先崎学のレビュー一覧

  • うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

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    プロ棋士の先崎学九段がご自分のうつ病体験を克明に書き記したエッセー。闘病記とも言えるだろうか。

    先崎九段は人気将棋マンガ『3月のライオン』で監修もされており、僕も『3月のライオン』ファンとして身近に感じていた棋士の一人だ。
    その先崎九段がうつ病の発症時から克服までの約1年間を本書で時にはユーモアを交えながら、ひたすら詳細に記載、記録している。

    実際、本書を読むまで「うつ病」という病気を自分は相当誤解していた。

    「うつ病」というと、心の病、メンタルの病気と思っていたのだが、実際に本書を読むと「うつ病」は「脳」の病気であるということがよく分かる。
    このことは先崎九段の実のお兄様が精神科の医師なのだが、彼の医師としての言葉にも強調されている。

    先崎九段の病状でもっとも衝撃を受けたのは、超一級のプロ棋士である先崎九段が「詰将棋の7手詰めの問題」が解けなくなってしまったというところだ。
    これは例えて言うならば、
      大学で数学の教授をしいている人が九九が解らなくなってしまった
    というような感じだろうか。
    それもやる気が起きなくて解けないとか、文字が読めなくて解けないというものではなく、実際に頭で理解できなくなってしまうのだという。まさに恐ろしい病気だ。

    そしてうつ病患者にとって『死』と『生』の境界線があいまいに、そして身近になり、ふとしたことから自殺を図ってしまうというのも怖い症状だ。

    このような恐ろしい病である「うつ病」だが、先崎九段のお兄さんも言うように「うつ病」は必ず治る病気だ。
    しっかしと治療すれば必ず治るし、『脳』の機能も回復する。

    今の日本社会は非常にストレスも多く、うつ病を発症する人も増加している。自分の職場にもうつ病を患っているいる人もいる。
    しかし、まだまだ「うつ病」に対する理解が完全にされているという状況ではないだろう。
    本書は、誰でもなりうる「うつ病」という病気の本質を学ぶという意味においても非常に役に立つテキストであるともいえる。
    ぜひ、多くの人に読んでもらいたい一冊だ。

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    2020年08月23日
  • うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

    購入済み

    重い内容でもスラスラ読めました

    作者と同年代で、自分もいまプチ鬱なんじゃないかと思うことがあり(本を読んでほんとうの鬱からはほど遠いとわかりましたが)、実際に鬱になった人の生活に興味があって購入しました。うつ病当事者のお話で重い内容を取り扱っているにも関わらず、コミカルさもある文章でスラスラ読めました。周囲にうつ病の方がいる方に是非読んでもらいたいです。行動を理解するのに役立つと思います(うつ病当事者の方にも読んでいただきたいですが、作者いわく病状が重い時は文章が読めないそうです)。うつ病は脳の病気で、時間はかかっても周囲のサポートと本人の自己治癒力で必ず治る、と前向きなメッセージをもらうことができます。鬱じゃなくても、ちょっと落ちてる時に読むと元気をもらえます。

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    2020年08月11日
  • うつ病九段 無料試し読み版

    購入済み

    大変勉強になりました

    この本を読んで、うつ病の怖さがよく分かりました。突然、誰にでも起こるもので原因は色々なことが重なった時に起こるということを知りました。
    私も思いあたる節がありました。気を付けていても、ふさぎきれないことも有るのだと感じました。
    本当に為になりました。

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    2020年07月25日
  • うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

    購入済み

    出逢えて良かった本です

    最初購入するかしないか迷いました。将棋には全く興味がなく知識も皆無だったからです。ですがこの作品は筆者の体験に基づいた病との闘いを高い文章力を持って綴ったものだったので、ぐいぐいと引き込まれあっと言う間に読み終えることが出来ました。知らなかったことを沢山教えていただきました。本当に読んで良かったです。迷っている方には是非読まれることをお勧めします。

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    2020年07月21日
  • うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

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    うつ病になると、他人のことを考えられなくなるというのと、自分のことを想ってくれる人の存在が救いになるというのが特に響いた。

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    2026年08月21日
  • うつ病九段

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    うつを経験した棋士が無力感、絶望感、脱力感、焦燥感等を赤裸々に描いている。

