BONESのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
10回くらい通読してなんとなく自分なりにわかった事。
この漫画版『エウレカセブン』はドミニクとアネモネのための物語だったのだと思う。
2巻の感想でレントンとエウレカの‘ホーム’たるゲッコーステイトの描写が足りないなあ、なんて書いたけれども、この漫画版が果たすべき役割は‘ホーム’が無いドミニクとアネモネ、ふたりを置き去りにしないための居場所となるべくして用意されたものなんじゃなかろうか。
例えば表紙の絵、1巻はレントンとエウレカが真っ直ぐに前を向いている図。これはまあわかるよ、主人公とヒロインだし。2巻はホランドとデューイの全く交わり合うことはない視線でもって道を違えたふたりを表現していると思う。ただ、デューイはホランドの方へ意識を向けている様子があるので顛末を知った身からすると実に切ない。
で、この3巻。こんなにも甘やかな雰囲気で互いを見つめ合うふたりよ。とうとう作中に於いては果たされる事がなかったが、これこそドミニクが求めた‘夢’のかたち、そしてアネモネが欲しかった‘ホンモノ’のかたち、なんじゃないだろうか。作中でも、幼かった頃のドミニクがアネモネに持ってきたものは「「憐れみ」「同情」「好奇」「からかい」ーーーそのどれでもないもの」(p83)、「本物の花」(p88)だった、と示されている。赤いアネモネの花言葉は「君を愛します」、又は「儚い恋」とのこと。ドミニクの大活躍は忘れないよ。超絶MVP。
人類とコーラリアンそれぞれが生き残りを懸けた対立を経て、レントンとエウレカが強く信じ合う心をコーラリアンに示すことで奇跡を起こした訳だが、コーラリアンが云う「我々が欲しかったのは…」(p340)の答えとは。
信じ合える、ぶつかり合える、愛し合える【相手】が欲しかったんじゃないかなあ。
ロボットバトル漫画として見たら物足りないかもしれないが、正統派な展開の上に王道のテーマを据え置いた良質なドラマを読みました。
1刷
2026.2.15 -
Posted by ブクログ
あんまりにも物語が若々し過ぎて今の私にはちょっとキラキラが過剰かもしれないですが。良い。
何者でもなかった14歳の少年がある日とつぜんミステリアスな雰囲気を纏った美少女と出逢い、好きだという気持ちを臆面無く大声で叫んで、ロボットのパイロットとなって、少女への恋を育みつつ立ちはだかる苦難逆境を乗り越えてゆき、やがて自分がこの世界を左右する鍵を握った無二の存在であることを知り…という、中学二年生が妄想するであろうアレやコレを全部突っ込んだかのようなストーリー。
それがよいのです!
いわゆるセカイ系というジャンル、とりわけこの『交響詩篇エウレカセブン』は‘青さ’が半端なく突き抜けていると思う。
「あれれ、『エウレカ』なんてついこの間テレビでやってたんじゃなかったっけ?」という感じであるのだが、しっかりと20年前の作品であるという厳然たる事実が自らの老いと衰えと思い上がりを突き付けてくるのです。
というかそもそも、私はアニメをきちんと観ていなくて、『スパロボZ』と『ACE3』というゲームで表面的なあらすじを知ってた程度なのですが。
『エウレカセブン』は様々なメディアで展開されていたプロジェクトで、『交響詩篇〜』はその中のひとつ、ということで実は物語の時系列的にはじまりの物語という訳ではない、という事も今知りました。
なのであくまでも漫画版1巻の感想ということで。
ともかく青い!若い!けど伏線がしっかり。
主人公の少年〈レントン・サーストン〉は鬱屈した毎日を送っていたが、突然空から巨大ロボット〈ニルヴァーシュ〉が自宅に降ってくる。そのコクピットから降りてきたのは美少女〈エウレカ〉。彼女はレントンに語りかける。「ね この子まだネボけたままなんだ」(p35)「起こせるよね?キミなら」(p36)と。
んんん、なんのことか全然わからないけどエウレカがかわいい!
