小松成美のレビュー一覧
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自分が(あるいは多くの人も?)一番意外に思ったのは、彼女の演技は素なのでも憑依型なのでもなく、大元がハリウッドメソッドにある非常にロジカルな役作りで成立しているということだ。その具体的な方法についても書かれていてとても面白い。なるほど「どんな役でも素でやっている」ように見えるのにはこういう仕掛けがあったのだ。現在社長としても活動しているのんさんは、経営に関してはとても収益にシビアな人なのだそうだ。まるで小学生のように自由奔放にいろいろな分野で創作活動を行っているのに、「お金のことは気にしない」とは真逆なんだそうである。俳優、美術制作、映画監督、ミュージシャンと、ただでさえ捉えどころがないのに、更に自身のクリエイティブ活動の下支えにもう一人の冷静な自分がいるような感じだ。
小学生の頃の様子からモデルの仕事のために上京するころまでは、ほぼ時系列で語られるのが、演技にのめりこんでいく話のあたりから、彼女が大きく成長することになった代表的な作品ごとに、彼女が誰と出会いどのように変わっていったかが書かれる。かと思えば音楽活動においては独立に章立てされ、時系列で書かれているなど、構成がわかりにくくとっちらかっているような印象なのだが、終章で、先述したビジネスパートナーから語られるのんさんの別の一面を読んで納得。全方位的に活躍しそれらを同時に行いつつ、自分の好きに忠実であり、かつ経営者としても立派に仕事をしているような彼女の姿をそんなわかりやすくまとめることなど無理なのだ。
「のん」という存在の、その無限のような創作意欲とバイタリティとアイデアと実行力に、周囲の一流の才能ある人たちが彼女へ協力したくなっていく、そんな図式が見えてくる一冊だ。
余談だが一刷は誤植(タイプミス)がとても多い。出版までの時間がなかったのかな? -
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10年間テレビには出れなかったが、ずいぶんと多方面で忙しくしていたことがよくわかります。あまちゃんのおかげで著名人のファンが、能年玲奈さんを応援して、声をかけてくれていました。だからいろいろな経験を積んでいます。
子どもの頃の話はちょっと意外。20歳で生まれた能年玲奈はお母さんの影響を受けていたのですね。
見かけによらず、意志が強くて、熱量の高い頑固なアーティスト。それを支えているのは『チームのん』であり、社長のんでした。チームのんの主要メンバーは演技指導の滝沢充子さんと漫画家の神崎将臣さん。
2026年はあちこちのテレビにも出演してますます多忙なのんさんですね。 -
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社員の7割が知的障がい者のチョーク製造会社・日本理化学工業。
60年もの間、障がい者雇用を続けながら、業界トップシェアを確立する。
世界でも例のない企業として、”日本でいちばん大切にしたい会社”と注目を浴びるが、その一方では、社員の家族、経営者や同僚たちの苦悩と葛藤があった。
「働く幸せ」「生きる喜び」に満ち溢れたノンフィクション。
きっかけは、ある養護学校から知的障害者の雇用を依頼されたことから始まる。
障害の特性に合わせた仕事の指導法や作業の分担や生産性の向上に試行錯誤しながら、ダストレスチョークやのちに看板商品となるキットパス開発秘話や知的障害者だけでなく健常者にも仕事のモチベーションや技術などの向上を促進する6S活動など「働く喜び」を持てる職場や労働環境の改善の工夫をしていく過程は、作業所だけでなく一般企業にも参考になり、福祉業界だけでなく障害者や健常者にも必読のノンフィクション。 -
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Adoの幼少期から直近のワールドツアーまでの半生を描いたノンフィクション小説。なぜこの若さで半生記なのだろうと思ったが、幼少期から思春期にかけての挫折、(本人の真面目な性格が理由だと思うが)そこからくる徹底的な自己否定、自己嫌悪の段階を経て、アーティストに成るという憧れの夢をかなえ、順風満帆と思える充実した活動を行っている現在、過去の「自分」とこれからの「Adoと自分」の在り方をどうしても見つめ直してみたかったのだと思う。
2026年8月現在23歳の若い女性が10代の頃の失意の日々について語るというのは、記憶というにはほんの最近の生々しい現実のことであり、とりわけ両親との関係について書くということの、生傷に触れるような痛みや辛さは想像にあまりあるが、それでもここで区切りをつけようとしたのは、Adoという人が「これこれこうだったから、こうでなければいけない」という「筋を通す」人だったからのように思う。夢を現実にかなえ成功までおさめながら、いまだにライブのMCなどで「自信がない」「自分を好きになれない」とネガティブな発言が多いのだが、自分の周囲のあらゆる悪いことを自分が原因であるかのように自分を責め続けて生きてしまうと、自分の今後の人生の目標にわざわざ「自愛」を掲げてまで取り組まないといけないのだという、その困難さを思い知る。彼女が両親(特に父親)との確執や、周囲からの疎外はありながらも、酷いネグレクトやいじめにはどうやら合わずに済んだこと、何よりボカロという居場所を見つけられたこと、そしてまさに盟友としてAdoを生み出した事務所社長千木良卓也氏との出会いという幸運に恵まれたことは心から良かったと思う。これらに恵まれず自分ではどうすることもできないまま人生を潰されていく若い人たちも数多くいることを考えると胸が苦しくなる。