    読んでいてかつての自分との共通点をいくつも見つけた。
    何もする気になれず、なのに何故か退屈と感じる事はなかった。
    本好きなのに本が読めない、読む気にならない。
    ごはんも美味しいと感じない。
    ワタシは何をしているのだと焦り。
    そして絶えず死にたい、楽になりたい、役に立たない自分が何故生きているんだという思いが散らつていた。
    夜はもちろん寝れず不眠症。
    ようやく少し寝れても朝が来た事にああ、まだ生きてると絶望感に苛まれていてた。
    今思えば、著者より重症だったかもしれない(笑)

    著者は棋士という立場から失われていく棋士としての能力や皆に忘れられていくかもしれない絶望感がありながらも向き合った。
    そしてそれ以上に周りのサポートって大切だなとかんじる。
    今まで築き上げた人間関係からのサポートがあったからこそ早くに再び海千山千の棋士として生きていけているようになったのだから。

    わたしには周りのサポートはなかったけど、引き篭もれる環境を作れなかったからこそ、自力で折り合いをつけるようになったかな。
    長くかかったけど時間が解決してくれたように思う…

    だからこそ言える
    筆者の兄の精神病医が言うように、うつは治る病気だ。
    自殺だけはしないで、取り返しがつかないから。
    今生きてるだけで100点満点。
    強制的にでも健康的なご飯と程よい睡眠と運動と日光浴だけはした方がいい。

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    2026年06月17日
  • うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

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    うつ病になった人の気持ちがひしひしと伝わってきた(°▽°)
    好きなことが突然できなくなるのって辛いだろうな…(°▽°)

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    2026年06月09日
  • うつ病九段

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    本棚に積読している「うつ病九段」。いろんな人から面白いよと勧められ、ドラマも録画済みなのだが、いかんせん、うつ病を題材にしているので、その気分に同調してしまったらどうしようと思ってしまい、ずっと本棚にある。他に優先順位の高い本もたくさんあることも理由の一つだ。

    文喫でコミック版を見つけたので、こちらなら同調する暇もなくすぐに読めるなと手に取ったのだが、やっぱりすごくいい本だった。
    うつ病患者の視点で、病気が具体的にどのようになっていくのか細かく書かれていて、類を見ないリアリティ。

    回復の大変さを読むにつけ、うつにはならないように、脳を忙しくさせないようにしようと思った。

    精神科医である先崎さんのお兄さんがこれまたすばらしい。
    「うつ病というのは本当に簡単に死んでしまうんだ。絶対に自殺だけはいけない。うつ病は必ず治る病気なんだ」
    「死んでしまったらすべて終わりなんだ!究極的に言えば精神科医というのは患者を自殺させないためだけにいるんだ」という言葉は刺さった。
    うつ病は心の病ではなく脳の病気だという。

    毎日、「必ず治る」と一行だけ送り続け、週に一度必ず会って、最終的に執筆を勧めた兄さんの愛はすごいね。

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    2025年12月06日
  • うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

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    ネタバレ

    うつの身に起こる様々な症状をリアルに描写してくれている。言語化が上手い。うつの辛さを少しでも理解したい方にはおすすめの本。

    重度のうつはこんなにもキツいのか。私は中程度のうつと診断されているが、それでもかなりキツい。身体が鉛のように重い感覚は凄く分かります。とにかく何をするにも一、二の三のような決断が必要、という感覚。でもなんとか動けているのでありがたいです。

    日内変動や貧困妄想については初めて知りました。まさに今その状態になっていたので腑に落ちました。ああこれもうつの症状だったんだなって。自分をもっと理解するためにも、もっとうつについて学びたいと思いました。




    以下個人的メモ

    偏見はなくならないよ。人間というのは自分の理性でわからない物事に直面すると、自然と遠ざかるようになっているんだ。うつ病というのはまさにそれだ。何が苦しいのか、まわりは全くわからない。いくら病気についての知識が普及したところで、どこまでいっても当事者以外には理解できない病気なんだよ。

    うつの疲れは、健康な人間の疲れとは本質的に違う。一言で言うならうつの疲れは「辛い」のである。何が辛いんだと言われても困る。脳が勝手に辛いと言う信号を送っているのだ。そして意欲が減退するので、行動、発想などがどんどんしぼんでゆく。だから、うつで病んだときに休むのは休養などと言うものではなく、脳の命令で体が自然と横にさせられているようなものなのだ。疲れも休みもうつのの神様(最低の神様だ)によって、ただただあやつられている。
    元気になるときの感じも全く違う。普通の疲れなら、食事をしたり気晴らしをしたり、昼寝をしたりするたびに少しずつ回復を実感できるはずだ。うつの疲れはこの取れゆく実感というものが全くない。ひたすら脳からの「疲れが取れた」と言うサインを待つよりないのである。


