夏樹静子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
**☆【 重量感を感じた一冊 】 **☆
知り合いの方から本を頂き、初めて夏樹作品に触れたのがこの一冊。
私は装丁がすきで。
物語を読み始める前にその本の装丁から世界観を想像するのですが。
サブタイトルや色彩、絵などから、これは推理小説…? それとも恋愛小説…?
…と、少し戸惑いながら読み始めました。
冒頭の不思議な出来事は魅力があり。
いつ、その謎があかされるのかワクワクしながら読み進められましたが。
登場人物、それぞれの愛情の深さには、少し戸惑いを感じてしまいました。
私の想像力が乏しいせいでしょうか…。
事件の謎に関しては興味があり、
物語に入り込み、読み進められたのですが。
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Posted by ブクログ
わが子を殺した母である女と、未婚の母になる予定の女に焦点を当てて書かれた物語。
どちらかといえば、前者の気持ちのほうが分からないでもない気がします。
子育て・教育は国繁栄には不可欠な要素であり、
しかも想像以上の苦労を強いられるのに、
それを「母性がなんとかしてくれるだろう」と誰もが思っている。
自分でもそう思っていたので、指摘されて衝撃でした。
でも、パンダとか動物で稀にみられるケースで、
本能的に母性が備わっていないものが出産しちゃうことがあるけど
人間がそうなったら、誰が助けてくれるのか。
母性があるって、いつ分かるのか?産んだら分かるのか?
ないって分かったら、理性で育てていくのでし -
Posted by ブクログ
ミステリー作家として著作も多く、名の知られた作家なのに
なんと夏樹静子を読むのは初めてだったりする。
で、これはミステリーでも小説でもなくノンフィクション。
1993年から3年間、著者は原因不明の激しい腰痛に悩まされる。
椅子にも座れず、外出さえおぼつかない。
何よりも「原因がわからない」ということが問題で
ありとあらゆる医療、体力増強、神懸り的な事さえ試していくのだが
ようやくたどり着いた「腰痛の原因」とは?
「背中から腰に鉄の甲羅を貼りつけられたような」苦しみのなか、
何よりも心を打たれるのは著者の「創作に向かう姿勢の誠実さ」で
(それが逆に彼女の病状を追詰めるのだが・