とまれ、何一つうまくできない、自信がないとはいえ、自分や状況を冷静に批判的に見る目を持ち、自信はなくても認めてもらいたい欲求は人並み以上に強く、分不相応なくらいの野望をいだき、歌うことや創造することが好きで好きなことのためなら必要な努力をやり貫き、筋を通すことを信条とした一人の若い女の子が、その彼女という人間に惹かれ彼女に協力した人々とともに、彼女を生き延びたという、これは「自助」の物語の一つなのだと思った。 -
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歌手・Adoの反省を小説調にしたノンフィクション作品。
物語は沢木アオが千木良卓也と出会い、Adoとしてデビューするところから始まる。そこから生まれたときから、小学校・中学校の苦悩や引きこもりの時期、そこでボカロというものに出会い、クローゼットで録音し歌を出したり、スクールに通い音楽の基礎を学んだりと好きなものに出会い邁進していったりと怒涛で濃い人生が描かれていく。各章でのAdoの苦しみやネガティブな感情がダイレクトに生々しく伝わってきて、引き込まれながらも息が詰まるような感覚になりました。毒親な父親との関係性は特に苦しくなりました。父親が自分のことをどう思っているのかが分かった瞬間の場面がつらくなってしまいました。そんなことがあったにもかかわらず、最後の手紙で感謝と自分の想いを伝えていてとても優しい方なんだと思います。
つらい過去があっても前へ進み、歌手として表現を続けていくAdoの強さがとてもかっこよかったです。 -
匿名
購入済み等身大の「Ado」
Ado自身が作詞作曲を手掛けた2度目の曲「ビバリウム」、ファンとしてこの曲をもっと理解できればと思いこの本を購入しました。
両親から溺愛され「プリンセス」だった幼少期、自分と周囲のギャップを強く感じるようになった小学生時代、ボカロとの出会い、両親の不仲、通信制高校とアクターズスクールを両立させる中途で至った歌い手Adoの鮮烈なデビュー…。
ファンと言っても自分は曲やCDを時折買ったりする程度だったのですが、小松さんの筆致でつまびらかに、そして赤裸々に描き出された彼女の人生は、読んでいて思わずポロポロと涙が溢れました。
この本の発売2日後に公開された「ビバリウム」の実写MVでは、今まで明かされなかった彼女の姿が断片的ながらも映し出されています。「自愛」を目標に掲げるAdoが今、繰り返し嫌いと言ってきた自分を少し好きになれた証でもあるかなと、嬉しくなりました。
Adoを知りたい、興味があるという人に、是非ともオススメしたい一冊です。 -
Posted by ブクログ
娘が惚れ込んだ一脚。デザイン、座り心地、滑らかな触り心地。ショールームの接客の良さ。お値段も一流だが、言葉にならない満足感でいっぱいになる。それがこの本の主役HIROSHIMA。地方の木工会社の長い歴史とその間倒産の危機を繰り返した事実、デザイナー深澤氏側、社長はじめ、生産部門、技術部門の方の視点で再生の苦悩の毎日が描かれる。そして、最終的に強力な助っ人が参戦する。商社の安定した地位を投げ打ちHIROSHIMAに掛けた営業マン。其々の方向性が一致した所で素晴らしい製品が必然的に世の中にヒットする。広島県人としてマルニ木工の家具がサミットでも使われた事は知っていたが、Apple社で使われている事は知らなかった。企業としての再生と言う点より、社員、職人の矜持を凄く感じた。読んでいる間、ずっと「地上の星」が脳内再生されていた。
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ネタバレ令和2年発売、出てすぐに買ったものの積読していた本作。
ドラマ版は田中みな実先生の怪演?が話題になりましたよね!観てないんですが…。ただ、Wikipediaであらすじを読んだところによるとだいぶ小説版とは違ってエンタメ性を加えてあるようです。
小説版は、何を隠そう浜崎あゆみモロ世代、高校生の時大ファンであった私には響きすぎるくらいでした。随所に載せられた歌詞が、全部音楽として頭の中で流れます。素敵でした。
このお話は事実に基づいたフィクション、ですが、どのあたりがフィクションか真実かなんてどうでも良い、あの頃浜崎あゆみを好きだった私を思い出せる素敵な小説でした。
当時ファンだった同世代の方はまだ読んでいなければ是非。 -
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感動と尊敬で心がいっぱいです
たまたま子供に何を読んでるの?