そこから色々とありレントンはエウレカと力を合わせて伝説の現象「セブン・スウェル」を引き起こす。
そして反政府組織〈ゲッコーステイト〉からスカウトを受け参加、当初はつまらない日常から抜け出せたぜイヤッホーくらいの気持ちでいたのだが、やがてレントンはエウレカや世界に関する苛酷な真実を目の当たりにしていくのであった…。
とはいえ、1巻はまだまだ呑気さが濃くて、全くの序の口。
本作では沢山のカップルが登場するのも特徴のひとつかと。ラヴが満ち溢れている。
レントン・エウレカとはオクターブ違いで描かれる〈ドミニク〉と〈アネモネ〉組、いわゆるダークサイドのはずなのだがドミニクから滲み出る‘良い奴感’からして是非救われてくれぃ、と願ってやまない。
ニルヴァーシュの横顔がエンボス加工されたカバーが素敵。
2巻へつづく。
1刷
2026.2.9 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれはこれで凄く良い終わり方だと思う。最後がちょっと急ぎ足だったので、もう一話くらい欲しかった。でも本編終盤の尺の短さに比べると、こちらの方がむしろすっきり終わった感じすらする。
クダンの限界の発生するトリガーが違うから、その設定自体が少し変わっている恐れはある。そういう意味で、設定的に色々な辻褄が合うかはともかく、ストーリーラインは魅力的に構築されていた。
金枝篇を最後にもう一度持ってきたり、デューイの役割こそ変わらないものの、彼自身の死が設定的により上手く機能していたりと、要素の回収や再構築の手腕は良かったし、1巻同様、二人のヒロインの対比により力が入ってた点も良い。バレエ・メカニックは言うまでもなく、あれもあれでいいんだけどさ。 -
Posted by ブクログ
京田監督大絶賛ですわ。僕もそう思う。
エウレカ関連のコミカライズでは最も絵柄もシナリオも原作らしさがあるもの。
ちなみに朗読劇形式の第51話の副題である「ニューオーダー」とは関係無し。
物語は、人類のためにエウレカが月光号を出ていく所から始まるため
「交響詩篇」のどの部分から分岐した物語なのかは不明。
この先「交響詩篇」と「ニューオーダー」の世界が交わるかどうかも不明なので
完全新作と言っても過言では無いね。
しかしまあエウレカは不憫な子ですよ。今作だって
エウレカの記憶を大地に還せばコーラリアンの暴走を止める事が出来、人類は救われる。
っていう悲惨な設定よ?
エウレカがどう足掻いても幸せにしかならない平行世界が見たい・・・。
ちなみにアネモネの出番激増、キレっぷりも増大、たまらん。 -
Posted by ブクログ
ネタバレエウレカセブンのエンデンィングを、当初の構想に従って再構築・漫画化したもの...らしい。
物理的にすれ違ってばかりの序盤、ピンチを救う爽快感、エウレカらしさはあるものの、本編の終盤よりもどこか悲壮感が強く、重苦しい感じがする。
世界を救うためにエウレカが犠牲になることを選び、そうじゃない道を探すレントンという構図は変わりがないものの、その過程でせっかく獲得した人間らしさを失わねばならない(=エウレカが姿形ではなく内面として、別のものになっていってしまう)ために、より辛さが増している感がある。
アネモネにもスポットが当たっていて、人間を理解するためのコーラリアンというエウレカに対し、真逆のポジションであるという味付けが加わって、より対照的なキャラクターになっている。これはこれでいいな。
クダンの限界を止めるために、エウレカは記憶を分け与えていく、という感じだけれど、クダンの限界はコーラリアンが人類を理解することとは関係なく起こる現象だったような記憶があり、その辺は分からない。
分け与える記憶の数は多分七つ。エウレカセブンを回収するってことかな。 -
Posted by ブクログ
物語も佳境に入りつつある4巻。シークレットの秘密と目的が明かされ、主人公が持つには大きすぎる武器が出てきます。
迷って出した答えも消えてしまう。シークレットの目的と自分の根源を知ってしまったアオ。自分の中の正しき行動に悩み、迷い揺れながらも自分にとっての大切なことを決められるのはいい少年漫画の主人公だと思いました。しかし、クォーツガンこれは自分にとって大変嫌悪感溢れる武器です。相手の存在をなかったことにしてしまう、それが自分が定めた敵だとしてもそれだけはやってはいけないことだろうと思ってしまいます。だけど、世界が覚えてなくても自分が記憶していれば残る思いもあると言う見せ方ならばそれはそれで儚いのか。アニメを見終わっても未だこのクォーツガンという武器は自分のなかで腑に落ちない思考に陥ってしまいます。
都合がよすぎる力はそれこそ世界を壊してしまう最大の要因になってしまうため大変取り扱いが難しいです。ここらへんからアニメ版を見ても自分なりの答えが見つからなかったので、漫画版でじっくり考えてみようと思います。