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    2025年08月29日
  • うつ病九段

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    山本文緒先生の再婚生活、柚月裕子先生の盤上の向日葵のあとに読んだ本。
    将棋+うつでちょうどMIXされた内容。山本先生のエッセイよりも、もっとうつについて分かりやすく書かれている感じがする。なるほどねー。と思いながら楽しんで読めた。何より、先崎先生ならきっと大丈夫だろうという不確かな自信が安心感を与えてくれた。この先のお話も読んでみたい。

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    2025年04月30日
  • うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

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    うつ病の家族を理解するために読んだ。
    必ず治る脳の病気。

    正直読むのがしんどくなる時もあったが、
    分かりやすくうつ病の実情を述べてくれるので、
    あぁこういう感じなのか、しんどいだろうなと

    うつ病ぽいとうつ病は違うんだなと

    なんとなく分かったことが増えたので
    読んで良かった

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    2025年04月06日
  • うつ病九段

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    本はとても共感でき読みやすい。
    映像化されていたのも観たが鬱の演技があまり共感できるものではなかった。

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    2025年01月15日
  • 先崎学&中村太地 この名局を見よ! 20世紀編

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    好きな棋士は?と聞かれれば、森雞二と答える。(「鋼鉄のマシュマロ」こと力戦派の森安秀光の将棋も好き)
    初めて森の棋譜を見たのが、確か高校時代に新聞の棋聖戦予選(だったと思う)で、まだ七段の森が昼休みを返上して対局室の明かりもつけずにヨミに没頭する姿を観戦記者が「闇夜の棋士」と表現したのが印象的で、特に逆転勝ちが多い(逆に言えば序盤から作戦負けになる)ため、「終盤の魔術師」との異名も。実際、「中盤まで4:6の分かれなら私が有利」と終盤戦に絶対的自信を持っていた。それ故に勝利に対するこだわりもハンパなく、対局中の控え室モニターに向かって「間違えろ」と相手に念を送っていたらしい(「週刊将棋」記事によると、その甲斐あってか相手が何度か悪手を指したらしい)。人の目を気にせず己の最善手より相手の悪手を念じるところがいかにも人間くさい。
    そんな森将棋に本来のゲームとして持つスリルとワクワク感を感じとったのが、先崎学八段。「一葉の写真」では森将棋の魅力に心酔していたのがよくわかる。そんな森贔屓の先崎が紹介する名局案内なので、読まない訳にはいかない。共著は中村太地で二人とも米長邦雄門下。18歳離れた二人は飲み友でもあるらしい。
    森将棋から選局されたのは、あの歴史的大逆転劇で有名な二上棋聖とのタイトル戦第一局(芹澤博文氏の30譜にわたる新聞観戦記も有名)ではなく、内藤國雄九段との昇級をかけた順位戦B1の持将棋指し直し局が選ばれている。終局は持将棋をはさみ翌朝の3時45分という熱戦で森が魔術師ぶりを発揮して逆転勝ち。(ちなみに選ばれた13対局の内、森のもう1局は順位戦での森王位対大内延介九段戦で、大内の勝ち)
    その大内延介先生とは引退後に新橋で彼の所蔵品である将棋盤や駒の展示即売会がありお会いしてお話させてもらいました。それから数年で訃報を聞き驚きました。
    そんなことを思い出しながら読みました。
    P.S.
    森先生と大内先生は、まだ二人とも若手時代に森先生が大内宅に押し掛けて1日何十局も指していたそうです。晩学の森先生は棋譜並べではなく、実戦で強くなった棋士です。42歳で谷川浩司王位に挑戦した時、「体で覚えた将棋をみせる」と語って見事に奪取。ちなみに、弟弟子の郷田真隆九段は破天荒な森将棋とは真逆のプロ棋士が憧れる格調高い正統派ですが、「いい手は指が覚えている」と兄弟子を彷彿とさせる名言を残しています。

