発~ある愛の終わり~

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    夏樹静子さんへの追悼の意味も込めて読んでみた。なかなか緻密な構成だけど、主人公も不倫相手も自分勝手過ぎるかな。

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    2016年03月27日
  • 孤独な放火魔

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    弁護士朝吹理矢子シリーズや検事霞夕子シリーズで、リーガルサスペンスに定評のある著者が、新米裁判官を主人公に裁判員裁判を扱った連作中編。
    著者得意の分野であり、綿密な取材の賜物か、法廷場面は実にリアルである。
    表題作の『孤独な放火魔』は、真実は単独犯なのか、共犯関係があるのか。
    『DVのゆくえ』は、DVの果ての犯行に正当防衛が認められるのか、それとも不倫の果ての殺人か。
    『二人の母』は、妻が夫の愛人を殺害した裁判で、夫が生ませた愛人の子供をめぐって、児童虐待から守りたいための殺害か、妻の嫉妬による計画的殺人か。
    いずれも争点を(1)(2)と明示されて、読者も共に考えさせられ、自分ならどう判決する

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    2015年09月21日
  • そして誰かいなくなった

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    タイトルから推測されるように、クリスティの名作「そして誰もいなくなった」を本歌取りした作品となっています。
    クルーザに乗船した7名が、干支の置物と共に次々と死んでいく展開で、テンポもよく一気に読み進められます。
    途中、本家作品の犯人を推測させるような記述があるため、事前に「そして誰もいなくなった」は読んでおいたほうが良いかと。加えるなら、クリスティの他の代表作も読んでおいたほうが良い……かな。
    内容に関しては、ややご都合主義というか、そこは何か気づくだろうという場面もあるし、終盤の展開は読めてしまうので、もう少し練り込んでいれば、名作になったのではないかと思われます。
    最後は、ややすっきりしな

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    2014年11月21日
  • 死刑台のロープウェイ

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    ネタバレ

    闇よ、やさしく・・・姉が男を殺して逃げた話。
    ダイイング・メッセージ・・・夫に殺されたのかと思いきや事故にあっていた姉が他殺にみえるよう偽装された浜氏。
    燃えがらの証・・・不倫していた妻が殺された。妻は昔連れ子を殺害しており夫は疑っていて、不倫相手にばれるのも怖くて自殺しようとして失敗。。見たいな話かな。。
    いまいち・・・。。( 一一)
    回転扉が動く・・・夫の愛人が殺され、夫は妻が、妻は夫が殺害したのかと疑心暗鬼。本当は昔の恋人と、夫への面当てで殺人のように偽装して死んだ。。
    死刑台のロープウェイ・・・夫の不倫相手がロープウェイ内で殺された。妻は、犯人をさがしあて犯人は自首しようとするが自首さ

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    2014年10月14日