と聞かれたので、
チョークを作っている会社のお話だよ
と伝えたら、
本田さんの話?と言って教科書を持ってきてくれました
エースと呼ばれている本田さんのことが、教科書に載っていたのです
この本を読んで四つの幸せは
人に愛されること。人に褒められること。人の役に立つこと。人から必要とされる事。
働く事で幸せを感じることができるということ
日本理化学工業株式会社の経営陣は素晴らしい人たちです
障がいを持つ人を雇うだけでなく、どうしたら社員が幸せでいられるかを常に考えて行動しています
自分たちも一緒に動き、働く事での気づきや従業員に対しての感謝の気持ちが溢れています
楽な仕事だけして嫌なことからは逃げ、従業員が困っていても解決することもせず、自分の好きに経費を使い、昼間は居眠り、YouTube視聴、口だけ偉そうに知ったような口を聞く経営者が多い中
そして家族経営だと私的なことにばかりお金を使う人も多い中
大山会長、社長、さらに家族で一緒に働いてる人たちみんなが、常に一生懸命働き、サポートし、改善して、土台を作っているのです
頂点に立って、上から見下ろしたりしてないです
こんな会社があるなんて。
この会社で働くすべての人たちは日本の宝ですね! -
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(2016/3/15)
スーパーラグビーレッズで頑張る五郎丸歩の、ワールドカップイングランド大会中の日記を中心に
小松某が解説を加えた本。
分厚いが日記の部分は薄い。
小松さんが書いたエピソードは多くは知ってるものだったが、いくつかは新ネタがあった。
・南ア戦の最後の場面、キックを選択したエディに従えばスタッフはティ―を持って
グランドに入らなくてはいけない。しかしスタッフはリーチのスクラムの選択を待った。
・もしその時キックを選択していたら五郎丸は「はずしていたかもしれない」と。
そんな難しい位置ではないと思うが、そういうことではない。
気持ちが整理できないと入らない、ということを五郎丸は知っている。
現にサモア戦、4トライ目を狙いたい五郎丸に対し、リーチは勝つことを優先、キックを選択。
それが正しいと分かっていても五郎丸は気持ちの整理が出来ず、はずしてしまう。
・スコットランド戦、五郎丸は4本中2本しか入らず。理由は南ア戦のケアを最優先し、筋肉を緩めたままだったから。
走ったりタックルしたりは戻っても、キックは戻らなかった。よく2本入った。(これは日記にもあり)
・ルーティーンを確実にするため、文章に落とすことを荒木さんに勧められた。
途中の歩きが不明確で、8歩、ということを認識したが、しっくりこない。
彼女の勧めで「ドレミファソラシド」にした。
などなど。
そして五郎丸の日記を読んで改めて感じたこと。
このジャパンの中心は廣瀬俊朗だったということだ。
廣瀬が精神的支柱となって素晴らしいチームとなり、ワールドカップ3勝を実現した。
もちろんハードトレーニングにより実力はついていた。
だが、いかに実力があってもそれが本番で発揮できるとは限らない。
十二分に力を出せたのはチームとしてのまとまり、信頼関係があればこそ。
エディHCも当然それに寄与していた。ビジョンを示し、選手に思い切り負荷をかけた。
だが、チームをひとつにしたのは廣瀬だった。
成功する組織というのはこういうものか。
勝てば官軍、勝ったからこそ言えるのだろうけれど、廣瀬の存在の大きさを改めて認識した。
それにしてもエディさん、乞われて行ったイングランドであっという間にシックスネイションズ優勝。
まだ4カ月。チームを作ったわけではないだろうに。。もってる!
それにしてもこの本、ワールドカップでの五郎丸の思考が見え、いい。
練習で目をやられ、アメリカ戦直前まで二重に見えてたなんて知らなかったな。
唯一無二のフルバック。怪我に強いのも大事だ。
サンウルブズにいればなぁ。フル出場だったろうに、、。