夏樹静子のレビュー一覧
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腰痛の描写が恐ろしい。
痛みが読み手にも伝染しそうなほど。
たまたま自分の腰痛の調子が悪いタイミングだったので痛みが増しそうで読み進めるのが怖かった。
8合目ほどまではひらすら著者が腰痛に苦しむ描写ばかりで何を試しても良くなる兆しもなく、このまま終わってしまうのではないかと思った。
担当医にあたる描写などもあけすけに書かれているが、それほど痛みが辛く酷いものだったのだろう。
よく耐えたものだなと思う。
著者は様々な支えがあったから乗り越えられたものの、もしもこれが孤独な人間だったら…と思うとゾッとする。
心の負荷がこれほどまで身体へ直結するものだとは知らなかった。
本質とは逸れるが、複雑な感情 -
Posted by ブクログ
べトナム戦争の取材から日本に帰ってきた新聞記者・冬木悟郎は、不倫相手の人妻・朝岡美那子が蒸発したことを知る。その原因を、自らの死亡記事の誤報によるものだと察した冬木は、かつて美那子に想いを寄せていたという丹野をたったひとつの手掛かりに、美那子の郷里・福岡に飛ぶ。だが、そこで丹野は無残な死体となって発見された。冬木は、否が応でも、美那子の関与を疑わざるを得ない。美那子への確かな愛と恐ろしき疑念。冬木は事件を追うごとに、この両面をともに深め苦しんでいくのであった。やがて、丹野の経営する会社の重役、丹野の妹、そして冬木に美那子という縦横の人間関係に、それぞれの愛憎の機微が入り混じり、事態は第二第三の
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弁護士朝吹理矢子シリーズや検事霞夕子シリーズで、リーガルサスペンスに定評のある著者が、新米裁判官を主人公に裁判員裁判を扱った連作中編。
著者得意の分野であり、綿密な取材の賜物か、法廷場面は実にリアルである。
表題作の『孤独な放火魔』は、真実は単独犯なのか、共犯関係があるのか。
『DVのゆくえ』は、DVの果ての犯行に正当防衛が認められるのか、それとも不倫の果ての殺人か。
『二人の母』は、妻が夫の愛人を殺害した裁判で、夫が生ませた愛人の子供をめぐって、児童虐待から守りたいための殺害か、妻の嫉妬による計画的殺人か。
いずれも争点を(1)(2)と明示されて、読者も共に考えさせられ、自分ならどう判決する -
Posted by ブクログ
タイトルから推測されるように、クリスティの名作「そして誰もいなくなった」を本歌取りした作品となっています。
クルーザに乗船した7名が、干支の置物と共に次々と死んでいく展開で、テンポもよく一気に読み進められます。
途中、本家作品の犯人を推測させるような記述があるため、事前に「そして誰もいなくなった」は読んでおいたほうが良いかと。加えるなら、クリスティの他の代表作も読んでおいたほうが良い……かな。
内容に関しては、ややご都合主義というか、そこは何か気づくだろうという場面もあるし、終盤の展開は読めてしまうので、もう少し練り込んでいれば、名作になったのではないかと思われます。
最後は、ややすっきりしな -
Posted by ブクログ
ネタバレ闇よ、やさしく・・・姉が男を殺して逃げた話。
ダイイング・メッセージ・・・夫に殺されたのかと思いきや事故にあっていた姉が他殺にみえるよう偽装された浜氏。
燃えがらの証・・・不倫していた妻が殺された。妻は昔連れ子を殺害しており夫は疑っていて、不倫相手にばれるのも怖くて自殺しようとして失敗。。見たいな話かな。。
いまいち・・・。。( 一一)
回転扉が動く・・・夫の愛人が殺され、夫は妻が、妻は夫が殺害したのかと疑心暗鬼。本当は昔の恋人と、夫への面当てで殺人のように偽装して死んだ。。
死刑台のロープウェイ・・・夫の不倫相手がロープウェイ内で殺された。妻は、犯人をさがしあて犯人は自首しようとするが自首さ