    関連記事:
    【1988年、第29期王位戦に谷川浩司王位の挑戦者として登場した際マスコミに、「身体で覚えた将棋を教えてやる」と発言し谷川を挑発。下馬評では当時名人だった谷川が有利との見方が大勢だったが、3-3で迎えた第七局、十八番のひねり飛車で谷川を破り、王位を獲得した。次期谷川がリターンマッチを挑む際「あれだけやられたのにまだ懲りないのですか」と再度挑発し話題となった。番勝負は1勝4敗で森の防衛失敗となった。(Wikipedia)】
    【先崎学は十代の頃森の将棋に心酔し集中的に並べたという。プロになった先崎は、当時低迷していた森との対局に当たって坊主頭で現れた。ただし、河口俊彦に「彼は君と指せるからというので坊主になってきたんだ。しっかりやれよ」と教えられるまで森本人すら「なにか坊主にならないといかんようなまずいことをしたんだろう」としか思っていなかったという(河口『人生の棋譜 この一局』新潮文庫)】

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    2024年09月01日
  • うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

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    トップ棋士+うつ病みたいなとても珍しい組み合わせの経験をされた著者。うつ病から回復する過程が棋士目線から生々しく書かれており、読者も追体験することができる。

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    2023年10月08日
  • 将棋指しの腹のうち

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    頭の中で情景が浮かんでゲラゲラ笑いながら読みました!
    若き鈴木九段と体を張った奨励会員の話がとてもツボりました

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    2023年05月22日
  • 将棋指しの腹のうち

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    あとがきにも書かれていたけど、コンプラゆるゆるの時代の飲み食い日記でした。将棋のルールは全く分からないけど、彼らの頼むランチやスイーツがなぜかすごく魅力的で、それ目当てで見てしまう事も多いです。ひふみんは、将棋界ではすごい方なんですね。普段は垣間見れない将棋界の裏や、対局後の話、そしてやっぱり羽生さんは羽生さんだった。頂点に立つ人は流されずブレない。

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    2023年05月22日
  • うつ病九段

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    うつ病の私と全く同じ経過を辿っていて、私は怠けではなくちゃんと病気なんだと安心した。

    活字を読みにくいうつ病患者からすると、漫画化されているのは非常にありがたい。

    寛解するところまで書かれていたらもっと良かったと思う。

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    2023年05月02日
  • うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

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    うつ病と向き合うことの辛さが伝わってくるが、そんな中でも「え、そんなことまで正直に書いちゃうの」と開けっぴろげなエピソードの連続で先崎先生に非常に好感を持った。

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    2023年02月27日
  • うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

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    プロ棋士の先崎学さんが、2017年にうつを発症し、回復するまでの一年間の闘病記です。

    至極ひょうひょうと軽やかな文体で、とても読みやすいエッセイです。うつの闘病記ですが重苦しさは感じません。私はこの本を読むまで先崎さんのことを存じ上げなかったのですが、読後、動画などで先崎さんを拝見したら、文体のとおりの見た目と声に嬉しくなりました。

    うつにより無反応、無感動、無気力であった著者がすこしずつ自分をとりもどしていくまでを書いています。
    後半は寛解間近の、感覚や感性を取り戻した時期に、リアルタイムの自分について書いていて、将棋界への復帰直前ということもあって文章のドライブ感がすごいです。まあ、うつの最悪なときは床に伏せっているか散歩しかなく、無感動状態なのでドライブしようがないんですけども。小さかった芽が幹になっていくような力強さ。うつろな目に光が宿ったあとの、意志をもった人によるイキイキとした文章にいっそう惹きつけられます。

    先崎さんの場合は、実兄が精神科医であったことが救いのひとつであったと思います。医者から患者への断言をさけた説明でなく、兄から弟へ、身内にむけた遠慮のない意見がむしろ力強かったことでしょう。「うつ病はかならず治ります」この一文がどれだけ支えになったことでしょうか。

    そしてもうひとつは間違いなく、将棋があったこと。少年期にいじめられ、教師にも恵まれなかった彼を腐らせず育ててくれた将棋(と将棋界)は、再起への希望となっただけでなく、将棋を打つ時の感覚で自分のコンディションを把握できる、先崎さんオリジナルの体調管理方でもあったのです。まさに芸が身を助けたのです。

    読後に先崎さんの復帰戦の動画を拝見しました。自分の勝ちを読みきってか、ぶるぶる震える手で駒をうち勝利をもぎとる姿は感動ものでした。

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    2022年12月09日
  • うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

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    将棋の世界にゆかりのない自分からはまず手に取ることはなかったであろう本。上司からあっという間に読めるからと手渡され読んでみて本当によかった。うつ病は心の病気ではなく脳の病気、こんなにも苦しいけれど必ず治る。回復過程のエピソードなどとてもわかりやすい体験談。私は何にもわかっていなかったとつくづく。今つらい人も、そうでない人もたくさんの人に手に取ってほしいと思いました。

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    2022年04月19日