先崎学のレビュー一覧
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プロ棋士の先崎学九段がご自分のうつ病体験を克明に書き記したエッセー。闘病記とも言えるだろうか。
先崎九段は人気将棋マンガ『3月のライオン』で監修もされており、僕も『3月のライオン』ファンとして身近に感じていた棋士の一人だ。
その先崎九段がうつ病の発症時から克服までの約1年間を本書で時にはユーモアを交えながら、ひたすら詳細に記載、記録している。
実際、本書を読むまで「うつ病」という病気を自分は相当誤解していた。
「うつ病」というと、心の病、メンタルの病気と思っていたのだが、実際に本書を読むと「うつ病」は「脳」の病気であるということがよく分かる。
このことは先崎九段の実のお兄様が精神科の医師 -
購入済み
重い内容でもスラスラ読めました
作者と同年代で、自分もいまプチ鬱なんじゃないかと思うことがあり(本を読んでほんとうの鬱からはほど遠いとわかりましたが)、実際に鬱になった人の生活に興味があって購入しました。うつ病当事者のお話で重い内容を取り扱っているにも関わらず、コミカルさもある文章でスラスラ読めました。周囲にうつ病の方がいる方に是非読んでもらいたいです。行動を理解するのに役立つと思います(うつ病当事者の方にも読んでいただきたいですが、作者いわく病状が重い時は文章が読めないそうです)。うつ病は脳の病気で、時間はかかっても周囲のサポートと本人の自己治癒力で必ず治る、と前向きなメッセージをもらうことができます。鬱じゃなくても、ちょ
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購入済み
大変勉強になりました
この本を読んで、うつ病の怖さがよく分かりました。突然、誰にでも起こるもので原因は色々なことが重なった時に起こるということを知りました。
私も思いあたる節がありました。気を付けていても、ふさぎきれないことも有るのだと感じました。
本当に為になりました。 -
購入済み
出逢えて良かった本です
最初購入するかしないか迷いました。将棋には全く興味がなく知識も皆無だったからです。ですがこの作品は筆者の体験に基づいた病との闘いを高い文章力を持って綴ったものだったので、ぐいぐいと引き込まれあっと言う間に読み終えることが出来ました。知らなかったことを沢山教えていただきました。本当に読んで良かったです。迷っている方には是非読まれることをお勧めします。
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本棚に積読している「うつ病九段」。いろんな人から面白いよと勧められ、ドラマも録画済みなのだが、いかんせん、うつ病を題材にしているので、落ち込んだ気分が伝染したら困るなと、ずっと本棚にある。
文喫でコミック版を見つけたので、こちらで読んでみようかなと手に取った。
うつ病患者の視点で、病気が具体的にどのようになっていくのか細かく書かれていて、他には無い内容だった。
うつにはならないように、脳を忙しくさせないようにしようと思った。回復は大変だ。
ただ、精神科医のお兄さんが言った
「うつ病というのは本当に簡単に死んでしまうんだ。絶対に自殺だけはいけない。うつ病は必ず治る病気なんだ」
「死んでしまっ -
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ネタバレうつの身に起こる様々な症状をリアルに描写してくれている。言語化が上手い。うつの辛さを少しでも理解したい方にはおすすめの本。
重度のうつはこんなにもキツいのか。私は中程度のうつと診断されているが、それでもかなりキツい。身体が鉛のように重い感覚は凄く分かります。とにかく何をするにも一、二の三のような決断が必要、という感覚。でもなんとか動けているのでありがたいです。
日内変動や貧困妄想については初めて知りました。まさに今その状態になっていたので腑に落ちました。ああこれもうつの症状だったんだなって。自分をもっと理解するためにも、もっとうつについて学びたいと思いました。
以下個人的メモ
偏 -
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好きな棋士は?と聞かれれば、森雞二と答える。(「鋼鉄のマシュマロ」こと力戦派の森安秀光の将棋も好き)
初めて森の棋譜を見たのが、確か高校時代に新聞の棋聖戦予選(だったと思う)で、まだ七段の森が昼休みを返上して対局室の明かりもつけずにヨミに没頭する姿を観戦記者が「闇夜の棋士」と表現したのが印象的で、特に逆転勝ちが多い(逆に言えば序盤から作戦負けになる)ため、「終盤の魔術師」との異名も。実際、「中盤まで4:6の分かれなら私が有利」と終盤戦に絶対的自信を持っていた。それ故に勝利に対するこだわりもハンパなく、対局中の控え室モニターに向かって「間違えろ」と相手に念を送っていたらしい(「週刊将棋」記事によ -
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プロ棋士の先崎学さんが、2017年にうつを発症し、回復するまでの一年間の闘病記です。
至極ひょうひょうと軽やかな文体で、とても読みやすいエッセイです。うつの闘病記ですが重苦しさは感じません。私はこの本を読むまで先崎さんのことを存じ上げなかったのですが、読後、動画などで先崎さんを拝見したら、文体のとおりの見た目と声に嬉しくなりました。
うつにより無反応、無感動、無気力であった著者がすこしずつ自分をとりもどしていくまでを書いています。
後半は寛解間近の、感覚や感性を取り戻した時期に、リアルタイムの自分について書いていて、将棋界への復帰直前ということもあって文章のドライブ感がすごいです。まあ、う -
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著者の兄の精神科医の言葉が印象にのこった。
「(うつは)いまだにこころの病気といわれている。うつ病は完全に脳の病気なのに。」
「うつ病患者というのは、本当に簡単に死んでしまうんだ。」
「うつ病は必ず治る病気なんだ。必ず治る。人間は不思議なことに誰でもうつ病になるけど、不思議なことにそれを直す自然治癒力を誰でも持っている。だから、絶対に自殺だけはいけない。死んでしまったらすべて終わりなんだ。」
「医者や薬は助けてくれるだけなんだ。自分自身がうつを治すんだ。風の音や花の香り、色、そういった大自然こそがうつを治す力で、(散歩をすることで)足が一歩一歩それらのエネルギーを取り込むんだ!」
冒